アクションゲーム [2020 - 2021]


目次

2020年のFPS/TPS界を振り返って
 上段には2020年のPCでの話題作・大作を10本ほどセレクトして掲載。

*Assassin's Creed Valhalla
*Call of Duty: Black Ops Cold War
*Cyberpunk 2077
*Death Stranding

*Doom Eternal
*Fall Guys: Ultimate Knockout
*Horizon Zero Dawn
*Immortals Fenyx Rising
*Marvel's Avengers
*Watch Dogs Legion




 以下はその他のメジャー会社(代理店含む)からの発売タイトル(PC版の発売年&西欧市場での発売年基準)


Daemon X Machina
The Dark Pictures Anthology: Little Hope
Destroy All Humans
Disaster Report 4: Summer Memories
Ghostrunner
Godfall

Journey to the Savage Planet
Life is Strange 2
Maneater
Minecraft: Dungeons 

お姉チャンバラORIGIN
Predator: Hunting Grounds
Risk of Rain 2
Rocket Arena
Serious Sam 4
Spellbreak
Tell Me Why

Zombie Army 4: Dead War



 <インディーズ系会社からの発売タイトル> なお数があまりにも多い為に、ある程度は有名, もしくはSteamでのレビュー数が多い作品をセレクトして掲載しておくに留める。早期アクセス中から正式発売されたゲームはここに含める。

Amnesia: Rebirth
Avorion
Bad Guys at School
Biped
Black Mesa
Blackwake
Bleeding Edge
BPM: BULLETS PER MINUTE
Bright Memory
Call of the Sea
Cloudpunk
Darksburg
DEEEER Simulator
Deep Rock Galactic
Disintegration
Drake Hollow
DreadOut 2
Drug Dealer Simulator
Dungeon Defenders: Awakened
Embr
Empyrion - Galactic Survival
Firefighting Simulator - The Squad
Ghostrunner
GOHOME
Going Under

Hades
Haven
Haydee 2
Hellpoint
HYPERCHARGE: Unboxed
Maid of Sker
Maneater
Missing Children | 行方不明
Moving Out

The Outer Worlds
ParanormalHK
Raji: An Ancient Epic
The Red Lantern
Remothered: Broken Porcelain
Rock of Ages: Make and Break
Someday You'll Return
Squad
Superhot: Mind Control Delete
Surgeon Simulator 2
Tamarin
Those Who Remain
Transient
Twin Mirror
Unrailed!

Visage
Witch It
Wolcen: Lords of Mayhem
XIII




☆コロナウイルス


 やはり2020年に関しては何を置いてもこれが最大の出来事であった。丁度流行し始めたのが2020年に入ってからであり、そのまま全世界的に大きな影響を及ぼしてそれは2021年に入っても続いている。ゲーム業界的にみるとこれはゲームの開発側に悪影響を及ぼしており、職場に集合せずにリモートワークが増えた事によって開発速度が低下。結果的に大作タイトルは延期される物が結構出ている。その結果として2020年は前年に比較すると大作のリリースが減少するという事態に。

 それとちょっと変わった現象として、例年だとゲームの販売は11月で終了という形で12月に発売される作品はほぼ無いのだが(特に大手)、2020年は開発のズレ込みを受けて12月リリースという作品も目立っていた。翌年は翌年で発売予定も詰まっている為に、何とか今年中に出してしまおうという意図が働いたと考えられる。

 だがその一方で自宅待機者が増加した事からゲームの需要の方は 増えるという状況が発生。いわゆる巣籠もり需要というやつだが、世界的には据え置き機にて前年比10%以上のゲーム売上増加となったようである(モバイルゲーム市場はもっと上げ幅が高かったらしい)。よって大手ゲームパブリッシャーにとっては危機的な打撃とはならなかった。なおSteamでもゲーマーが増加してダウンロード帯域が足りなくなって来た為に、アップデートの配信にスケジューリングによる分散ダウンロードシステムを導入するという動きがあった。


☆インディーズゲーム

 インディーズ会社などでは元からリモートワークという所も多く、ネット上で連絡を取り合うだけの委託契約なのでリアル世界では会った事も無いとか、大手に比較するとコロナによる悪影響は少なかった模様。それと合わせてゲーム需要の増加をチャンスと見込んだ所も多かったのか、Steamにおけるゲーム全体の発売本数は約10200本と遂に1万本超えを達成。前年は減少傾向を見せていただけにこの辺が限界かという見方もあったのだが、約8000本から2千本という大幅増加を達成している。

 ただし売れ行き増加でインディーズ業界にも光明が見えたという話ではなく、ホンの一部しか黒字には出来ないという極めて厳しい状況は続いている。Steamでは検索システムを改良して何とか各プレイヤーの欲しそうなゲームを提示(推薦)出来る様にする為に努力は行っているが、ゲーム数の増加に押されてなかなかそれが達成出来ないという感を受ける。


☆マルチプレイ

 マルチプレイにおいては大きな動きがあった。それまでには無かった(流行ってはいなかった)タイプの作品がトレンドになるという事が複数回起こっている。第一にFall Guys。最大60人プレイのパーティー系ゲームで、昔懐かしいTVバラエティ番組『風雲!たけし城』の影響を受けておりその内容をゲーム化した様な作品。一種のバトルロイヤル物だがスポーツ系の別タイプ作品として新鮮味を吹き込んだ。実況配信から火が点いて売り上げは1000万本越え、同時接続者数は20万人弱という大ヒット作となりブームを巻き起こしている(現在では人気は下降気味)。

 次にAmong Us。これは2年前に発売された作品で、この項で扱っているアクションゲームでは無いのだが紹介。人狼系、あるいはソーシャルディダクション(社会演繹)とされるタイプのゲームで、参加者の中に潜んでいる裏切り者や悪者を発見するのが目的。逆に悪側に割り当てられた人は正体を暴かれるのから逃れるのが目的となる。これも配信から人気が爆発したという経緯で、モバイル版も存在しているので同時接続者数380万人越え、ダウンロード数は一億人を突破しているという声明も出ている。このジャンルについてはAmong Usと同じく議論をメインにした非アクションタイプも有る中で、FPS/TPS視点においてプレイするアクションや作業などの要素も含んだ作品も増加中でありしばらくはトレンドとなりそう。(Steamであれば既に「ソーシャルディダクション」のタグで検索が出来る様になっている)。

 最後にPhasmophobia。4人Co-op対応の心霊調査を行うゲーム。様々な“出る”と言われる場所に赴いてランダムに出現する多種の幽霊の調査や証拠集めを行うのが目的。心霊調査隊というアイディア自体は特に新鮮という物では無く、同様の設定を扱うホラーゲームは過去にもCo-op対応を含めて存在はしていた(私の知っている2作品は共に開発中止になってしまったが)。そこに実際のボイスを使って幽霊とコンタクトが出来るとか幾つかの新鮮な要素を加えて、また早期アクセスながら初期段階から完成度が高くコンテンツも充実していた。それがTwitchでの配信によって人気が出て、更にCo-opに対応という点も受けて一気に人が増えたという経緯。この作品の影響を受けて現在Co-op対応のホラーゲームがかなり増えている状況にあり新たなトレンドを生み出している。

 どの作品も実況配信から人気が出たという事で、既に数年前からではあるが特にマルチプレイタイトルにおける人気実況者の影響度というのは極めて高いという件を改めて実感させられる年となった。


 反対に期待度とは裏腹に失敗してしまうゲームも当然あり。Bleeding Edge, Crucible, Disintegration, Predator: Hunting Grounds等。今年度発売では無いがFriday The 13th: The Game(Dedicated Server終了), Battleborn(2021/01に運営停止)といった物もあり。


☆シングルプレイ

 昨2019年における「コンソール独占でPCでは未発売」の大物作品が、突然PCでもリリースされるという流れは2020年も変わらず。発売本数の減少した中で補完的な役割を果たしている。

 これはシングルプレイ用ゲームに限った話ではないのだが現在はライブサービスタイプのゲームが増えており、一つのゲームを長年に渡ってコンテンツを継続しながら充実させて行くという傾向が強くなっているが、2020年は前年からの人気を保っている継続作は幾つも有る中で、新規スタートするライブサービス作品はほぼ出て来なかったという印象。今後も減少していくという事は無いとは思うのだが、現在進行中のライブサービスにて十分な収益が得られているならあえて新作は急がないという風になる可能性はあり。例えばGhost ReconフランチャイズではWildlandsの方でまだ人気を引っ張れるのに、同じフランチャイズからBreakpointをこんなに早く出す事は無かったという感じの失敗を防ぐという意味において。


☆EA Play

 大きな動きとしてEA Play(旧EA Access)がSteamにも展開された。これは月額(定額)支払いによるサブスクライブ形式でのサービスであり上位のPro版も在り。それと単体作品の方もSteamでの購入が可能とされている。ただしOriginのアカウントとの連携は必須であり、シングルプレイ専用のゲームであってもSteam単体での作品管理は出来ない。

 以前のEAは自社作品に関しては自社運営によるOrigin独占での販売を行っていた。Origin独占とSteamでの販売においてはSteamの方がおそらく売れる。しかし会社が求めるのは利益額であって売上額では無い。よって特に大物作品においてはSteamの方が数多く売れても30%はSteamによって徴収されてしまう為に、徴収の発生しない自社販売の方が売上は低くなっても利益は多く稼げるという計算がその理由。ところがサブスクライブに力を入れる様になってくると、会員は定額で多数のゲームにアクセス出来る様になる訳なので、単体作品として個別購入される数はかなり低下する。となると自社サイト独占でゲームを売って利益率を上げるという戦略の意義は薄れ、Steamでも買えるようにしても良いだろうという流れに。その代わりにサブスクライブ会員数の増加が非常に重要となり、これはSteamでも販売を行うのが効果的であるという判断からのSteamストア進出だと考えられる(Steamで契約した場合のSteam側の徴収率は不明)。


☆新世代機

 ゲーム機では新世代機が発売。しかしPS5, Xbox共にコロナの影響もあって品薄に。これを書いているのは3月だがまだ解消には至っていない状況で、これだとゲームの売り上げにも悪影響が出るし問題となっている。なおハードウェア的には今回もPCに似たアーキテクチャーという事で斬新で尖った設計のマシンにはならず。マルチプラットフォームでの売上増が必要でありそれには似通ったハードウェア設計が有利, 開発費が増大する状況にて特殊設計で制御には多大な研究が必要になるタイプのマシンは好まれないといった理由からなのだろうが、独自設計による面白味というのが消え失せているというのも確か。


☆その他

・クラウドゲーミングサービスは業界全体としてはまだまだこれからという感じの様だが、名前としては目立っているStadiaは苦戦しており良いニュースが聞こえてこない。これは昨年も書いた事だが、どうも配信用のゲームは別途購入しないとならない(無料配信作品以外)というサービス形態には違和感を覚えてしまう。映画やドラマなどは有料配信が当たり前なので、そのシステムに慣れ親しんでいる北米のユーザーなどにはゲームも有料購入して配信を受けるというシステムに違和感が無いという話なのだろうか。

・Flash Playerのサポートが完全に終了。過去には非常に多数のゲームが制作されており、それらをブラウザにてプレイする環境がフリーサイトなどで提供されていたが基本的には終了という形になる。人気作品は他のプラットフォームに移植されたりもしているが、かなりの作品がプレイ不可になってしまっている状態。今後エミュレーターなどを使うとか何等かの形でプレイを可能にする方法が模索されていくとは思うのだが、セキュリティに関わる件が終了の大きな原因でもある為にFlashという物を使い続けるのは難しいのは確かである。



2021年のFPS/TPS界を展望する

 2021年リリース予定のアクションゲームのリストから。上段は業界的に注目度が高いと思われる物を10本選んでいる。

*Back 4 Blood
*Dungeons & Dragons: Dark Alliance
*Dying Light 2
*Far Cry 6
*Halo Infinite

*Hitman 3
*Monster Hunter Stories 2: Wings Of Ruin
*Outriders
*Rainbow Six: Quarantine
*Resident Evil Village





Aliens: Fireteam
As Dusk Falls
Babylon's Fall
Balan Wonderworld
BIOMUTANT
Chivalry 2
Core Decay
Curse of the Dead Gods
The Dark Pictures Anthology: House of Ashes
Days Gone
DEATHLOOP
地球防衛軍6 - EARTH DEFENSE FORCE 6
Everwild
Evil West
Ghostwire Tokyo
Gods Will Fall
GRAVEN
Grounded

Hello Neighbor 2
Hood: Outlaws & Legends
It Takes Two
Knockout City
Lego Star Wars: The Skywalker Saga
Life is Strange: True Colors
Lost in Random
Necromunda: Hired Gun
Nier Replicant ver. 1.22474487139
仁王2 Complete Edition

ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ
Psychonauts 2
Roller Champions
SCARLET NEXUS
Shadow Warrior 3
Skull & Bones
Tales of Arise
Thymesia
Tribes of Midgard

Warhammer 40,000: Darktide
Weird West
Werewolf:The Apocalypse - Earthblood
龍が如く7 光と闇の行方 インターナショナル
Yakuza 6: The Song of Life
The Yakuza Remastered Collection



 <インディーズ系会社からの発売予定タイトル。多いので知名度が高い物の中から一部のみ。早期アクセスから公式発売に移行予定の物を含む>


Aragami 2
The Ascent
Almighty: Kill Your Gods
Away: The Survival Series
Before Your Eyes
Black Book
Blue Fire
Boundary
Chernobylite
紅の砂漠
Curved Space
Deathground
Drifters Loot the Galaxy
Dustborn
Earth From Another Sun
Endless Dungeon
Endling
Evil Dead: The Game
Five Nights at Freddy's: Security Breach
FORECLOSED
Frozen Flame
Gatewalkers
The Good Life
The Gunk

Hytale
In Sound Mind
The Invincible
Just Die Already
Kena: Bridge of Spirits
Last Days of Lazarus
Little Devil Inside
Lost At Sea
Lumberhill
Lunacy: Saint Rhodes
Maquette
Martha Is Dead
The Medium
Metal: Hellsinger
Mortal Shell
Mount & Blade II: Bannerlord
Mundaun
No More Romm in Hell 2
Nuts

Once Upon A Time In Roswell
Open Country
Open Roads
The Outlast Trials
Paradise Lost
Phasmophobia
Project BioRisk
Recompile
Sayri: The Beginning
Sherlock Holmes: Chapter One
Scavengers
Sifu
Six Days in Fallujah
Sniper Ghost Warrior Contracts 2
Sons of the Forest
Subnautica: Below Zero
Teratopia
Tormented Souls

Valheim
Wild Planet
WRATH: Aeon of Ruin




☆発売予定

 コロナウイルスの影響で2020年予定分が結構な数延期となった事から、予定リスト上では発売数が増える年になりそうには見える。しかしウイルスの影響が2021年のどの辺りで収まってくるのかは見えない状況であり、またこれは世界的に収束しないとならないのでかなり遅れる可能性もある(制作会社の多いアメリカ, イギリス, フランスなどは現時点では特に状況が悪い国となっている)。そうなると本来2021年予定分だった作品がそのままスライドして来年へと押し出されてしまい、発売本数は大して増えないという事にもなりかねない。

 なお今年もこの2021年にアナウンスされてすぐ今年中に発売される「コンソールでは発売済みだった作品のPC移植版」というのは幾つか見込めるであろう。


☆マルチプレイ

 2020年の項でも書いたが、今やマルチプレイと動画実況配信は極めて重要な関係性を持ちつつある。採り上げた3作品はどれも発売前の時点ではここまでの人気を得るとは誰しも想像していなかったゲームであり、その意味では2021年以降もどんな作品がヒットするのかは読めない状況になっていると言えよう。全く無名のインディーズゲームが突然の大ヒットを飛ばす事も有る訳で、その意味では面白い環境になって来ているという見方も出来る。

 ソーシャルディダクションとCo-opホラー物はフォロワー作品の中である程度人気を得ている物も有るが、その流行りが何時まで続くのかは未知数。2021年内で早くもジャンルの人気は収まってしまうという恐れもあり。


☆Co-op

 協力プレイタイトルは安定して確保されている。上記のリストに記載されていないインディーズのマイナーな作品群の中でも流行りを受けてかCo-op対応作品が増加傾向にある。中ではやはりLeft 4 Deadの継承作といった位置付けのBack 4 Bloodの注目度が高いが、シンプルだったL4Dのゲーム性にその後のマルチプレイ作品における流行要素であるキャラクター別に能力が異なる, 成長要素, アンロックシステムなどを採り入れており、それが旧作のファンに対して受けるかどうかは何とも言えない。


 一つ気になる点として、決して多くは無いのだが最大3人というゲームが増えつつある様に思える。まずCo-opの定番と言えば最大4人であり、これはゲーム機においてコントローラーの数が4台までとか、画面分割時に4分割が丁度良いとかその辺が影響していると考えられる。そこをなぜ最大で3人に設定してくるのか? これにはゲーム性の変化が影響しているのではないかと想像している。今Co-opでは4人が定番と書いたが、ではその次にポピュラーなプレイ人数とは何人かとなったら、これは3人では無くて2人である。もしかしたら2人の方が4人よりもポピュラーという可能性も有る。常に特定の相手(同居人等)との2人プレイでCo-opは遊んでいるというプレイヤーは多い。

 参加人数に応じて難易度等がスケーリングされるだけのゲームであるならばあえて最大3人にする理由はなく、技術的 or ゲームの設定的に2人までにしたいというケースを除いては最大4人に設定しておけば良い。だがある種のゲーム、具体的に言えば「参加者各人に特定の役割があり、各仕事をこなす担当プレイヤーが居ないと大きな困難に陥る」といったタイプでは話が変わってくる。何故かと言うと、このタイプで最大4人に設定して4人各人に重要な役割を与えてしまうと、3人以下でのプレイ時に役割が足りないので上手く行かないという事態が発生してしまう。そして2人でのプレイでは3人プレイ時よりも更に大きな問題となり、役割が半分しか居ないのでゲームがクリア出来ない事にも成りかねない。逆に最大2人に設定して役割分担をさせる形では、3人以上でプレイしたいというユーザーからの不満が生じる。そこでその妥協点として最大3人という設定が出て来る訳である。最大3人で専門の役割分担をする設定の場合、2人プレイでも「4人フルでのプレイを前提とした役割分担」に比べると人の足りない影響は低減出来る。また「2人限定ではなく少なくとも3人以上でプレイ可能にして欲しい」という要望にもある程度は応えられている。という様に各人が専門の役割を果たす事を重要視したデザインのゲームにおいては、数多い2人でプレイをする人達の事も考えると最大3人という設定も有効である、という観点からの採用事例増加と見ている。なお3人で可能ならば最大4人にしても良いじゃないかと考えるかもしれないがこれはダメで、3人で役割分担が足りてしまう設定なのに4人目が居たら役割がかぶってしまって、そのかぶったプレイヤー2人はゲームを楽しめなくなる恐れがあるからだ。


☆Remote Play Together

 ローカルでのCo-opをオンラインでエミュレートしてしまおうという機能で既に良く知られる様になって来ている。ゲーム開発側にすればオンライン対応にするとなると開発負荷や発売後の修正などが大変なので出来るならばローカル専用で済ませたいというケースもあり(使用エンジンに大きく影響される)、売り上げを伸ばすとなればオンライン対応も重要。よって開発負荷(費用)に見合った売上増が得られるのかという点で悩む事になっていたのだが、それを解決する物として登場した機能でもある。

 Parsecという同機能の先駆者はあるものの、画期的な機能であるのは確かで便利でもある。しかしながら私が対応ゲームの掲示板などを見ていると不満の声は結構多い様に感じられる。それもあるのか、「RPTが有るのだからオンライン対応にはしなくてもOK」と考える所は増えていない様に思える。問題はデータのやり取りをエンコード/デコードする形での配信となる為に、画面に動きがあるゲームほどデータ量が増える, エンコード/デコードの負荷が高い, 低Pingが必要となってしまう。つまりFPS/TPS系のゲームは「2D表示の動いている部分が少ない物」に比べて快適なプレイ感を得る為のハードルが高い。更に解像度とフレームレートを上げるとそれだけデータ量が増えて更に負荷が高くなる。

 例えばフルHD(1920*1080)で60fpsの配信を行う場合、一般的には1対1の2人プレイでは30Mbpsの通信帯域が必要とされている。光回線同士ならば十分に可能な数値ではあるのだが、実際にプレイをするのが混雑して速度低下が発生する時間帯だった場合にこれだけの数字が安定して出せるのかとなると話は変わってくる。解像度を下げて30fpsにすれば相当に要件は緩和されるが、FPS/TPSにおいてはそれを嫌うプレイヤーは多い。よってRPTでプレイが可能とは言っても、試してみると実質使い物にならないという不満も出ているという話になる。一方で普通にオンライン接続にするなら回線速度は大した問題にならないので、オンライン接続に対応してくれという要望は相変わらず強いまま。技術的に帯域圧縮するのはこれ以上は困難と考えられるので、世界的に回線環境が大きく改善される(混雑時間帯でも30Mbps以上は出るというレベル)のを待つしか無さそう。それまではFPS/TPS界においてはRPTの流行は限定的となるであろう。


☆ゲームの高額化

 次世代機であるPS5, Xbox Series Xが発売されたが、その新作の中には定価が$69.99という作品も現れ始めている。最初に話題となったのは2K GamesのCEOより次世代機であるPS5, Xbox Series X用の新作については全てではないが定価を$59.99から$69.99へと上げる考えがあるという話が出て、PS3, Xbox 360の時代に制作費の増加という理由からそれまでの49.99から59.99へと10ドル値上げをしているが、それ以降は非常に長い期間定価を上昇させていない。一方で制作費の上昇は天井知らずであり、この辺で価格を上げるのは適切な行為であるといった考えを述べている。そして実際に10ドル価格が高くなった新作が出て来ているという状況にある。

 個人的にはほぼインディーズゲーム寄りの生活をしており、もう数年間大手からのAAAタイトルを発売と同時に購入するという事は行っていない。とは言え新作ゲームの発売予告などを見る度に随分と定価も高くなったなあという感想は持っていた。既に日本での販売においては定価が8000から9000円といった物が多かったが、これが定価70ドル時代になると更に1000円程度上乗せされるという事になるのだろうから、そうなるとセール待ちが増えたりと初動の販売数に与える影響はかなり大きい様に思える。買い手側のゲーム購入資金が増加しなければ高価になった分だけ売り上げ数も低下するという可能性も考えられるが、一方では基本無料やサブスクリプションサービスの普及によって浮いた分のお金が単独での新作購入に回せるようになるはずという見込みも出来るのでそういった計算もあるのかもしれない。


☆Windows 7

 2020/01/14で公式にサポートが停止。その影響を受けて現在では8と合わせてSteamでのシェアは4%程度まで低下している。しかし現時点では起動時のチェック等によって7ではゲームを起動出来ないようにするといった手段を採用しているゲームは少ない様だ。実際に必要環境には10以上と書いてあるが、7でも起動してプレイする事は可能というゲームは新作の中にも結構ある模様。DX12専用ゲームでは10以上でないと動かせない事になるが、そういったゲームはまだそれほど増えてはいない。

 インディーズの作品ではただでさえ売り上げが少ないのに7を切るという態度に出る必要性は薄く、また逆に「7でもちゃんと動きます」という点を宣伝効果として使うケースも見られる。この辺はLinux対応ゲームと同じで、ユーザー間で「このゲームはLinuxでも正常に動く」という情報が共有されており、そこからユーザーがゲームを購入しに来てくれるという効果を得られる。Linuxユーザーは1%位しか居ないがそれでもSteamの分母を考えると実数としては結構多いし、知名度の低いゲームだとそれだけでも売り上げが増加してくれるのはありがたい。同様にして7をサポートして今でも7ユーザーへの宣伝効果を重視するという姿勢を見せるのは有効となる。よって少なくとも2021年の間は7対応のゲームが激減するという事は起きないと予想される。

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