1936年のドイツと日本の出来事
1936年
・ガルミッシュ・パルテンキルヒェンで冬季オリンピック開幕
・ドイツ軍、ラインラント非武装地帯に進駐(ロカルノ条約とベルサイユ条約の破棄)
・非武装地帯への進駐、国民投票で99%が賛成
・ドイツ=オーストリー友好協定締結
・スペイン内乱で反乱軍を支援
・ベルリン・オリンピック開幕
・党大会で4カ年計画発表
・ベルリン−ローマの枢軸成立
・日独防共協定締結
昭和
11年
・国立公園切手発行
・国会議事堂(帝国議事堂)完成
・国会議事堂竣工記念葉書発行(最初の記念葉書)
・軍部クーデター
・改組第1回帝展

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1936年に発行されたドイツ切手

※色の表示は目安です。

1936.1.6 (月曜 Montag, Monday)

1.ルフトハンザ10年

40Pfennig ルフトハンザで使われたハインケルHe70型飛行機

 第一次世界大戦後の1919年に、多くの航空機とパイロットを活用するため、民間航空が事業が盛んになりました。同年2月には早くもベルリン〜ワイマール間の空路が開設され、各国もそれに倣ってしのぎを削りましたが、供給以上に需要がなく、そのほとんどが1年で廃業に至りました。その後、国が補助金を出して、一国につき1社の大手航空会社を設立して国際線の競争力を高める(一方で残りの航空会社は国内線を担当する)という国策により、ルフトハンザが生まれました。なお、1919年当時から今も営業を続けているのはKLMオランダ航空のみです。ちなみに、創立は1919年10月7日です。

・有効期限は1937年12月31日です。


1936.2.15 (土曜 Sonnabend, Saturday)

2.ドイツ自動車50年、ベルリン国際自動車オートバイ展示会

6Pfennig ゴットリープ・ダイムラー(1834-1900)
12Pfennig カール・ベンツ(1844-1929)

 ダイムラーは1883年に高速ガソリンエンジンの特許を得て、1885年にそのエンジンを二輪車につけて世界初のオートバイとし、1886年には四輪車につけてガソリン自動車の実用化に貢献しました。
 ベンツは発明した1気筒4サイクルエンジンを1885年三輪車にとりつけて特許を得て、1886年にはその三輪自動車がミュンヘン市内を実際に走りました。
 なお、初日の2月15日はベルリンの郵便局のみで、他の郵便局は2月24日(月)から発売されました。

・有効期限は1937年12月31日です。


1936.3.16 (月曜 Montag, Monday)

3.航空切手

50Pfennig 大西洋上を行くツェッペリンLZ129号
75Pfennig 同上

 北アメリカ航路に就航したLZ129号(ヒンデンブルク号)用の航空切手です。LZ127号用の航空切手と違って半分程度のサイズ(しかも横長のツェッペリンを縦型の切手に配置)であまり迫力がありません。
 どちらの切手にも横すかしがありますが、いずれも入手しやすいです。
 どちらの切手の糊も硫酸の成分が含まれていて、未使用の切手が保存中に変色することが分かったため、未使用=糊落ちになっているのが普通です。

・有効期限は1937年12月31日です。


1936.5.4 (月曜 Montag, Monday)

4.オットー・フォン・ゲーリケ没250年

6Pfennig オットー・フォン・ゲーリケ(1602-1686)

 オットー・フォン・ゲーリケはマグデブルク生まれの物理学者・政治学者で、ライプチヒやライデンで学び、1646年にはマグデブルクの市長になりました。パスカル、トリチェリ、ガリレイらの真空の実験に興味を持ち、1650年に真空ポンプを発明。1657年には「マグデブルクの半球」で知られる公開実験を行いました。これは青銅製の半球を2つにあわせて中を真空にし、16頭の馬を2手に分けて双方から引っ張っても半球が離れないことで大気圧の大きさを示したものです。

・有効期限は1937年12月31日です。


1936.5.9 (土曜 Sonnabend, Saturday)

5.ベルリンオリンピック 付加金付き

3+2Pfennig 鉄棒
4+3Pfennig 灰青 飛び込み
6+4Pfennig サッカー
8+4Pfennig やり投げ
12+6Pfennig 聖火リレー
15+10Pfennig フェンシング
25+15Pfennig カヌー
40+35Pfennig 馬術

 8月1日(土)から16日(日)にかけて開催されるベルリンオリンピックのための付加金付き切手です。なお、この次の1940年に行われる予定だったオリンピック東京大会は、第二次世界大戦のため中止となりました。

・有効期限は1937年6月30日です。


1936.6.3 (水曜 Mittwoch, Wednesday)

6.第6回地方自治体会議

3Pfennig 聖母の姿の母と子供達と城
5Pfennig 青緑 同上
12Pfennig 同上
25Pfennig 同上

 ベルリンとミュンヘンで6月7日(日)から13日(土)にかけて開催される地方自治体会議を記念して発行されました。

・有効期限は1937年12月31日です。


1936.6.22 (月曜 Montag, Monday)

7.第3回ブラウンリボン賞競馬 付加金付き小型シート

42(+108)Pfennig 競争する馬

 ミュンヘン市内のリーム(Riem)で開かれる競馬を記念した切手の小型シートです。額面には書かれていませんが、2.5倍に当たる付加金を付けて販売されました。小型シートの耳紙部分の上に「MüNCHEN-RIEM」、下に「1936」の文字がすかしで入っています。なお、42Pfennigは、市外宛書留書状の料金です。
 以後、第二次世界大戦末期まで各種競馬切手が発行されます。軍需産業の労働者の娯楽は、この手の競馬であったのでしょう。もちろん、これは戦争準備の資金源でもありました。

・有効期限は1937年3月31日です。


1936.6.30 (火曜 Dienstag, Tuesday)

8.休養と保養の国際会議

6Pfennig シンボルマーク(男女と鳥)
12Pfennig 同上

 ハンブルクで開かれた会議の記念切手です。一見すると、平和会議のシンボルのようにも見える切手です。

・有効期限は1937年12月31日です。


1936.8.1 (土曜 Sonnabend, Saturday)

9.ベルリンオリンピック開会 付加金付き小型シート

3+2Pfennig 鉄棒 左を田形に組み合わせた小型シート
4+3Pfennig 灰青 飛び込み
6+4Pfennig サッカー
40+35Pfennig 馬術
8+4Pfennig やり投げ 左を田形に組み合わせた小型シート
12+6Pfennig 聖火リレー
15+10Pfennig フェンシング
25+15Pfennig カヌー

 5月に発行された8種類の切手を、4種類ずつ田形に配置した小型シートが発行されました。発売場所は、ベルリンとキール(ヨット競技会場)のオリンピック会場特設郵便局と、8月1日(土)から16日(日)まで開かれていた帝国園芸博覧会のドレスデン会場の郵便局です。

・有効期限は1937年6月30日です。


1936.9.3 (木曜 Donnerstag, Thursday)

10.第8回ニュルンベルク党大会

6Pfennig 党のシンボルと忠誠を誓う手
12Pfennig 同上

 恒例の党大会の切手です。この党大会で「自給自足の体制を整える」という名目の4カ年計画が発表されましたが、実態は対ソビエト戦争への準備のための計画(再軍備強化)でした。

・有効期限は1937年12月31日です。


1936.9.21 (月曜 Montag, Monday)-10.26 (月曜 Montag, Monday)

11.冬期慈善

3+2Pfennig 高速道路(アウトバーン) 9月21日
4+3Pfennig 灰青 ベルリンの航空省 10月26日
5+3Pfennig 黄緑 ニュルンベルクの戦没者記念碑 10月26日
6+4Pfennig ザールの石橋 9月21日
8+4Pfennig ベルリンのドイツ会館 10月26日
12+6Pfennig アルペン道路 9月21日
15+10Pfennig ミュンヘンの総統官邸 10月26日
25+15Pfennig マングファル橋 9月21日
40+35Pfennig ミュンヘンのドイツ芸術会館 9月21日

 恒例の冬期慈善用の付加金付き切手です。建造物がテーマです。2回に分けて発行されました。

・有効期限は1937年6月30日です。


お断り

 1933年11月1日(水)発行の慈善切手から、切手のすかしに当時第一党であった特定の党のシンボルが入れられるようになりました。戦後70年を経過したとはいえ、今も当時を思い出される方々が多数いらっしゃるという事実をふまえ、このシンボルの入った切手の図版を当サイトでは一切公開いたしません。なお、これらの切手の図版を公開しているサイトを何ら否定するものではありません。

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