ANGEL NOTE 5



「このフロア全てを使って結構です。戦い方に特に指定はありません。
道具を使ってもいいし、もちろん生死も問わないわ……ただ本当に殺しちゃったら デュオに嫌われるでしょうね」

にっこり笑って巫女姫は続けた。

「見事デュオの元まで辿り付いて、ほっぺに口付けられた方がパートナーよv」

その言葉に、ドロシーが疑問の表情を浮かべてリリーナを見た。
それにころころと笑いながら「だってその方が楽しいんだもの」とリリーナが囁く。
ちょっと離れた位置にいるデュオも意味ありげに微笑んだ。

挑戦者となる4人は少し複雑そうに顔を見合わせた。

「質問です。つまり、デュオにキスできたら勝ちですか?」

代表するようにカトルが口を開いた。

「3人を倒さなくても、か?」

補足するようにトロワが続ける。

「ええ。でも、どうせ最後の一人になるまでデュオに近づけないんじゃなくって?」
「…まあ、それはそうだな」

リリーナの答えに五飛が納得顔で頷く。

一人、ヒイロだけが会話に加わらずいぶかしげな顔をしていた。
何かを探すように視線を巡らしている。

そんな中、リリーナはおもむろに右手を上げた。

「時間は無制限。勝った方が今日からデュオのパートナーです」

それから、小さく呟いた。

「忘れないでね。何を試されているのかを」

静かに腕が下ろされる。

「始め!」

戦いの幕が上がった。



―――でも、その時。

「………なるほど」

誰かの呟きが落ちたことに、気付く者は一人もいなかった。

                                          end.



2001.5.23.
お久しぶりのANGELNOTEです。
半年近くぶりになってしまいました。待っててくださった方すいません(><;
(番外だけ進んでても…汗)
このシリーズはこのまま一気に片付けてしまおうと思ってます。
今回は区切りのいいところで切ったのでそんなに長くありませんが、多分次回かその次でテスト編完結ですね。
番外の方でおわかりの通りヒイロが勝つわけですが(何故ってイチニだから)、次回でそこの部分が出ると思います。
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