9月30日(火) 秋田県秋田市〜秋田県大曲市

朝5時半に目覚める。
寒い。
テント内の気温は11.8度。(時計に温度計がついているのさ)
そういえばラジオで、低温注意報がでてるっていってたっけ。
いつもならもう一度寝るところだが、寒くて寝れないので起床し、出発する。

<雄物川レポート 1>
雄物川の河口付近は公園になっている。実に広々していて気持ちがいい。
ちなみに「雄物川」は、「おものがわ」と読む。
「おぶつがわ」ではない。念のため。

<雄物川レポート 2>
早朝の堤防を走る。
ひんやりとした風、広々とした風景。
川はいいなあ。
そういえば、今回の旅で川のそばを走るのははじめてだ。
タイでメコン川やチャオプラヤ川を何日も眺めていたことを思い出す。
対岸から民謡が聞こえてきた。スピーカーではなく生の声で。すごい声量だ。
堤防沿いの家々は、庭にきれいな花を咲かせている。
もったいないのでゆっくり走る。

<雄物川レポート 3>
「ゆっくり走る」と言ったばかりで恐縮だが、そうもいかなくなった。
この堤防、車が通るのだ。
一応「一般車両通行禁止」ということになっているが、そんなことはお構いなしだ。
通勤時間に近づくにつれ車は増えてくる。
せまい道なのに、すれ違うときに減速しない車が多く腹が立つ。
だいたい、車はどんなところにも入り込みすぎだ。
車をなくせ、とは言わないが、
車の入れるところと入れないところをしっかり区別しておかないと、
人がだめになってしまうと思う。
車はますます増え続ける。
くそう、どうしてくれようか。
トラック10台ぐらい借りてきて、反対方向に走ったろか。
それを1カ月続ける。そうすればここを通る車もなくなるだろう。
と、まあ、そんなことはしないけど、せめて行き違うときにスピードくらい落としてほ
しい。

<雄物川レポート 4>
雄物川沿いの、黒瀬橋から水沢橋に至る道を「新奥の細道」というらしい。
「新」というのはいったいなんだろう。
「奥の細道」というのは、松尾芭蕉がたどった道を言うのではないのだろうか。
まさか、芭蕉が生き返ってこの道を歩いた、というわけじゃないだろうし。
「新」の意味を知りたい。
まあ、そういうつっこみは別として、この「新奥の細道」はなかなか趣があってよい
。車も少なく、風景もよく、久しぶりに自転車で走る楽しみを味わった。
ところが・・・・・
この道の後半部分はじゃり道だった。どうりで車がこないはずだ。
しかも、先ごろの雨で下はぐしゃぐしゃ。
しかたないので、自転車をおして歩く。
でも、こうしてゆっくり歩くのもいいもんだ、と考え直す。
天気もよくて木漏れ日が美しい。
川岸は桜の並木で、春にはさぞかし美しかろう。
「新奥の細道」、「新」の疑問は残るが、許してあげよう

<雄物川レポート 5>
夕方、テントを張る場所を探すために橋を渡っているとき、
東の空に虹が出ているのを見つけた。
陽はもう沈みかけていて、雲は茜色に染まっている。
その色が雄物川に映ってじつに素晴らしい光景となった。
急いでカメラを取り出し、写真を撮るが、
虹はすうっと消えてしまった。
しかし、美しい光景はしっかりと目に焼き付いた。
ありがとう、雄物川。

本日の走行距離
宿泊地 秋田県大雄村