青の洞窟 (La Grotta Azzurra)

●交通●
イタリア、ナポリ(Napoli)のモロベベレッロ港(Molo Beverello)から、 カプリ島(Isola di Capri)マリーナグランデ港(Marina Grande)へ高速船で50分。

カプリ島マリーナグランデ港に着いたら、港の左手にあるモーターボート乗り場から モーターボートに乗り換え、15分で洞窟前に到着。

青の洞窟へは、海上でさらにモーターボートから手漕ぎの小船に乗り換えて、仰向けに平伏して入洞します。

 ナポリから30km。地中海に浮かぶ外周17kmの石灰岩の島、カプリ島。 石灰岩の島らしく島内には60を越える鍾乳洞(鍾乳石が成長している石灰洞)があり、 断崖絶壁で囲まれた島の周囲には、波の侵食によって造られた多くの海食洞(鍾乳洞になれなかった石灰洞)が散在しています。 「青の洞窟」は、海食洞のひとつで、外から見ると海面に水没した狭い洞窟にしか見えませんが、 ひとたび中に入ると海面下から青い光に照らし出された様な幻想的な空間が広がっています。
 青の洞窟の入り口は、幅2m×高さ2mの岩壁に開いた小さな自然開口部ですが、 洞口の高さは、海面から1mに満たない為、入洞者は入り口を通過する際に、 さながら宗教儀式の様に「仰向けに平伏す」ことが義務付けられています。
 ボートが漕ぎ入れる壮麗なブルーの色調で満ち溢れた海食空洞は、青い大聖堂(Duomo Azzurro)と呼ばれ、 幅30m×奥行き54m,海面から天井までの高さは15mで、水深は14mから22mあります。 また海水が入り込まないドゥオーモのさらに奥には、 鍾乳洞(Guarracini cave)へと続く一連の通路をはじめ、様々な地下空洞のネットワークが広がっています。

所 在
 イタリア カンパニア州ナポリ県アナカプリ
営 業  午前9時から、日没の1時間前まで。 年中無休。
 意気込みとしてはフルオープンですが、南西風や冬から春にかけてアルプス山脈から
 地中海に吹き降ろす北風(mistral winds)が吹いている "日" または "時間帯" は、
 波が高く手漕ぎボートが洞口を通過できないため閉鎖となります。
料 金  入洞料 4ユーロ,手漕ぎボート料 5ユーロ,船頭へのチップ 1ユーロ。
駐車場
 なし 2010年10月現在 





青の洞窟は、洞窟ではなく、海の中から青い光が湧き出すかのように輝く神秘的な洞窟です。




海の水はなぜ青い

[Brief Note]

 20世紀の終わり頃まで、「海が青いのは、空が青いのと同じく散乱によるもの。」と思われていました。 しかし、その後の研究で、「水(H2O) 自体が赤い光を吸収するので透過光が青色に見える」 ということが分かってきました。 水が近赤外に吸収を持つことは知られていましたが、赤色に対しても弱い吸収が観測され、 水中での光が通過する距離が長ければ長いほど、赤色の透過率はダウンし青色が強くなっていきます。 赤色が吸収されて青色が残った透過光は、水の中の物質に散乱され、散乱光が青い海となって 私たちの目に届いています。 地底湖の水が青いのも全く同じ原理ですが、屋外では空の色の反射の影響も受けています。


海水が青く輝くのは

[Brief Note]

 青の洞窟では、 @私達が出入する海面の入口からは、ほとんど光が射し込まないため洞窟内は真っ暗です。 Aしかし、海面の入口とは別に、海中にはひときわ大きな入口が隠されていて、 B午前中の太陽の光は、低い照射角で、この透明度の高い海中の開口部から洞窟の奥へと射し込み、 C真っ白な石灰岩質の海底で効率良く反射されて、 D赤い波長が吸収され青みを増すのに程良い水深を進むうちに、 E洞窟内の海水で散乱されて、水中で青く輝きます。


2010.10



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