第1章 MIDIの基本



1.01 ディジタルとアナログ

MIDIについてに知る上で「ディジタル」と「アナログ」の 2つをよく理解しておく必要があります。
ディジタルとは、「途中は存在しないこと」です。例えば、普通 数を数える場合1、2、3、といったように数えます。間の0.5とかは考えていないのです。
これに対しアナログとは、「途切れることがないこと」です。連続的という表現も使われます。
ディジタル、アナログにはそれぞれ長所・短所が当然あります。しかし、これは場合によって全然逆のものになったりするものです。
ディジタルでは上の話の場合だと 0.5 という数は表現できず、0 か 1 のどちらかとしか扱うことが出来ません。このようにディジタルで表した数は実際の数に近くても等しくはないのです。どうしてもあるレベル以下の量を「切り捨て」なければならないのです。
しかし、逆に言えば切り捨てることで数として表現できるともいえます。


1.02 ディジタルとコンピュータ

現在のコンピュータは基本的には「ディジタル的」な考えで動作しています。コンピュータはあらゆる情報を数として扱っています。
数を表現する方法として、電気回路のONの状態を「1」、OFFの状態を「0」に対応させています。これは数学的にみれば「2進法」なのです。


1.03 2進数、ビット、バイト

2進法を使って表した数は「2進数」と呼ばれます。2進数は 0 と 1 の 2つの数字だけで数を表現します。
私たちが普段使っている数は「10進数」で 0 から 9 までの 10個の数で表しています。0 から順番に値を増やしていくと 9 の次は 10 になり桁が増えます。2進数でも同様に 0、1 のつぎは 10、11 となっていきます。
一般に2進数の桁数「ビット(bit)」と呼びます。つまり、10010 は 5桁なので 5ビットの 2進数と言うことになります。
MSBとLSBn ビットの 2進数は 2n 個の情報を表現できます。例えば、8ビットであれば 0〜11111111 までの 256個、16ビットであれば同じように 65,536個です。
また、「何ビット目」という様にある特定の桁を表すときにもビットを使います。また、最上位のビットMSB (Most Significant Bit)最下位のビットLSB (Least Significant Bit) と呼びます。
桁数を表すのに「バイト(byte)」と呼ばれるものもよく使われます。ビットとバイトの関係は 8 ビット = 1 バイトです。これは便宜上こう呼ばれるだけで、鉛筆12本で 1ダースと呼ぶのと同じで数自体はなにも変わりません。
数の大きさを表す K や M といった記号は10進数とは違い次のような定義になっています。
 1K(キロ) = 210 = 1,024
 1M(メガ) = 220 = 1,048,576
 1G(ギガ) = 230 = 1,073,741,824

10進数、2進数、16進数の関係
10進数2進数16進数
00000 000000
10000 000101
20000 001002
30000 001103
40000 010004
50000 010105
60000 011006
70000 011107
80000 100008
90000 100109
100000 10100A
110000 10110B
120000 11000C
130000 11010D
140000 11100E
150000 11110F
160001 000010


2進数はコンピュータにとっては理解しやすいものですが、数が大きくなるとどうしても桁数が大きくなり人間にとっては理解しにくくみづらいものです。
そこで、2進数の特徴を崩さずに人間にも見やすいような数として「16進数」が非常によく使われます。
16進数は 1桁で 2進数 4桁分を表現できます。どのようになっているかというと、10進数の 9までは10進数と同じで10にあたるものを A、11にあたるものを B、・・・、15にあたるものを Fとあらわすのです。

☆10進数から2進数を求める計算法☆
10進数 467 を2進数で表してみましょう。

1.467を商が0になるまで2で割りつづけます

  2 ) 467
  2 ) 233  ... 1
  2 ) 116  ... 1
  2 )   58  ... 0
  2 )   29  ... 0
  2 )   14  ... 1
  2 )    7  ... 0
  2 )    3  ... 1
  2 )    1  ... 1
         0  ... 1

2.途中出てきたあまりを下から順番に並べれば答えです

  答え : 1 1101 0011


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