アクションゲーム [2017 - 2018]
目次
2017年のFPS/TPS界を振り返って |
上段には2017年の話題作・大作を10本ほどセレクトして掲載。(従来掲載していたGame Rankings.comにおけるランキングは、レビューのサンプル数が全体的に低下しており、10個以上に絞ると結構抜け落ちてしまうし、5個以上では偏りが発生して信頼性が落ちるという判断から掲載を取りやめた)。 *Assassin's Creed: Origins *Call of Duty: WWII *Destiny 2 *Ghost Recon Wildlands *LawBreakers *PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS *Prey *Resident Evil 7 *Star Wars Battlefront II *Wolfenstein II: The New Colossus 以下はその他のメジャー会社(代理店含む)からの発売タイトル(PC版の発売年&西欧市場での発売年基準) Absolver Agents of Mayhem Bayonetta Dishonored: Death of the Outsider Elex The Evil Within 2 For Honor Get Even theHunter: Call of the Wild Lego Worlds Middle-earth: Shadow of War Nier: Automata Nioh >observer_ Phantom Dust Raid: World War II Rising Storm 2: Vietnam Ruiner Sniper Elite 4 Sniper: Ghost Warrior 3 STRAFE Styx: Shards of Darkness The Surge Vanquish Yooka-Laylee <インディーズ系会社からの発売タイトル> なお数があまりにも多い為に、ある程度は有名, もしくはSteamでのレビュー数が多い作品をセレクトして掲載しておくに留める。早期アクセス中から正式発売されたゲームはここに含める。 ARK: Survival Evolved Bendy and the Ink Machine Bokida: Heartfelt Reunion Conarium Day of Infamy Dead Alliance Dead Purge: Outbreak Deceit DESYNC Diluvion Don't Knock Twice Earthfall ECHO Empathy: Path of Whispers Evil Tag The Fidelio Incident Friday The 13th: The Game Hand of Fate 2 A Hat in Time Hellblade: Senua's Sacrifice Hello Neighbor Hollow Home Sweet Home Husk Inmates Immortal Redneck Inner Chains Kona The Land of Pain Leaving Lyndow The Long Dark Mages of Mystralia Mirage: Arcane Warfare Narcosis Near Death Experience Nex Machina Outcast: Second Contact Outlast 2 The Painscreek Killings Perception Phoning Home Redeemer RiME Rogue Islands Roots of Insanity Scanner Sombre The Signal From Tolva Skylar & Plux: Adventure On Clover Island Slime Rancher Solstice Chronicles: MIA Sylvio 2 Tacoma Unforgiving - A Northern Hymn Welcome to Hanwell What Remains of Edith Finch White Day: A Labyrinth Named School White Noise 2 The Wild Eternal Yonder: The Cloud Catcher Chronicles |
☆大作主義 2016年は久し振りの大作ラッシュという事から2017年はその反動が来るかと思っていたのだがそうはならなかった。これは2017年も結構大作が多かったというよりは、業界全体が大作主義へと舵を取っておりAAAと称される大作が占める割合が増えてきているというべきか。私の想像では「発売本数を絞ってその分だけ資金をAAAタイトルに集中させるという風になっていく」だったのだが、実際には本数はそれほど変わらずに大金を掛けるタイトルが増えている状況である。 この辺りはもう既にゲーム制作の発想が(ハリウッド)映画のそれと変わらない様になってきているという事なのだろう。制作費が50億100億と増加して、広告宣伝費の方も同等に50億100億と増えて行く。当然それだけ会社でその期に扱うゲーム全体での費用は莫大な物となるが、大金を掛けただけに大ヒットというゲームが出せればその利益は大きく、それで他の作品で出した赤字を回収出来てしまうという図式である。 金と力の入った大作が増えるというのはゲーマーにとっても利点はあるが、一方で広告宣伝費の方により金が掛けられる様になるという傾向は強まるはずで、その結果として「知名度が重要となる為に新規IPではなく既存のフランチャイズの続編が増える」。また徹底した宣伝により「実際に面白いのでは無く、面白そうに見えるゲームが増える」という面も生じる。 ☆PCゲーム市場の拡大 マルチプラットフォームが本格的に浸透していったPC, PS3, Xbox 360の時代には、3Dアクション系においてはPC版の売れ行きは大きくなく、その為に同じゲームだがPC版だけが冷遇されるというケースもあった。しかし近年はダウンロード販売へのシフト、そしてSteamの発達によりPCゲームの売れ行きが増加しているというデータが出て来ている。しかも各社は制作&宣伝費の高騰によりとにかく数多く売って利益を稼ぎたいという思いが強まっており、それ故にコンソールで先行発売されたタイトルのPC版への移植が増えつつある。同時発売が理想なのだろうが、それまでのアップデートで安定したりや発売済みのDLCを同梱したりといった利点もあり、後発でもPC版が出るというのはPCゲーマーにとっては悪くない状況と言える。 ☆Game as a Service 良く目にするキーワードとなっている”Game as a Service(GaaS)”。簡単に言えばゲームをシングルプレイ用の「売ったらそこで終わり」というスタイルでは無く、マルチプレイをメインとした継続してサービスを提供する形態で売るというやり方の事。具体的にはマイクロトランザクション(アイテム販売), シーズンパスを拡張したイヤーパス, 別モード等の有料販売などが有る。これまではゲーム本編の発売後に、何本かのDLCを有料で販売(orシーズンパスでの一括購入)という形で売り上げを稼いでいた訳だが、GaaSでは人気のあるタイトルをメインとして次々に有料コンテンツを追加し、末永くそのゲームから利益を上げようという狙いである。とにかくこういった追加コンテンツからの利益が大きいというデータも多数出ており(Activision, Take-Two, Ubisoft, EA)、大手などはこのGaaSへと既に傾注しつつある。よって少なくともあと数年はこの形式に則ったゲーム制作スタイルが続くようになっていくのは疑いがない。 しかしユーザー側からするといろいろと問題も絡んでくる。最近では昔ながらのリニアなシングルプレイゲームが売れない(大きな利益が出ない)という理由から消えていくのではないかという議論も起こっていたが、これに関しては極論という感じがする。シングルプレイ専用ゲームを好むユーザーはまだまだ相当に多いし、他がマルチプレイばかりならと隙間を狙って開発をしてくる会社も出て来るはず。また上記の大作主義で書いた様に、それ単体では失敗しそうでも挑戦という形で作られるゲームもある。 それよりも現在議論の中心となっているのはルートボックスの件で、日本的に言えば“ガチャ”に類する物。金を支払って入手するが中身がランダムな物といった意味合いで捉えられる。ゲーム性に影響を及ぼさないタイプはこれまでにも出ており大きな問題にはなっていなかったが、これに性能差が発生する様なアイテムを導入した事から大きな問題となっている。これについては長くなるので興味のある方は検索してみると記事が幾つも見付かるのでそれを読んで貰いたい。 ☆マルチプレイ 2016年は予想外のタイトルとしてDead by Daylightが大ヒット。こういった新しいジャンルの人気タイトルがまた無名作の中から出て来るかというのに注目していたのだが、PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDSというゲームが出現し同時接続数の新記録を打ち立てたりと途轍もないヒットを飛ばした一年となった。昨年度の記事は遅れて2月下旬辺りに2017年発売の新作を調べたりしていたのだが、その時点ではどこの大手PCサイトでも予定作リストに名前すら挙がっていなかったと記憶している。韓国産という事から注目度が低かったのか? いずれにしろ驚異的な大ヒット作としてまだ人気を伸ばしている状況にある。 (PUBGが全くの新規ではないが)バトルロイヤルというジャンルも人気を博しており、ようやく発売(早期アクセス)が開始されたEpicのFortniteでも別モードとして導入されて同じく大人気。大手も含めてこのジャンルを採用するマルチプレイゲームが何本も発売予定作として出現してきており、今後人気のジャンルとして定着する可能性は高い。利点としては「一般的に採用されている能力系のレベルアップ&アンロックシステム」や「オープンワールドサバイバル系でのレベルアップと装備充実」が必要無い為に、新規ユーザーがすぐに対等な立場で開始出来るという点がやはり大きい。マルチプレイはどれだけ面白かろうが人口が減って過疎になったらお終いなので、すぐに対等なポジションから始められるというのは人集めに非常に優位に働く。 対照的に期待されながらも苦戦しているタイトルも存在する。特にLawBreakersは目立っていただけに反動も大きい。日本を含めたアジア地域では未展開だったりもするが、それにしてもここまで人気が出ないとは想定外だったはず。あるいはMirage: Arcane Warfareも結構知られていたタイトルだが、早期に一時無料化するなどテコ入れを行っている。しかし両者共に現状のプレイヤー数は悲惨というレベルで、復活出来るのかはかなり疑問視されている。Quake Championsなどもプレイヤー数はまだマシだが、期待されていたのに比べると苦戦中と言わざるを得ない。 DBDが切り開いた“キラーvsサバイバーの非対称型マルチプレイ”ではFriday the 13th: The Gameが成功を収めており、2018年はLast Yearの他にも数本インディーズには発売予定作が存在しているので、2018年はまだこのジャンルの人気は続きそう。ただし現在の人気2作品ほどの大物は見当たらず、長続きするかどうかは更なるヒット作が生まれるかによるであろう。 ☆インディーズ 前回はあまりにもSteamで販売されるゲームが増え過ぎた為に、「飽和」を通り越して「崩壊」というレベルに達してしまったと書いたが、2017年は更にその上を行く凄惨な状況と化してしまっている。Greenlightが廃止されてDirectとなり、投票無しでもゲームが販売出来るように変わった事で販売数が増えるだろうという予想はあった。しかしゲームが増え過ぎて目立なくなるのを嫌って様子見をする所も多いのではないかとも考えていたのだがどうやら違ったようである。SteamSpyのデータによると2016年の(DLC等を除いた)ゲーム発売本数は5018本(前回とは数がかなり異なっているが理由は不明)に対して、2017年は7672本と1.5倍以上の増加となった。 Steam側でももはやユーザーに逐一新作チェックをさせるのは無理だと判断したのであろう。新作一覧へのアクセスには手間が掛かるI/Fに変更され、代わりにディスカバリーキューの使用を推奨してそこでユーザーの求める作品と出会えるように精度を高めたりフィルター機能を充実させたり。他には新作専用キューを設けたり, 様々なカテゴリ別に推薦作品表示機能をトップに設けたりを行っている。しかしそうやって絞られると、無名だったりユーザー評価が悪い(or評価自体が少ない)ゲームほど表示されるチャンスが少なくなると考えられ、ユーザーにその存在自体を知って貰えないというケースが増えるのではないかという懸念もある。 実際に発売して数ヶ月経過するのにレビューがほぼor全く無いというゲームも散見されるようになっており、または発売されてからすぐに大幅値引きやバンドル入りといったゲームも確実に増加している。無名でかつ宣伝手段を持たない大半のインディーズには極めて厳しい状況になっている訳だが、これは簡単には解消しそうにない。 ☆VR 2016年はゲーム関連サイトへの訪問がかなり少なかったものの、そんな中でもVR関連のニュースや推薦記事を良く見かけたが、2017年は前年に比較して数倍ゲームサイトへの訪問が増えたにも関わらずほとんどVR関連のニュースは見掛けず。有ったとしても想定よりも売れていないというハードウェアデベロッパーの話とか、ゲーム開発会社側は市場の小ささのあまりに本格的に参入を控えている所が多いといった感じの物ばかり。2016年における「もしかしたら人気爆発?」の期待は肩透かしに終わったと言える。 だがVRの難しい所は、興味が無いという関心の低さが原因なのではなく、機材が高過ぎるというのが一番の難点であって、これは将来的には確実に解決可能と予想されている。PCであればエントリークラスのビデオカード(更には内蔵GPU程度)で十分に対応出来るレベルになる, コンソールならばそのまま別売りの筐体を必要とせずに実現出来るレベルになって、ゴーグルだけ買えばOKという時代が来れば(更にはそれが安価になれば)プレイするゲーマーは大幅に増えるという見込みで、これは確かにそうなるだろうと思える。 なので今現在人気が低迷していてもあまりその将来の普及には影響が出ないという見方も出来るのだが、VRソフトの開発技術, VRならではの新規ジャンルの開拓, コントローラー系デバイスの発達等にはある程度の市場が保たれる事が必要。それにはゲームが売れて一定数の開発会社が維持されないとならないという要件がつく。故に今でもVRゲームが売れるのかどうかは実は相当重要なのである。なお理由は知らないが中国では大人気の様で、SteamにおけるVRゲームの半分以上は中国産ではないかと思える位に多い。しかし市場が巨大とは言え中国のみで大ヒットしても、欧米や日本のゲーマーからすると大して意味が無いという風にもなりかねない。 |
2018年のFPS/TPS界を展望する |
2018年リリース予定のアクションゲームのリストから。上段は業界的に注目度が高い物を10本選んでいる。 *Anthem *CODE VEIN *Far Cry 5 *Fortnite *Hunt: Showdown *Metro Exodus *Monster Hunter: World *Overkill's The Walking Dead *Sea of Thieves *System Shock BIOMUTANT Black Clover: Quartet Knights Call of Cthulhu Conan Exiles Crackdown 3 Darksiders III Fade to Silence Fe God’s Trigger Left Alive Metal Gear Survive Ooblets Quake Champions Skull & Bones State of Decay 2 Underworld Ascendant Vampyr Warhammer: Vermintide 2 A Way Out We Happy Few Zone of the Enders: The 2nd Runner <インディーズ系会社からの発売予定タイトル。多いので知名度が高い物の中から一部のみ。早期アクセスから公式発売に移行予定の物を含む> Abduction Prologue: The Story Of Jonathan Blake Agony Apocryph Ashen Atomic Heart Band of Defenders Battalion 1944 Black Mesa The Church in the Darkness Consortium: The Tower Dauntless The Day After: Origins DEAD DOZEN Dead Matter Death Toll Deep Rock Galactic DESOLATE Die Young Dollhouse DUSK Escape from Tarkov Extinction GTFO Immortal: Unchained Insurgency Sandstorm Kingdom Come: Deliverance A Knight's Quest Last Year Lust for Darkness MADiSON MechWarrior 5: Mercenaries Midair Moons of Madness Mordhau Mothergunship Next Day: Survival Past Cure Pathologic 2 Pine Polygod Praey for the Gods Q.U.B.E. 2 Remothered: Tormented Fathers Routine Scorn - Part 1 of 2 : Dasein SCUM SMALLAND SOS Stifled SUPERHOT: MIND CONTROL DELETE Survive the Nights Thief of Thieves Tunic Visage War of Rights <以下は発売時期がハッキリしない物及び、PC版がリリースされるのかが公式にアナウンスされていないゲーム> Beyond Good & Evil 2 Dead Island 2 Psychonauts 2 Shenmue III The Sinking City Strange Brigade Unreal Tournament World War Z Ad Infinitum Allison Road Daymare: 1998 Ghost Theory Gray Dawn HEATHEN Hell Let Loose Ready Or Not Witchfire |
☆大作中心 この傾向は2018年も変わらない可能性が高いが、現在あきらかにされているタイトルはやや小な目か。だが既に秘密で開発が進んでいて2018年にアナウンスされてそのままリリースという形も十分に有り得る。あまり前に発表してしまってもネガティブな影響が出るというケースもある為に、タイミングを計っているというのは考えられる。 一方で気になるのは”Games as a Service”という姿勢が発達していくと、成功して多大な利益を挙げているタイトルのコンテンツ充実を優先させて、それを数年間に渡って引っ張るという方針も出て来るだろう(GTA5等)。そうなると社内リソースの割り振りの影響から新作のリリースが減るという変化は出て来るかもしれない。 ☆シングルプレイ専用ゲーム 大手制作会社側のターゲットは現在マイクロトランザクションへと向けられている。そしてこれで利益を上げるには明らかにマルチプレイが向いており、シングルプレイ専用ゲームではユーザーの購買意欲を上げるのが困難というのは確かである。性能差を生じさせないキャラクターや武器へのスキン変更要素は他人からも見えるという点が重要であり、自分自身で完結してしまっているシングルプレイ用ゲームでは興味を惹き辛い。 スマホ用のシングルプレイゲームであればガチャ要素を入れたり出来るし、あるいは自分自身を強くするアイテム類を幾らでも購入したりが可能というのも珍しくない。しかしこれは購入する側が「そういうシステムのゲーム」という事を納得ずくなので別に問題にはならないが、3DFPS/TPSではこういった慣習が無いので導入は容易ではない。やったら猛反発を喰らうというのがパターンであり、その意味からシングルプレイ専用ゲームではこれを使っての金儲けが難しいとされている。 そこでAAAクラスのシングルプレイ用ゲームは衰退するという予測も出ているのだがどうなるか? 別項で書いたように無くなるというのは有り得ないと感じるが、減少というレベルならばその恐れはある。個人的には大手が撤退するならこのジャンルはインディーズ会社にとってのチャンスと成り得るという意味ではまあそれでも良いのかなという気はしているが、超高額予算を掛けた大作というのも遊びたいというのは勿論ある訳で、可能性としては一つはCo-opに対応させてマルチプレイ対応としそこから何等かの形で有料コンテンツを導入するやり方。私はCo-opのファンだけにこの方向性は支持したいが、やたらと金が掛かるという風にはなって欲しくないので複雑。もう一つはシンプルに価格を高めに設定するという方法。当然安い方が良いが、これぐらいにしないとゲーム制作の許可が降りないという話になってくると仕方がないかという発想にもなってくる。とりあえずこのジャンルのファンは該当ゲームを多く購入して売り上げをアップさせてやり、パブリッシャーを儲けさせれば止める気にはならないはずと今は考えておくべきか。 ☆マルチプレイ バトルロイヤル系はインディーズ会社を含めて更に新規加入が増えて、2018年中だけでも結構な数が出そうである。それはさておき注目したいのは、2018年も予想外の作品が新しいジャンルで成功を収めるという事が起きるのかという点。PUBG以上の成功を収めるゲームが新ジャンルとして出現するとはさすがに考え難いが、中ヒット程度だがフォロワーを生むという作品ならばチャンスはあるだろう。 有名な作品の中で新しさを感じさせる物としてはHunt: Showdownが挙げられるが、様々なジャンルをミックスさせたような感じで非常に斬新というほどではない。それと特殊と言えば特殊な形態なのでこれが受けるのかどうかもまだ微妙である。 期待作としてはEscape from Tarkovがあるが、これはゲームの仕様そのものが詳細不明という感じもあって様子見状態。 ☆Co-op 対応タイトルは相変わらず多い。以前はシングルプレイ専用ゲームにするよりもCo-op対応にした方が、短いキャンペーンの補填となるのでユーザー満足が上がるというのが大きかったのだが、現在ではマルチプレイに対応させることで金儲けに繋げられる可能性があるというのも当然見ているのだろう。 また(特にコンソールにおいて)オンラインでプレイするユーザーが増えて来た分、Co-opをプレイしたいというプレイヤーも増えている訳だがマッチング出来なければガッカリさせてしまうだけである。そこでXP&レベルアップのシステムを導入しているゲームが増える傾向にある。レベルアップやアンロックの概念が無いゲームだと、一度キャンペーンや別シナリオをCo-opにてクリアしてしまえばそれでお終いとなる可能性が高い。しかしアンロックシステムが加われば繰り返しのプレイをするユーザーの増加が見込めるので全体の人口が増えるという狙い。このシステムではレベル差が有る時のマッチングという新たな問題が発生するが、その辺は何等かのシステムで調整も一応は可能。何より人口増加に勝る重要要素はまず無い。 個別の作品としては大手ではEAのA Way Outが注目度の筆頭。2人Co-op専用で、購入ユーザーにはフリーパスが1つ付いて来るのでフレンドにあげれば即Co-op可能という販売形態も面白い。早期アクセスの形かもしれないが2018年中には出そうなStrange Brigadeも風変わりな舞台設定で目を惹く。インディーズからの作品ではBand of Defenders, Dead Matter, Deep Rock Galactic, DESOLATE, GTFOなど面白そうな物が控えている。 ☆ホラーゲーム ホラーゲームの人気は相変わらず高いが、2018年は大手からのリリースは減っている。予算的に純粋なアクション系は難しいインディーズからの作品が多いという点は変わらず。変化としてはSteamにおけるインディーズゲームの増加に合わせて有料のホラーゲームも増えており、そして数が増えた分だけ競争が激しくなっている。その結果ある程度はクオリティが高そう(予算が掛かっていそう)なホラーゲームにのみ注目が集まる為、低クオリティに見える物はほとんどレビューすら付けられないという状態が目立つ。 元々アマチュアの制作するホラーゲームはフリーゲームサイトを中心に発展してきたという歴史があり、その中には無料だがクオリティが高いという作品も沢山有る。Steamをメインとして有料販売の道も開けているが、有料で売るかどうかは作者次第であり、優れた物だけがSteamで販売可能になるという訳ではない。これまでは比較的作品数が少なかったのと相当な低価格品も多かったので低品質であってもある程度は売れていたが、現在ではフリーサイトから販売に転じてSteamでも売るという制作者が増えたのでクオリティの高い物が増加しているという影響もあり、低品質の作品は相手にされなくなっているという状況にある。こういった競争は歓迎するところでもあり、淘汰が進めば全体のクオリティも上がってくるのは間違いない。 なお2018年予定のホラーゲームは長期間制作されていた物、同時に発表時点からホラー関連のサイトでは注目されていた物が多くなっており、それだけに品質的にもかなり期待出来るのではないかと考えている。 ☆インディーズ 2017年は途中からDirectに切り替わってあの数だったと言う事は、最初からとなる2018年は更に数が増えて一万越えなんていう事態になったりもするのかと考えるとある意味では怖い。逆に反動でもうSteamで売ってもダメだと諦める人が増えたり、売るにしてもアマチュア向けの小さなサイトで売ろうという風に変わっていって数は減るのか、予測が付かない。 Steamでは人が増えてゲームの売り上げも増加するのは2018年も変わらないだろう。しかし増加したゲーム数に見合っただけの売り上げ増加になっているのかは疑わしく、また人気作品のみが集中して良く売れるという状態ではインディーズには厳しい。まずは目立とうにも宣伝広告費は無いし、好評レビューを増やして貰うには先に数が売れなければならないと堂々巡りに。 毎年書いているがやはりSteamでは検索機能の充実が望まれる。的確に自分が求めるゲームを検索出来る機能さえ有れば、ゲームの数が増えても問題は抑えられる。今ではユーザータグという物があるが、なるべく多くのタグに引っ掛かる事で表示されるチャンスを増やそうとした結果、非常に多数登録されているタグでの検索が効果を発揮しないという問題が発生している。除外タグ機能も有ると良いが、登録の基準を変えていかないと根本的な解決にはならない。 ☆その他 ・これは一時的な物かもしれないが、予定作品にウォーキングシミュレーター系が減ったような感を受ける。低予算向きではあるのでインディーズでは多かったタイプだが、パターン的にもう新型を生み出すのが難しいという事なのか。一方でストーリーをメインにして語る形態のゲームとしてなら(ここには載せていないが)ビジュアルノベル系が明らかに増えている。3D系は作るのが大変で2Dの方が低予算で作れるとか、人物を出すなら2Dでの描画の方が向いているといった考え方が増えているのかもしれない。 ・一般的なチーム戦形式のFPS/TPSのマルチプレイは安定して数は出ているが、最も人が集まるチャンスとなる発売時点で既に過疎という失敗作が珍しくない。それだけユーザーの目に留まる可能性が減っているし、大手並みにグラフィックスを凄くしないと買っても貰えないという状況と思われる。2018年も数は予定されているが成功例は数少ないと予想される。 ・Call of Dutyも2017年はWWIIへと回帰したが、予定作品の中にはWWIIを舞台にしている物が増えている。これはストラテジー系でも良く目にするトレンドの様子。 |