10月15日(水) 富山県朝日町〜富山県黒部市

朝起きたらどしゃ降りの雨。雨がやむまで宿で待つ。
雨があがり、陽がさしてきたので10時半頃出発する。

今日走った入善市、黒部市は実に水の豊かなところだ。
町のあちこちに水がわいていて飲めるようになっている。
このあたりの水は日本の名水100選になっているそうで、 飲んでみると確かにうまい。

町の中を流れる水路の水も澄んでいて、魚がたくさん泳いでいる。
立て看板によると、「トミヨ」という魚で、清流に住むと言う。
町のつくりも、細い路地をはさんで家がぎっしり並んでおり、とてもいい感じ。
路地をいく猫に愛想をふりまいたりしながら、ゆっくりゆっくりと自転車をこいだ。

生地という町で、踏み切りのある橋をみつけた。
はて、なんだろう、と思っていたらその踏み切りが降りてきた。
そして、なんと・・・・・
その橋が音もなく持ち上がる。そして、上流のほうに向かって動き出した。
ああ、橋がどこかに行ってしまう・・・・
ここでは橋全体が扉のようになっていて、対岸を軸として橋が上流に向かって回転して
いくのだ。
そして、橋があったところを船が5、6艘通り過ぎる。
そして、また橋がもどってくる。
この橋に「片持式旋回橋」というらしい。
「日本初」と書いてあったので、他にもあるんだろうか。
まったく予期していないところにこの橋が現れたので、本当にびっくりした。

夕方、黒部市のはずれにある大島キャンプ場へ。
近くにある農林漁業体験実習館の事務所に行き手続きをする。
なんと、このキャンプ場は無料なのだ。新潟県ではどこに行っても1200円で泣いて
いたのに。うれしい。
思わず、事務所のおじさんと話し込む。
そのおじさんが、
「生地(いくじ)のほうに魚屋があって、店先で魚焼いて売ってるんだよね。
おいしいよ」
という。うーん、それはたまらん。今日はその魚でビールでも飲むか。たしか、近くに
ビール売ってる店があったな。ご飯は炊かずに、夜中に腹が減ったら昨日買ったカップ
ラーメンでも食うか、と一瞬のうちに考える。こういうときだけさっさと頭が働く。
時計を見るともう4時半を過ぎている。最近は5時を過ぎると暗くなってしまうので、
急いで自転車に乗り、走り出す。キャンプ場から生地までは3kmほどか。
海岸沿いの道を時速25kmぐらいで走る。いつもは絶対こんなスピードで走らないの
に・・・
10分ほどで生地に到着。目的の魚屋を発見する。店は地元の人でにぎわっており、祭
の夜店のようだ。
店先では、かれいを櫛に差して焼いている。とてもうまそうだ。もうたまらん。
いろいろ目移りしたが、ぶりのさしみ500円と、焼いたかれいを買って、
また時速25kmでぶっとばしてキャンプ場に戻った。
かれいとぶりは、言うまでもなくうまかった。しかもキャンプ場がただなんて。
幸せだ。
外に出ると、満月がきれいに見えた。

本日の走行距離 38.93km
本日の宿泊地 富山県黒部市 大島キャンプ場