RXの敬老 2002年9月12日 SHIBUYA-AX
東名阪のライヴツアー、最終日の東京は、秋だというのに妙に暑い。
18:00の少し前に到着。座席指定ということで、キャパシティも少ないのでしょうか、これまでの記憶のAX前としては静かな光景でした。
時間より少し早めに開場、真中より後ろの左端の席で、げげっ、いままでで一番ステージが遠いかも(^^;見えない・・・。
ステージの上はいつものセッティング?でも、ボンゴ?手前にパーカッションが置かれてる。あぁそういえばオープニングアクトがあるという噂を聞いた。
その人たちのかしらん?。
18:30少し前だったか、静かに4人のメンバーがあらわれる。ちょろっと自己紹介したんだっけかな?ざわついた会場を気にすることなく演奏が始まり、会場に入ってくる人たちが、入口で「えっ?」という顔でステージに目をやる。
ASIA SunRiseというバンドだそうです。左からベースにパーカッション、アコギを持ったヴォーカルにもう一人パーカッションの4人編成。
キレのよいカッティングのギターにやがてリズム隊がかさなり「ぼくは自由人・・・」と歌いつづけるヴォーカルは伸びのある声。男っぽくかっこよいです。演奏も上手い。
続いて16ビートのちょっと軽やかでパーカッシブルな曲、そして、やわらかいギターからはいる、ブルージーでささやくような歌がセクシーなサザンロック風な曲へと。
いずれも繰り返される歌詞が印象的でした。「二階があるせいか、ちょっと狭く感じますね。」とか「名古屋でも大阪でもいったけど、RXに感謝してます。」みたいなMC。
最後はレゲエ調「Happy」という曲でしめられました。
さていよいよ本編へと・・・・。会場は満杯・・・。
暗転・・・ブレンダさん?の声につづき、やわらかめの音のシンセが流れる、舞台後ろのRXのロゴが赤く浮かびあがる。
007?いや「スパイ大作戦」かな?のようなリズムに展開すると、メンバーが下手から現れ、並ぶ。拍手と歓声・・・。
みんなが黒っぽいスタイルのステージ。左からギタリストの福原将宣氏、茶髪にサングラス、皮パン。
少し上がったところにキーボーディストの松崎雄一氏。髪がたってるドラムの雷電湯澤さん。黒いサングラスのベースの石川俊介さん。中央手前にサックスの勝田一樹氏。
と今回はニューアルバム「Kiss of Life」のメンバーをサポートにひっさげてのライヴ。
プツッとSEの音楽が消え、石川さんに照明があたる。一言「Yeah!」歓声!
■!HAヨY
ブラス系シンセのイントロ。サックスのフレーズ、リピートでは一オクターブあげた?より華やかに、サックスを前面に押し出したノリのよい作品。
続くベースソロがはじける・・・がいつもより元気がないですか?少しらしくないような石川さん・・・。
アイコンタクトでギターソロ。わりと固めの太い音。フリーキーな印象をもった1曲め。
■Film noir
ピックを口にくわえた福原さんのカッティングが柔らかく響く、アルバムではジャジーなフルアコギターが奏でるメインフレーズを、石川さんのベースで歌う。
さり気ないオルガンのトッピングが効いてるわぁ。ベースはやがて即興的なメロディをはじき。そしてギターへと受け継がれる。ちょっと湿った感じのギターソロ。
ボサノバ風のカッティングに戻ると、静かにフェイドアウト。・・・消え行く最後を見守り、湧き起こる拍手・・・。
いきなりインプロ色の強い展開ではじまった感の1、2曲め。
でもお互いもRXもよく知ったすっかりお馴染みのメンバーは、遠くに行き過ぎないというか・・・(笑)原曲の輪郭を留めた安心感があった気がします。
「どうもありがとう。ファイナルのRXです。どーも。最終日も飛ばしていきたいと思います〜。」と元気な石川さん。ちょっと安心。
「次なんだっけ、原題ばかりでてくるのもどうかと・・(^^;。あ、CD出しまして、聴かれてる人はいますかね。」もちろんで〜す。
■Show of courage
ん?最初微妙なズレ感が・・・、すぐ解消、でももしかして石川さんといい、このイスにすわった客席の雰囲気がステージ上に悪影響を与えてしまってるのでは?
サックスメインのファンクな曲。あぁ立ちたい・・・でも・・・。あぁ、心の葛藤が・・・。
新曲のためか割とアルバムに忠実でしょうか?ゲッ、湯澤さんはいつのまにか裸だ(^^。
派手やかなギターソロ、アーム炸裂。福原さんにお会いするのは4度め、何度もいうようですが(笑)拝見するたびに、音、ステージング。どんどんよくなっていかれる。
松崎さんのピアノは和音中心で厚味のあるアドリブチックな展開。まろやかな含みのある好きな音だぁ。ワウなギターで終わる。
・・・で、次の曲、知らない気がしたのですが、私の聴いていない”CHEMICAL REACTION”からの曲?今回席が遠くて、MCがよく聞き取れなかったのです。
■??(←ORANGE RAINだそうです・・・BBSで教えていただいた)
ソプラノサックス。ミディアムテンポのゆったりした曲。フリューゲルホルン系?、押さえたブラス系シンセのフリーキーなソロ(だったと思う^^;)。
ためた感じのギターソロにきらびやかなピアノも雰囲気がある。
ただでさえ、ソロ楽器に耳がいく私なのですが、AXは中域がクリアで魅力的に聴こえる気がします。低音はきつかったけど・・・。
ドラムにスポットが当たる、久し振りに見る湯澤さんのドラムソロ。赤や黄色のライトに照らされて、叩きつづける姿が大きくみえます。
一通り?のソロを終えて、立ち上がる湯澤さん。耳を傾けて確認するポーズ。拍手が小さかったらしく、催促(笑)。「男前〜!」の声が男性からあがり、満足げ。
再び位置につき、サンプリングのエフェクトかかったソロが展開される、最後にお約束の電電太鼓?が登場。なんとな〜く安心します(笑)。
そして、上手から石川さんがベースをかかえて登場。モンスターリズムセクション再び!やっぱり息合うなぁ、スラップベースがはじける。足で切り替え?一層迫力のある音へ。
石川さん:「久々のモンスターリズムセクションバトルでしたね。」イエーっ!「ノってます?ノッてます?」きく、楽しんでる気持ち伝わりにくい?。やっぱりステージやりにくいのかな。
MCは続く、「今回イスがあって、いろいろな要因もあるんでしょうね。年齢の問題とか(笑)。みんな年食っていきますかね。」
「いつまでも子供なのはミュージシャンだけ。でも楽屋では全然違ったりして。もうろくしてもやってんだろうな。」あはは・・・。
「みなさんもよぼよぼになってもきてくさいよ。」は〜い。
とまらない石川さんのMCはさらに続く、「楽屋なんてタンカで運ばれてきて、出番なのに耳とか聞こえなくて、”おじいちゃん、出番ですよ、早く起きないと”とか(笑)。」
「通販で売ってるやつスゴイですよね。ひざにつけたら、階段なんてビュンビュンのぼれちゃって。」もう、いったいどうしたんだかの勢いでした。
「一仕事終わるのは嬉しいけどツアーが終わっちゃうのはさびしいなと。まあ今年で終わるわけじゃないし解散するわけじゃないし、これからもどんどんやっていきたいのでよろしく。」
メンバー紹介・・・
「ドラム、雷電湯澤〜!」 前にでてきて大きな歓声を受ける湯澤さん。「のってますか?お客さん、楽しんでます?」
「石川くんと・・・いつあった?昨日?、昨日だよ。昨日おもしろかったね。彼と全然違う仕事でいって現場であって。そう、CANTAのジャケ写撮ったんだけど、なんとカメラマンさんが石川くんだったんですね〜(笑)」
えぇっ?あの篁さんが巨匠カメラマンとサイトに書いてた方ですか?(驚)。
「で、それなりにポーズとってるんだけど、向こうにいるのは石川くんで、昔から石川くんにカメラむけられるとヘンな顔をしなければいけないと(笑)。で、つい、その癖がでてこらえるの大変だった。」
「笑いこらえてるのわかるの。」と石川さん。
「でも俺が終わって、ルークを撮るようになると、さっきまで被写体だったのに、オレ急に助手みたくなっちゃって、ヨコでレフ板とかもっちゃって(笑)。」
「もう日が落ちちゃったじゃないかみたいな。」「すみませんとか(笑)」
「でも写真撮られながら、”明日はコイツベース弾いてるんだよな”とか、笑っちゃうよね。」カメラマンデビューについては「ちょっと嬉しい」石川さんだそうです。
「まだちゃんとみてないから、もし石川って名前がジャケットになかったらボツになったんだなって(^^;。」
「2足のわらじ?ちょっとちがうか。でも2年か3年かして、結婚式のカメラマンさんで腕章つけて写真とってたりして、それもいやだなぁ。」と石川さん。
「2足のわらじといえば、トンボ博士の・・・キーボード、松崎雄一」・・・いえいえという素振りの松崎さん。
松崎:「今回は去年までとはまた違ったラインナップで・・・。今日でツアーおわりですが、最後までよろしくお願いします。」
石川:「短くまとめましたね。話すこと考えてきたな?」
松崎:「考えてないよ(^^;。」
石川:「もういいんですか?そう、東京はいろいろ聴けて耳が肥えてるから、こっちも本気ですからね。いやもちろん名古屋も大阪も本気ですよ。あたりまえじゃないですか。」
「ギター、福原将宣〜」
少し話しをして「・・・あ、ギター持ってもいいですか?なんか落ち着かなくて」と福ちゃん。
「そうだよね。こんな何ミリかの木の厚みでも守られてる感じしますからね。。。(^^;楽器ないとお客さんと話もできない。」と俊ちゃん。
「Kiss of Life」に参加させていただいてという話、いろいろなギターの音をつかった話など。(あ、この日は多分いつものグリーンのギター1本をご自分でチューニングしぃしぃ最後まで使ってました。)、普段スタジオの仕事なども多いそうで、「あんなに、ソロ弾かせていただいたことはないんです。すごいことです。」聴き倒してください。みたいな話から、
石川さん:「最初に買っとかないと、すぐ廃盤になっちゃいますからね。3枚が常識ですから。」大爆笑。
「サックス 勝田一樹!」
ディメンジョンのアルバムのレコーディング中のようで、「今日はいいんですか?」
「もちろんコチラのほうが大事ですから(笑)。今日は渋谷AXということで、MCマイクぐらい期待したんですが、そんな私がまちがってました。」とSAX用のピンマイク?で話す勝田さん。今日は勝田さんも饒舌。ってかこんなしゃべる方だったんだ(^^;。バラードアルバムだそうで。
石川:「アルバムはいつごろ?」
勝田:「ええ12月中旬ぐらい、クリスマスにむけて売ろうという姑息なこと思ってます。」はは・・・(^^;
勝田:「アルバム参加しましたっけねぇ。もうずいぶん前の話で(^^;。2月の寒い中、石川さんから徴収くらってなにかと思ったらレコーディングだって。」
飲む話に・・・。
石川:「このメンバーで。4名、あ、5名ですね。自分いれてなかった。(ヲイ^^;)朝まで飲みつづけますからね。」
勝田:「ここほどしつこく飲むとこ他にない。ウチらの酒代だけで事務所に迷惑かけてるんじゃ?。」
石川:「ごくつぶしか?」
勝田:「特に前3人ね・・(含む福ちゃん)稼ぎはその日のうちに飲む。」
石川:「かっこいいじゃないミュージシャンっぽくって。・・・昔ヤクザに憧れましてね。」
「えっ?(汗)」引く勝田さん、湯澤さんもいつのまにか松崎さんの元に逃げてる(笑)。
石川:「えっ子供のころですよ。任侠映画とか見ませんでした?しらないかな。○○とか」知らん。「網走番外地とか」少し知ってる。
勝田:「・・・渋谷AXに相応しいMCですよね(^^;。」
石川:「そういえば、ポスターとか映画の看板とかみなくなったよね。」会場から「ある〜」の声
石川:「でも似てないよね。個性のない俳優さんとかだと余計そうなのかもしれないけど」
勝田:「RX、個性的だから大丈夫ですよね、石川さんなんてタンタンってかなりリアルにいけそう。」はっきりしたお顔されてますからねぇ・・・。
勝田:「最初にお会いしたとき、素顔でも悪魔でもあんんまりかわらない人だなと(笑)」
石川:「でもなかなか顔覚えてもらえなくて。」
勝田:「はは・・・そいつは失礼ぶっこきました。リハのとき、ベースの人は誰なんだろって、で本番でこの人(ゼノン石川)なんだぁって。で、また素顔になるとわからない(笑)。」
石川:「・・・あぁくたびれちゃった。」話盛り上がりすぎです。お腹痛い。
勝田:「えぇ、石川さんきりのいいのところで・・・(^^;。たまには”勝田くんでした〜”ぐらいいってくださいよ。いつだかもずっと一人でたってて、いつのまにか次のカウントはいられちゃって一人さびしく帰ったんだから。」
石川:「勝田くんでした〜」よかったですね。勝田さん満足げに去る。
下手から大きな拍手に迎えられ、黒人女性ヴォーカリスト、ブレンダ・ボーンさんの登場。やはり黒のシャツに左あしにももまでのフリル付のスリットがはいったセクシーなパンツ。
「コンバンハ〜、ハクシュオネガイシマス。」とココまでのメンバーに拍手を送る。日本語であおる。英語のMCは省略・・・(ゴメン^^;)
■NEVER SAY NEVER
フルート系メロとWind系(いやStg系だったか?)オブリのシンセのイントロ、ピアノにのってフりーキーな歌が入る。説得力のあるブレンダさんのヴォーカル。
情熱的なピアノのアルペジオに続き、ギターの入りは原曲そのまま?そこからまた自由に展開する。圧倒されます。
■SARAH
ピアノにあわせて、語るブレンダさん。「SARAH」といって歌に・・・情感のこもったバック。一音一音をいとおしむように入魂の石川さん。
甘い音のギターに芯のあるエレピが重なる。迫力のあるブレンダさん。張り詰めた空気がただよう。
ブレンダさん去る。ソプラノサックスを手に静かにあらわれる勝田さん。
「・・・はい、お歌のコーナーでした。」石川さんによって、緊張が一気にとかれる(笑)。
「次は廃盤の”CHEMICAL REACTION”から(^^;”tea for three”、そう、RXベスト盤だそうかと思ってるんです。曲も結構増えたし、ってわたしがゆーのもなんですが(笑←なかなか曲は作られないらしいから?)満足いくものにしたいです。」
■TEA FOR THREE
深みのあるピアノにサックス。ちょっとお酒が飲みたくなるような。赤ら顔のおじさんが目に浮かぶよなそんな曲。
ジャジーなワルツ・・・スリービート(ってゆーのか?)でベースが進行する。ピアノソロは流れるような速いパッセージ。ギターの押さえたトーンと絡む。甘いギターのトリルで終わる。
■Mystery from Greenman
フレーズおしりのトリルが効いているギター。私の場所のせいか、今日はちょっとギターの音が小さい、サックスとのユニゾンが聞こえなくて残念です。
立ち上がる松崎さん、ベンダー使ったトリッキーなソロ。両手で鍵盤を打楽器のようにたたく。アルトサックスがさわぐ。ギターが泣く。
ベースがドラムが畳み掛けるバトルの展開、引っ張られるようにギターも激しさを増す。音の戦場という感じ。ドラムのフィルを境にテーマに戻る一番好きな場面。ピタットきまるエンディング。かっこえ〜。
「とうとう後2曲になってしまいました。・・・みなさん立ってみます?(^^;」と意を決したように石川さん。・・・待ってましたとばかりみんなが立ち始める・・・うう。
「・・・ききわけいいなぁ(苦笑)」
ほんとはこんな気をミュージシャンにつかわせちゃいけないと思うんですが・・・。多くがいつもの状態を知ってるだろうことを考えると。もちろんわたしも含めてです。
■Tempest
印象的なベースに続くドラム。ワウなギター(だったよな^^;)、安定したリズムのベースが支える。泣きのギターソロ。アルバムではプログレ色の強い厚味のある作品ゆえ、少人数でのライヴはまた違った楽しみがあります。原曲にない人の声、ブレンダさんのフェイクが生きる。
■Riding Higher
縦に刻むリズム。オルガンの激しいグリッサンドがかっこいい松崎さん。そして松崎さんと福原さんの男らしい「Higher Higher〜♪」のコーラスも力強くてよかったです。
で、やっぱりこーゆー作品は立つと盛り上がるわぁ。
「RXでした〜っ」再度メンバー紹介をして「おやすみなさい」とステージを後にする石川さん。そしてメンバー。
〜アンコール〜
■CORAL
変拍子のゆったりしたプログレ。力のこもったベースにちょっと不安定なフレーズのソプラノサックスが絡んだり、泣きのギターがかぶさったり・・・。
私は今回(珍しく ^^;)だいぶ聴きこんだので、気持ちよいノリでしたが、テンポ的にも想像していなかったアンコールでした。
ステージが明るくなり、客席に大きく手を振るメンバー、ピックを一気にばら撒く福原さん、スティックを小分けにして客席に投げ入れる湯澤さん。
笑顔でバックステージへ。
RXはアルバムごとに変化(進化)している、その中でライヴのあり方を少し考えた渋谷AXでした。
終わった直後は、RXはやっぱりスタンディングが似合うわ。と思っていたのですが、改めて一曲ずつレポートを起こしていると、そうともいえないの?と思い始めたり。。。
解散後の2000年のライヴ、(今よりもさらに私の感覚が未熟だったので、どれだけ信憑性があるかわかりませんが、)全体的にタテのリズムを感じる、ロック好きの人間にも乗りやすいアレンジ、選曲になってると感じました。直前にでた”Zeitmesser”も比較的ポップなアルバムでしたし・・・。
しかし、”Elements” ”Kiss of Life”とプログレ色の強い作品も含んだアルバムを打ち出し、徐々にノリ一発というだけではいかなくなってきたのではないかと・・・。
実際、今回座ってじっくり聴くことができて、あらためてウマさを感じた曲は多々あり、大人っぽいステージを満喫したことも確かです。
立つ座るではないんでしょうが、どのようにRXのライヴに参加するか、考えどきなのかも・・・というか、頭で考えるものでもないでしょうから、メンバー同様のフレキシブルさを求められていくようになるのでしょうか・・・。
今はそれだけ思います。
あぁ、欲をいえば、Kiss of Lifeの作品をもっと聴きたかったかな・・・、それは次回のお楽しみということで。
(2002年9月15日・・・お、敬老の日だ。)