◎アクションゲーム 2012-2013 目次
2012年のFPS/TPS界を振り返って |
最初に上段はゲームサイトや雑誌のレビューを点数化して集計しているGame Rankings.comでの、PC版での点数による上位ベスト5(集計サンプル数10以上)。それと2012年の大物タイトルをプラス5個。 1. Dishonored 2. Borderlands 2 3. Far Cry 3 4. Tribes: Ascend 5. Max Payne 3 *Assassins Creed 3 *Call of Duty: Black Ops II *Ghost Recon: Future Soldier *Hitman: Absolution *Medal of Honor: Warfighter 以下はその他の主な発売タイトル(PC版の発売年&西欧市場での発売年基準) *007 Legends *7554 *Alan Wake *Alan Wake's American Nightmare *Binary Domain *Blacklight Retribution *Blades of Time *Counter-Strike: Global Offensive *Dark Souls *The Darkness II *Darksiders II *Deep Black Reloaded *Doom 3 BFG Edition *Gotham City Impostors *I Am Alive *Inversion *Lucius *Nexuiz *Painkiller Hell & Damnation *PlanetSide 2 *Prototype 2 *Resident Evil: Operation Raccoon City *Sleeping Dogs *Sniper Elite V2 *Spec Ops: The Line *Syndicate *Uprising44: The Silent Shadows *Viking: Battle for Asgard ダウンロード販売を主体(或いは現時点ではそれのみ)としたインディーズ会社からのリリースタイトル。アクション物でも縦横スクロール系の2Dタイトルは除いている。 *Alien Shooter 2 - Conscription *All Zombies Must Die *Arctic Combat *Chivalry: Medieval Warfare *Dark Shadows - Army of Evil *Karateka *Miasmata *Natural Selection 2 *Orcs Must Die! 2 *ORION: Dino Beatdown *Primal Carnage *Ravaged *The War Z *Warsow |
☆中休み的な一年 昨年に大作が集中したというのもあり、その次の年である2012年は「非常に注目度が高かった話題作」というのがあまり見当たらない一年となった。出来が悪い物が揃ったという訳では無いが、発売後の盛り上がりに欠ける作品も多かったように感じられる。私個人は未プレイの作品が結構有るので何とも言えないが、恒例の各ゲームサイトにおける年間ベストなどを見ると、ベスト3やベスト5を選ぶのが難しいという年だったかもしれない。 それと予想通りに二極化は進行しており、大手会社からリリースされるゲームが減少傾向にあり、比較的マイナーな代理店からのゲームが増えている。予算の高騰によって大量に売れる見込みがないと制作にゴーサインが出ない為に、中程度のヒットを狙ったゲームが作られなくなっているのがその原因。マイナーな会社にとってはその隙を突けるチャンスになるが、クオリティ面で大手に引けを取らない物を作るのはなかなか難しい。 ベスト5に入っているゲームは概ねユーザー側からの評価も高いが、それ以外の大物の方には差が出ている。Call of Duty: Black Ops IIは売り上げ面では相変わらずの大ヒットとなっているが、マンネリ化により飽きられて来ている感は否めないのと、マルチプレイの仕様がPCのFPS向けでは無い点からユーザー評価は大きくバラ付いている。復活を期したEAの有名シリーズであるMedal of Honor Warfighterは今回も評価を伸ばせず。PC版の発売が危ぶまれていたGhost Recon: Future Soldierは無事にリリースはされたが、中身はコンソール向けそのままで過去の様なPC版向け調整が入っていない事もあり、これもまたさほど評価を受けられていない。 ☆インディーズ会社の動向 昨年のブレイクを受けて2012年もインディーズ会社からのFPS/TPSゲームは結構出たが、予想していたほどの大爆発にはならず。ジャンルとして制作時間が掛かるタイプなので、制作中の物がまだ多くてこれからという事も考えられる。 2012年の傾向としては対戦マルチプレイをテーマにしたゲームが目立つ。逆に2011年に流行していたCo-op対応ゲームはほとんど出ていない。ゲームを作る際にシングルプレイ用とマルチプレイ用では難点が異なるが、バラエティに富んだコンテンツ作りが重要視されるシングルプレイに比べると、比較的ビジュアル面が重要視されないマルチプレイの方がインディーズ会社としては楽というのはあるだろう。マルチプレイでも、人口の確保, チート対策, ネットコードの軽さ等のハードルは多いが、ルールや設定が面白いゲームで勝負といった「アイディア一発で大手にも勝てる」という面は魅力的である。 ☆ダウンロード販売 販売会社に大きな動きは無く、Steamが強い点は変わらず。割引セールは今までと大して変わらないシステムだったが、全体的にセールになるまでの期間が短縮傾向にあるのは確か。特に大作がセールに並ぶまでの時間が短くなって来ている。 新要素としてはSteam Greenlightが開始された。ゲーム会社が制作資金を募る“Kickstarter”のSteam版で、ユーザーが多く目に付く可能性が高いSteamのI/F上で自分達のプロジェクトの支援を募集するというシステム。玉石混淆となるのは間違いないが、それでもここから面白い作品が生まれる可能性は持っている。 ☆Co-op ここ数年重要視されていたCo-op機能は2012年は後退傾向に。キャンペーンを通してプレイ可能なのがCo-opゲームとしては理想だが、これだとシングルプレイ時の設定(複数人で行動させる等)に制限が生じるのとバランス調整が難しいので、シングルプレイを最重要視するならばキャンペーンCo-opは外される事が多い。そこで別のキャラクターを操作する等の独自シナリオをCo-opとして用意するが、これは単なるホードモード(ウェーブ形式)であったり、ボリューム的に少ないとか練り込み不足等の理由で高く評価されるケースは少ない。 ☆QTE QTEの流行の兆しが感じられた。これについては別項を参照。 |
2013年のFPS/TPS界を展望する |
2013年リリース予定のアクションゲームのリスト。上段は業界的に注目度が高い物を10本選んでいる。説明は現時点で解る範囲の内容。 *Aliens: Colonial Marines (FPS, 4P Co-op) *BioShock: Infinite (FPS) *Crysis 3 (FPS) *DayZ (FPS, Open World, Survival) *Dead Island: Riptide (FPS, 4P Co-op) *Dead Space 3 (TPS, Action Horror, 2P Co-op) *Fortnite (TPS, Comedy Horror, 4P Co-op) *Metro: Last Light (FPS) *Splinter Cell: Blacklist (TPS, Stealth) *Tomb Raider (2013) (TPS, Action Adventure) *Amnesia: A Machine for Pigs (FPS, Survival Horror) *Among the Sleep (FPS, Survival Horror) *ArmA III (FPS, Tactical) *Call of Juarez: Gunslinger (FPS, Wild West) *DARK (TPS, Stealth Action) *Deadpool (TPS, Marvel Comics) *Devil's Third (TPS) *DmC: Devil May Cry (TPS, Action Adventure) *Doorways (FPS, Survival Horror) *God Mode (TPS, Fantasy, 4P Co-op) *Haxel (FPS) *Lost Planet 3 (TPS) *Low: Depths of Knossos (FPS, Rogue-like RPG) *Mars: War Logs (TPS, Action RPG) *Outlast (FPS, Survival Horror) *Primal Fears (Top-down, Action Horror, 4P Co-op) *Rainbow 6: Patriots (FPS, Tactical、Co-op) *Rambo: The Video Game (FPS) *Remember Me (TPS, Action Adventure) *Resident Evil 6 (TPS, Action Horror) *Routine (FPS, Survival Horror) *ShootMania Storm (FPS, Multiplayer, High-Speed Action) *Sir, You are Being Hunted (FPS, Stealth, Survival) *Sniper: Ghost Warrior 2 (FPS, Stealth) *Star Trek (TPS, Action Adventure, 2P Co-op) *Star Wars 1313 (TPS, Action Adventure) *State of Decay (TPS, Open World, Survival) *The Walking Dead: Survival Instinct (FPS, Survival Horror) *Watch Dogs (TPS, Open World, Stealth) *XCOM (FPS, Tactical) *Zeno Clash 2 (FPS, Melee, 2P Co-op) 以下は発売時期がハッキリしない物及び、PC版がリリースされるのかが公式にアナウンスされていないゲームである。 *Battlefield 4 *Call of Duty(新作) *Death to Spies 3 *Doom 4 *Edge of Twilight *Furious 4 *Grand Theft Auto V *Homefront 2 *Metal Gear Rising: Revengeance *Prey 2 *Thief 4 |
☆発売予測 業界として一番の注目はHD市場にMSかSonyの新機種投入があるのかだが、現状では製作予算が更に高額になる, MSにしろSonyにしろしばらくは独占販売となるのでマルチタイトルほど売れない, マシンが十分に行き渡るまでは現行機での1000万本以上の様な売り上げは無理、といった負の事情ばかりが揃っている状況。何時かは切り替えなければならないが、特にパブリッシャー側からすると新世代機への移行は望まれないという話になっており、ズルズルと引き伸ばされて2014年へとずれ込む可能性も高い。 発売への影響としては年末に新世代機が出るとなったら、既に発売時期がほぼ確定している物を除いては新世代機での発売へと移行するタイトルも幾つか出て来るだろう。逆に現行機で出す事になっているゲームの発売は早められるはずなので、現在アナウンスされていない物も含めて2013年末から翌年初頭に掛けてラッシュになるかも知れない。 上記のラインアップからすると2012年よりも大作&話題作は多目で、また全体の発売本数も2012年よりは増えると推測される。 ☆インディーズ会社 予定としては数多くの作品が挙がっており、2012年よりは増えるのではないか。Greenlight他を使っての資金集めが成功するようになれば更にインディーズ会社からのリリースに拍車が掛かる事になる。後は品質の問題で、多数出ても質が悪ければやがては「インディーズではやはりダメだ」といった考えから資金も集まり難くなってしまう。ブームとなった2011年は質が高い物が多かったという面が大きく、その意味で2013年のゲームの質は重要となる。 ☆注目作と傾向 ざっと見てまず感じるのは対戦マルチプレイ、特に大人数向けのゲームがほとんど無いという点。BF4やCoD新作が出ないとなったら余計にそうなりそう。ただその分インディーズ会社からのマルチプレイ物にチャンスがあるとも言える。 シングルプレイの方だと、前評判が良く注目度も高い物としてはBioShock: Infinite, Dead Space 3が挙げられる。Crysis 3も今回はエンジン性能を活かせる上手い背景設定を採用しており期待が出来そうだ。個人的には危機的な状況にあるとされるTHQからのMetro: Last Lightに注目。前作の雰囲気がとても良かっただけに今回もそれを楽しみにしている。 Modとして登場し大きな旋風を巻き起こしたDayZはスタンドアローン版が出るが、これは単に独立したバージョンというだけであり完成版の意味では無い。α版だったMod同様にまだテスト段階である事には変わりはなく、いろいろなテストを繰り返しながら1年位掛けて完成バージョンへと持って行くという話らしい。 ☆Co-Op 2012年に比べると対応ゲームは多い模様。発売を優先してそこでは含まないが、DLCとしてCo-op機能を追加するという予定がある物も幾つか含まれている。一時はキャンセルの噂もあったAliens: Colonial Marinesも遂に発売。Drop-in / Drop-out方式でのキャンペーンCo-opをサポートしており、今からプレイが楽しみである。同じく4人までのキャンペーンCo-opに対応しているのがDead Island: Riptideで、これは完全な新作ではなく同じエンジンを用いた続編的位置付けになる。しかし前作におけるフィードバックを採り入れてバランス調整をいろいろと行っているそうで、その意味では1の問題点が改善されてより良くなる可能性を持っている。例えば銃器類の大幅パワーアップと種類の増加。或いはCo-opでの敵の強さ調整方法も変更される事になっている。 Fortniteも注目作。世界初のUnreal Engine 4を使用したゲームという点が話題だが、実際にはグラフィックス面の凄さを見せ付ける物では無く、逆にこれだけ軽く動くというスケーラビリティのアピールと、容易にこのレベルのゲームが作れるという点を見せる為の狙いとなっている。ゲーム内容の方もこれまでのEpicのイメージを覆すユーモア路線で、最大4人で拠点のバリケードを築くフェーズと戦闘フェーズを繰り返してゾンビの攻撃に耐えるというCo-op用のゲームとして作られている。 ☆サバイバルホラー 発売予定のゲーム一覧を見るとサバイバルホラー物が目に付く。サバイバルホラーの現状については雑記にも書いたが、大手では無くインディーズ会社を中心に制作中の物はまだ多い。 前作が良かったAmnesia: A Machine for Pigsが一番の期待作だが、これは意図的に情報を遮断しているらしく詳細はまだ良く判っていない。数が多ければ差別化の為に変化球タイプもある訳で、中ではヨチヨチ歩きの2歳児としてプレイするAmong the Sleepと、狩猟ロボットの獲物にされた主人公となり、オープンワールドの島にてステルスやトラップを使ってロボットを倒し、船の部品を集めて島から脱出するというSir, You are Being Huntedが面白そう。他には設定は面白いのだがいろいろと問題があって評価されなかった「Fort Zombie」のアップグレード版という印象のState of Decayも注目作。ゾンビが蔓延する街中でNPCを救出して仲間に引き入れ、能力の異なるキャラクターを切り替えながら他の生存者には指令を出し、広大なエリア内から物資, 車両, 銃器, 弾薬類を確保。そして好きな場所に拠点を築き上げてゾンビに対抗するというサバイバル物。世界はオープンワールドでプレイヤーの行動によっても変化し、仲間を沢山集めてコミュニティを作るのもアイテム収集目的で他の人間達を殺すのもOKという高い自由度が売り。 |