大宮ろう学校
早期教育・幼稚部 Q&A

Q1: ろう学校に来て、言葉はしゃべれるようになりますか?
A1:   ろう学校は、聴覚障害児のための学校です。聞こえの不自由さからくる話せないこと、人とのコミュニケーションができないということを少しでも改善することを第一のねらいにしています。年齢や発達段階、聴力レベルに合わせて、適切に教育されれば、人とのコミュニケーションが広がり、おしゃべりも楽しめるようになっていきます。

Q2: 補聴器の調整や、耳鼻科のお医者さんとの相談はありますか?
A2:   聴力測定、補聴器の調整(フィッティングとよびます)は常時行っています。聴力低下は分かり次第、大宮総合病院、小児医療センター、帝京大学病院、宮崎耳鼻科、羽石耳鼻科(校医)と連絡をとり、治療してもらっています。また、県立総合リハビリテーションセンター(上尾)、光生園(草加)皆光園(深谷)、ひまわり学園(大宮)小児医療センター保険発達部所とも連絡・相談をしています。

Q3: 幼稚園や保育所にも通わせたいのですが?
A3:   受け入れてくれるところがあれば、通ってかまいません。まずは親子や友達とコミュニケーションできることが大切ですが、年齢や子供の状況を見て日数等決めています。また、園の先生達とも連絡をとりあっています。

Q4: 通常の小学校に通わせたい(このことをインテグレートといいます)と思っていますが、
        ろう学校に入学したらできますか?
A4:   親御さんの希望を聞き、その都度相談にのっています。入学時に普通小に入る例ばかりでなく、小学部の低学年で基礎的な力をつけた後、普通小に入る例もあります。いろいろ専門家の方や、経験者の意見を聞きながら、お子さんにとってより良い道を考えていきましょう。

Q5: 聴覚障害以外にも障害があるのですが?
A5:   ろう学校は、主に聴覚障害について配慮している学校です。が、他の専門機関や病院で訓練を受けつつ、ろう学校で学んでいるお子さんもたくさんいます。また、知的障害を併せ持っていても、早い時期から身振りや絵などを使い、ていねいに関わると、コミュニケーションの方法をしっかり身につけるようになっていきます。他の障害を併せ持っていても、聴覚障害に関しては、早くから教育が必要なので、ぜひ、相談に来て下さい。

Q6: 大宮ろう学校は、どうしてキュードサインを使っているのですか?
A6:   聞こえの不自由な子供たちが周りの人の言葉を理解できるようになるには、補聴器を早くから付け、聴覚を十分に活用していくことです。しかし早くから訓練をはじめても、名前を呼ばれて振り向く程度の場合もありますし、言葉の聞き分けに生かし切れないお子さんもいます。また、補聴器の装用時期が遅れた場合、聴力がよい割に効果が出ないということもあります。コミュニケーション(聴覚・読話・発音)の不正確さを補うものとして、サインを使っています。しかし、その使い方は、子供の聴覚活用の状況などを見ながら、配慮しています。

Q7: 補聴器をつけると耳が聞こえるようになるのですか?
A7:   眼鏡と違って補聴器はつけてもすぐ聞こえるようにはなりません。音の存在は分かりますが、「たまご」が「たばこ」でなく「たまご」と聞き分けられるようになるためには、周りの大人の配慮と教育がなければできません。 音は補聴器で感じますが、聞き分けるのは脳です。ここへのアプローチの仕方を大人が学ばねばならないのです。

Q8: 言葉を早く話せるようにできる方法はありますか?
A8:   たぶんありません。パパが好き!ママが好き!お話をを聞いて欲しい!といった感情やこれは何というのかなと思うことを抜きにして、子供はしゃべらないからです。学校で言葉の勉強をすれば話せるようになるのではなく、学校でのいろいろな生活や、遊びの中で、お友達や先生に話したいと思ったり、分かりたいと思ったりする経験の中で育つものなのです。言葉かけの仕方、補聴器の使い方等、具体的に指導いたします。子供を信じてじっくりがんばりましょう。

Q9: 家庭の事情(出産、病気、遠距離etc)で毎日通学できないのですが?
A9:   まず、親御さんが、お子さんにとって一番大切なことは何か、を考えて下さい。もし、三日くらい通わせて様子を見たいと考えていらっしゃるようでしたら言って下さい。要は、その三日通って学んだことを家庭で家族で生かして下さればよいのです。毎日通えるようになったら、毎日にするなどできますから、ご自分やご家族の要望をまずご相談下さい。

Q10: 何歳から援助を受けられますか?
A10:   0歳から受け入れています。早期教育部では、週1回の個別指導、週1回の集団指導を行っています。内容は聴力測定、補聴器の調整(フィッティング)、聴能学習、子どもとのコミュニケーションをどうとっていったらいいかetc、ひとりひとりの実態に合わせて行っています。他のお母さんとの話し合い、先輩のお母さん方からの助言も参考になるはずです。

Q11: お父さん、兄弟、姉妹、親戚の人にどう聴覚障害について理解してもらったらよいか?
A11:   まずは数多く学校に一緒に来ていただくことだと思います。運動会、学習発表会等の行事をきっかけに、年3回ある授業参観日にも声をかけて下さい。お母さんがお子さんとどうコミュニケーションできるようになったのか、どんな時嬉しかったのか、悩んでいることなど少しづつ話をしたり、感想を聞いてみることも良いのではないでしょうか。気長にあきらめずに一工夫、二工夫してみて下さい。(学校で父親の会ができると良いのですが・・・どうでしょうか)

Q12: 人工内耳について知りたいのですが?
A12:   適応の基準は、病院・学校によって少しづつ異なっていますが、一般的には

  A @両耳が最重度の感音性難聴である場合
     A医学的な問題のない場合
  B @補聴器による効果がほとんどないことが明らかなこと
     A聴覚障害に対する教育(療育)を受けていること
     B人工内耳についての情報を受け、適切な判断ができること
     C手術・リハビリに対して家庭だけでなく、医療機関・ろう学校・難聴学級etcの
        専門的な援助があること
  C 手術後コミュニケーション能力を育てる教育的援助があること

   (a.b.c.を満たすことが大切です。本校では早期1人、幼稚部3人、中学部1人の
    お子さんが装用しています。)

   *手術をしたら聞こえるという訳ではありません。補聴器と同じで、手術後のリハビ
      リが何よりも大切です。言葉のない子に言葉を教えてきた努力と同じ援助が必要
      です。

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