腎臓病のことについて
(腎生検に臨んで)
〜慢性糸球体腎炎IgA腎症〜


ごらん頂いた人数:
慢性糸球体腎炎(IgA腎症)での入院生活の私的な記録です。。


掲示板つくってみました。こちらへどうぞ。

ご 案 内 !
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●平成17年12月24日以前の書き込みデータを不注意からすっかり壊してしまいました。
下記のページにログを再現(かなり雑ですが)致しましたのでこちらを参照願います。

平成17年12月24日以前の書きこみ



治療篇(入院中の治療の様子とか)
入院篇(入院中の色々な出来事?)
記録篇(病院食&入院中の採尿データ)


(後付けなので、ページ構成がものすごくおかしかったり、内容が中途半端で申し訳ありません。徐々に改良いたします。)


注意:どうもいい加減なスクリプトのせいか、タイミングで最後までページが
開けないことがあるようで、このページの最後は「あとがき」〜「もどる」ボタンとなっていますので、
最後まで表示されていないようでしたら、お手数ですが、ブラウザのリロードボタンを押してみてください。



は じ め に
 このページは、慢性糸球体腎炎の中でも、日本人に最も多いと言われている IgA腎症の診断を受けてあれよというまに入院する事になってしまった私の、 全く私的な記録です。
拙い内容ではありますが、同様の診断を受け、これから腎生検など受けられる方 、あるいはこれから治療に入られる方などの、少しでも参考になればと思い公開 させて頂くことに致しました。
本当の所を申せば、最初から作成を意図したものではなく、入院中、暇に任せて キーボードを叩いていた所、思いのほか膨大な文章の山が出来上がり、殆どは、 意味をなさないようなものばかりでしたが、せっかくですので、使えそうな所を 拾い集め、頼りない付け焼刃の知識と入院中の暇を糊とハサミにして、体裁を整 えたものです。その辺りを勘案してお読みいただければ幸いです。



1−1発見にいつて−人間ドックについて

 健康診断の場というと、通常の職場ですと定期検診ということになるのでしょうが、私の勤め先では福利厚生の充実を目的に、一般的な定期検診より検査項目が多い人間ドックとして社員の健康管理を実施してもらっています。これは非常にありがたいことです。
(現在は日帰りに切り替えとなりましたが、最近までなんと一泊人間ドックで実施しておりました。)
しかし、このように自分の健康について知る機会に恵まれ、ある意味優遇されている現状にあっても、自分の体の異常に気づく事なく(あるいは気づいていても重篤なことと感ぜず)長い間を過ごすという事態になってしまうという事はあるもので、もちろんそれは、本人の怠慢といえなくはないのですが、もうひとつ、なかなか自覚症状の現われない、この病気そのものの特性にも起因するところも多分にあると思うのです。(いや、責任転嫁とかそういうつもりではなく)


1−2発見について−見つかりにくい事、症状についてなど

 今回、前述の人間ドックの尿検査の結果、尿蛋白および尿潜血などの反応があり、今回の再検査ならびに入院という事に相成ったわけですが、実の所、これ以前にも、尿蛋白ならびに潜血は随分前から出ていたという事実があります。

 私もすっかり忘れていたのですが、妻が結婚当初、あるいはそれ以前の私の人間ドックの結果表を覚えていて、「蛋白なら10年も前から出てたわよ?」ということだそうで、結婚当初は随分再検査を私に勧めたらしいのですが、本人は痛くも痒くもないというし、その後出なかったり、また、値が低くなったりもしたし、本人もけろりとしているので、なにも言わなくなったらしいです。

 その言葉を裏付けるように、おりしも再検査の数日前たまたま書棚の整理をしていたら、ちょうど10年前の人間ドックの検査表がでてきました。
(まるで出来過ぎのドラマみたいですが)で見てみたら、やはり蛋白が「2+」となっており、確かに兆候は10年近く前からあったのだということが判ります。

 ところがこの10年というもの、特に痛いとか苦しいといった病的な症状があるわけではなく、生活に支障の出るようなこともありませんでしたし、蛋白尿に限って言えば、ある程度の健康体でも出現する事があると聞いてもいたので(どこで聞いたか定かではないが)自分が病気だなど露ほどもおもっておりませんでした。

 この自覚症状については、蛋白が継続して出始めた4〜5年の間も、それに潜血が加わり始めた2〜3年の間でも、これといって痛い、痒い、だるいというような事は一切なかったように思います。
それよりも、ここ数年の体重増加と、血液中のコレステロール濃度の高さの方がむしろ深刻だと思っていたくらいです。(無論これも充分深刻な問題だと思いますけど)

ところで、普段皆さん成人病というと何を思い浮かべるのでしょう。
糖尿病、高血圧、癌、というところですか。これに係る身体の部位というと、脳や肺、胃、腸とか・・・
おそらく腎臓を思い浮かべる方というのは稀有ではないかと思うのですが、私も、腎臓の病気と聞いて、どんな症状があるのか想像もつかず、人づてに、「腎臓が悪いとものすごい疲労、倦怠に襲われる」という話を聞いて「じゃあ全然自覚症状ないから大丈夫!」と勝手に自己診断してしまったとしても、少しは許してもらえる余地はあるのではないでしょうか。

そんな訳で今回も気長に構えて「だいじょうぶ!、再検だって必要ないかも」くらいの気持ちでおりましたので、もしかしたらこのまま放置してしまい、あと数年後には全く取り返しのつかない事になっていたかも知れません。
(実は、この「無症」こそはIgA腎症の特徴のようで、海外などでは目に見える血尿などで病気が発覚する事もあるそうですが、こと日本では偶然(あるいは人間ドック等)により病気が見つかるケースが多い(大半)のようです。)

どう取り返しが付かなくなるのか、そもそもその腎臓は本当におしっこを作るだけの臓器なのでしょか?
次のところでは、「腎炎の診断を頂いてから慌てて自分なりに調べてみたもの」をまとめてみました。一般的な内容が殆どなのですけれど、万が一にでもご参考になればと思い、載せてみます。



1−3発見について−腎臓とは

 本当に詳しい説明は、専門のサイトに譲るとしますが・・・(笑)
腎臓というとソラマメや小豆の形なんて事を聞きます。
 そういう形のこぶし大のものが、腰より少し上の背中寄りの方に2つ、左右対象に並んでいるのだそうです。(というかレントゲンで見ました。左図参照)
ここに動脈と静脈がつながり、1分間に約1リットルという血液が、この臓器に流れる仕組みになっています。
流れ込んだ血液は、この腎臓の中にある「ボーマン嚢」という非常に小さい沢山の袋(約200万個)の中を通る「糸球体」と呼ばれる、細い糸玉状になった血管の中を通ります。
この糸球体の壁には小さな穴が開いており、血液はこの中を通るときに老廃物を排出(ろ過)し、きれいになって体内に戻ってゆくという仕掛けです。
一方、排出されたろ過物は原尿として尿細管へ送られ、再度必要なものと不要なもの(水分、尿素)などに分けられ、不要物は尿管を通り膀胱を通して尿として体外に排出するという仕組みになっているのだそうです。
 簡単に解釈すると、ヤッパリ(!)腎臓とは血をきれいにして、余計なものをおしっこにして出す臓器と、こういう理解で良いのかと思います。(ホントか?)
 ところで、この腎臓のろ過フィルターは三層構造の高級品で(すごいな)通常は余計なものは排出しない、まして蛋白など出るはずがないのだけど、何らかの原因でここを蛋白が通って排出されてしまう事があるのだそうで、この尿に排出される蛋白を感知することで腎臓の異常を知る事が出来る。ということになるわけですね。(後述の尿蛋白の状況参照)
ですから、ひとまず人間ドックなどで蛋白尿が出たときには腎臓疾患を疑い、量が多い時には再検査などを検討することをお薦めいたします。(いや、私が言える義理ではありませんが)



1−4発見について−尿蛋白の原因(疾患の種類など)

 さて、その蛋白尿の原因についてですが、大まかにいうと、腎臓そのもに原因がある場合と、その前や後ろに原因がある場合の3種類に分けられるそうです。

1-4付表 尿蛋白との状態
原因の個所 状 態 種 別 疾患の種類
1.腎臓以前の原因 遺伝子異常等で小さい蛋白が生成されることによる。 腎前性 多発性骨髄腫など
2.腎臓が原因 腎臓(糸球体・尿細管)疾患が原因による蛋白尿。 腎性 腎硬化症
糸球体腎炎
慢性腎盂炎症
急性尿細管壊死など
3.腎臓の後の原因 下部尿路感染症などによる蛋白尿。 腎後性 下部尿路感染症
結石
腫瘍など

 尿蛋白には、上記のように何らかのメッセージが込められているようです。
断続的な出現の場合は、特に問題の起こらない場合もあるようですが、いずれおろそかにせず。早い段階で再検査などされる事をお薦めいたします。(いやぁ何度も言うように私が言えた義理じゃないですけど)  個々の疾患の具体的な内容については、それこそ専門のサイトが沢山ありますのでそちらに譲るとして(すみません手抜きです)、この中で私の尿蛋白の原因となったものは、中段にある、腎臓が原因とされる糸球体腎炎だということで、なかでもどうやらIgA腎症という、日本人には特に多いと言われる腎症によるものであるという診断を頂きました。


1−5発見について−糸球体腎炎(IgA腎症)について

 さて、IgA腎症ってなに?というか、「IgAって何?」と言いいたくなるほど私の生活には馴染みのない言葉です。(でした。)IgAってなんなんでしょう?

話は少し飛びますが、ここ数年、定期的に季節になるとインフルエンザの話題が出てきます。中でも耳新しいのが鳥インフルエンザ。先日、ニュース番組で、この鳥インフルエンザが人へ感染していく過程の説明をしているなかで、思いがけずこのIgAという言葉を耳にしました。

詳細は忘れてしまいましたが、抗体が抗原と結びついて変異を起こし、本来感染しない鳥からヒトへの感染の足がかりになるのだとかなんとか・・・そのような話でした。(さっぱりわからんが)
で、簡単に言うとIgAとは、免疫グロブリンという、免疫に関する血清蛋白のことで、普段は唾液や消化液などにあり、外部から入った菌などに反応して防御する働きをもつ蛋白のことなのだそうです。(全然簡単じゃないな)

で、本来はからだ中に散在するIgAが、あろうことか攻撃対象の病原体と結びついて免疫機能に異常を起こしてしまうことがあるそうで、それが何故か腎臓の糸球体に溜まって腎臓組織を攻撃して炎症を起こし、糸球体を破壊していってしまうのがIgA腎症ということになるらしいです。(こういう理解でいいのかなぁ)
では何故そうなるのかというと、扁桃腺への感染症が原因だとか、いろいろ諸説はあるようですが、根本的な原因はまだ良くわからないというのが本当の所らしいです。

ところでこのIgA腎症については、発症から20年の予後についての報告があり、その約40%の人が末期的な腎不全に至るという、かなり深刻な数字数字が示されているようです。
もっとも腎不能に至らなくても腎機能にダメージが出ることは間違いないのでしょうし、一度破壊された組織は再生しないのだそうです。

ちなみに私の場合、腎生検により採取した検体中、糸球体の60%以上が炎症により完全に潰れるか、あるいはなんらかの影響が出ているとのことでした。このお話を先生から伺ったとき、「あぁなんて取り返しのつかないことを・・・」と、本気で落ち込みました。
目の前が真っ暗になるってほんとうなんだぁ・・・・と実感できるほどでした。
元来深く考えない性質なので、まぁ、すぐ立ち直りましたが。(笑)

ところで、このIgA腎症、日本ではドックなどで偶然見つかることが多いと書きましたが、実はドックで直接特定できるわけではなく、IgA腎症と特定するためには、腎生検が不可欠なのですね。
では次の章からはその腎生検について述べて行きたいと思います。 あっ、ちなみに免疫がどうの、インフルエンザがどうのと書きましたが、IgA腎症は感染はしませんので念のため。


2−1腎生検について−とうして実施する事にしたのか

 蛋白尿が出るという事は、腎臓あるいはその周辺に疾患がある可能性が大きいということは前述のとおりです。で、尿検査、血液検査の結果でもある程度、疾患の部位と状況はわかるそうですが、先生からの診断で、とりあえず腎炎の疑い(というか腎炎に間違いないのだが)があるので、その詳細を調べるために腎生検をお薦めいたします。というお話を頂きました。

 おそらくこのときIgA腎症の説明も併せて受けていたかもしれません。記憶は剥落しておりますが、IgA腎症であろうと診断された先生が私の年齢も勘案し、腎症の進行度合いを考慮して、早いうちからの治療計画を進めるためにIgA腎症の確定を急がれたのだと思いますが、本当に熱心に腎生検を勧めていただきました。
もしここであれほど熱心に勧めていただかなかったら、多分いまごろはまだ何もしていなかったでしょう。

 しかし、問題はどのような事をするのか、またどのくらい(費用、日数)かかるのかという事です。特に、何をされるのか、や、費用については、自分の事ですからいいとしても、日数によっては会社に多大な迷惑をかけることになりますので、しっかりと確認しなければなりません。とりあえずここで聞いたのは、約10日から2週間くらい。これを持ち帰って、まず家族と、次に会社と相談しなければなりません。


2−2腎生検について−準備(家族の事、仕事の事)


 さて、さしあたって、家庭内にはさほど問題はなく、まあ、妻は愛する夫のためということで一も二も無く賛成して貰えるものと信じておりましたが(笑)問題は仕事です。

これでも勤め人ですから、簡単に「じゃあ明日から入院します」という訳にはいきません。
もちろん会社の勧め(好意か)で受けた再検査ですし、考慮してくださる事にはなったものの、月々のルーチンワークも抱えており、また、仕掛かり中の仕事もありましたので、一通り折り合いをつけてとなると、結局一ヶ月の猶予をみなければなりませんでした。特にちょうど年末にあたり、本当は猫の手も借りたい時期、これをやり過ごして乗り越えてからでないと、自分としても休みを頂くのは心苦しいところです。それで年末中に仕事を片付けて、切りよく年明け早々からの入院ということで検査を実施することに決定しました。

実はこれには後日談というか情けないオチがありまして、おりしもちょうどこの年の年末、ひどい風邪やらインフルエンザが流行っておりまして、12月も半ば過ぎの最盛期、あろうことか40度の熱が3日下がらず、前後で1週間身動きも出来ない状況になってしまいました。(とほほ)
何のために、年末を仕事に当てたのかという救い様のない話になってしまったのでした。

それでも、入院の日取りは決めてしまったので勤め先に多大な迷惑をかけつつ、結局、正月明けの入院を許して頂きました。(皆さん申し訳ない)


2−3腎生検について−検査の内容 

 さて、検査することは決定しましたが、具体的に腎生検とはどういうものなのでしょう。私自身はまるっきり始めて聞く名前でしたが、勧めてくださった先生のお話では、少し長めの金属針による生体の採取を行い、それを検査するものだと説明してくださいました。特に切開して腹に穴を開けたりするわけではないからということでしたので、そう大層なことではないようです。
(まぁ実際にその部分に検体を取る部分に関してはそのとおりなのですが・・・実はその後に地獄が・・・。)

 実際には、被験者をうつ伏せにした状態で該当位置に局部麻酔を施し、レントゲンカメラを用いて位置決めを行いながら、背部の皮膚の上より、直径が2mm程度の中空の金属針を腎臓まで貫通させて、腎組織の検体を3ケ所程度から採取するというものです。検査自体は約30分程度です。
しかし、針程度とはいえ内臓に穴を開けているので検査後は24時間絶対安静となります。

私がお願いした病院は、前後に入院して詳細な検査を行っているので、1〜2週間前後の入院となっているようですが、病院によっては検査だけ行い、この24時間安静が解ければ、一泊の入院だけで帰宅できるところもあるようです。(でも、24時間安静後でも、ケースによっては後から出血する事もあるそうですから、一泊だけの入院検査なんて怖いような気もしますが)

2−4腎生検について−検査の実際の様子

 さて、実際の検査の様子ですが、全く前述で先生から説明いただいた通りだったのですが、取りあえずその時の雑感を施術直後にメモしたものがあったので、実際の事象に沿って併記してみます。
といっても、施術中は身動きできませんから、厳密にタイムテーブルが出来上がっているわけでもなく、あくまでメモとして読んでください。

時 刻

事 象

状 況 他

11:00 抗生剤の点滴開始 抗生剤に関しては前日に生食と弱い抗生剤で皮下テスト済み。
また前夜午後9時よりレントゲン使用に合わせ絶飲食継続中。
12:00 昼食 昼食は絶飲食のため無し。
14:00 開始直前 ・レントゲン室へ移動。

・レントゲンカメラ装置、ベッド、器具など様々なものが目に入る。
大変気になるのはベッドの脇にある腎生検用の器具であるが、どれがその器具なのか判らない。
説明に合った針の付いた器具を探すも見つけられず。
14:00
施術中
(施術中の時間経過は不明)
・肩よりの注射。”鎮静剤”との説明あり。

・その後、腹ばいになり、腹部へ大判タオルを丸めて抱えて、腰を浮かせた状態になる。

・医師より施術開始の合図あり。
改めて非常に窮屈な体制ながら脇のほう、道具のトレイを目で探すと、暗緑色の4×10cm程度のプラスチック素材と思われる小箱の先端に、銀色の太い螺旋状の刻みの入った針の付いた器具を発見。おそらくこれが生検用の器具と確信する。針の太さはやはり2mm程度、長さは約15〜20cmほどと、説明の通りの形状である。


・レントゲンカメラにて施術個所の確認を行いながら、麻酔注射を実施。
この時、一番最初の注射以降感覚がなく、痛みは全く感じない。

・検体用器具を用い、レントゲンカメラにて位置確認を行いながら、針を挿入して検体を採取。

・麻酔が効いているため痛みは全く感じないが腹部にグリグリという針の動く感覚があり、内部に異物が入っているのははっきり感じる事ができる。ちょうど腸の中をガスが急速に動く感じといったらいいだろうか。ただし、移動量が大きいのでかなりググっという強い感覚が伝わってくる。

・検体採取時には、中空の針の内部にあるもうひとつの針にて検体を引っ掛け、採取するとの説明があった。さらに、この中空針をガイドとして2〜3箇所からの検体採取を行う為、実は穴を開けるのはこの中空針の一箇所のみであるという説明を聞いた。(残念ながら身動きは取れず確認は不可能だった)

・ひとしきり針の動く感覚と、「バチン!」というバネの弾けるような(というか、安いおもちゃの鉄砲の引き金を引いた時のような心もとない感じ)音が数回響いたあと、「はいでは終わりです」という医師の合図とともに、あっけなく検体採取が終了
検体は、あの安っぽい「バチン」の時に針が出て瞬間的に検体を引き上げていたという事らしい。

14:30 施術終了 術後の処置と病室へ移動。
腹部に圧迫用の布をきつくまき、ストレッチャ-への移動となる。
絶対安静となっているので、自分では身動きできず、看護師の方々にすべて身を任せることとなるが、ベッドからの移動に際は、自慢ではないがかなり体重には自身があるので、看護師さんたちにはまことに気の毒である。
(しかしながら、ストレッチャーでの移動はまず経験する事がないのでワクワクする。不謹慎であろうか。)
14:30 病室にて ストレッチャ-より、看護師数名にて病室ベッドへ移動。
これより6時間は絶対安静となり、胸部より下は何一つ動かす事が禁じられる。 6時間経過後も多少緩和されるものの、相変わらず腰部および下肢の動作は制限される事となる。
 というような状況にて腎生検そのものは終了しましたが、まだまだ続きます、というよりも、実はここからの方が辛い険しい道のりだったのですが、なぜかメモはここまでしか書いておりません。余程記憶らから消したいと思ったのでしょうか・・・

もし、これから腎生検をなさる方にとっては、この後の経過のほうが、経過時間も含めて重要かもしれない(あるいは読まないほうがいいかも知れないですが)とさえ思っているのですが残念です。
とここで終ってしまっては申し訳ないので、まぁ記憶の限りに、生検終了後の24時間絶対安静の状況を書いてみたいと思います。申し訳ありませんが、時間経過はまったくうろ覚えですのでご了承ください。


2−5腎生検について−検査終了後の24時間安静について

 さて、腎生検によりほんの針の穴とはいえ傷ついた腎臓は、大量出血の恐れもあるため、検査後は絶対安静を命じられます。取りあえず24時間ですが、完全なる絶対安静は最初の6時間だけとのこと。この間は足を曲げたり上げたりすることが禁じられ、上半身も腕を軽く動かす程度にとどめ、くれぐれも腹圧のかからないようにという厳重注意があります。で、この6時間が経過すれば、安静は安静だけど、多少なら足を曲げたり少し横を向いたりしても大丈夫という事だそうです。

このとき、出血などの確認も含めてのことだと思うのですが、術後すぐに500mlの水分を摂取してから、その後1時間経過するごとに何度か採尿をを行います。本人は寝たきりなので、採尿をする為には尿瓶をつかうか尿袋を下げるかしなければなりません。
この事は検査前日に説明があり、尿瓶にするか尿袋にするか選択をということで、迷わず尿瓶にさせていただきました。なぜかというと、尿袋は尿道に管を挿入し、膀胱から尿を直接導き出してやるということになるため、尿管への管の挿入時激痛が走ると前から聞き及んでいたからです。

しかし、実際検査後採尿に臨んでみると緊張の為かほとんど尿意がなく、一回目で採取できた尿量など50mlにもならず、看護師さんに「足りませんねぇ、じゃぁやっぱり管入れます」の声とともに、あっという間に管を入れられてまいました。いともたやすく・・・・
これが、地獄の苦しみと申しますか、入れた瞬間も痛いのですが、入ってからがまた地獄。
当然尿道に長い管が入っているので、動いてこすれようものなら激痛が走るし、そうでなくても、尿意があるのに既に出ているとか、排出した感じが無いためにいつまでも尿意が残っておるような感じ?いずれ苦痛以外の何者でもない感覚が付きまといます。

それに加えて6時間の絶対安静は、おそらく最初の1時間は尿道の激痛が主となり、次の一時間は絶対安静ゆえの腰痛がクローズアップされ、残りは何がなんだかわからない、動くなといわれていようが、腹圧がどうのと言われていようが腰が、背中が悲鳴をあげどうしても動いてしまう。脂汗はダラダラ、意識朦朧・・股間には激痛・・やっとの思いで残り4時間(最初の全6時間分)は乗り切ったものの、あとは体を横に向けようが膝を軽く曲げようが(たとえ立ち上がったり、うつ伏せになったり出来たとしても)何の効力も無い事に気づきます。

残り18時間、普通は楽になるというらしいですが、極度の腰痛もちの私はこの後も引き続き地獄を味わうのでありました。
これから腎生検を受ける皆様、すみません、脅かすつもりじゃないんです。これは本当の実体験なです。 (なに、尚悪い・・といわれても・・・)
と、ここまで書いていて思い出したことがひとつ、それは、現在投薬による治療を進めている私ですが、予後の経過を検査するのってどうするのかという事です。
結局IgAって腎生検でしかチェックできなかったのではなかったでしょうか。ということは・・・
明日先生に確認します。・・・・

つづく

あ と が き

 この検査の後に、先生より結果の説明を頂きました。それが1−5の下の方に書いておいたような内容、すなわち、糸球体組織の6割(もしかすると7割だったかも)が壊れており、一度壊れたものは治らないということと、これから行おうとしているステロイド剤の投薬治療についての内容でした。
本当ならこの後にそれについても言及するところなのですが、実はまとめ切れていないことと、なにより現在治療中ということもあり、すこし時間を頂き、今度は治療日誌でお目にかかりたいと思います。 随分といい加減な内容にも関わらず、長々とお付き合い頂きありがとうございました。


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