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またまた、名称に関することですが、市販されている「紅ちどり」。 冠名として「枝垂れ」とありますが、この品種は遺伝形質でいうところの‘枝垂れ’ではありません。支柱を立てればツルが巻きます。 本当の‘枝垂れ’形質は戦後、新たな形質として見つけられたもので、支柱があってもまったく巻きつきません。 「紅ちどり」の変異形質は‘姫’という葉や花が小さくなるものです。 |
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鮮やかな紅赤の花をつける有名な「スカーレットオハラ」。 古風な和風テイストいっぱいのアサガオにあって、ハイカラな名前である。 日本のアサガオが欧米に渡り改良され、逆輸入された品種である。 これは、れっきとしたIpmoea nil なのだが、欧米から紹介されたため「ヘブンリーブルー」などと同じ西洋アサガオとされている。 ‘西洋から紹介されたアサガオ’であって、‘西洋アサガオ’ではない。 ぜひとも正しく取り扱ってもらいたいものである。 |
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巷で茶色のアサガオが「団十郎」と呼ばれているが、「団十郎」は特定の品種(系統)を指している。 そもそも歌舞伎の団十郎が好んだ色ということで茶色のある系統が「団十郎」と名づけられたが、今では、茶色の品種をなんでも「団十郎」と呼んでいるようである。 アサガオには戸籍はないので間違いと言えないが、なんでもかんでも「団十郎」と呼ぶのはいかがなものか。 本当の「団十郎」が認知されるようになってもらいたい。 |
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分類学的には、ヒルガオ科イポメア属に属する Ipmoea nil (イポメア ニル)である。 マルバアサガオと言われる、Ipmoea purprea (イ パープレア)や 澄み透った青い花が印象的な「ヘブンリーブルー」に代表される Ipmoea tricolor (イ トリコロール)などもアサガオと呼ばれることがある。 花は明け方に開き、昼頃には閉じてしまう一日花。 また、いずれも比較的暖かい気候を好む。 |
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もともとのアサガオは、直径数cmの青水色の丸い花をつけるツル性の植物である。遣隋使(遣唐使?)の頃に中国から薬として渡来したと言われている。 様々な遺伝子の変異が起こり、江戸時代に何度かブームが起き、更に変異が増え、様々な変異を重ねることによるとても普通のアサガオとは思えないような今日の変化咲き朝顔や、20cmを越えるような巨大でいろんな色の朝顔が登場することになった。 |