1872-74年のドイツと日本の出来事
1872年
・ドイツに好景気到来
・ドイツ人口約4000万人に(約2/3が農業従事)
・プロイセン学校監督法公布(国家による学校教育の監督)
・ドイツ・オーストリー・ロシア三帝会談開始
・企業による厚生福祉設備の設置開始
・農場領主による警察権廃止(地方行政の改革)
明治
5年
・竜切手(銭単位)、仮名なし桜切手発行
・日本最初の郵便帯紙(書留新聞紙)発行
・東京−横浜間鉄道開設
・田畑永代売買解禁
・国立銀行条例
・徴兵告論による兵役の義務
・福沢諭吉、「学問ノススメ」を刊行
・学制頒布
・師範学校設置
・太陽暦採用
1873年
統一ドイツ最初の官製葉書発行
・五月諸法発布(カトリック教会に対する国家統制の強化)
・貨幣法発布(銀本位制から金本位制へ)
・フランス、50億フランの賠償金をドイツへ完済
・文化闘争始まる
・大不況始まる(1873年末頃から。景気回復は1895年)
・作曲家 マックス=レーガー生まれる
明治
6年
・日本最初の官製葉書(紅枠葉書)発行
・日本最初の切手付き封筒(手彫封皮)発行
・地租改正条例
・キリスト教解禁
・徴兵制
・家禄奉還
・ウィーン万国博参加
1874年
・七年制軍事予算案通過(フランスの陸軍再建に対抗)
・カルテル結成
明治
7年
・仮名入り桜切手発行
・大阪−神戸間鉄道開設
・陸軍士官学校開設

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1872-1874年に発行されたドイツ切手

1872.1.1 (水曜 Mittwoch, Wednesday)

 この日、ドイツ統一後最初のシリーズである鷲の紋章切手が、バイエルン王国とヴュルテンベルク王国を除くドイツ全地域で発行されました。紋章の大きさは、2種類あります。さらに、前年の1871年11月24日に統一通貨としてMark(マルク)が導入されたとはいっても、以前の通貨がまだ2種類も通用していたので、切手もそれに合わせて通貨ごとに発行されました。一見すると額面が一続きのシリーズであるかのように誤解してしまいますので、注意してください。
 ドイツ統一以前の諸国でまちまちだった郵便料金は、紋章切手発行後も、各地の特権のようにいくつか残されていました。このため、紋章図案切手の使用例は郵便史的にも大変興味深いものがあります。

1.小型紋章シリーズ 

 小型紋章シリーズは、切手の中央にエンボスされた鷲に描かれている胸当ての大きさが小型のものです。実際は、胸当ての大きさを見るまでもなく、鷲自体が痩せたように細く見えるので、区別は容易です。なお、小型の胸当てに描かれているのは、プロイセン王家の紋章です。

小型 大型

1.1 Groschen単位シリーズ

 Groschen(グロッシェン)は、北ドイツ地方を中心に通用していた通貨です。30Groschenが1Thaler(ターラー)で、1Thalerは3Mark(マルク)に換算されました。

1/4Groschen 1/4Groschen
特別低料金地区に定められた郵便用
ブラウンシュヴァイク、旧トゥルン・ウント・タクシス管轄地区の市内用書状
ブラウンシュヴァイク、ドレスデン、ライプチヒ管轄地区の市内用印刷物、商品見本
1/3Groschen 1/3Groschen
特別低料金地区を除く印刷物、商品見本
40gごとの加算料金で200gまで(〜1872.6.30)、50gごとの加算料金で250gまで(1872.7.1〜)
1/2Groschen 1/2Groschen
特別低料金地区を除く市内用書状、葉書(1872.7.1〜)、等
1Groschen 1Groschen
15gまでの市外用書状、葉書(〜1872.6.30)、市内用書状の特別低料金書留料、1Thalerまでの価格表記、等
2Groschen 2Groschen
15gを超え250gまでの市外用書状、書留料、配達証明料、1Thalerを超え50Thalerまでの価格表記、50Thalerまでの郵便為替、等
5Groschen 5Groschen
小包、価格表記、外信書状、等

・一部の地域で前年の12月に誤って発行されています。
・初日使用例は、少ないながらもいくつか知られています。
・エラーとして、無目打ちがあります。こちらの方が初日使用例よりはるかに希少です。
・1/2Groschen〜5Groschen切手の有効期限は、1875年12月31日です。他の額面の有効期限は、1874年12月31日です。

1.2 Kreuzer単位シリーズ

 Kreuzer(クロイツェル)は、南ドイツ地方(バーデン、ヘッセン、ホーエンツォレルン・ジクマリンゲン、コーブルク、ザクセン・マイニンゲン、シュヴァルツブルク・ルードルシュタット、フランクフルト等)を中心に通用していた通貨です。60Kreuzerが1Gulden(グルデン)で、GroschenやMarkとの比率は、35Kreuzer=10Groschen=1Markでした。

1Kreuzer 1Kreuzer
特別低料金地区に定められた郵便、その他の地区の印刷物、商品見本
バーデン、旧トゥルン・ウント・タクシス管轄地区の市内用書状・印刷物・商品見本、
他地区の印刷物・商品見本で40gごとの加算料金で200gまで(〜1872.6.30)、50gごとの加算料金で250gまで(1872.7.1〜)
2Kreuzer 2Kreuzer
15gまでの市内用書状、葉書(1872.7.1〜)、バーデンの市内用重量書状(15gを越えて250gまで)、等
3Kreuzer 3Kreuzer
15gまでの市外用書状、葉書(〜1872.6.30)、市内用書状の特別低料金書留料、バーデンの地方宛の250gまでの書状、等
7Kreuzer 7Kreuzer
15gを越え250gまでの市外用書状、書留料、配達証明料、87.5Guldenまでの郵便為替、等
18Kreuzer 18Kreuzer
小包、価格表記、外信書状、等

・換算比率として正しいのは、青色の2Groschenと青色の7Kreuzerだけです。他の額面の切手では、同じ色同士の比率を比較してみるとわかりますが、微妙に異なっています。
・刷色が同じなため、Kreuzer額面の切手がGroschen通貨の地区で誤って使用された例があります。もちろん、逆の誤用もあります。
・すべてのKreuzer額面の有効期限は、1874年12月31日です。

1.3 高額シリーズ

 高額面の切手は、Groschen単位でのみ発行されていますが、Kreuzer単位の地区でも(換算して)使用できました。高額面のため、窓口では販売されず、郵便局の中でのみ使用されました。すなわち、局員が差出人から代金を受け取って局内で切手を貼り、さらに切手の全面に手書きで局名と日付を書き込んで抹消しました。単なる「×」印では偽造に使われる恐れがあったため、念入りに書き込まれた使用例が普通です。まれに、誤って通常の日付印が押されたものがあります。押してから気づいたのか、日付印が押されたその上にさらに局名と日付を書いた使用例もあります。

30Groschen 10Groschen, 30Groschen
小包、価格表記、他

・有効期限は、1874年12月31日です。


1872.4.1 (水曜 Mittwoch, Wednesday)

2.小型紋章シリーズ 改色

 1/2Groschenと1Groschen、そして2Kreuzerと3Kreuzerが、どちらも赤系統で、特にランプの光で互いに区別が難しいという問題から、1/2Groschenと2Kreuzerの刷色を黄色味の強い橙色に変更したものです。

1/2Groschen 1/2Groschen
特別低料金地区を除く市内用書状、葉書(1872.7.1〜)、等
2Kreuzer 2Kreuzer
15gまでの市内用書状、葉書(1872.7.1〜)、バーデンの市内用重量書状(15gを越えて250gまで)、等

・2Kreuzer切手の使用例が高価なことから、変色による偽造がありますので注意してください。
・1/2Groschen切手の有効期限は、1875年12月31日です。2Kreuzer切手の有効期限は、1874年12月31日です。

→紋章シリーズの続きがあります。こちらをクリックしてください。

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