3.2.2 発生トルク
<原理>
- プロペラを固定して風を送ることによりプロペラはトルクを発生する。この時のプロペラを固定するための力が、静止しているプロペラが風によって発生するトルクと考えることができる。
<方法>(図3.18参照)
- (1) 3.1.2の実験と同様にプロペラの軸を取り付けているねじを長いねじに取り替えて
軸を延長する。
- (2)
ねじに糸を取り付け糸の他端を上皿台秤に結びつける。この時、台秤の上に適当な
重さのおもりを載せる。これは、プロペラがトルクを発生すると台秤を引っ張るので
マイナスの方向にふれるからである。この時の台秤の目盛りm1を読んでおく。
- (3)
整流装置を風速計の前に置く。さらに整流装置の前に扇風機を置く。図3.19を見る
と、この整流装置がこの実験に必要な程度の整流をする能力があることがわかる。
図3.18 トルク測定用実験装置
- (4)
扇風機を回すと、風速計のプロペラが回転を始め、プロペラが台秤を引っ張る力と
台秤がプロペラを引っ張る力が釣り合い、回転が止まるのでそのときの台秤の目盛り
m2を読む。(m1-m2)grが発生したトルクとなる。ただし、gは重力加速度、rは延長軸の半径である。
- (5)
延長軸をはずし元のプロペラ固定用のねじを取り付け、フリーで回転させ(4)の測
定時の風速を測定する。実験3.1.1と同様に風向風速計の風速出力に電源回路を接続し、
風速信号を取り出す。取り出した信号は周波数を電圧に変換しレコーダに記録する
- (図3.15参照)。このとき得られるデータは風速値そのものではなく周波数が得られ
るので次の変換式で周波数を風速に換算する。
80型:-2.99814×10E-7X^2 + 0.0306920 X +
0.0956421
95型:1.78543×10E-14X4 - 1.68475×10E-10X3
+ 2.88556×10E-7X2
- + 0.0197052 X +
0.1321401
- ※ ただしXは周波数(Hz)。
- (6) (4)、(5)の操作を風速を3段階に変えて、それぞれ10回繰り返す。風速を変える
ことにより、風速の増加に対するトルクの増加量を知ることができる。この増加の比
率を「トルク係数」と呼ぶことにする。
図3.19 整流装置の効果
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