準備万端にして、急いでオーロラ観測小屋へ向った。小屋の中は「シ〜〜〜ン…」という音が聞こえそうなほど静か。しばらくは外で見ていて「あっちの方、白っぽくない?」「あれがそうかなぁ…」なんて言っていたけど、まだオーロラを見たことない私たちにはどんな感じで出始めるのかとかが良くわからなかった。 寒くなってきたので小屋の中で待機することにして、窓の外をジッと見つめること数十分。「あれ…も、もしや!」と思えるモヤモヤが見え始めたので、外に出て近くにいたひとに聞いたら「そう、緑帯のね」と教えてくれた。や、やった…!「もっと明るくなりますか?」と聞くと「それはこれからのお楽しみ」と言われた。見え始めたオーロラはうっすらとだけど色が濃くなってきたな、と思ったらまた薄くなってしまった。私は「こんなしょぼいオーロラを見るために18万円も払って2回も飛行機を乗り継いでアラスカまで来たんじゃない!」と内心怒っていた。 ふてくされ気味で空を仰いでいたら、右側の空にどんどん白っぽいものが見え始め、色も緑色に濃くなってきた。慌てて小屋の中にいたY沢さんを呼びに行く途中、慌てすぎて思いっきりコケた。初めて見るオーロラはS字型に縦に伸びているものだった。Sの字が動いてるよ!そして見えているうちに撮らなくちゃ!とシャッターを切りまくりカメラに入っていた残りのフィルム6枚を使ってしまった。ところが!!これからがすごかった。 次は正面の空に横に細い線が現れて、だんだん上に伸びていってカーテン状のオーロラになった。念願だったカーテン状のゆらゆらしているオーロラを見た瞬間、涙がドーーーッと出てきた(これを書いている今も涙が出そう)。このとき初めて「アラスカに来て良かった!本当に良かった!神様、ありがとう!お父さん、お母さん、ありがとう!」と心の底から思った。(チチハハにはなにも援助とかしてもらってないけど、なんとなく…) オーロラってこんなに広範囲で、あっちこっちに出るものだとは知らなかった。あっちも見たいけどこっちもすごいの出てるよ!って感じで忙しい。私たちの近くにいた他のツアーの添乗員さんが「今日は朝から雲ひとつない天気が夕方まで続いたし、気温も下がったから出ないはずがない。」「今日は5時くらいまで頑張った方がいいですよ!私もこんなにすごいのはめったに見れないからうれしいです!」と興奮気味に話をしているのを聞いて、私たちはラッキーな方なんだと思った。 23:30くらいに出始めたオーロラは私たちのタイムリミット1:00を過ぎても出ていて、下山しているときも、バスが来るもを待っているときも、フェアバンクスに向うバスの中からも(距離の長いカーテン状のオーロラ)、フェアバンクスのホテルに着いても出ていた。ホテルに近づくほど薄くなったけど。 バスの中でガイドさんに「今日のオーロラは10点満点で何点ですか?」と聞いたら「きれいだったから9点」と言っていた。もっとすごいのがあるんだ…。でもわりと辛口なガイドさんだったから9点でもすごいんだと思う。夜、私たちを迎えに来るバスの中から「ピンクのオーロラが見えましたね」と言っていた。めったにオーロラを見るチャンスがないひとたちは目が慣れていなくて識別できない色があるらしい。だから私は今日見たオーロラは全部白に近い緑色に見えた。 点々と写っている白い点は星。 写真でみるともっと写っているヨ。 肉眼では…いうまでもないでしょう〜(^o^) 写真に写ったオーロラは見たものよりも緑色で… これはちょっと色彩調整したけど、 それでも実際に見たオーロラとは違う色。 この写真じゃ、私の感動は伝わらない…。 私はこの日、薄い手袋の上にレンタル手袋をはめていたんだけど、カメラを操作するのにレンタル手袋を外して薄い手袋をした状態で写真を撮っていた。でもすぐに脱げてしまうから邪魔くさくって素手で一眼レフとデジカメで写真を撮っていた。一眼レフのカメラ本体はホカロンを貼ってまわりにプチプチ(クッキーの缶とかに入っているやつ)を巻きつけていたから触っても大丈夫だったんだけど、三脚とかデジカメ本体は素手で触ると、まるで氷を触っているかのように手にくっついてしまう。でもオーロラに夢中だった私はおかまいなしに触りまくっていたら、指先が軽い凍傷になってしまった。ちなみに一眼レフはちゃんと機能を果たしたけど、デジカメは液晶画面は出ないし、シャッター切れても真っ暗でなんにも写ってなかった。デジカメではオーロラは撮れないと分かっていたけど、念のため数枚撮ってみたの…。 ALASKA TOP BBS |