「ぅにゃあああーーん♪」
大きな声に何気なくそっちを見ると、2匹がじゃれていた。
ヒイロと名付けた黒猫は名前が悪かったのか滅多に鳴かないから、今の声は茶猫の方だ。
こっちも名前が悪かったのか結構おしゃべりだったりする。
「うにー、ぐるるるるる」
「………」
「うにゃあぁあん♪」
微笑ましい。と言い切るには、何だかこの2匹はべったりくっつき過ぎている気がする。
そう、特にデュオ猫の声、なんだか語尾にハートマークでもついていそうな……。
「……デュオ」
「に?」
呼び声に茶猫がくるりと振り向いた。
そのまま駆け寄ってこようとするのを黒猫が押さえつけて止める。
「………」
「…威嚇するなよ…」
猫に睨まれた。
そりゃあもう「邪魔するな」と言いたげに。
「ヒイロー、やっぱりあの猫たち変だーーっ」
「だから付けた名前が悪かったと言っただろう」
オレもう嫌だーっと叫んだデュオに、答えるヒイロは楽しそうだった。
end.
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