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爆走SL超特急!!(若干嘘) 熊本には、阿蘇に向けて九州で唯一のSLが走っているのだが、数日前にテレビでその話題があり、山の中を走っているSLを見て 「ああ、ちょっと乗ってみてぇなぁ」 と思ったので、昨日駅に行って調べてみた。すると、どうやら土日祝日に運行している様で、今日の分の空席が一つ残っていたのでチケット購入。 その日に電話を掛けてきた知り合いに 「明日SLに乗るんですよ」 と云ったら 「あなた歳いくつですか!?」 だの 「なんでそう思い付きだけで行動するんですか?!」 など酷い云われようだ。思い付きだけじゃなくてちゃんと考えた(20分くらい)上での行動だ。オトコノコの浪漫の解らぬ奴よ。
そんで本日いよいよ乗車。てっきり客車はボロい物だろうと思っていたら、綺麗に改装してあって良い感じ。何故か阿蘇と云ったらウェスタン調で、車掌やカウンターバー(つーか売店)のおねいさんもウェスタンスタイルだ。俺としては車掌はいかにも駅員さんなスタイルの方が雰囲気が良いのだが。 走りもスムーズで、良い座席を使っているせいか乗り心地は悪くない。 乗客は殆どが家族連れで、他に若干のカップルと鉄道マニア。当たり前だが、俺の様にマニアでもないのに一人で乗っている奴は居ない様だ。2人乗りの座席が小さなテーブルを挟んで向かい合っている4人一組の座席なのだが、俺の周りは二駅目から親子とその婆さんが乗ってきて非常に居心地が悪い…。 後ろに座っていた鉄道マニアらしき人が車掌に最高時速はどれくらいか訊いたところ、「出て60キロくらい」 と云う事。実にのんびりしてるが、あまりトロ臭いと云う感じはしない。 さて、この路線には、急で長い勾配を登る為にスイッチバックと云う鉄道マニア垂涎(らしい)システムを取っているのだが、その一番きつい勾配の所で土砂降りに見舞われ、登れなくなり止まる(雨で滑る為と鉄道マニアが云っていたが、真偽は不明)。その後必死で登ろうとするが、少し動いてはバックして止まったり。そんな事を何度か繰り返してやっと登って行く事が出来たが、結局予定より10分程遅れたとのアナウンスが。まぁ、こんなモンに乗ってる連中は多少の遅れなど気にする筈も無し。却って予想外のアクシデントを楽しんでいただろう。 このSL、結構有名らしく、国道と併走している所では、車を止めて手を振っている人や、途中の畑からカメラを構えている人などを多数見かける。 終点まで後30分程の駅で、俺の乗っている車両の客の殆どが下車。どうやらツアー客で、これからリンゴだかブドウだかイノシシだかを狩りに行くらしい。俺の周りに座って居た親子連れも狩りに降りたので、広い空間まるまる独占俺様タイム。雨も止んでいたし、窓際で窓を開けて気持ちよく風を受ける。が、煙の匂いが入ってきて迷惑っぽかったので長時間は開けていられず残念。 終点に着くと、下りの普通列車が停車しており、写真を撮りまくった親子連れや鉄道マニア達はそれに乗り込み、SLの到着が遅れた為もあってか、あっと云う間に発車。おいおいあんた等もう満足かい?! と乗り遅れて思う俺。別に乗るつもりもなかったが。と云うのも、まだ一人の鉄道マニア(らしき人)と三脚構える写真家(らしき人)と二組の親子連れが残っていたから、まだ何かあるに違いないと踏んだからだ。 暫くするとSLはまた動きだし、「あれ? 行っちゃうの?」 と思っていたら、路線を変更して戻って来た。うおお、ひょっとしてあのターンテーブル(と云うかは知らんが)に乗るのか?! ふっ、こんなおいしい物を見逃すなんて、さっき帰った鉄道マニアの愚かな事よ。 ターンテーブルを経て停車したSLは、次の発車の為の準備を始める。そこで、ジャン・レノ似の親父が子供に 「今水を補給してるんだよ。機関車はお湯を沸かして走るからね。お湯で走るんだぞ、凄いだろ!」 と説明してるが、子供はあまり興味が無いご様子。その子供がホームを離れてSLに近付こうとしたので親父が止めていたが、たまたま通り掛かった車掌が 「どうぞ、見てきて良いですよ」 と云ったとたん 「良いんだって! 良いんだって! 行くぞ!!」 あんたが一番喜んでるだろジャン・レノ親父…。どっちが子供だか解りゃしないが、気持ちは良く解るぞジャン・レノ親父(いやホントに似てんだ)。尤も、俺もそれに便乗して近くで写真撮って喜んでいたんだが。 次の列車が来るまで結構時間があったので、周りに何かないか適当に歩くが何も無し。ここに来る途中の阿蘇駅でくま牧場(今は横文字の名前に変わってるが)の看板があったので、そこに行ってみるかと次の列車で阿蘇駅に降りる。降りた後案内板を見ると、あと一つ先の駅の方がくま牧場に近かったらしくショック。次の列車まで1時間はあるので、結局そこから歩いて行く事に。
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