アクションゲーム 2008-2009 目次
◎2008年のFPS/TPS界を振り返って
最初に上段はゲームサイトや雑誌のレビューを点数化して集計しているGame Rankings.comでの、PC版のみの点数による上位ベスト5(集計サンプル数15以上)。それと有名なタイトルをプラス5個。
1. Left 4 Dead
2. Dead Space
3. Far Cry 2
4. Crysis Warhead
5. Call of Duty: World at War
*Assassin's Creed: Director's Cut Edition
*Brothers in Arms: Hell's Highway
*Grand Theft Auto IV
*Rainbow Six Vegas 2
*S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky
以下はその他の主な作品発売リストとなる。
*Alone in the Dark
*Battlestrike: Force Of Resistance
*Bully: Scholarship Edition
*Club, the
*Code of Honor 2: Conspiracy Island
*Conflict: Denied Ops
*Devil May Cry 4
*Exodus from the Earth
*Frontlines: Fuel of War
*Hour of Victory
*James Bond: Quantum of Solace
*Legendary
*Mercenaries 2: World in Flames
*Obscure: The Aftermath (Obscure II)
*Penumbra: Black Plague
*Prince of Persia
*SAS: Secure Tomorrow
*Savage 2: A Tortured Soul
*Silent Hill: Homecoming
*Terrorist Takedown 2
*Tomb Raider: Underworld
*Turning Point: Fall of Liberty
*Turok
*UberSoldier 2(Crimes of War)
☆谷間の年
ずっと延期が続いていた大作の多数が2007年に集中して発売されてしまった事。それと近年ではその年のE3等でアナウンスしてから、すぐに同じ年に発売されるゲームがほぼ無くなりつつあるという点。以上の状況から既に昨年末の段階において、2008年はFPS/TPS界においては谷間の年となるのは予想出来てはいたのだが、想像していた以上に発売点数及び大作の数が少ないという印象の年となった。
その理由としては、第一に発売可能性は五分五分程度かと見越していたタイトルの多くが延期されてしまったという事実。特に個人的に注目していたポーランドのTechlandとウクライナのDeep
Shadowsの二社が開発していた各2つの計4作品が全て延期という結果に。第二に発売がホリデーシーズンに一極集中という形になった点。通年でも全体の5割以上は9月以降に発売されるという傾向にあるのだが、2008年は特にそれが極端で著名なゲームの大半が9月以降に発売となっている。その為に年の中盤が長い空白期間となり、デモすらほとんど出ないという状態に。
実際に作品を見比べてみると、2007年に一般的に高い評価を受けたゲームであるBioshock, Crysis, CoD4, Portal (The Orange Box), S.T.A.L.K.E.R.: Shadow
of Chernobylというラインアップに比較すると、やはり今年は見劣りすると言わざるを得ない。
☆新フランチャイズの減少
シリーズ作品の新作が多く、新鮮さに欠けた年という印象も強い。上記の上位5作品プラス注目されていた5作品を見ても、その多くが完全なる新規作品では無いという状況である。そんな中で新フランチャイズとなるLeft 4 DeadとDead Spaceが1,2位を占めたのは肯ける所でもある。ユーザーも目新しい物を求めているのは確かなのだが、完全な新作は失敗する危険性も高いとあって、売れているシリーズの新作という安全な方へと逃げてしまうというケースが増えている。今回の結果が代理店側に対して「新しい設定のユニークなゲームを作ろう」という方向性を強めてくれる事に期待したい。
☆マルチプレイ
人口という観点からはLeft 4 Deadが圧倒的な一位となった。これは私にとっても予想外で、Co-opだけではどれだけ面白くても限界があると見ていたのだが、情報の少なかった対戦モードの人気が高く、ピーク時には1万人以上のプレイヤーを集めているようだ。対戦モードには現状様々な問題があるにもかかわらずこの人気は凄い。その他での人気ゲームとなると、大ヒットした昨年のCoD4のシステムを受け継いだCall of Duty: World at War位か。これは確かに数千人クラスの参加者は集めているが、CoD4の方がまだ数倍プレイヤーの数は多く、期待通りの成功を収めているのかとなると疑問ではある。
その他の注目作品ではBFの大人気ModであったDesert Combatのチームが独立して制作した会社からのFrontlines: Fuel of Warは、リードプラットフォームがXbox 360というのもあったのかまるで目立たず。RTSとのミックスとなるユニークなゲーム性を持ったシリーズの続編Savage 2: A Tortured Soulは、独特な販売方法を採用したのだが結果的にはこれは成功しなかった模様で、人口が増えずに終わり現在ではフリー配布に切り替わっている。
これまでの人気タイトルを上回る作品がほとんど無く、やはりこちらもシングルプレイと同様に寂しい一年となったと言えよう。
☆中間層の空洞化
数年前の段階では、AAAクラスの作品だと開発チームの規模は50人以上、30人程度が中間クラスとなり、20人以下だとインディーズやバリューソフトのレベルという感じだった。しかし現在ではトップクラスのゲームの開発規模は80-100人程度が当たり前になって来ており、それが開発費の高騰に結び付いているのは御存知の通り。それと共にこれまで存在していた中間クラスのゲームが減少しつつあり、高額予算のゲームと低予算のゲームという両極化の傾向が強まっている。
以前はハードウェア性能の制限から、どれだけ予算と人員を掛けても特にグラフィックス面での向上には限界があった。よってトップクラスと中間クラスの開発チームの人数にはそれほど大きな差が無く、その結果として中間クラスがトップクラスのゲームに対してグラフィックス面で大きな遅れを取るというケースも少なかった。しかし今では人員を大量に投入すれば、それだけグラフィックスが向上可能というレベルにまでハードウェア側の性能が上がっており、特にマップ内に配置するオブジェクト類のモデリングや、キャラクタの複雑で滑らかなアニメーションの構築については膨大な人員が必要とされて来ている。その為にAAAクラスのゲームでは数多くの人員でチームを構成するようになっており、中間クラスの規模のチームがそれに追い付けない状況にあるというのが現状。
例えば昔は全くの無名の会社が大手を上回るようなグラフィックスを実現したりという驚きもあったが、近年ではそういった例はほぼ見られなくなった。ゲームの面白さはともかくとして、グラフィックスのクオリティは大手のゲームほど優れているという傾向が見られる。エフェクト類の様に個人レベルのプログラム能力が重要となる分野では対抗も可能だが、モデリングやアニメーションといった多大な労力を必要とする要素では大きな差が付いてしまっているので太刀打ち出来ないのだ。つまり現在の3Dアクション系のゲームでは、グラフィックス面の制作に予算を掛けない場合には、上位クラスとの差が以前よりも遥かに開いて見えるようになっているという状況にある。
そしてその差が大きくなるに連れて、ゲームのクオリティ自体にも悪影響が生じている。「グラフィックス面で敵わないのならば、ゲーム自体のクオリティで勝負すれば良い」とも言えるが、現実には代理店と契約するにはグラフィックスの水準は一定以上を要求される事が多くなる。それではと自社単独でオンライン等で売るにしても、見た目がパッとしなければ興味自体を持って貰えない可能性が高い。そこで中間クラスが勝負するにはグラフィックスのチームに人員を割かざるを得ないが、結局そのチーム規模が対抗する大手会社よりも小さいならばグラフィックス面で勝つのは難しい。そして限られた人員の多くをグラフィックスのチームに割くとなると、ゲームプレイ面を担当するチームとの両立も出来なくなる。どうしてもというなら、グラフィックスがそれ程重視されないジャンルのゲームを制作するとかしか残されていない。
それを受けて大手代理店側でも、中間クラスの予算のゲームでは大物の間に埋もれてしまって勝てないと見て、リスクを負う事にはなるが高額の予算を掛けたゲームで勝負に出るというケースが増えている。40-50人程度の規模で2作を作るのは危険の分散にはなるが、むしろどっちもそこそこという形で中途半端なクオリティになる事が多いので、100人程度のチームで大作一本に絞って大ヒットを狙うという姿勢である。実際に最近では中間クラスの出すゲームの中に、大手のゲーム以上のクオリティを持った物が少なくなっているのは確かであり、予算の高いゲームが全てハイクオリティという訳では当然無いが、高額予算の大作でないと3Dアクション分野では生き残れないという感じになっては来ている。
☆大手代理店の動向
ActivisionがVivendiとの合併を完了してEAと並ぶ2台巨頭となり、この2社だけで全発売ゲーム売上げの半分以上を占めるという程の大きさとなっている。そのEAによる買収の噂が過去に出ていたUbisoftは近年非常に好調であり、これも併せて3強と呼んでも良いであろう。しかし逆にその他の会社の状況は芳しくない所が多い。
Atariは完全なInfogramesの配下となって危機的状況からは脱したようだが、活動自体が小規模になったので目立っていない。今年の勝負作であったAlone in the Darkも予想外の低評価となり、先行きは不安なままである。SCi(Eidos)も昨年末の株価暴落以降は活動が停滞しており、スタジオ閉鎖等で凌いでいる状況であるが、株の保有率を高めるWarner
Brosに買収されるのも時間の問題という話も出ている。Midwayは既に壊滅状態であり、このまま破産するかどこかに買収されるかしか残された道は無い模様。THQも赤字による影響で大幅な配下の開発スタジオの整理を行ったばかりである。
こういった状況から大手による買収が進んで現在の中堅クラスの代理店は生き残れなくなるという見方も出ており、危険な会社は生き残り対策に必死となっている。こういった吸収合併が進んで大手しか残らなくなった場合、王道路線のゲームばかりとなってユニークなゲームが出なくなるというという考え方も出来るが、大手故に「仮に10本出す場合にその総合計で目標利益を達成すれば良いので、その中の1,2本は思い切った冒険も可能となる」という風にも取れる。つまり切羽詰まっている中堅の方が冒険し難いとも考えられる訳で、この辺はどう転ぶか予測が難しい。
☆Vista & DirectX 10
XPの販売が終了したのもあってVistaを使用しているユーザーは増えているが、DX10をサポートするタイトルはむしろ昨年よりも減ったような印象。開発側もこれだけDX10の環境を持っているユーザーの割合が低いのでは、人員と時間を割いてDX10モードでのクオリティアップに努力しても意味が無いと考えるようになっているというのはあるだろう。ただし今後は確実にDX10の環境を持つユーザーは増えるので、今年が採用の谷間となっただけという風にも取れる。
◎2009年のFPS/TPS界を展望する
2009年リリース予定のアクション・ゲームのリストから。なおコンソールでは既に発売済みの物と、現地では発売されているが英語圏での発売は2009年の物も含んでいる。記号の説明: ◎(2009年に出すと宣言されており80%以上の確率), ○(出る確率が50%以上), *(何とも言えない)
まずはPCゲーム業界として特に注目度が高い(扱いが大きい)と思われるゲーム10選。
○Aliens: Colonial Marines
◎Battlefield Heroes
◎BioShock 2
◎Borderlands
○Call of Duty 6 (Modern Warfare 2)
◎F.E.A.R. 2: Project Origin
○Half-Life 2: Episode Three
○Mafia II
◎Operation Flashpoint 2: Dragon Rising
*Splinter Cell: ConViction
Aliens: CMは開発中のGearboxにおいて人員削減があったのと、Borderlandsの方を先に出すようなのでちょっと微妙な状況に。ただしエイリアン相手の4人Co-opが可能なので、L4Dの大ヒットを受けて「これは行ける」という事で早い内にその人気の波に乗かっろうと動く可能性もある。CoD6はActivisionの資料にModern Warfare 2という名前が2009年予定として掲載されていた事から話題となり、同社からはノーコメントという形になったが、現在の人気を考えると2009年のホリデーシーズンに発売という可能性はかなり高いと思われる。
HL2: EP3は発売未定の状態だが、EP2からは時間も経過しておりやはり年末の発売は有り得そう。具体的に現在製作中とされる新作をValveは抱えておらず、その意味でも期待出来る。逆に2009年の発売とされているが怪しいのがMafia II。制作会社は長期延期の常習犯なので信用出来ないというのが正直な所。Splinter Cell: ConVictionはガラリと変わったゲーム性に賛否両論だったが、ここの所情報が一切聞かれなくなっている。キャンセルの噂にちゃんと作っているという反応は出たが、もしゲーム性を大きく変更しているとなると更に延びる可能性はある。
続いてはそれ以外のゲーム。赤字はロシア&ウクライナ産を示す。オレンジは東欧&北欧の開発。
○Alan Wake
◎ARMA II (Armed Assault II)
*Collapse: Devastated World
◎Cryostasis: Sleep of Reason
◎Damnation
○Dark Void
○Darkest of Days
○Dead Island
◎Godfather II, the
◎DUSK-12
○Hei$t
*Hunt, the
*Hydrophobia
*Just Cause 2
◎Mirror's Edge
◎NecroVision
◎Parabellum
◎Postal III
*Precursors
◎Prototype
◎Red Faction: Guerrilla
*Rogue Warrior
*Saboteur
◎Saints Row 2
*Salvation
*Scorpion
◎ShellShock 2: Blood Trails
*Swarm, the
◎Terminator: Salvation
◎THEY
*They Hunger: Lost Souls
◎Velvet Assassin
◎Void, the
*Warhound
◎Wheelman
*White Gold: War in Paradise
◎X-Blades
このリストだと、あまり新作の情報を集めない方は聞いた事も無いタイトルが多いのではないかと思う。色分けしてみたが、ロシア圏から東欧系の制作会社によるゲームが多いのがその理由の一つ。特にロシア系だと既に地元では発売されている物も結構含まれているのだが、それが英語圏での代理店契約から発売までに至るのかどうかや、そうなったとしても1年以上遅れてというケースも多いので、“確実”の印が付いているゲームの割合は少なくなっている。
個人的な注目作品を幾つか紹介。Cryostasisはマイナーな存在に終わると考えていたのだが、ここに来てNvidiaがパートナーに付いた関係で急に注目度を増している。グラフィックスと物理エンジンは確かに高度なようだが、肝心のゲーム性の方はどれだけ面白くなるのかまだ未知数。NecroVisionもマイナーな存在だが、Painkillerの開発チームの一部が独立して作った会社からの作品という事で期待している。ロシアからだとThe HuntやScorpionも、傑作かどうかはともかくとして興味を惹かれているゲームである。奇ゲーとも言えるThe Voidは意外な事に既に英語圏リリースが決まっており、純粋なアクション物ではないがプレイしてみたいタイトルの一つ。
ポーランドのTechlandからのDead Island, Warhoundの二作品、及びウクライナのDeep ShadowsのWhite Gold, Precursorsは、どれも広大なマップを擁して自由度の高さとRPG要素を合わせたゲームとなり私好みなのだが、既に発売されているWhite
Goldさえも英語圏での発売がどうなるかはハッキリしていないし、他の三作品は最近開発状況が伝わってこない。
大物の一つであるAlan WakeはVista専用という事で、もし出来ていたとしてもこれまでの専用タイトルの状況を見ると出し辛いという感じだったが、2009年末にはVista(or
7)ユーザーが半数を超えると見られており、その時期辺りにはいよいよ出るかもしれない。
最後に具体的なアナウンスはされていないが、制作は進行しているらしく出る可能性は持っている作品。
*Beyond Good & Evil 2
*Duke Nukem Forever
*Hitman 5(新作)
*Interstellar Marines
*Portal 2
*Prey 2
*Rage
*The Scourge Project
*Serious Sam III
*Wolfenstein
RageやWolfensteinは出てもおかしくないが、idだけに発売時期は読めない。アナウンスだけは行われているSerious Sam IIIは、前作が2005年なのでそろそろと考えられる。Hitmanシリーズの新作も同じく時期的には出ても良い頃である。DNFについては本当に出そうな印象も受けるが、「これだけ延びたのだから生半可な物では無い筈」という期待感が高まり過ぎると、それを上回るのは困難になってくるのである意味厳しい状況下なのも確か。基本的にストレートなシューターだけに斬新さやユニークさでのインパクトを生み出すのは難しく、神格化されたかの様な現在の立場がマイナスに働くという可能性もある。
☆マルチプレイの展望
もし出るならCoDの新作が一番の注目作となりそうで、今度はInfinity Wardの制作となるだけに4並の大人気となる可能性も高い。マルチプレイの仕様もWaWとは異なり結構変えて来ると思われる。後はもしBF3が出るならば当然人気no.1を狙えるだけの力を持っている。
今年は無料でプレイ出来るWEBをベースとした新しいスタイルのマルチプレイが登場する。その一つがベータテストに時間が掛かって2009年に延期されてしまったBattlefield Heroesで、これまでのBFシリーズの人気振りを考えると、無料でもあるし相当な数のプレイヤーを集めるのは間違いない。ただしFPSでは無くてTPSな点と、非常にカジュアルな層をターゲットにしているゲーム性を考えると、長い時間BFシリーズのファンを引き付けておけるのかどうかには疑問もある。最初は大混雑するが、しばらくするとコアなファンは元のタイトルに戻ってしまう可能性も結構ありそうだ。
同じく新作ではないがQuake Liveも今年から稼動するようなので、こちらも人気を得られるかどうかが注目される。Q3Aとは違い個々の成績をマスターサーバーで管理して、同程度のレベル同士でマッチング出来るという点が大きな売りとなっており、格上のプレイヤーにボコボコにされて詰まらないのでゲームを止めてしまうという問題を防げるようになっている。純粋な対戦FPSは近年人気が低下しているが、その人気復活を果たせるかどうか。
☆Co-op
Left 4 Deadのヒットにより(対戦モードの人気も大きいが)、近年盛り上がっていたCo-op人気は今後更に高まりそうである。しかし上のリストでは大きくCo-opを扱っている物はあまり無く、これはその人気の前から作られているからなので仕方が無い。これから作られる作品に導入される事が多くなるはずだが、実際にそれが製品として登場するのは2010年以降になるだろう。ただしマルチプレイの仕様をどういう風にするか検討中や不明というタイトルも幾つか含まれるので、Co-opを採用するという物も出て来るかもしれない。
☆東欧のゲームの躍進
先に書いたように、北米や西欧では高額予算の大作が中心となり、他は低予算のマイナーなゲームが多くて中間層が減っている。しかしこの中間層を埋める存在として期待出来るのが東欧勢である。国によって違うが東欧諸国の人件費は北米の1/4-1/5程度とされており、多数の人員を雇ってもコストが大幅に削減可能である。つまり東欧諸国の開発会社と契約するか、既に開発中のゲームの販売権を獲得する事で、例えば100人程度の人員で開発した物でも遥かに安く予算を抑えられる。北米並に能力の高い人員を国内で多数集められるかどうかという点や、PCが強い市場なのでコンソールとのマルチプラットフォームの開発面では弱いといった不利もあるが、中程度の予算でクオリティの高いゲームを制作可能にもなるというのは大きな利点である。
大手代理店はあまり手を出さないと思うが、中堅の代理店が能力の高そうな会社と契約してゲームを作らせるという形態が増えて来そうである。個人的にも個性的なスタイルが多い東欧(ロシア)のゲームは好みでもあるので、上のリストに挙げたような多くの会社が、今回のゲームで北米や西欧の代理店の目に留まる事に期待している。現状ではどうしても低予算・低クオリティが目立ってしまっているが、地元とは桁が違う様な予算の下での開発が行われれば、持っている実力を存分に発揮出来るようになるだろう。現状では下請けをそういった国に対して発注するというのはポピュラーだが、それが本格的に一本のゲームを作らせるというケースが増えて行くのではないかと考えている。
☆総合
全体的には2008年に比べると大物が増えており、寂しいという状況には2009年はならないだろう。ただしマルチプレイ用のタイトルはちょっと少ないという印象で、そちらのファンに取っては期待薄とも言える。
その他で気付いた点としては、リスト全体を見るとと特殊部隊物が見当たらない。OFP2やARMA
IIの様なリアル系戦争物は予定されているが、アクション性も併せ持っているタイプのゲームが無い状態。しかしアナウンスはされていないがGRAWやR6の新作は、人気タイトルだけに年内発売も十分に考えられる。またステルス系のゲームもほとんど見当たらない状態で、HitmanやSplinter Cellの新作が出なくなるとファンには寂しい年になりそうだ。
大物としては発売済みのゲームのコンソールからの移植版や、現在コンソールのみで製作中のタイトルがPCにも対応というケースはあるので、突然ビッグタイトルが加わるという可能性は残っている。例えばCondemned 2などは是非移植して貰いたい物の一つ。Halo 3も4人Co-op可能なので出て欲しいタイトルである。
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