※ INSTALL ※ 目次
08/06/18
ゲームやデモのインストールに失敗するという場合の対策。この場合データを送る側のCD/DVDと、受け取る側のHDDの双方に問題が有るケースが考えられるが、ここではCD関連の話題に絞って解説する(ハードディスク系の問題は別のページを参照)。
※CD/DVDの読み取り関連のエラー
※途中でCDにアクセスに行ったまま停止
※インストール中にストップしてキーが効かなくなる
※CD/DVDの読み取り関連のエラー
*CDの表面に汚れや傷は無いか
これは当然チェックすべき項目ではあるのだが、実際に盤面を見て分かるのかとなると大いに疑問である。指紋の様な汚れに関しては確実に拭き取るべきだが、傷についてはよっぽど酷い物でない限り判断は困難となる。CDといった光学メディアは初めから傷が付く事を前提として作成されており、傷が付いたらその下に書かれたデータは決して読む事が出来ないという様にはなっていない。記録時に様々な形でパリティ・データを付加しており、読めないならばその部分のデータを再生する事が出来る(表のデータで縦計・横計を計算しておけば、幾つか中のデータが欠けても逆算可能なのと同様)。
その為に円周方向と垂直な傷に対してはCDはかなり強い。昔の海外のゲームでは、紙パッケージに切り込みを入れてスロットを作り、そこに剥き出しでCDを入れているので、搬送中に飛び出したりして傷だらけなどというのも結構存在したが、私はそれでも読み取りに問題が出るような物には会った事が無い。一方で円周方向に沿った傷や、指紋の様な横方向に幅広い箇所に渡る物には弱い。よって初歩的な知識だが、CDを拭く時は円周方向とは垂直にしないとならない。
いずれにしろ「傷が見えるので壊れている」といった考えは短絡的に過ぎ、メーカーに交換を訴える前にその他の項目を検査してからの方が良い。なお明らかに傷が原因であると考えられる場合、傷を修復してくれるサービスを行っている会社は多いので(CD、修復といった単語で検索すれば多数見付かる)、こういった所に依頼するというのも一つの手だろう。秋葉原等では持ち込めば現場で修復サービスをしてくれる所も有る。海外から購入した場合だと送り返すにも面倒だし、自分で出来る修復用のキットも売っているが一枚だけを修復するには高価である。
*他のドライブで試す
もしも複数のドライブを持っているシステムならば、他のドライブで試してみる。他のPCで試すというのも媒体不良を確認するには有効な手段。自作派であれば、読み取り専用のCD/DVDドライブを1台別に付けて置くというのもトラブル回避には有効になるだろう。
*互換性モードの切り替え
XPやVistaは昔のゲームをインストール&起動出来るように互換性モードというのを備えている。ここではインストールになるので、媒体上のSETUP.EXE等を右クリックしてやって、プロパティから互換性タブを選び「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを付けて、該当するOSを選んでからSETUP.EXEを起動する。逆にXP対応のゲームの場合、互換性モードにチェックが入っていないかを確認する。
*HDに中身をコピーしてしまう
これはもし出来ればという条件付だが、CD/DVDの内容をHDにコピーしてしまってそこからインストールするというやり方。CDの中身を全て選択してHDの空いた領域に適当な名前のフォルダを作ってコピーしてやる。複数枚有るならば全て。Game1フォルダ、Game2フォルダという具合に。そしてその中のSetupプログラムを起動してやってインストールする。HDに内容をコピーする段階でエラーになるのならば使えない。
*ファームウェアを更新する
CD/DVDドライブのファームウェアを更新する。対象は基本的にライティング機能を持っているドライブ。ファームウェアとは、ユニット(ハードウェア)その物に内蔵されたICチップや書き換え可能なメモリ上に書き込まれたプログラムの事である。この場合だとCD/DVDのレーザー機構等を直接制御する為のプログラムで、非常にハードに近い制御部分なので、ドライバではなくユニット内部にこのプログラムを置いている。この内容は電源を切っても保存されているのだが、特殊なプログラムを使えば中身を書き換える事が可能。
何故これを書き換えるのが必要なのかというと、プロテクト用のプログラムの進化と関係がある。新しいコピー防止方式が出てくると、これによって既存のドライブでは問題が出てしまう事が有り、それを修正する為に各メーカーでは新しいファームウェアをリリースして書き換えを推奨している。
問題は”単体販売の現役ドライブ”ならば更新の期待も出来るのだが、現在は販売していない昔の物、メーカー製の一体型PCに搭載された物、ノートPC用といったドライブだと、この更新が既に行われていないという可能性がある点。メーカーのサイトにて該当の物を探すしかない。
*データ転送モードを変更
(XP) [コントロールパネル]→ 「システム」→「ハードウェア」→「デバイスマネージャ」からIDE ATA/ATAPIコントローラを選択。プライマリとセカンダリ のIDEチャネルの状態が見られるので、CD/DVDドライブに該当する箇所を”DMA”から”PIOのみ”に変更。
(98/ME)デバイスマネージャからドライブのプロパティを出して、'DMA' (Direct
Memory Access)のチェックを現在と逆にしてみる。
なおこれは速度が低下するので、テスト後は元に戻す事。
*仮想ドライブ系ソフトによる問題
コピープロテクトの項を参照。
*ドライブレターを変える
最後のHDのドライブレターのすぐ後に、光学ドライブのドライブレターを設定して文字の空きを無くしてからインストール。HDがD:までのシステムで、光学ドライブがQ:とからならば、それをE:にする等。なおこれは変更するとインストールしていた他のアプリケーションに問題が出る可能性も有る。(昔のゲームではインストール時の環境ファイルに、インストールに使ったCDドライブレターを固定してしまう物がある)。
*CDのキャッシュ・サイズ等を変更する(Windows 98/ME)
コントロールパネルのシステムを起動。パフォーマンスタブ→ファイルシステムを選択。CD-ROM
タブの中で、
・追加キャッシュサイズを最小に設定
・先読みを無しに設定
*複数CDでの挿入エラー(Windows 98/ME)
2枚目以降のメディアを要求されて、それを入れた時点で問題が生じるケース。もしも自動挿入(Autoplay)が有効になっているならこれを停止させる。AutoplayとはCDを挿入した際に自動的にAutorunとして記述されたプログラムを実行する機能だが、これが動いてしまってインストールが中断されてしまう可能性がある。
98/Meではデバイスマネージャから該当のCDドライブのプロパティにて設定可能。XPにおいてはCD挿入時にShiftキーを押したまま入れる事で回避可能(入れる前から押しておいて、アクセスランプが消えるまで長く押したままにしないとならない)。XPにて固定する方法も有るがここでは割愛。
※媒体の読み込みエラー以外の対策
*常駐ソフトを終了させる
非常に重要。早目に試すべき事項である。アンチ・ウイルスやファイアウォール系ソフトは常に動いているはずなので、これ等のソフトを停止させる。他にもバックグラウンドで動いている物を出来るだけ停止させて試す。スクリーンセーバーも問題を起こす可能性あり。
*TEMPフォルダを空にする
インストールが上手く行かない、失敗したので再度やり直す場合、Tempフォルダの中身を空にして試す。C:\Windows\Temp(基本はこちら)と、XPならばC:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Tempにも有る。インストールする時にここを作業フォルダとして圧縮されていたデータを解凍したりするので、途中でエラーで終わったりした場合にそれが残ったままになってしまう可能性が有る(正常に終了すれば最後に削除される)。そうなると再度インストールを行った際に、残っているデータが問題でトラブルが起きたりする可能性が生じる。
ただしこの中身を全て削除する際に、Windows 98/ME系は念の為に中身を全く別の場所に移動させておいた方が良い。基本的にはこれは一時作業フォルダなので、内部には現在稼動中のアプリケーションが参照するような重要な情報は残っていないはずなのだが(実際にゲームメーカーのサポートでは”削除”を推奨している所が多い)、昔のアプリケーションだと絶対に無いとは言い切れないので。
*インストールするフォルダの変更
原因不明で上手く行かない場合に、デフォルトとなるC:\Program Files\の下にインストールするのではなく、他のドライブやフォルダの名前を変えて試してみる。逆に変更している場合には、デフォルトのフォルダにインストールしてみる。
*管理者権限(XP)
XPではインストールの際にそのPCの管理者権限(administrator)を持ったユーザー(ログイン)名が必要となる。個人使用のマシンなら問題無いが、協同使用のマシンだと管理者権限を持っている人にフル・コントロール権限を持ったユーザー名をもらわないとならない。
*インストール環境の問題
インストールを行うプログラムとゲームのプログラムは別物である。よってインストール用のプログラムその物が原因で正常動作しない可能性有り。デスクトップを、XPであれば800*600*32bitに、98/MEならば640*480*16bitにして、画面のリフレッシュレートを最適値や60Hzにしてから実行。
*BGM関連の問題
稀な例として、インストール時にCDからサウンド(BGM)を鳴らすゲームが有って、この場合にそのCDドライブが音楽再生出来ないとそこで止まってしまう可能性有り。音楽CDを入れてメディアプレイヤー等から再生可能か確認。
*Uninstallのやり方
1.スタートメニューに登録された該当ゲームの項からUninstallを選んで行う。もし無ければ「アプリケーションの追加と削除」から。
2.フォルダが残る場合が有るので(セーブや設定ファイルが残っている)、これをそのまま削除。
3.ゴミ箱を空にする
4.その後改めてインストールを行う。なお別のドライブやフォルダ名に変更して試すというのも有効な手段。
*16bit CD-ROMドライバー(Windows 98/ME系)
現在ではもうほとんど考えなくても良いようなケースで、相当昔のPCを使用している場合に、CD-ROMのドライバに16bitの物が使用されている場合が有る(Windowd
3.1やMS-DOS用)。この場合には32bit版のドライバに変更する。コントロールパネル→システム→パフォーマンスにて、「最適なパフォーマンスが実現できるように設定されています」の表示が有れば問題無い。
※その他の問題や注意点
*インストール中に止まったようになる。反応しない。
遅いPCで最近のゲームやデモのインストールを行う場合に、数分間止まったように見える可能性が有る。暫く待ってダメならば強制停止。ALT+TABの作業切り替えを行うと別の画面が裏で起動している事もある。新しいゲームに新しいPCの組み合わせでも、インストールの最中に(主に終了間際)止まったように見える事があるので、すぐにハングアップしたとは考えないように。なおこういった現象が出る場合には、ハードディスクの項で一連の確認やデフラグ等のメンテナンス項目はチェックしておく事。
*ゲームのメニューのInstallの文字がグレーアウトしていて選べない
同じゲームの製品版とデモは共存可能である。しかし先にデモがインストールされていると、これを認識してInstallが選べなくケースが有る。この場合にはメニューからではなくSetupを起動して試してみる。或いはデモを削除するか。
*デモのフォルダにインストールしたらゲームが不安定
ゲームをインストールする際に気を付ける点としては、「デモをアンインストールする際には、削除後に残ったフォルダを手動で完全に削除」するようにして、「デモがインストールしてあったのと同じフォルダにはインストールしない」。最悪なのはアンインストール後に残ったフォルダにそのまま製品版を上書きでインストールするというやり方。残っていたファイルが問題となってトラブルの元となる。
*アンインストール後に再インストールが上手く行かない
レジストリの中にデータが残ってしまっている可能性がある。regedit等で中を参照して、会社名やゲーム名で検索して残っているキー値を消すというのが一般的だが、レジストリの中身は間違うとシステムを犯してしまう可能性が有るので初心者は注意が必要である。必ずレジストリのバックアップを取ってから行う事。このトラブルが一般化しているゲームでは、サポートサイトで消すべきレジストリのキーを公開している物も存在する。
*圧縮ドライブの問題
HDの大容量・低価格化に伴なって圧縮ドライブというのはあまり聞かなくなったが、ゲームをインストールするドライブとシステムドライブにはこれを使わないというのが基本である。動かないという訳ではないが、動作保証はしないというゲームがほとんど。
*"Error Move Data Process 115"のエラーが出る
いろいろなケースが考えられるが、各ドライブのルートにインストールしてしまうとこのエラーが出る場合有り。デフォルトとなるC:\Program Files\から他のドライブやフォルダに変更するのは自由なのだが、この時にC:\,
D:\といったルートにフォルダを作成せずに直接インストールしてしまうのは避けるべき。
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