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年末年始に帰省した時に、今年は親戚の家には泊まれなかったので友人夫婦の家に世話になった。 元旦にその友人夫婦が親戚の集まりに行くと云うので、その間に、久しぶりに十万山(付近では一応一番高い山。小中学生の遠足に良く利用される)に登ってみる事にした。 普通に舗装された道路を登るよりも歩いてしか登れない山道を行った方が楽だったが、その登り口を忘れたので友人に聞いたところ、「ここから登れ」 と親戚の家に行くついでの車で送って貰う。 えーと、この先に登り口があったかな、と暫く登って気付く。これは普通の (舗装された) 登り口だ。 しょうがないのでそのまま登り続けるが、たまに通る車からの視線が痛い。この山には大きめの児童公園と仏舎利塔と展望台しかなく、行楽以外には一般人には役に立たない。ここをコート姿にショルダーバッグを担いだ黒ずくめが歩いているのはどう考えても不自然なのだ。 暫く歩くと、ひっそりと神社への登り口があるのを発見。そう云えば遠足等で来た時はこんな所に寄り道は出来なかったなと、神社に登って行く。石段を登った先にはこぢんまりとした神社が。元旦だと云うのに賽銭箱すら出てやしねえ。一応手入れ等はしてある様だが、一体誰が管理しているんだろう? 勝手に中に入ると線香等が立ててあったので、せっかくだから火でも付けてみるかと思い側のマッチを取る。……残り数本しか無い上に全部死んでやがる……。 神社の裏に回ると、細い道が続いていたので、この先に行ったら頂上へショートカット出来ないかなと登ってみる。段々険しくなっていく道。て云うか普通こういうのは獣道と云わんか…。結局、途中で完全に道が絶たれていたので引き返すはめに。 そんなこんなで頂上に辿り着き、展望台で景色や鳶をぼーっと眺め、展望台の裏など散策した後、下山。どうでも良いが、元旦早々、市役所の職員が清掃に来ていた。御苦労な事だ。 山道の登り口は忘れていたが、下り口は児童公園の端と覚えていたので、児童公園まで行き中を突っ切る。相変わらず、そこに来ている家族連れの 「あの人、一人でこんな所来て何やってんだろう?」 の目線が痛い。 児童公園の端から藪の中に入るが、記憶にあった筈の道が無い。記憶違いだっただろうかと思っていたが、よくよく探すと、木が何本も倒れ込んで道を塞いでいたのだ。 その木を乗り越えて狭い山道を下って行くと 『果てしなく青い、この空の下で…。』 の、殆ど道のない山道を歩いていく場面が思い出される。なるほど、あの場面はこんな感じだったのだな。 たまに道を塞いでいる木を乗り越えたりして暫く歩いて行くと分岐点が。こんなんどっちか覚えてないわ! と、取りあえず下っていく方を選択して行くと、舗装された道路に出た。しかし、俺の記憶にある登り口は此処じゃない。と、せっかく下った道を引き返す。 それを2回ほど繰り返した後にやっと目的の登り口に辿り着いた。そこは、先に送って貰った友人宅のすぐ側であったのだが………。 元旦早々、朝から飯も喰わずに約4時間も山道を彷徨ってしまったのだが、展望台の裏にて、今世紀最初の疑問にぶち当たった。何で山の上ってこうエロ本が捨ててあるんだろう………? |