土の知識


健全な野菜や花を育てるために必要不可欠なものがです。土が健全でないと、健全なものは育たないのです。最近、有機栽培等がもてはやされて化成肥料がいけないというような風潮ですが、そればかりというのも問題です。
化成肥料は少量でよく効きますし即効性のものから遅効性のものまでいろいろあって便利です。有機物を主体に化成肥料を効果的に施用すれば良いのです。

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有機物は絶対良いのか?

有機物であれば絶対に良いということはありません。 生ゴミをそのまま入れれば良いというのは間違いです。生ゴミは腐って分解し最終的に肥料分になるのであって、効くまでに時間がかかります。
そして、問題はその腐る過程でいろいろな菌や微生物が関与するのですが、植物に良いものばかりではないのです。つまり、病気の源にもなりうるのです。
では、どうするのか? 完熟(完全に腐りきって土のようになっている)堆肥を使うべきです。



完熟堆肥とは

判断は見た目では難しいのですが、悪臭が消え土臭い匂いが出始めたら完熟堆肥だと思っても良いでしょう。市販の堆肥作りの容器(コンポスターやコンポスト等)に台所の生ゴミや枯れ草、わらなどを入れて腐らせると良いでしょう。
ただ、それらの容器は上から生ゴミ等を入れていくため、古いものはどんどん下になって行きます。 当然、古いもののほうが良いわけですので下に取り出し口が付いているタイプのほうが良いのです。 しかし、取り出し口がなくてもブロック等で囲いをつくり、その上に容器を置いて取り出すときにはブロックを一枚外せばよい訳ですし、工夫次第でどうにでもなります。


堆肥を入れると?

なぜ堆肥を入れるとよいのか? 野菜が美味しいとか、日持ちがするとかいわれますが、その通りなのです。 
しかし、なぜ、美味しいのか? それは、植物の根には水や肥料を吸い上げるだけでなく呼吸もしているのです。つまり土がかちかちにしまっている状態ではよいものは育たないということです。堆肥を入れることにより土の粒子と粒子の間に有機物がまじり、土壌全体を柔らかくして空気が入り込める隙間を作ることができます。そして、水も吸着しやすくなるので保水力もアップします。そして、最終的に肥料分となり植物の生育を助けます。
土づくりを行い、あとはいろいろな肥料を効果的に使うことが肝心です。これらは作物ごとに違うのですが.... 肥料の性質を見ていきましょう。
普通、化成肥料のパッケージには8-8-8や9-6-8等の数字が並んでいますが、これは窒素(N)-燐酸(P)-加里(K)の成分含量を示しています。  例えば8-8-8で10s入りの肥料の場合、窒素は10sのうちの8%が入っています。
つまり、10s×8%=0.8sです。 ですから、この肥料は窒素も燐酸も加里も800gづつ入っていることになります。
では、他の7.6sは何なのか? 少ない量を広い範囲にまくのは難しいですよね。つまり、増量してまき易いようにしてあるのです。ですから、7.6sは増量剤です。
緩効性の肥料の場合、ゆっくり溶けるような加工も行われています。
また、窒素・燐酸・加里の合計が30%未満のものを普通化成、30%以上のものを高度化成と呼ばれています。
肥料をたくさん入れるとよく育つように思いますが、植物が弱っている時にいくら肥料をやっても反対に根を傷めるだけです。 肥料をやらずに様子を見るようにしましょう。 高度化成をつかうと、少量でも肥料分自体は多く含まれているため危険度が高いので、自信がなければ普通化成で様子を見るほうが安全です。

窒素・燐酸・加里の働き