風間作品人物紹介

室井　辰彦　（『漂泊者』『海鳴りに訊け』『片道切符』『今夜も月は血の色』）

　仕事の依頼内容によっては調査内容を元に依頼者に対して強請りたかりをみたりもする自他共に
認める悪徳私立探偵。
　かつてはプロボクサーとして世界を目指していたが、ジムのオーナーの裏切りに遭い結果として
オーナーを殴り殺した為、警察に追われつつ時効が切れるのを待っている。
　上記の理由から外国に高飛びしていた頃もあった。
　元プロボクサーだけに身体は鍛え抜かれており、風間作品中でもかなりの戦闘能力の持ち主。
　ちなみに偽名。
　（『漂泊者』の時点で殺人罪の時効（事件発生（室井が二十七歳の時）から十五年）は残り
　　 一年四ヶ月。『海鳴りに訊け』では既に一ヶ月程になっていた模様。その後は不明…）

　『漂泊者』を読んでいた当初は「恐い人だ」と思っていたんだが、終盤迄来てイメージが変わった。
  なんてったって『笑っちゃうぞ』発言が大きい（謎）キャラとしてはハードボイルドに相応しい人
なのに時々エラい笑える動きを見せるのが良い感じ。
　反面、警察に捕まりたく無い理由もはっきりとしていて、彼の強さみたいなモノをまざまざと伺う
　事が出来る。
　ついでに自分に向かって来るヤツを容赦無くボコボコ（爆）にするのも彼の特徴かもしれない…。
と言うか、ホントに遠慮無いし。殺しゃしないけどかなりきっつい事はやっている。
　上記の作品の他に、『地図のない街』や『片雲流れて』にも名前や姿がちらっと見えるし、出演率
かなり高し。
　そういえば、この人偽名だったな…本名はいかに…って、別に室井で良いが（笑）ぴったりだ。
　某組長とのコンビは最高だと思う。
　自分の事を可愛く無いと評しているが、『海鳴りに訊け』の序盤で時効を前にした時の反応は可愛
いとしか言えないぞ。うん。

国分　隆雄（『漂泊者』『地図のない街』『されど卑しき道を』）

　横浜の中心地を主として巨大な勢力を持っている暴力団『三浜組』の四代目組長。
　１８０ｃｍを越す長身で痩せているが、決してひ弱では無くしなやかな身体つきをしている。
　東北大学法学部に在籍していた事も有り、かなりの知性派。加えて剣道五段の腕前で『漂泊者』
では室井と共同戦線を張る等、大きな活躍も見せた。
　両親と恋人を暴力団抗争によって一度に失い、それがきっかけで一時国外に出、無謀にも砂嵐に
見舞われたサハラ砂漠に入り、結果遭難していた所を同じく国外に出ていた某人物に助けられた経
緯が有る。
　組長としての才は充分過ぎる程有る模様。

  ハードな人生…もとい苛烈な生き方をしていると言えばこの人。
　不幸度も相当なモンだろう。 
  しかし、カタギの人に対する彼の態度は、室井のそれよりもよっぽど丁寧と言うか何と言うか。
  ただ単に室井が無愛想過ぎるだけかもしれない（笑） 　
  そんな無愛想男に彼は寄り添って…げふんげふん、もとい上手くサポート役をしている。  
  服のセンスも良いらしいし、見目麗しいだろうなあきっと。 
　『漂泊者』での室井との会話は微笑ましい所も結構有るが、『地図のない街』でちらっと出て来る
彼はやはりやくざ者独特の雰囲気みたいなモノを漂わせていた。  
  あ、彼はピアノ弾けるんだったな、自称雨垂れだけど（笑）雨垂れと言えば『ブラディ・ドール』
の社長も雨垂れで赤とんぼ弾いてた（脱線） 
　話を戻して…。
  『漂泊者』の前半で頭の切れるインテリやくざと見せ掛けて、後半でばりばり戦い始めた時は少し
驚いたり。
  剣道五段は伊達じゃないネ（笑）
　実戦空手ならぬ実戦剣道か。素手の方はどうなんだろう…。

烏堂　勲（『片道切符』）

　池袋の町外れにある元精密機械の研究所を『塒（ねぐら）』と称して一人で住んで居る殺し屋。
　依頼を受けた際、拳銃を使用する時には必ず三発で仕留めると言うポリシーが有るらしく、度々
それにこだわっている。
　使う拳銃はＳ＆Ｗ（スナブノーズ）。
　表向きにはモデルガンショップを営んでいるが、優秀なアルバイターのお陰でそちらの売り上げも
かなりの物になっておりそれは予想外の事だったらしい。
　仕事で人を殺す事には呵責を感じていない様である。
　『片道切符』では、自分を狙っている相手を探る為、室井に調査依頼をしたり、標的の呼び出しに
　深志荘の住人と関わりが有る女性を使う等、彼も深志荘と言う『存在』の一片に立っている。

　上の二人に比べれば、地味な様ではあるがやっぱり大変な人生（『片道切符』に凝縮（笑））を
歩んでいる人。
　個人的には『不幸で賞』をあげたかったり。
　殺し屋として動いている時も、それをカムフラージュしている時も、何処か投げやりっぽい部分が
有る気がするのはただの読み違いなのか（笑）
　ついでに、室井の言動に振り回されてる気もするぞ。
　電話口での応酬はその良い例。
　先に電話切りたくなるのは良く分かる（実際切ったケド）
　銃しか使わないと思いきや、ナイフも使える辺りさすがと言うべきかも。
　しかし、一仕事の報酬二千万っておっきいなあ（爆）
　彼はその金を何処に使っているのだろう…一年休暇とか言っても使いきれないと思うんだが。
　何か隠し口座とか持っててしこたま貯め込んでほったらかしにしてそう。
   　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑ここがミソ（笑）

ついでに作品紹介も読んでみる

『風間一輝』部屋に戻る

休憩室に戻る