◎アクションゲーム 2013-2014          目次

2013年のFPS/TPS界を振り返って
 最初に上段はゲームサイトや雑誌のレビューを点数化して集計しているGame Rankings.comでの、PC版での点数による上位ベスト5(集計サンプル数10以上)。それと2013年の大物タイトルをプラス5個。


1. BioShock: Infinite
2. Saints Row IV
3. Tomb Raider (2013)
4. DmC: Devil May Cry
5. Metro: Last Light



*Battlefield 4
*Call of Duty: Ghosts
*Crysis 3
*Dead Space 3
*Splinter Cell: Blacklist





 以下はその他の主な発売タイトル(PC版の発売年&西欧市場での発売年基準。)

*Alien Rage
*Aliens: Colonial Marines
*Amnesia: A Machine for Pigs
*Arma III
*Assassin's Creed IV: Black Flag
*Batman: Arkham Origins
*Blood Knights
*(The) Bureau: XCOM Declassified
*Call of Juarez: Gunslinger
*DARK
*Dead Island: Riptide
*Deadfall Adventures
*Deadly Premonition: The Director's Cut
*Deadpool
*Far Cry 3: Blood Dragon

*God Mode
*Halo: Spartan Assault
*Lost Planet 3
*Mars: War Logs
*Narco Terror
*Outlast
*Payday 2
*R.I.P.D. The Game
*Remember Me
*Resident Evil 6
*Resident Evil: Revelations
*Ride to Hell: Retribution
*Rise of the Triad (2013)

*Rising Storm
*Sanctum 2
*Shadow Warrior (2013)
*ShootMania Storm

*Sniper: Ghost Warrior 2
*Sniper Elite: Nazi Zombie Army (1, 2)
*Special Forces: Team X
*Star Trek
*Tactical Intervention
*(The) Walking Dead: Survival Instinct
*Warframe





 インディーズ会社からのダウンロード販売を主体(或いはそれのみ)としたリリースタイトル。

*BlackSoul
*Brothers: A Tale of Two Sons
*Chernobyl Underground
*(The) Curse of Blackwater
*Day One: Garry's Incident
*Dead Sky
*Dementium II HD
*Doorways
*Dungeonland
*Eldritch
*Eleusis
*FORCED
*(The) Grave Digger
*How to Survive
*Huntsman: The Orphanage
*Into the Dark
*Iron Soul
*Livalink
*Magrunner: Dark Pulse
*Marlow Briggs and the Mask of Death
*Pandora: Purge of Pride
*Paranautical Activity
*Primal Fears
*Ravaged Zombie Apocalypse
*Sang-Froid: Tales of Werewolves
*Shady Casket
*Signal Ops
*Slender: The Arrival
*(The) Stanley Parable
*State of Decay
*Subject 9
*Takedown: Red Sabre
*Zeno Clash II



 個人的に2013年は全般的に忙しく、ニュース関連に目を通す機会がめっきり減ってしまった為に、全体を通しての「流れ」の様な雰囲気がよく掴めていない状況にあるのをお断りしておく。


☆おとなしい年

 2012年に比較すれば大物&話題のタイトルは多かったが、全体的に傑作の声が掛かるレベルの評価が高いゲームが少なく、盛り上がりに欠ける一年であったという印象。パブリッシャー側のインタビューなどでは「とにかく新規フランチャイズはそれを知らしめる為の宣伝が大変」という理由から、既に知られているフランチャイズの続編という安全策を採るのが近年目立つ傾向だが、さすがに3作4作目となるとユーザー側も新鮮さが感じられなくなったりというデメリットがあり、その辺の影響も出て来ていると言えそうだ。

 後は延期タイトル等が少なく、これはメインであるPS3とXbox 360での開発研究が末期に来ており、慣れたハードでの制作なのでトラブルが減っていると考えられる。


☆対戦マルチプレイ

 このジャンルは良く解らず。BattlefieldCall of Dutyシリーズの二巨頭が発売されているが、どうも今回はCoDの方の評判が良くないらしく過去作ほど人口が居ない模様。他にも対戦マルチプレイを持っているゲームはあるが、盛り上がっているのかどうか解らない。(Steamのデータはシングルプレイと分離していないので、マルチプレイ専用タイトルでないと人口がハッキリしないし、他にもある人口やサーバー数を見られるサイトも信頼性の面では何とも言えない)。インディーズ側からも一般的な対戦マルチプレイ物は昨年と違い出て来ていない。


☆Co-op

 一時期の流行は収まってそれよりは減少しているが、安定して数は供給される様になったとも言える。中ではインディーズを含めてCo-op専用タイプ(一応ソロでも遊べる程度)が一番の主流。シングルプレイをメインとしたゲームではキャンペーンCo-opが可能かどうかがカギとなり、別モードでプレイするというスタイルは通常人気が低い。しかしキャンペーンをCo-op可能にするにはシングルプレイのデザインに制限が生じるので、キャンペーン重視でCo-opはカットというゲームも増えており、「とにかくCo-op」という状況から以前の状態へと戻りつつある。

 2013年はCo-opタイトルとして目立った物が無かったというのもある。期待していたAliens: Colonial Marinesは御存知の通りアレだったし、Dead Island: Riptideも評判が良くない。Payday 2も未プレイだが私の好む方向とは違う風に改変されてしまった様に見える。同じく改悪という印象ではSanctum 2もそうか。最後にDead Space 3は最もCo-op導入を大々的に掲げたタイトルで、実際にCo-opとしては面白かったが、ゲーム性がこれまでとは違い過ぎという問題あり。


☆インディーズ

 詳しくは下の2014年展望の方に回すが、このジャンルでは2013年は思っていたほどリリース数は増加しなかった。原因としてやはり制作資金の問題というのがあり、その影響で制作が予定通りには進まず、2014年以降にずれ込むというゲームが多かった。


☆ダウンロード販売

 去年もそうだったが、新作発売後にセールになるまでの時間がより短くなった様な感じがする。まあ基本的にユーザーにとっては良い事である。

 日本人にとっての環境の変化としては、大手ダウンロード販売サイトには軒並みリージョン規制が導入される様になった。以前はSteamでIP規制されているなら他のサイトでシリアルキーを購入して登録するという手段が一般的だったのだが、GamersGate, Greenman, GamePlanet, GetGames等では日本IPからの接続だと規制されてしまう(規制されるパブリッシャーが全サイト同一かは未検証)。いわゆる鍵屋で入手するという手は残っているが、多数存在するこの手の店ではどうやってリージョン制限を受けずに安いシリアルキーを提供しているのかにはバラツキがあり、支払い方法の種類やVPNの要といった辺りを良く確認してから購入する必要がある。


☆XPの終焉

 2014年4月で遂にサポート切れ。リプレースが間に合うかについて問題にもなっているがこれはビジネス用途のPCであり、ゲーム用PCの分野ではほぼ切り替わりが終了している(最新のSteam調査では5%程度)。よって2013年発売のゲームにはVista以上必須のゲームが随分と増えた。ただし現行のWindows8(8.1)に関してはゲーム関連の掲示板にて障害指摘も結構あり、Vistaの時のような不安も感じさせる。製品版のWindows7はもう販売されていないし(DSP版は在り)、ゲーマーにとっては8への切り替えには不安も残っている状況である。


2014年のFPS/TPS界を展望する

 2014年リリース予定の3Dアクションゲームのリストから。上段は業界的に注目度が高いと思える物を10本選んでいる。


*Dark Souls II (TPS, Co-op, 対戦, 誓約システム)
*Dying Light  (FPS, アクションホラー, 昼夜切り替えシステム, 4人Co-op, Techland制作)
*(The) Evil Within
 (TPS, 日本名PsychoBreak, サバイバルホラー)
*Fortnite (TPS, 初のUnreal Engine 4, コメディーホラー, 4人Co-op, 昼夜切り替えシステム, サンドボックス)
*Mad Max  (TPS, 公式ライセンスゲーム, シングルプレイ専用, オープンワールド, 車両戦闘)
*Rainbow 6: Patriots (FPS, タクティカル, モラルチョイス, Co-op, 対戦マルチプレイ)
*Thief (FPP, ステルス)
*Titanfall
 (FPS, Respawn Entertainment制作, マルチプレイ専用, メック, 歩兵による三次元空中戦)
*Watch Dogs (TPS, オープンワールド, 自由度, ハイテクステルス)
*Wolfenstein: The New Order (FPS, シングルプレイ専用, ナチス勝利の歴史のIF物, ストーリー変化要素)



*Bound by Flame  (TPS, アクションRPG, デーモン憑依, どちらの力を使うかで分岐)
*Castlevania: Lords of Shadow 2  (TPS, 悪魔城ドラキュラ, オープンワールド)
*Devil's Third  (TPS, 近接格闘)
*(The) Division  (TPS, 部隊物, オープンワールド, 驚異的なグラフィックス)
*Grand Theft Auto V (TPS, オープンワールド, 主人公3人, PC移植版)
*Hellraid  (FPS, Techland, 魔法世界版DI, ランダム配置, クラス制, 4人Co-op, 対人戦モード)
*Lords of the Fallen
 (TPS, アクションRPG, 一対一の決闘メイン)
*Magicka: Wizard Wars  (トップダウン, 高速アクション, 対戦マルチプレイ専用, 4vs4)
*Metal Gear Rising: Revengeance  (TPS, PC移植版)
*Middle-earth: Shadow of Mordor  (TPS, アクションアドベンチャー, 版権物)
*Murdered: Soul Suspect  (TPS, アクションアドベンチャー, 主人公は幽霊, 憑依システム)
*Rambo: The Video Game (FPS, 初期三作品のゲーム化, レールシューター)
*Raven's Cry  (TPS, アクションアドベンチャー, 17世紀の海賊物, ダークで残虐な復讐譚)
*Scivelation  (TPS, 2人のプレイ可能なキャラクター, 2人Co-op)
*SMITE  (TPS, マルチプレイ専用, 基本無料, 伝説の神々となって戦う)
*Sniper Elite III: Afrika  (FPS)
*War of the Vikings   (TPS, マルチプレイ専用, 近接戦闘主体のチーム戦, 64人サポート)



 以下は発売時期がハッキリしない物及び、PC版がリリースされるのかが公式にアナウンスされていないゲームである。

*Call of Duty: Modern Warfare 4 (シリーズとして何らかは発売されそう)
*Carmageddon: Reincarnation (基本的にはリメイク)
*DayZ (早期アクセス開始したがβに到達するのが2015年頃の予定)
*Dead Island: Epidemic (斜め見下ろし視点, 4人*3チームのカジュアルなマルチプレイ対戦, 基本無料, Co-op+対戦のミックス)
*Death to Spies 3 (ステルス)
*Doom 4 (新たに全部作り直す事にしたという話)
*Edge of Twilight
 (アクションアドベンチャー)
*Furious 4
 (Brothers in Armsシリーズの新作としてアナウンスされたがタイトル変更)
*Homefront 2
 (Crytekが権利を買い取っている)
*Mirror's Edge 2
 (タイトル未定の新作)
*Tomb Raider 2
 (新規シリーズの第2弾)




 インディーズ会社からの発売予定作品


*7 Days to Die  (FPS, ゾンビ, オープンワールド, サバイバル, 昼夜切り替えシステム, 早期アクセス)
*Acrogorpon  (FPS, マルチプレイ, ハイスピードアクション)
*Among the Sleep  (FPP, サバイバルホラー, 主人公が赤ん坊)
*Attractio (FPP, パズル)
*Bain's Redemption  (TPS, シューター, 近接刀によるスラッシャー)t
*Betrayer  (FPS, アクションアドベンチャー, 17世紀)
*CDF Ghostship  (FPS, SF, サバイバルホラー, オープンワールド, Co-op, 早期アクセス)
*Contagion  (FPS, サバイバルホラー, Co-op, 早期アクセス)
*Crio-Dead: Memory  (FPP, アクションアドベンチャー, 3つの時間軸, ステルス)
*Crying is not Enough  (TPP, アクションアドベンチャー, 長編の第一部, カルマシステム) 
*Damned (FPP, ランダムマップ, サバイバルホラー, Co-op)
*(The) Dead Linger  (FPS, サバイバル, ゾンビ, Co-op, オープンワールド, ランダム生成, 早期アクセス)
*Dead Squared   (FPS, オールドスクール, ランダム生成, トゥーンレンダリング)
*Deadly Walkers  (FPS, 大量ゾンビ, 舞台はロンドン)
*Decadence  (TPS, エピソード形式, ポストアポカリプス)
*Desperate Cry  (FPP, サバイバルホラー, 逃走ゲー, パズル, プラットフォームアクション)
*DreadOut (FPP, サバイバルホラー, インドネシア産, カメラで戦う)
*Earth: Year 2066  (FPS, ポストアポカリプス, オープンワールド, サバイバル, Co-op)
*Effing Dead  (TPS, SF, ホラー, バイオ4+デッドスペース)
*F.R.A.G. me  (FPS, マルチプレイ, 広大なマップ, 成長要素)
*Fabula Mortis  (FPS, 対戦マルチプレイ, おとぎ話+スチームパンク, 特殊能力, クラス制)
*(The) Forest (FPS, 森林サバイバルシミュレーター, 戦闘orステルス, 高自由度, ミュータント)
*(The) Ghost Next Door  (トップダウン, ランダム生成, アクション)
*Guise Of The Wolf  (FPS, 狼男に変身, アクションアドベンチャー, ホラー, トゥーンレンダリング)
*Haxel  (FPS, ボクセルベース, 高速アクション)
*Infection: Last Rites   (FPS, サバイバルホラー, SF, エピソード形式)
*Inside Me: Lighter In The Dark  (FPP アクションアドベンチャー, ホラー)
*Interstellar Marines (FPS, 早期アクセス, SF, 対戦マルチプレイ, 4人Co-op)
*Inverto   (FPP, 重力操作, パズル)
*It came from space, and ate our brains  (トップダウン, ホード, 高速アクション, レトロ)
*Last Call: Paradise  (FPS, カジュアル, ゾンビ, 脱出する多数のNPCを援護するスタイル)
*(The) Last Cargo  (トップダウン, 車椅子移動, サバイバルホラー)
*The Legend  (FPS, サバイバルホラー, CryENGINE, スレンダーマン, AIパートナー, Co-op)
*Loner  (FPP, アクションアドベンチャー, 物理演算+パズル, 一人称視点のトゥームレイダー系, ダークな異世界設定)
*(The) Long Dark (FPP, 氷原サバイバルシミュレーター, オープンワールド, モラルチョイス, サンドボックスモード)
*Long Night   (TPS, クラシックスタイル, サバイバルホラー)
*Lost Outpost: Director's cut  (トップダウン, アクション, RPG要素, ローカルCo-op)
*Memories of a Fisherman   (FPS, オープンワールド, ストーリー重視, ホラー)
*Mist of Stagnation   (FPS, RTS要素, 異なる2陣営の対戦, コマンダーシステム, メック)
*Murder Miners  (FPS, マルチプレイ, 高速アクション, 最大20人対戦, ビークル, XBLA人気ゲームの移植版)
*Neon Shadow (FPS, レトロ, SF, 高速アクション, iOS版在り)
*Nether  (FPS, マルチプレイ, オープンワールド, サバイバル, 市街地, ミュータント, PvPとPvEのミックス型, 早期アクセス)
*Neural Break   (FPS, マルチプレイ, オープンワールド, サバイバル, ホラー, 多彩な敵, PvPとPvEのミックス型, クラス制)  
*Oncoming Death  (FPS, マルチプレイ, オープンワールド, サバイバル, ゾンビ, 脱出目的, 最大10人Co-op)
*Paragon Evolved  (FPS, SF, 高速アクション)
*Project Zomboid  (斜め見下ろし疑似3D, シングルプレイ, サンドボックス, ゾンビ, サバイバル, セーブ無し, 早期アクセス)
*(The) Patient (FPP, ホラー)
*RELOCK  (FPS, マルチプレイ, 最も武器の扱いがリアルな仕様, 武器製造要素)
*Rogue Shooter: The FPS  (FPS, 高速アクション, ランダム生成マップ)
*Routine  (FPS, サバイバルホラー, 月面が舞台, セーブ無し)
*Rust  (FPS, Garry's Modの作者が制作, マルチプレイ, サバイバル, クラフト重視, PvPとPvEのミックス型, 死亡でリセット)
*Sandmason (FPS, 炭鉱が舞台, 作業用ツールを使ってのパズル, 戦闘要素在り)
*(The) Saturn 9 Collection  (FPP, サバイバルホラー, SF, エピソード形式)
*(A) Short Tale of Solitude  (TPP, モノクロ, 人形世界の話, サバイバルホラー)
*Sir, You are Being Hunted (FPS, サバイバル, ロボットが敵, ランダム生成マップ, 早期アクセス)
*Son of Nor  (TPS, アクションアドベンチャー, 地形を自由に変化させられる, 4人Co-op)
*Splatter - Just harder times  (トップダウン, ライトを利用して戦う, アクション, ローカルCo-op)
*Stranded Deep (FPS, 無人島サバイバルシミュレーター, 海中探索要素, 海と陸で動物との戦闘, モンスター系は無し)
*THE TRENCH  (FPS, シングルプレイ, 第一次大戦, フランス軍, 3日間掛けて準備後に戦闘開始, 高自由度) 
*U55 END OF THE LINE  (FPP, サバイバルホラー, 現代のベルリンが舞台, クトゥルフ神話)
*Vapour: Borders of Purgatory  (FPS, アクション, 魔法攻撃, ホラー, パズル)
*Verdun  (FPS, 部隊制, 対戦マルチプレイ, クラス制, 第一次大戦)
*White Noise Online  (FPP, ホラー, 探索メイン, 死ぬと幽霊になってプレイ, 4人Co-op, XBLAで発売済み)
*Wrack  (FPS, 高速アクション, シングルプレイ, トゥーンレンダリング, 早期アクセス)



☆新世代機の影響

 2013年末に遂にPS4, Xbox Oneという新世代機が発売された。まず先にこれまでの(3Dアクション系)PCゲームとゲーム機の関係を見てみると、PS2, Xbox世代(2005年頃)まではPCとコンソールでは発売タイトルがかなり明確に分かれていた。そのプラス点とはPC専用のタイトルが多かった事であり、逆にマイナス点は大物タイトルの中にPC未発売の物が多かったという所になる。だがPS3, Xbox 360世代に入ってからはゲーム開発費の飛躍的な増大により、売り上げを重視してマルチ発売を選択するゲームが多くなり、近年ではもはやマルチタイトルが9割を超えるというレベルにまで至っていた。そのマルチ発売の中にPCも含まれる様になった結果、前世代においては大半の大物タイトルがPCでも発売されるようになったというプラス点の代わりに、PC専用のタイトルが大幅に減少するというマイナス面が生じていた。(なおこれはFPS/TPS, レースゲーム等の3D系アクションに限った話で、RTS, RPG, ADV等の他ジャンルでは発売タイトルは分離度が高いままである。これにはユーザー嗜好の違いや、コントローラーとキーボード+マウスという操作デバイスの違い等が影響している)。

 そこで今回の新世代機への切り替わりがどういう風になるのかが気になっていた点になる。もしMSとソニーの両社がコンソール戦争に決着をつけるつもりであれば、出来る限りのタイトルを“独占”にするのが道理。そうなると当然大物タイトルのPC版発売は減る事になる。そればかりか最悪のケースでは、PC版専用に作ってもペイしないと理由から、大幅にこの3Dアクション系ジャンルでのタイトルが減少してしまうという恐れもある。ただし考えようによっては、高額予算を掛けた最高レベルのグラフィックスでは無いが、PCユーザーの好みに合わせたデザインのPC専用タイトルが増えるという観測も可能ではある。それに対してパブリッシャー側の「高額の製作予算を回収する為には独占は避けたい」という意向が反映されるならば、これまで同様にPCとの三機種マルチが存続するという傾向が維持される事になる。

 では実際にどうなったのかを今回観察してみたのだが、現状では後者のマルチを選択するタイトルが結構多いという印象。と言うか、新機種立ち上げのこの時期にこんなに独占タイトルが少なくて良いの?という位に独占タイトルが少ない(自社の旧機種とのマルチが多いのにも驚いた)。開発費回収の為にはマルチでとにかく数を売るという意向が反映された形になるのだろうが、個人的には最初は無理をしてでも独占を数多く確保するだろうと見ていただけにこの結果は意外であった。


 取りあえずPC版タイトルが大幅減少するという事態を2014年は避けられそうだが、今後ゲーム機の販売台数が増えてくるに従って方針を変えてくる可能性もあり、将来を見据えるとこのジャンルではPCゲームの立場に大きな変化が生じるかも知れない。


☆ゲームの傾向

 現在の大手パブリッシャーのリストを見るとFPS(FPP)がとても少ないのが目に付く。特にシングルプレイのアクション物となると本当に少ない。今後アナウンスされるゲームも在るはずだが、このままだとFPSファンにとっては寂しい年になる恐れがある。或いはその隙を突いて東欧などの中堅会社から数多くリリースされるという期待も出来る。

 Co-opも対応タイトルは在るがそこそこという程度で一時期ほどの賑わいは消え去った。2014年もインディーズの方がCo-op対応に力を入れてくると考えられる。


 後は新世代機に切り替わった事により、グラフィックスの向上を訴えるゲームが多い。ここ数年PCではマルチ開発の為にDX11の威力を十分に活かしているタイトルが出て来ないという状況にあったが、コンソール側の処理能力が飛躍的に上がった為、ハイエンドPCがその力を発揮出来る時代になってくるであろう。


☆インディーズ

 2013年の項でも書いたように、予想していたほどにはインディーズからのゲームは増えなかった。これは私が制作費捻出の困難さと、少人数体制による開発の遅さを考慮していなかったからで、その分2014年以降に延期された物が多かった。よって2014年には発売まで漕ぎ着けられるゲームがもっと増えて来るはずだが、インディーズ故の資金不足による開発中止という事態も考えられ確実とは言えない。

 クオリティに関しては、大胆なアイディアを持ち込み易いインディーズだから良いというものではなく、大手からの物と同様に面白い物もあれば詰まらない物も当然出て来る。だがここはインディーズの会社にもチャンスが生まれたという点を重視するべきであり、その中で面白いゲームが一定数以上登場するなら良しという風に考えている。


☆トレンド(インディーズ系)

 一つ目はオープンワールドのサバイバル物。これは明らかにDayzの大成功に影響されてのもので、インディーズが中心だがこのタイプのゲームが結構出て来ている。当然それぞれに特色を出して来る訳で、PvPの殺し合いを重視, プレイヤー間の協力を重視, クラフト要素を重視, ランダム要素重視, , 敵としてゾンビ以外を出す, 死の扱い等々、いろいろと設定を変えて独自性を打ち出している。これにはついては長くなるので、また別にコラムなどで書いてみたいと思っている。


 もう一つインディーズではサバイバルホラーも多い。やはりこのジャンルは人気があるが大手が作らなくなっている, 制作がアクション物に比べると楽(アイディア次第で勝負可能)という面から選択する所が多いようだ。しかし増えてくれば似た様な物が出てくるのは避けられず、どうやってオリジナリティを出してユーザーの目を惹くのかが大事になっている。例えば新タイプでは、オープンワールドやクラフト要素と組み合わせてサバイバルの方を重視しているシミュレーター系の物が数点(森林, 極寒, 無人島等)。舞台ではDead Spaceの様に他の惑星などのSF要素と組み合わせた物が目立つ。最後に攻撃手段を無くした逃走オンリーというタイプも増えて来ていると感じる。


☆ダウンロード販売

 すっかり定着した感はあるが、サイトの数が増えただけに競合による閉鎖という事態もこれからは一応考えておかないとならないだろう。(運営形態上、倒産というのは他に何か事業をやっていてそれの影響で、とか程度しか有り得なさそうである)。仮にどこかが閉鎖したとしても、おそらく登録タイトルの他サイトへの譲渡が行われると思われるので大きな被害にはならないと考えられるが、扱っているタイトルの違いから100%保証される可能性も少ないと言える。ユーザー側に採れる対策としては、全ゲームのインストール用のファイルを保存しておくのと(デフォルトではインストール完了後に消去される設定が多い)、インストールも全て完了させておく程度か(インストール時にDRM認証が行われるサイトがあるので)。後はオフラインモードで起動が可能かを確認しておく。


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