お気に入りの音たち Home

Album

 


「WinDsOngS」 ♪Matsz

2002.8
\1,500(送料込み)
入手は直接Matszさんサイト
Matsz Music Room


自宅録音で、キーボードやプログラミングはもちろん、ヴォーカル、ギターもMatszさんの手によるアルバム。
ゲストプレイヤーにRXでもお馴染みのソプラノサックスの岩佐真帆呂氏が2曲参加。
ほのかに外国の香りがする、やさしく熱いアルバムです。サンプリングによる生楽器以上の生楽器も必聴。

1. From Dawn Till Dusk  

柔らかな光差すようなシーケンス音に、5拍子、カッティングのギターが重なり、まろみを帯びたギターの音が続く。
暴れるリズムと暴れるWind系シンセ。次々と展開され、サックス、そして甘いヴォーカルと・・・、色々な音の魅力を余すことなく放つ作品。

2. db  

変拍子のリズム、フレットレスベース。ヴァイオリンとギターのユニゾン?乾いたピアノ、緊張感漂う世界に誘う。

3.
Atmos 

アコースティックなギターのアルペジオにのせて、気だるいヴォ−カルがファンタスティックな感じ。
フレットレスベースソロ?、ハードさとフワっと感を備えたお洒落な作品。

4. Forest Guardian

小鳥のさえずり、川のせせらぎ?、オーケストラゼーションされた壮大でドラマティックな演奏に、ソフトなヴォーカルがなぜかよく会う。
ドラムにかわって、ティンパニー。エレキベースに変わって、コントラバス。クラシカルな楽器まで熟知したmatszさんならではのアレンジ。
後半はエレクトリックな世界も加わり、スペクタル・ミュージカル、プチオペラの世界がそこに展開される。大作。

5. Circle 

ソプラノサックスとフルートがさえずる。スペーシーでクラシカルな心地よいインスト作品。

6. Zeal 

ちょっとオリエンタルな雰囲気かと思いきや、ロック好きには嬉しい、ハードにそしてメロディアスに展開、スピード感のある作品。
ディレイの広がるギターやオルガンの音に懐かしさを憶える、正統派のロック。ヴォーカルもとてもセクシーでマッチしてます。

7. Just Feel it! 

やさしいコーラスにささえられた、異国情緒溢れるゆったりとした作品。ラストにふさわしい、後味ほんわかな曲。


(2002年12月28日)  

<アルバムの魅力〜音楽よもやま話より

こんな聴かれ方をして作者が嬉しいかどうかわからないのですが、以下作品「WinD sOngS」に興味を持ったのは、基本自宅録音でこれだけのリアルなサウンドが創れるという、
現在の技術と、ご本人の力量に驚いて。も理由のひとつなのです。
私がリアルだとか本物(意味一緒ですが^^;)といっているのは、バーチャルな中での表現力としての感動から。と思っていただければと思います。
もちろん、本物の楽器をもってくれば、それなりのものはある意味当たり前にできるはずで、リアリティという意味では絶対的なものだと思います。
でもそれをバーチャルな空間、卓上でやってしまうという、すごさ、恐ろしさをこのアルバムに感じました。

ず〜っと前にもここで書いた気がするんですが、本物を表現するためには、それぞれの楽器の特徴をわかっていなければならない。音域はもちろん、演奏法も、楽器の癖も。
これはたぶん、私が小さい頃から、エレクトーンやほかのキーボードで「フルート」「ヴィオリン」「ストリングス」とか、
あまりにうそ臭いネーミングが付いた造られた音を、ただ鍵盤上でピアノやオルガンと同じ奏法で弾いていたときの気持ち悪さ。からのトラウマなのかも知れませんが、
あるいはバンドの中で一番いろいろな楽器の音を求められる、キーボードをやっていた(いる?)ということもあるのかも知れませんが、どうやったらそれらしい音がだせるんだろうという気持ちはついてまわるものでした。
サンプリングという技術ができて、15年ちょっと前ぐらいですかね、その時、こりゃスゴイと。でもやっぱりただ鍵盤で弾いても、楽器によってはあまりにかけ離れてるなぁと。

先日BBSでmatszさんに「ギターフレーズはご自分で弾かれてるのですか?」と伺って「ソロなどあれだけ弾けるのなら、ギタリストとしてやってると思います。」と笑われてしまったのですが(笑・そりゃそーだ)、
この質問には、まるまるバリバリに弾いているのか?(=上モノとして録音か)というより、(私なりにきれい系な音のピッキングやFBなどバーチャルを感じたりしますので)
どこまで「フレーズ」として取り込まれてるのだろうかと思いまして、仕組みを理解していないからなおさらなんですが、音としてとってフレーズを組み立てているなら、楽器表現の推移を表すには気の遠くなる作業なのでは?とか。
歪んだ音などではリアルさが増してますし(処理にもよるのかもしれませんが)、こーゆーのはある程度かたまりフレーズで弾いてしまうのかなぁとか。
私にとっては不思議がいっぱいだったのです。

ほんとにナチュラルで心地よいアルバムで、このような聴き方をする必要はないですが、私はそんなことも思いながらつい聴いてしまいました。
作品のやさしさの陰には技術だけでなく、強靭な精神力と集中力が隠されているとお察しします。

(2002年8月18日)


このページのトップへ   RXとは!へ