Kず あさがほ

新品種育成

立田葉茶切咲

侘び寂びの世界を目指して


黄立田葉が最終的に4株残りましたが、
いずれも花色が薄いものばかりでした。
残念ながら‘モミジ’の作出は持ち越しとなりました。

両親とF1の双葉

♀親

♂親

x

F1

両親(上段)とF1(下)の花

表現型

優勢

劣勢
備考

黄葉

Y:青

y:黄葉
葉の色を薄黄緑に変更。♂親が持つ。今回の育種目標としては、青葉、黄葉、いずれでも良いが、dyと近接しているため、黄葉を選抜することにより子葉時点でdyを選抜することが可能。

立田

M:並

m:立田葉
切咲き
本葉の翼片が細く切れ込み5枚葉のようになる。モミジ葉

SR:並

sr:鼻葉
本葉の翼片の先を丸める。本葉を人間の鼻に見立てて。
今回の目的としては、鼻形質は除外したい。

PR:並

pr:紫
野生型の花色、青を紫に変更
♀親が紫を持つと仮定

暗紅

MG:並

mg:暗紅
野生型の花色、青を暗紅に変更
♂親が暗紅を持つ。

DY:

dy:茶
花色を渋くする。mgと共存することで茶色を表す。黄葉のyと極めて隣接するため、非常に強く連鎖する。今回の♂親である団十郎がmg/y

mとdyは同じ第三染色体にのるため、通常は連鎖する。
よって、単純にはF2でも分離しないが、
ある確率で連鎖が切れることが知られている。
両遺伝子の位置関係からF2でのmm/dydyの出現確率は、約1/55。

F2世代

胚軸・子葉の分離


いくつかは黄立田葉の株が出ているようです。


目的の黄立田株です。
ただ、アントシアンがしっかり出ているので茶色ではなさそうです。

これまでに約220株発芽して、目的の黄立田は5株。
当初の理論値、1/55に近い値です。
結局、約320株発芽して、黄立田は9株。2.8%でした。
理論値より少し高率な出現率でした。

9株中2株は鼻(sr)因子が入っているため、
目的のようなモミジ葉になりませんでした。

また、7株中3株は、軸色が紫や濃い紅色で茶色ではないと思われます。
残りの4株が最終的な目的株となります。



左は黄立田+蜻蛉?  右は黄立田+州浜(今回は州浜がないほうがよい)


ページトップの花以外もいずれも薄い花色ばかり。
遺伝子地図を確認したところ、m立田の近くにlt淡色因子があり、
立田系統がこれをもっていたようです。

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