猫のいる生活 3



猫を拾った。

茶色と黒の仔猫が2匹。
短毛でしっぽの長い、汚れてるけど毛並みがいいやつ。

「なーヒイロ、こいつらの名前何にしよっか」
「好きにしろ」

帰ってきたときからうきうきしてたデュオとは対照的に、不機嫌なヒイロが
ぶっきらぼうに返してくる。

「…ご機嫌ナナメ?」
「………」

返事はないけどまあいいか、とデュオは再び2匹のネーミングに頭を悩ませだした。
せっかく飼うなら可愛い名前がいい。

「んーーんーーんーー…難しいなぁ…。
 ―――いっそヒイロとユイとか?」

「おい」「にゃあ」

冗談半分で呟いた声に2つの声が被さった。
前者はあいかわらず冗談の通じないヒイロ。後者は……。

黒猫?

「『ヒイロ』?」
「にゃあ」
「………おいデュオ。まさかとは思うがこいつ」
「ぅにゃああん」

今度は茶猫。

「………。『デュオ』?」
「にゃーん♪」
「……『ヒイロ』」
「にゃあ」


「………」
「………」

二人共ひとしきり無言になった。


「………なーヒイロ、もしかしてさ、オレ擦り込んじゃった…?」

沈黙を破って、呆然とデュオが呟く。
ヒイロはどうでもよさげに肩を竦めた。


その時から、ここには同じ名前が2つずつ。

                                          end.



2001.9.7.
話が前後してます。
そして実は書いた順番も結構前後してたりするのでした…(爆)
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