超インフレ期のドイツ切手(その1)

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1923.8.24 郵便料金値上げ

 1922年から料金改訂のたびに2〜3倍になっていた郵便料金が、1923年8月24日(金)に一挙に20倍に跳ね上がりました。以後5〜10日の間隔で2〜10倍の値上げが繰り返され、紙幣同様、発行される切手は次々と紙くず同然になり、末期の11月頃はドイツ切手史上最高額の500億Markという切手まで登場します。→超インフレ期切手のドイツ切手(その2)

お断り:切手の発行日データにつきましては、今後更新される場合がありますので、ご了承ください。

1923.8.24 (金曜 Freitag, Friday) - 8.25

1.臨時加刷シリーズ

 急激な値上げに新しい額面の製版が間に合わず、臨時に加刷して発行されたものです。額面も需要の多いものしか用意されませんでした。20TausendMark(2万Mark)/12Markのみ25日の発行です。なお、各切手に発行当時の用途を併記していますが、実際はその後の値上げで様々な用途に使われています。(以下、同じ。)

8千Mark 8TausendMark(8千Mark)/30Pfennig(網すかし)
市内用書状、市外用葉書、重量印刷物、他
2万Mark 20TausendMark(2万Mark)/12Mark 1923年8月25日
市外用書状、市内用重量書状、重量印刷物、重量商品見本、書留料、配達証明料、他
2万Mark 20TausendMark(2万Mark)/25Mark
2万Mark 20TausendMark(2万Mark)/200Mark

・20TausendMark/200Mark切手に、2種類の加刷タイプ違いがあります。
・有効期限は、1923年11月30日です。


1923.9.1 郵便料金値上げ

1923.9.1 (土曜 Sonnabend, Saturday) - 9.17

2.臨時加刷シリーズ 追加

 古い切手に加刷するだけでは同じ額面の色がバラバラになるので、台切手の刷色も変更して加刷されています。30Tausend Mark切手と75Tausend Mark切手に注目してください。前者は水色、後者は緑色が基調になっていることが分かります。

5千Mark 5TausendMark(5千Mark)/40Pfennig 1923年9月3日発行
加貼り用
1万5千Mark 15TausendMark(1万5千Mark)/40Mark 1923年9月3日発行
市内用葉書、印刷物
2万5千Mark 25TausendMark(2万5千Mark)/25Mark 1923年9月15日発行
加貼り用
3万Mark 30TausendMark(3万Mark)/10Mark 1923年9月3日発行
市内用書状、市外用葉書、重量印刷物、他
3万Mark 30TausendMark(3万Mark)/200Mark 1923年9月7日発行
7万5千Mark 75TausendMark(7万5千Mark)/300Mark 1923年9月17日発行
市外用書状、市内用重量書状、重量印刷物、書留料、配達証明料、重量商品見本、他
7万5千Mark 75TausendMark(7万5千Mark)/400Mark 1923年9月1日発行
7万5千Mark 75TausendMark(7万5千Mark)/1000Mark 1923年9月1日発行

・15TausendMark/40Mark切手に、2種類の色違いがあります。
・75TausendMark/400Mark切手に、2種類の色違いがあります。
・75TausendMark/1000MarkMark切手に、2種類の加刷タイプ違いがあります。
・有効期限は、1923年11月30日です。


1923.9.

3.大型数字図案シリーズ 追加

 おそらく小包料金用に用意されていたものが遅れて発行されたものと思われます。発行は9月初旬頃とされています。なお、大型数字図案シリーズとしては、これが最後の切手となりました。

100000Mk 100000Mark
市外用重量書状、外信書状加算料、他

・有効期限は、1923年11月30日です。


1923.9.15 (土曜 Sonnabend, Saturday)

4.小型数字図案シリーズ

 正刷切手として発行されたシリーズです。

5000Mark 5TausendMark(5千Mark)
加貼り用
75000Mark 75TausendMark(7万5千Mark)
市外用書状、市内用重量書状、重量印刷物、書留料、配達証明料、重量商品見本、他

・有効期限は、1923年11月30日です。


1923.9.20 郵便料金値上げ

1923.9.20 (木曜 Donnerstag, Thursday) - 9.22

5.臨時加刷シリーズ 追加

 刷色まで統一する時間がなかったのか、台切手の刷色を変更したりしなかったり、不統一のまま加刷して発行されています。
 8Tausend/30Pfennig(網すかし)切手は、8月24日の料金改定(市内用書状料金が8000Mark)用が約1ヶ月遅れて出回ったものです。発行当時は、すでに市内用書状料金が12.5倍(8000Markから10万Mark)になっていたため、加貼りの役にも立たず、使用済は大変希少です。

8千Mark 8TausendMark(8千Mark)/30Pfennig(網すかし) 1923年9月22日発行
加貼り用
10万Mark 100TausendMark(10万Mark)/100Mark(濃い紫) 1923年9月20日発行
市内用書状、市内用葉書、重量印刷物、他
10万Mark 100TausendMark(10万Mark)/100Mark(明るい紫)
10万Mark 100TausendMark(10万Mark)/400Mark 1923年9月20日発行
12万5千Mark 125TausendMark(12万5千Mark)/1000Mark 1923年9月20日発行
価格表記料、外信書状加算料(特別低額料金適用の隣接国宛)、他
25万Mark 250TausendMark(25万Mark)/200Mark 1923年9月22日発行
市外用書状、市内用重量書状、重量印刷物、書留料、配達証明料、重量商品見本、他
25万Mark 250TausendMark(25万Mark)/300Mark 1923年9月20日発行
25万Mark 250TausendMark(25万Mark)/400Mark 1923年9月22日発行
25万Mark 250TausendMark(25万Mark)/500Mark(橙) 1923年9月20日発行
25万Mark 250TausendMark(25万Mark)/500Mark(ピンク) 1923年9月20日発行

・100TausendMark/100Mark切手に、2種類の色違いがあります。
・200Mark切手の上に100TausendMarkが加刷されたエラー切手があります。
・125TausendMark/1000Mark切手に、2種類の色違いがあります。
・有効期限は、1923年11月30日です。


1923.9.20 (木曜 Donnerstag, Thursday)

6.小型数字図案シリーズ

 正刷切手として発行されたシリーズです。この額面の加刷切手はありません。

50000Mark 50TausendMark(5万Mark)
市内用葉書、印刷物

・2種類の色違いがあります。
・有効期限は、1923年11月30日です。

→超インフレ期のドイツ切手(その2)があります。こちらをクリックしてください。

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