最終更新日:2011/10/31
ThinkPad X40、X41の部屋 元に戻る

簡単なスペック紹介
2003年12月発売
発売当時のPCWatch記事
当初はBaniasコアの超低電圧版PentiumM 1GHzでスタート(2371-4xx)。オンメモリ256MbyteでHDDは1.8インチ 20Gbyte。OSはすべてWindowsXP Professionalとなっていました。チップセットはビデオ内蔵の855GME。チップセット内蔵のグラフィックとなりましたので、性能はMobilityRadeonのX31より劣ります。

メモリスロットは1個で、最大1GbyteのDDRメモリが搭載できます。しかし現在DDRのメモリはあまり安くなく、512Mで\3,000、1Gでは\6,000位します。なお後継のX41はDDR2のメモリになりましたので、メモリは安く済みます。

サイズは268×211×20.6〜26.9mm、質量は1.23kg(無線LANモデルは1.24kg)と軽量です。全体のサイズはX31より小さくなりましたが、キーボードピッチはまったく同じで快適に作業ができます。(ThinkPad史上最薄のX300が18.6〜23.4mmなので、わずか2mmしか違わない薄さ!です)

1スピンドルノートなので、CDROMを使用する場合は別途ドッキングステーションが必要です。X40専用のウルトラベースX4が同時に発売されましたが、脱着式ドライブがX31までの12.7mm厚のウルトラベイ2000ではなく、9.5mm厚のウルトラベイスリムに変更となりました。このため、今までのウルトラベイ2000のドライブは使えません。

軽量化のため、標準バッテリーは薄型の4セルとなっています。容量が少ないためX31のようにフルパワーで3時間の駆動は難しいですが、8セルの大容量バッテリーなら、PentiumM 1GHzのモデルで約6時間使用できます。

ただし、X41のPentiumM 1.6GHzモデルは消費電力が大きいので、大容量バッテリーを使用しても最大で4時間半位しか使えません。

2004年2月
発売当時のPCWatch記事
CPUが低電圧版PentiumM 1.2GHzのモデルが追加されました(2371-7xx)。超低電圧版は1GHzのままです(2371-1xx)。
2004年6月
発売当時のPCWatch記事
CPUが低電圧版PentiumM 1.3GHzのモデルが追加されました(2371-7xx)。
2004年10月
発売当時のPCWatch記事
CPUがDothanコアの低電圧版PentiumM 738(1.4GHz)と(2371-Gxx)、Baniasコアの超低電圧版のPentiumM 713(1.1GHz)に変更されました(2371-Axx)。
Dothanコアは90nmプロセス技術で製造され、セカンドキャッシュが1MB→2MBに増加しています。
2005年4月
発売当時のPCWatch記事
CPUが低電圧版PentiumM 758(1.5GHz)に変更され、オンボードメモリが512MBになりました(2371-Kxx)。超低電圧版もDothanコアのPentiumM 733(1.1GHz)に変更されました(2371-Bxx)。

同時に後継のX41シリーズが発売されました。外観はX40とほぼ同じですが、中身はまったく違うものです。
CPUは低電圧版PentiumM 758(1.5GHz)、チップセットはIntel 915GM Express(FSB 400MHz、ビデオ機能内蔵)、オンボードメモリ512MBでDDR2のメモリとなっています(2525-5xx)。

しかし、CPUが速度アップしたため、稼動時間が短くなり、さらに質量も1.27kg(標準バッテリー搭載機。大容量バッテリー搭載機は1.49kg)に増加しました。
2005年10月
発売当時のPCWatch記事
X4xシリーズ最後のモデルチェンジが行われ、X40(2371-Qxx)、X41(2525-Exx、Cxx、4xx)ともCPUが低電圧版PentiumM 778(1.6GHz)になりました。X40には超低電圧版PentiumM 753(1.2GHz)もあります(2371-Mxx)。


所有しているX40、X41
2371-KJ0
X40 1号機(2371-KJ0)ベンチマーク
入手時のスペック:PentiumM(Banias) 1.0GHz、HDD 20Gbyte、メモリ256Mbyte(オンボード)。ウルトラベースX4付
2009年5月、オークションにて\11,000で入手しました。オークションの説明でPentium M 1.0GHzと記載されていましたが、筐体に張られている機種は2371-7FJとなっていました。”ひょっとして”と期待しましたが、BIOSで確認したところ、中身は2371-KJ0でした。(2371-KJ0を検索しても出てきません。2371-13Jの派生形のようです)

入手時からキーボードのトラックポイントが暴走していました。事前にわかっていたのですが、ドライバーかBIOSの設定で直るだろうと安易に考えていました。結局どうやっても暴走はとまらず、新たにキーボードを探すはめになりました。2009年6月 キーボードをNMB製に交換

また、ウルトラベースX4が付属されていたのですが、ドライブがついていなかったのも想定外でした。X40シリーズから、ウルトラベイスリムに規格変更されたため、今まで所有していたウルトラベイ2000のドライブが使えないのです。ドライブがないと何のためのウルトラベースかわかりません。現在、オークションでドライブを探している最中です。2009年6月コンボドライブ入手

バッテリーは半分残っており、まあ使える状態。ほとんど残量のない拡張バッテリーもオマケでついていました。なによりも入手困難な1.8インチHDD(DtoD有)が付属していたのが大きな収穫です。

2009年12月 液晶パネルをIDTech製に交換しました
2371-1EJ
X40 2号機(2371-1EJ)
入手時のスペック:PentiumM(Banias) 1.0GHz、HDDなし、メモリ256Mbyte(オンボード)
2009年6月、"起動しない"と書かれたジャンク品をわずか\3,600で落札しました。T22やX31のように起動不良の原因を探るべく、わざわざ不動品を落札したのですが、期待に反して普通に起動してしまいました。(起動不良の原因は、DCジャックのハンダ割れでした)

キーボードはChicony製で無変換キーが土台ごと無くなっていますが、キートップの文字消えやテカリが全くなく新品同様。無変換キーだけをジャンクで入手して使えるようにするつもりです。2009年8月 キーボード交換

液晶画面は、パネル表面の当たりこそ無いが、白濁、白点が大量にあり、おまけに中に異物の混入が。さらに、下部の左右にはカゲリも生じており最悪の状態です。2009年7月 液晶パネル交換

2010年1月 上半身とパームレスト、キーボードを2371-BRJに提供
2010年2月 ジャンク品の液晶、カバーとNMB製キーボードを取り付け
2371-GDJ
X40 3号機(2371-GDJ)
入手時のスペック:PentiumM 738(Dothan) 1.4GHz、メモリ512Mbyte(オンボード)、HDD・液晶パネル・キーボードなし
2009年8月、動作するかどうかわからないジャンク品として\1,500で入手。液晶パネル、ケーブル、インバータ、キーボード欠品の状態。X40の持病である、左右USBポート不良のシステムボードでした。

しかしDothanコアで1.4GHzのPentiumM搭載なので、捨てるにはもったいないと思い不足部品を最小限の出費でそろえて、動作するように再生しました。

液晶パネルはX40 2号機で交換し不要になったものを再利用。液晶ケーブル、インバータはそれぞれ破格の\105で入手。キーボードもX40 2号機のものを使用。HDDは少々壊れかけている20Gのものを流用しました。

2009年12月現在の状況
Teamの16GbyteCFを使用した疑似SSDに変更し、寝室用のパソコンとして活用しています。
2371-AFJ
X40 4号機(2371-AFJ)
入手時のスペック:PentiumM 713(Banias) 1.1GHz、メモリ256Mbyte(オンボード)、HDD・液晶パネル・キーボードなし
2009年12月 SSDやHDDの実験用に、ジャンク品を集めて製作しました。USBポートが使えない下半身と、圧迫痕の修理に失敗した液晶パネル(上半身)を組みあわせたものです。

実験が容易にできるように、パームレストは外したままとなっています(^_^;)。
2371-BRJ
X40 5号機(2371-BRJ)
スペック:PentiumM 733(Dothan) 1.1GHz、メモリ256Mbyte(オンボード)、HDD・液晶パネル・キーボードなし
2010年01月 システムボードのみを\2,000で入手し、余っていたボトムケースに組み込みました。上半身とパームレスト、キーボードを2371-1EJから移植して使用可能な状態に復元。

ZIF-IDE変換したHDDや、eSATAをIDEに変換したものなどをHDD代わりに使用しています。
2371-MAJ
X40 6号機(2371-MAJ)
スペック:PentiumM 753(Dothan) 1.2GHz、メモリ256Mbyte(オンボード)、HDD・液晶パネル・キーボードなし
2010年04月 システムボードのみを\1,000で入手。SVP有りでしたので、EEPROMをジャンクのX40と入れ替えて解除しました。

超低電圧版の最終型だったので入手し修理しましたが、すでに5台もX40があるので使う予定はありません(^^;)。
SVP ROM移植
2525-5AJ
X41 1号機(2525-5AJ)
入手時のスペック:PentiumM 758(Dothan) 1.5GHz、HDDなし、メモリ512Mbyte(オンボード)
2009年8月、オークションで\4,700即決にて入手。HDDが欠品しているだけで、他の部品はすべてありました。ただし、外観は再塗装されており最悪の状態でしたので、剥離しオリジナルの状態に戻しました。

キーボードも”かな”が塗りつぶしてあったので、こちらも剥離で元に戻しました。剥離後の状態は、文字消えやテカリもなく良好でした。

指紋認証付のキーボードベゼルは、左右が割れてバラバラになっていますので、後日オークションで探して交換する予定です。
2009年9月
キーボードとキーボードベゼルを交換しました。


2009年12月
512Mbyteメモリを増設し、EeePC901-16G用SSD+SATAアダプタの32GByteSSDで運用中。

2010年10月現在の状態
BIOSをVer1.0にダウンし、起動時の2010エラーを回避。電源ONからデスクトップ表示まで約30秒で起動できるようになりました。
2525-40I
X41 2号機(2525-40I)ベンチマーク
入手時のスペック:PentiumM 778(Dothan) 1.6GHz、HDDなし、メモリ512Mbyte(オンボード)
2009年9月、オークションにて\4,600で入手。”起動しない”と記載されたジャンク品で、X41 1号機を修理するための部品取りとして入手しました。しかし、X40 2号機同様の簡単な修理で直ってしまったので、こちらをメインとして使用できるように1号機から部品を移植しました。

液晶パネルは、トップカバーが一部破損していたのでX41 1号機と入れ替え、紛失していた”Q”のキートップはジャンク品から移植。

2009年12月現在の状態
40GByteHDDを装着、512Mbyteメモリを増設しメイン機として使用中です。
液晶パネルはIDTech製、キーボードはChicony製に交換しました。
まとめ(覚書)
タイプ 下半身 上半身 HDD
2371-KJ0
1GHz
ボトムケースは7FJ。LenovoのXPライセンスキーあり
キーボードトラックポインタ動作せず交換。
液晶圧迫痕あり。 20G。良好
2371-1EJ
1GHz
XPライセンスキーあり。
キーボード無変換キー欠落。修理後、動作正常
液晶白点、圧迫痕など最悪 15G。使用できず
カバーのみ付属
2371-5FJ
1.3GHz
メモリカバーなし。キーボードなし
起動せず。修理断念
なし カバーのみ
2371-GDJ
1.4GHz
XPライセンスキーあり。キーボードなし
USB不良
液晶パネル、インバータ、ケーブルなし HDDケースのみ
2371-AFJ
1.1GHz
XPライセンスキーあり。キーボードなし
USB不良
なし なし
2371-11J ボトムケースのみ なし なし
2371-BRJ
1.1GHz
システムボード+ボトムケースのみ
動作正常
なし なし
2371-MAJ
1.2GHz
システムボードのみ
SVPありを解除し正常動作
なし なし
2525-5AJ
1.5GHz
ライセンスキーなし。動作正常 液晶特に問題なし HDDケース&カバーのみ
2525-40I
1.6GHz
LenovoのXPライセンスキーあり
キーボード"Q"キー欠品。修理後、動作正常
異物が混入しているが、圧迫痕などはない HDDケース&カバーのみ
ウルトラベースX4
570シリーズから始まったウルトラベースですが、ドッキングした際の一体感が今までの中で一番です。前部が低く、後部が高くなっておりドッキングした状態でもキー入力しやすくなっています。

USBポートが3個、RS232C、パラレル、VGA、PS2マウス&キーボード、LAN、モデムのポートがついています。

入手当時ドライブがついていなかったのですが、後日X60シリーズ用のCD-RW/DVD コンボ ウルトラベイスリムドライブ(39T2685)を安価(\2,000!)で入手しました。

ベゼルがフラットで傾斜がないタイプですが、取り付けてもそんなに違和感はありません。

使用されているドライブは、PanasonicのUJDA775でした。

2009/09 さらにもう1台入手しました。今度はドライブ付(Panasonic UJDA765 39T2505)で\2,500と激安。

その後、スーパーマルチドライブ(39T2851)も購入しました。PanasonicのUJ862で、DVD-R書き込みが8倍速、-R DLも書き込みできる高機能タイプです。

T41用のコンボドライブ(Panasonic UJDA745 92P6581)もX4xのウルトラベイに使用できます。
X31との比較
パームトップ部分の厚みをX31と比較してみました。

X31は約23mmありますが、X40はわずか15mmと大変薄くなっています。ウルトラベースX4を取り付けた状態でも、32mmほどです。

薄くなっても強度は十分あり、液晶パネルを開いた状態でパームレスト部分を持っても、ゆがんだりしません。X3xシリーズで同様の持ち方をすると、パームレスト部分(角や真ん中)にヒビが入ることがあります。
キーボードについて
キーボードは縦、横のサイズ、キーピッチ共X31シリーズと同じですが、互換性はありません。
キーボードはメーカ違いで2種類あります。
P.NO 93P4687(FRN 93P4686)とP.NO 39T0922(FRN 42T3033)は同じで、Made in China。Chicony製。
P.NO 93P4629(FRN 93P4628)とP.NO 39T0831(FRN ???????)も同じで、MADE IN THAILAND。NMB製。
キートップを外したNMB製KB こちらはChicony製

キートップの構造が異なるため、部品の流用は相互にできません。ただし、トラックポインタのボタン内のラバードームは流用できます(形状は若干異なります)。
キートップの構造と外し方
NMB製 Chicony製

どちらも上側から外しますが、Chicony製のほうが固めです。パンタグラフの破損を防止するため、片側ずつ外したほうが安全です。

NMB製のものは両方同時に外しても大丈夫です。普通に外そうとすると、パンタグラフがベースから外れてしまうことがあります。イレギュラーですが横から外すとパンタグラフが外れることなく簡単にできます。

はめ方は、NMB製のほうが簡単です。上側を引っ掛けて、上から押さえつければパチンとはまります。

Chicony製のほうは、パンタグラフが下がっているため、キートップ裏の突起に引っ掛けるのが難しいです。

どちらのキーボードもトラックポインタ付近のみ、上下反対の構造になっていますので、隙間から眺めて外す方向を考えてください。特にChicony製は間違えると、キートップ裏の突起が割れてしまって修復できなくなります。
反対になっているキー
Chicony・・・・G、H
NMB・・・・F、G、H、J


なお、Chicony製のカーソルキーやファンクションキー、Enterキーは右側から外します

NMB製のカーソルキーと上部のファンクションキーはパンタグラフの方向が他のキーと上下反対、”け”や”む”、Alt、Escなどの幅が小さいキーは左90度、Backspace、Enterキーは右90度回転しています。
バッテリーについて
X40シリーズのバッテリーは形状の違うものが3種類あります。
標準バッテリー
FRU 92P0998(P/N 92P0999) 14.4V 1.9AH SANYOセル

セルは薄型のものが4個使用されています。

FRU 92P1000はPanasonic製のセルが使用されています。
拡張バッテリー
FRU 92P1007(P/N 92P1008) 14.4V 1.9AH

X40の底面に取り付けます。ウルトラベースX4との併用はできません。

セルは標準バッテリーと同じものが使用されています。

分解が簡単なので、基盤から配線を引き出して換装用セルの良品判断と充電用に活用しています。

このバッテリーは5%以下放電時(赤点滅)と満充電時(緑点滅->点灯)の2回学習するようです。
大容量バッテリー
FRN 42T5268(P/N92P1150) 14.4V 4.5AH

標準バッテリーに円筒形の部分をくっつけた形状で、後ろに25mmほど飛び出します。

セルは標準バッテリーと同じ薄型セルが4本と、18650の円筒形セル4本の計8本です。

初期型は FRN 92P1002(P/N 92P1002) 14.4V 4.3AHになります。
所有していないため写真はありません 中容量バッテリー
FRN 92P1078(P/N92P1079) 14.4V 2.6AH

形状は大容量バッテリーと同じです。

容量の少ない薄型セルは使用せず、円筒の18650のみを使用しており、四角い部分は空洞になっています。

大容量バッテリーのリコンディショニングは独特です。2種類のセルを使用しているため、一旦40〜43%くらいのところで再学習が行われます。(BBenchでグラフが横一直線になります)
その後、再度放電がはじまり、2%で2回目の学習が行われます。(最初が円筒セルで、次が薄型セルです)

セルの換装
大容量、標準とも薄型セルが使用されています。大容量バッテリーは薄型セルがダメになると充電ができなくなります。X40のバッテリー換装は使える薄型セルの入手が一番の問題です。

セルの換装にあたり、薄型セルを使用しているバッテリーパックを探しました。SHARP MURAMASAのものが薄型であることがわかり、早速オークションで入手しました。
CE-BL18
殻割りしてみると、中にはSANYOのUF103450Pが12本入っていました。4直3パラになっていたので、バラバラにして各セルの電圧を測定。結果、一番右のブロックがすべて反転しているだけで、他は使えそうです。

X40の拡張バッテリーを利用した、リチウムバッテリー充電器で、4本づつ充電してみたところ残容量が20Wh程度のものが2セット(計8本)あり、十分使えることがわかりました。

このセルは、容量が低下した標準バッテリーのセルと入れ替えて活用する予定です。

今回実験でわかったのですが、X40のバッテリー制御基板はセルを脱着すると残容量が0%になります。今回のようにセルの良否確認で次々脱着する実験には向いていません。(おまけに基板の保護回路が弱く、ヒューズが飛ぶ前にチップが壊れます)


バッテリー制御基板の解析
当初はEEPROMの種類がわかりませんでしたが、標準と拡張の01M***がEEPROMであることが分かりました(大容量はS24C0)。このEEPROMはS24C1の互換品で、EEPROMライターで24C01を選択して読み出しができました。

各バッテリーのEEPROM
大容量バッテリー 標準バッテリー 拡張バッテリー

細かい内容は解析出来ていませんが、最低限必要な満充電容量とサイクル数のデータは判明しました。X30シリーズのバッテリー同様、00h〜01hがサイクル数、02h〜03hが満充電容量となります。

例)サイクル数585、満充電容量1785mWhのバッテリー
00 01h・・・02 49
02 03h・・・06 F9
0249を10進数に変換すると585、同様に06F9を10進数に変換すると1785となります。

2010/03/26追記
大容量バッテリーのデータは、標準・拡張とは異なり下記のようになっています
例)サイクル数271、満充電容量2891mWhのバッテリー
00 01h・・・01 10
02 03h・・・02 94
0110を10進数に変換すると272、0294を10進数に変換すると660となます。これが楕円セルのデータです。

10 11h・・・01 0E
12 13h・・・08 B7
010Eを10進数に変換すると270、08B7を10進数に変換すると2231となります。これが丸型セルのデータです。

満充電容量はこの2つを足します。660+2231=2891mWh
サイクルカウントは、272と270の間の271回となります。サイクルカウントを2にする場合は、0001hを3、1011hを1にします。
使ってみて
DtoDを使用して出荷時の状態に戻してみました。しかし、てんこ盛りのユーティリティと評判の悪い1.8インチHDDのため、WindowsXPの起動時間はかなり遅いです。起動時にWindowsXPの下で流れるバーが20回以上見れてしまいます。

やはり噂どうりHDDが遅いためかと思い、ベンチマークテストを実施。しかし8年くらい前の流体軸受け2.5インチHDD、IBM Travelstar 40GNとほとんど同じでした。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor Pentium III 998.52MHz[GenuineIntel family 6 model 9 step 5]
VideoCard Intel(R) 82852/82855 GM/GME Graphics Controller
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Memory 514,416 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 3
Date 2009/06/06 06:16

Intel(R) 82801DBM Ultra ATA Storage Controller - 24CA
プライマリ IDE チャネル
HITACHI_DK14FA-20B

Intel(R) 82801DBM Ultra ATA Storage Controller - 24CA
セカンダリ IDE チャネル
ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
18655 45645 46063 36647 27895 54438 49
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy
22131 24563 4333 397 15865 14275 2212

X40の1.8インチHDD X31の2.5インチHDD

なんとか速くならないかと、不要と思われるユーティリティをアンインストールしたところ、バーの回数は14回となりました。しかし、まだまだ遅いので、WindowsXPのクリーンインストールを実施。その結果、バーの回数は11回と速くなりました。
(ちなみにX31は標準のTravelstar 40GNで12回なので、遅いといわれているX40のほうが速くなりました。)

起動時間は、BIOSのThinkPadロゴが消えてから、デスクトップ画面表示まで約36秒、砂時計が消えるのが約45秒です。

結局、クリーンインストールするので、DtoDが残っていても意味がありません。(ライセンスの問題のみ)
内蔵SDカードスロットの速度
X40はそれまでのXシリーズのCFスロットを捨て、SDカードスロットがつくようになりました。当初はSDのみだったのですが、WindowsXP SP3でSDHCにも対応しました。

どのくらいの速度が出るのか、試してみました。
X40内蔵SDスロット USB接続カードリーダ
SanDiskの4G microSDでUSB接続でのReadが19MB/secと爆速のものを使用しましたが、結果はこの通り。
無線LAN
今回入手したX40には無線LANカードがついていませんでしたが、アンテナは内蔵されていたのでminiPCIの無線LANカードを入手し内蔵しました。
IBM純正でX40用のminiPCI無線LANカード(73P4303 ThinkPad 11a/b/g ワイヤレスLAN Mini PCIカードII)を使用したので、ちゃんとFn+F5で無線のON/OFFができ、インジケータも光っています。

ThinkPad用miniPCI無線LANカードの種類(Atherosチップ)
FRU PN 品名 主な機種 備考
39T5645 ThinkPad 11a/b/g ワイヤレスLAN Mini-PCIカードII
73P4303を新11aにしたもの
31P9702 ワイヤレスLAN 802.11a/b/g Mini-PCI カード X31 外観は39T5645と同じだが旧11a
73P4303 ThinkPad 11a/b/g ワイヤレスLAN Mini PCIカードII X40,X41
T4x
AR5BMB-44
39T0429、93P4266も同じ
91P7418 ThinkPad 11b/g Wireless LAN Mini PCI Adaptor X31,X40 AMBIT T60H786-W 802.11b/g
93P3477も同じ
26P8447 IBM ワイヤレス LAN 802.11a/b Mini-PCI カード X31 Philips PH11107-B
91P7303 ThinkPad 11a/b/g無線LANアダプタ X31,X40
X41不可
Philips PH12127-B/PH11107-B
31P9704、93P3599も同じ
91P7301 IBM 11a/b/g Wireless LAN Mini PCI Adapter X31,X40
X32不可
Philips PH12127E/PH11107E
海外仕様?
31P9702と39T5645は品名が違いますが、外観は同じです。39T5645と73P4303は品名は同じですが、外観が違います。

ThinkPad用miniPCI無線LANカードの種類(Intel2915チップ)
FRU PN 品名 主な機種 備考
39T5643 Intel PRO/ワイヤレス2915ABG Mini PCI アダプタ X40,X41
X31不可
39T0391も同じ
41N2992もIntel PRO/ワイヤレス2915ABG Mini PCI アダプタ と同じ品名ですが、X40,X41には使えません。

ThinkPad用miniPCI無線LANカードの種類(Intel2200チップ)
FRU PN 品名 主な機種 備考
93P3485 Intel PRO/ワイヤレス 2200BG Mini PCIアダプター X31,X40
X41,T4x
色々な機種に使える
39T0079も同じ

miniPCI無線LANカード一覧
T60H786-W
91P7418
Intel2915ABG
39T0391
AR5BMB-44
73P4303
非純正
HP W400

31P9704 Intel2200BG
93P3485
93P3599 Intel2915ABG
39T5643
Bluetooth
X40にはIntegrated Bluetooth III with 56K Modem(通称BMDC-2、BMDC200b)、X41にはBMDC200に加え、Integrated Bluetooth IV with 56K Modem(通称BMDC-3、BMDC300)が使用できます。

BMDC300はA2DPが使えますので、ステレオヘッドホンの使用ができます。しかし、通常のドライバーではA2DPが使えませんので、Z6xシリーズ用の、Bluetooth with Enhanced Data Rate ソフトウェア(Windows XP/2000)を使用します。

Bluetooth with Enhanced Data Rate ソフトウェア IIも使用できると思いますが、未確認です。


ドライバー関係のリンク
X40 WindowsXP用
LAN・・・・インテル PRO/1000 LAN アダプタ ソフトウェア 2009/05/25 Ver. 8.7.9.0 (ビルド 135400)
バッテリーメータ・・・・Lenovo 省電力マネージャ 2009/06/24 Ver. 1.60(要.NetFrameWork 3.0以降)
※Lenovo 省電力機能設定パッケージも使用できます。
電源設定は、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\PowerCfg\PowerPolicies に保存されています。
省電力・・・・Lenovo ThinkPad 省電力ドライバー 2009/06/23 Ver. 1.53
オンスクリーン表示・・・・Lenovo ホットキー機能 2009/06/24 Ver. 2.20.0001
モデム・・・・Integrated 56K Modemプログラム 2006/03/14 Ver.7.34.00.50
※setupでインストールすると必要ないものまで入るので、C:\DRIVERS\WIN\SWMDMCNT\WIN2KXP\ICHを直接指定したほうが良いかも
オーディオ・・・・オーディオ・ドライバー 2005/10/05 Ver.5.12.01.5410
ディスプレイドライバー・・・・ディスプレイドライバー 2005/05/30 Ver.6.14.10.3943
無線LAN・・・・ThinkPad ワイヤレスLAN (11a/b/g) 2007/06/15 Ver.4.1.2.156
※AR5BMB-44 P/N 73P4303(39T0429) Atherosチップ用です。
X41 WindowsXP用
バッテリーメータ・・・・X40と共通
オンスクリーン表示・・・・X40と共通
省電力・・・・X40と共通
モデム・・・・X40と共通
LAN・・・・Broadcom NetXtreme ファスト/ギガビット イーサネット ソフトウェア 2008/10/28 Ver.10.35.0.0 (リリース 10.4.4)
ディスプレイドライバ・・・・ディスプレイ・ドライバー(INTEL 910GML/15GM) 2006/08/25 Ver.6.14.10.4631
オーディオ・・・・オーディオ・ドライバー (対象デバイス SoundMax Integrated Digital Audio) 2006/03/14 Ver.5.12.01.5300
無線LAN・・・・インテル ワイヤレスLAN(11abgn,abg,bg) 2009/04/03 Ver. 12.04.0000
※インテルPROワイヤレス2915ABG MiniPCIアダプタ P/N 41N2992(39T0391)用です
セキュリティチップ・・・・ Atmel TPM (Trusted Platform Module) デバイス 2008/02/26 Ver.3.0.0.15
※不明なデバイス(Intel 82801FBM LPC Interface Controller - 2641) と表示されるものです
指紋認証・・・・ThinkVantage 指紋認証ソフトウェア 5.6 2007/10/03 Ver.5.6.2
※Biometricと表示されるものです
Bluetooth・・・・Bluetooth with Wnhanced Data Rate ソフトウエア 2008/10/01 Ver.5.5.0.4700
※Integrated Bluetooth IV ソフトウェア (Windows 2000/XP) は、A2DPが使えません

おまけ
X41の古いBIOS
http://www-307.ibm.com/pc/support/site.wss/document.do?lndocid=MIGR-59205


DtoD領域のバックアップ
ThinkPadのDtoD領域は、BuffaloのポータブルHDD(HD-PSG120U2-WH)でバックアップしています。このHDDは、ブート時に仮想CDとして認識でき、AcronicsTrueImageLEを起動することができます。しかし、このソフトを使用してDtoD領域のみをバックアップし、復元しても正常に起動できません。HDD全体をバックアップすれば、正常に復元できますが、DtoD領域とCドライブ両方のバックアップとなり、容量が大きくなります。

そこで、バックアップ時にはCドライブをフォーマットして、HDD全体をバックアップしています。

Cドライブをフォーマットすると、AccessIBMでRescue and Recovery画面が出なくなることがあります。その場合は、IBMのサイトから修復ソフトをダウンロードし、実行すればRescue and Recovery画面が出るようになります。

リカバリー修復ディスケット - Rescue and Recovery
このソフトはRescue and Recovery Ver1.0〜Ver4.2まですべてに対応しています。

使い方はIBMの下記サイトを参照してください
F11キー/Access IBM ボタンで Rescue and Recovery 画面に入れない場合の対処方法 (Rescue and Recovery リカバリー修復ディスケットの使用方法) - デスクトップ/ノートブック全般

なお今回のX40の場合は、Rescue and Recovery画面でCDもしくはDVDのリカバリーディスクを作成することができます。


液晶パネルの修理
圧迫による白濁や白点などが生じた液晶パネルの修理にチャレンジしてみました。
左上に目立つ白濁
左下には一番星のように輝く白点が多数あります。

右下にも白濁があり、さらに下部の両側にかげりが生じています
これはバックライトを収納しているケース内側のアルミ箔が、熱ではく離しているものと思われます。
最初の状態
SAMSUNGのLTN121XA-L01が使用されていました。

X3xやX2xシリーズとは異なります。
液晶パネルを取り出す
液晶パネルの内部に、わらのようなものが多数入っていました。分解した形跡はないので、どこから入ったのか不思議???。
液晶パネル内に異物
一番後ろ(天板に近い側)にある、アクリルパネルにスリ傷が入っています。これが、画面左上に目立つ白濁の原因です。
アクリルパネルに傷
アクリルパネルの傷はアクリル磨きで磨き、かなり薄くなりました。しかし、磨く際に裏側の突起がすれて、新たな傷となってしまいました。
(Restartの右にある傷が新たについたものです)

一番星のように明るく輝いていた白点は完全に除去できました。

ただ、アクリルパネル全体を磨いた際のムラがそのまま出てしまい、青い画面やグレーの画面で目立ってしまいます。
修復後の状態

液晶パネルの色
X40用の液晶パネルも、経年変化で黄色っぽくなるようです。
最初に入手したもの
R31のように黄色く変色している
最近入手したもの
X31シリーズ同様の青っぽい画面

SAMSUNG製のものは、全部変色するのでしょうか。

所有している液晶パネルの状態

なぜか、左上に圧痕がつきやすいようです。また、他機種では考えられないほど、内部にゴミが入りやすい構造のようです。
2009年9月 2371-GDJ用の液晶パネルを分解清掃しました。手順は↓


液晶パネルの分解方法
SAMSUNG製パネルの分解方法です
白濁、ゴミ混入がある液晶パネルを修復するために分解します。

下部の丸いシールをはがすと、M2.5×5のねじ2本があるので外します。このねじは、ここにしか使われていません。

液晶パネル左右の四角いシールを外し、M2×2.5のねじ6本を外します。ベゼルだけを外す場合は、このねじは外さなくてもOKです。
ベゼルを外す際は、爪を破損させないように注意しなくてはいけません。

分解作業には、接着剤についてきたヘラを使用しています。この道具を使えば爪の破損はなく、キズもつきません。

分解は下部から行います。

ベゼルの下部は両面テープでついていますので、隙間からこのヘラを挿入してテープを切断します。
インバータを止めている、M2×2.5のねじ(ベゼルのねじと同じ)を外し、液晶パネルAssyを取り出します。

液晶ケーブルをとめているシールをはがし、インバータとバックライトの接続コネクタを外し、ケーブルを抜きます。

左右のアンテナを止めている布製のテープと、下部の黒いビニールテープをはがし、M2×2.5のねじ3本を外し、アンテナを外します。このねじもベゼルと同じものです。

その後、左右のヒンジを外します。(ベゼルと同じM2×2.5のねじ3本)
液晶パネル自身を分解します。

左右のM2×1.5タッピングビスを外します。裏返した状態で左に2本、右に1本あります。このねじは専用ですので、他と混じらないよう注意します。

上部と右側のシールをはがします。上部にある制御基盤をとめているM2×1.5のねじ2本を外します。先ほど外したねじとそっくりですが、微妙に違います。
上部左右にある爪をドライバーで少し、持ち上げて液晶パネルの金属フレームを樹脂フレームから分離させます。

左右にも爪がありますが、金属フレームを少し広げてあげれば簡単に外れますので、道具は不要です。

液晶パネルの制御基盤を損傷しないよう注意して、金属フレームを外します。
金属フレームが分離できました。ただし、バックライト部分のテープをはがしていませんので、下部はくっついたままとなります。

液晶パネルには、保護のためキッチンペーパを貼っています。
液晶パネルを取り出します。

どこも固定されていませんので、簡単に取り出すことができます。裏面の汚れが表示に大きく影響しますので、きれいに清掃後、ほこりがつかない場所に保管しておきます。

さらにシートなどを分離して清掃する場合は、晴天の日は静電気がおきやすく、ホコリも舞いやすいので、曇天や雨の日の作業がベストです。

表側からの順番
おまけ

液晶パネル裏に使われているテープは伸縮性のない白いテープです。ビニールテープで代用すると熱ではがれてきますので、わたしはカートンフィルムテープというものを使用しています。

アンテナを止めている布テープは、トランスなどの絶縁用として販売されているものを使用しています。


SAMSUNG製とIDTech製液晶の違い
SAMSUNG製
全体図 コネクタ部 バックライト収納部

IDTech製
全体図 コネクタ部 バックライト収納部


部品いろいろ
X40とX41のパーツの互換性について、わかる範囲でまとめてみました

メモリスロットカバー
 初期のX40についています

 後期のX40についています

 DothanコアのタイプのX40とX41についています

ベースカバー
X40用とX41用は異なります。X41用はメモリスロット部のチップを冷やすヒートパイプがあり、カバーの一部に切り欠きが入っています。

ただし、DothanコアのX40はX41と同じベースカバーを使用しています。
CPUファン
X40用とX41用は異なります。X41用はチップセットを冷却するためのヒートパイプがついています。
さらにX40用はDothanコアのタイプと、Baniasコアのタイプでコネクタのピン数が異なっていますので互換性はありません(差し替えれば使えます)。

X41用も2種類あります。FRU P/N 26R9618が一般的なX41、X41T用です。X41TのULV用で26R9619というものがありますが、ヒートパイプの数が1本少なく、吹き出し口の形状がX40と同じフィン付になっています。また、コネクタのピン数も異なります(26R9618 3Pin、26R9619 4pin)。

間違って入手してしまい、現在1.5GHzのX41で使用していますが、ファン回転時の音がかなり耳につきます。
→フィン(はね)が1枚欠けていた冷却ファンの修理交換用に購入したものでしたが、音がうるさすぎるので結局外してしまいました。ちなみに、欠けていたフィンはプラリペアで無事修復できました(^o^)。
上が26R9619、下が26R9618

液晶パネル
SAMSUNG製(LTN121XA-L01 92P6728)とIDTech製(IAXG02S 92P6687)の2種類あります。どちらもX40、X41に取り付けでき、ケーブルも互換性があります。
キーボード
NMB製(93P4628)とChicony製(93P4686)の2種類あります。どちらもX40、X41に取り付けできます。
キーボードベゼル(パームレスト)
X41用はすべて指紋認証がついているものになります。しかし指紋認証が不要であれば、X40用を取り付けることもできます。

逆にX40へX41用を取り付けることはできません。指紋認証ユニットとスピーカ及びシステムボード上の部品が干渉します。


1.8インチHDDについて
X40とX41はHDDが1.8インチのサイズしか使えません。さらに、インターフェースが日立形という特殊なもので、現在は生産中止になっており入手が困難です。X40、X41を今後も使用していく場合はHDDの確保が必須となります。

X40、X41で使用できるHDDやSSDについてまとめてみました
標準のHDD
初期のX40には、日立GSTのTravelstar C4K40(DK14FA-20B)が使用されていました。20GByteで、4200rpmとなります。上位機種には、同じC4K40の40GByteも使われていました。

後期型のX40と、X41にはC4K60の40GByteと60GByteが使用されていました。C4K40よりも若干性能が上になります。
C4K60(40G) C4K40(20G)

日立GSTのIDEコネクタタイプの1.8インチHDDは60GByteが最高で、それより大きい容量のものはありません。

C4K60(IDE)

補修部品
X40、X41のHDDが壊れた場合、IBMに修理を依頼すると代替えのHDDに交換するようです。この修理用HDDは、日立GSTのC4K60ですが、インタフェースがZIFコネクタになっています。当然このままでは使用できませんので、専用の変換ケーブルとケースに入っています。C4K60のZIFコネクタタイプは、東芝の1.8インチHDDと同じ寸法になりますので、このケースが入手できれば、東芝のHDDを搭載することができます。

C4K60 slimを使用したIBM純正部品

ZIF-IDE変換基板を使用した換装
入手困難な日立形HDDではなく、現在も入手ができる東芝製のHDDを使用する方法です。東芝製のHDDはコネクタが前述した補修部品のものと同様で、ZIFタイプになります。当然そのままでは取り付けできませんので、変換基板とケーブルを使用してX40、X41に搭載します。
この変換基板が一番ポピュラーなもので、TEFTECの変換名人IDE-ZIFB25A、DECAのDCT-ZIF25IDE、aitendoの1.8ZIF-2.5HDDが同じものとなります。

ただし、この変換基板はもともと2.5インチHDDのノートパソコンに1.8インチHDDを接続するためのものなので、基板上に5Vから3.3Vに電圧を落とすレギュレータが搭載されています。もともと3.3VでHDDを動作させているX40、X41に使用すると、このレギュレータが正常に動作せず、電圧不足となります。

この基板を使用する場合は、レギュレータ右側にある3本の足の内、上2本を短絡しなければいけません(あえて、取り外す必要はありません)。この作業が面倒な場合は、改造済みのものがPS/PLAZA WAKAMATSUで販売されています。

基板の改造ができましたら、東芝製のHDDを接続します。接続に使用するFFCケーブルは変換基板に付属しています。両端が青のものと、片側が白のものの2種類あります。両端が青のものは日立製のZIFコネクタタイプ(C4K60 slimなど)に使用するものなので、東芝製HDDの場合は使用しません。

片側が白の部分をHDD側、青の部分を変換基板に挿入して使用します。どちらのコネクタにもロックがありますので、注意が必要です。

変換基板とFFCケーブルを装着したHDDをX40、X41に装着しようとしてもそのままでは取り付けができません。一番の問題は横幅が日立GSTHDDの69.5mmに対し東芝製HDDは71mmと1.5mm大きくなっていることです。X40、X41のパームレストを外し、HDDの脱着を容易にするガイドレールを取り外さないと装着できません。作業手順と装着時のイメージなどは、前述のPS/PLAZA WAKAMATSUに詳しく説明されています。

わたしは、ガイドレールを削りケースをプラ板で製作して、純正のHDD同様に脱着ができるよう改造しています。

擬似SSD
HDDの入手が困難なので、CF(コンパクトフラッシュ)を使用した、擬似SSDをHDDの代わりとして使用する方法です。CF-IDEの変換基板は色々なものが出ていますが、あまり古いものだとDMA転送に対応しておらず速度が異常に遅くなるので注意が必要です。

私の所有しているものはすべてDMAに対応しています。

使用するCFにより、読み書きの速度は大きく変わります。300倍速以上の高速CFを使用しないと、動作が遅くイライラすることになります。速度の遅いCFを使用する場合は、プチフリ対策ソフトのFlashFireを使用すればある程度は使えるようになります。

わたしは現在、Transcendのx133とTeamの133xを使っています。TranscendはFlashFireなしでもそこそこ使えますが、TeamのCFはとても使えません。CFの値段は以外と高く、x133の16GByteでも\4,000程度、高速の300倍速では\10,000位となります。擬似SSDに使用するには、コストパフォーマンスがあまり良いとは言えません。
Transcend 133x Transcend(FlashFire有) Team x133 Team(FlashFire有)

安価で入手できるmicroSDHCを使用した擬似SSDを構築する方法もあります。しかし、CFの場合と異なりSD-IDE変換チップが必要となりますので、変換基板の価格が高くなります。さらに変換に使用しているチップメーカが少なく、性能も良くないため速度がかなり遅くなります。
TFTEC変換名人 SDHC-M44Aを使用し、microSDHC(class6)を使用したベンチマークの結果はx133のCFにも劣ります。さらに面倒なことに、この変換チップを使用した場合、BIOS上でリムーバブルディスクとして認識します。Windowsインストール後、ようこその画面で停止したり、Windowsアップデートが出来なかったりします(日立マイクロドライブフィルターをインストールすれば、ハードディスクとして認識できるようになります)。この症状は、同じ変換チップを使用しているPhotoFastのCR-7100(microSDHC-CFアダプタ)でも同様です。

しかし、microSDHCは8GByteで約\1,800と激安なので、いろいろなOSをmicroSDHCに入れて交換しながら使用することができます。memtestやBIOSアップデートなど、DOSのアプリケーションを実行したいときなどは、使わなくなった小容量のSDカードがあれば十分使えます。X40にはUSB接続のフロッピードライブしか無いので、このような使い方も”有り”かと思います。(USBが壊れたX40だと、ウルトラベースが無いとCDも使えず、BIOSのアップデートすらできません)
SATA-SSD
X40、X41はIDE接続のHDDしか接続出来ません。しかし、SATAをIDEに変換するアダプタがあります。このアダプタ、本来は2.5インチのSATA-HDDを使用するためのもので、サイズが大きくどう考えてもそのままでは、X40やX41に使うことはできません。

コネクタによる接続をあきらめて、SATAのSSDを直結する改造を行い、1.8インチサイズのSSDを製作することがうまく出来ました。

使用するSATA-IDE変換基板は、TEFTEC変換名人のSATA-44Aです。
このように、X40へ装着するとSATAコネクタが上方に大きく出っ張るため、パームレストを取り付けることができません。
邪魔なコネクタは外してしまいます。これで、X40に装着することが容易になります。

次は、残りのスペースに収まりそうなSATA-SSDの選定です。
最初は、SILICON POWERのUSB-eSATAメモリーを使用しました。このメモリーはOCZと同じものです。

殻割りは簡単です。中身はこのようになっていますが、eSATAのコネクタが大きく出っ張っており邪魔なので、除去します。

あとはSATA-IDE変換基板との配線をするだけです。SATAは送信、受信の配線を4本接続するだけで使用出来ますので、配線が楽です。電源は別途必要になりますが、それでもたったの6本です。

この状態でも両面テープなどで固定すれば充分使用出来ます。
ベンチマークの結果は、CFを使用した擬似SSDとは比べ物にならないほど高速に動作します。16GByteのUSBメモリでも\6,000くらいですから、300倍速のCFを使用した擬似SSDより、コストパフォーマンスは高いです。

SATA接続でコンパクトなSSDが入手できれば、なんでもX40に装着して使用することが出来ます。

そこで、最近新たに取り組んだものが、EeePC901-16G専用のSSDを使用したSSDの製作です。BUFFALOから出ている、SHD-ES9M32Gをアウトレットにて安価で入手し、同様の改造を施しました。
X40のHDDスペースに収めるためのケースを自作しましたので綺麗に収まっています。こちらは、上記のSILICON POWERのeSATAを使用したものより、さらにコストパフォーマンスが高く、\6,500で32GByteのものを作ることが出来ました。

SHD-ES9Mには64GByteのモデルもあります。こちらを使用すれば、\12,000(アウトレット価格)ほどで64GByteのSSDを製作することが出来ます。
ベンチマークの結果は、SILICON POWERよりも高速で、市販されている1.8インチSSDと比べても遜色のないものとなっています。

注意!
この改造で使用できるEeePC901用のSSDは、SATAのBUFFALO SHD-ES9MシリーズとSUPER TALENT FPM&FPDシリーズのみです。他のSSDはすべてPATAなので使えません。


SNV125-S2/30GBを使用したSSD
2.5インチSATAのSSDですが、中を開けてみるとスカスカで東芝のハーフスリムSSDモジュールが入っています。かなり小さいものなので、SATA-44Aと合わせてX40、X41に装着することが可能です。
外観は2.5インチサイズです 東芝のSSDが入っています
SNV125-S2/30Gの動作電圧は5Vとなっていますが、3.3Vでも問題なく動作しますので、X40、X41に取り付けることができます。

プラ板でフレームを作成し脱着可能に
1.8インチサイズに収めるため、他のSSD同様SATA-44Aのコネクタを外しました。ただし、今回は取り外したSSDのコネクタを延長し、そのままSNV125-S2/30Gに差し込んでいます。そのおかげで、SSD側は全くの無改造となっており、簡単に元の2.5インチサイズに戻すことができます。

ベンチマーク結果は、eSATA改やSHD-ES9M改より高速です。実際の動作も軽やかで、プチフリ対策のソフトは不要です。

変換名人 SATA-44Aについて
SATA接続のHDDやSSDを、2.5インチIDEポートに接続できるようにする、変換アダプターです。あえて2.5インチ用と記されているのは、基板上に5Vから変換チップ用の1.8Vと3.3V電源を作り出すレギュレータ(AMS1117)が乗っているためです。

1.8Vの変換は入力が3.3Vでも問題ないのですが、3.3V変換は本来入力電圧が4.75V以上ないと正常に動作しません。しかし、X40、X41は3.3Vの電圧が高めなのか、問題なく動作してくれますので、特に基板を改造しなくても使用することができます(もし動作しない場合は、AMS1117-3.3の2-3pinを短絡すればOK)。

SATAデバイス駆動用の電源は基板上のレギュレータを使用せず、IDEポートから直接供給されています。したがって2.5インチのパソコンに接続した場合は5V、1.8インチのパソコンに接続した場合は3.3Vがかかることになります。

変換チップはマークが消されていますが、JMicronのJM20330が使用されています。この変換チップは変換効率が大変良く、Readで80MB/secとIDEポートの限界速度が出ます。

基板上にアクセス確認用のLED(D3)がありますが、点灯しません。回路設計が間違っており、本来JM20330の34pinに接続されるはずのパターンが抜けています。そのため、この変換基板を取り付けてSATAデバイスを接続すると、パソコン本体のアクセスランプも点灯しません。しかし、独自に回路を解析したところ、配線を1本追加するだけで点灯するようになりました。
回路図 JM20330の34pinから LED(D3)横の抵抗(RD9)へ接続