1998年2月28日(土)
那覇空港に降り立つと曇り空で、南国の照り付ける太陽と言うわけには行きませんでしたが、気温は20℃弱でやっぱり暖かでした。
早速レンタカーを借りに行きます。やっぱり沖縄を満喫するには、レンタカーは欠かせません。東京のせせこましい道を窮屈に走っている人には、思う存分のびのびと走れて気持ちいいですよ・・・。(と言っても、旦那さんは運転ができずに助手席専門で、運転は奥さんにお任せなんですが・・・)
空港から5分程離れた空港レンタカーまで送迎してもらい、親切な係員の人に詳しい行き方を教えてもらい、意気込んで最初の観光地首里城公園に向かいました。
那覇市内は多少道路が混んでいましたが、約20分で目的地に到着。
琉球王朝の衣装をまとったお姉さん達の「一緒に写真はいかが?」の声を無視して、石畳の階段を上がっていきます。運動不足で身体がなまり気味の僕達は、息を切らしてようやく目指す正殿にたどり着きました。
沖縄の観光地と言えば、ここ首里城がまず第一に挙げられる事が多いと思いますが、僕達の感想は今イチという所でした。
左の写真では分かりにくいかも知れませんが、どの建物もごく最近に建て直されたらしく、朱塗りがあまりにもケバケバしく、ちょっと興醒めでした。おまけに建物の外観を見るだけなら無料なんですが、正殿とかの中を拝観すると¥800取られてしまい、その割に特に見るべき物はありません。
個人的には、あまりお勧めスポットとは言えないと思います・・・。
あっさりと首里城観光を終えた僕達は、国道58線を北上して今日の宿泊地である読谷村(よみたんそん)を目指しました。今日は早めにチェックインし、ホテルでのんびりするつもりです。
しかし午後も1時を過ぎ、機内の軽食だけでは空腹を押さえ切れない僕達は、道すがらで軽く昼食を取ろうという事になりました。
僕達が目をつけたのは、国道沿いの浦添市にある巨大ファーストフードという触れ込みのA&Wという店でした。アメリカっぽい感じの店で、ハンバーガーやタコスなんかが食べられるみたいです。
でも変な事に、地図で見当を付けた辺りにやって来てもそれらしい店が見当たらないんです。結局、横道にもそれてしばらく探しましたが、お目当ての店は見つかりませんでした。(あちこち走り回された奥さんはちょっと怒っていたみたいでしたが・・・)
後で調べると、どうやら引っ越していたみたいでした・・・必ずしも、ガイドブックには全幅の信頼は置けないという見本でしょう。皆さんもくれぐれもお気を付けください。
それではと言う事で、遅い昼食は同じ浦添にあるブルーシールアイスクリームで取る事になりました。実は、ここはアイス好きの僕のお目当てのひとつなのでした。
ガイドブックなんかでも必ず紹介され、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、やはりここのアイスは絶品です・・・そして、その量と安さも・・・。写真では味がお伝えできないのが残念ですが、是非皆さんも訪れて損はないと思います。
ちなみに左がマンゴ、右がナッツトゥーユーです。このボリュームでシングル¥180は驚きです。
但し、やはりアイスが専門の店ですので、お飾り程度に置かれているサンドイッチ類は敬遠しておいた方が無難でしょう。
ちょっとお腹も満たされた僕達はいよいよ今回の宿、ホテル日航アリビラを目指し、読谷村の残波岬(ざんぱみさき)へと向かいました。道路もすき、米軍基地なんかの脇をスイスイと走り抜けると、沖縄に来たんだなと実感が湧いて来ます。
ホテル日航アリビラは、サトウキビ畑の間を通っていくようなちょっと外れた所にありますので、案内板は見逃せません。そしていよいよ到着。
写真で分かるように、スペインの香り漂う落ち着いた雰囲気のホテルです。
チェックインを済ませ、ボーイさんに案内されて部屋へ・・・。
急に予約を取った割には、9階という眺めのいいロケーションで、ちょっと満足でした。部屋も、たまに遭遇するビジネスホテルに毛の生えたようなチャチなものではなく、広々としたキレイなツインルームです。
ここの従業員はフロントやボーイさんも含めて、きびきびとしたなかなか良い感じです。ただ、部屋を案内したボーイさんが、
「ちょっとHですが、お風呂のドアはこのように透けた造りになっております・・・」
館内をざっと見学し、夕食の予約をした後、僕達は館内施設のスパに行く事にしました。夕食を美味しく食べられるようにお腹を空かせるのと、日頃の体力不足を少しでも解消しようという目的です。
宿泊者は¥1000で入場できます。と言ってもそんな本格的なものではなく、大き目の温水プールの何ヶ所かにジャグジー風のジェット水流があったり、ストレッチ用の掴まり棒があるだけのものですから、本格的嗜好の方にはお勧めはできませんが、まあ¥1000なら許せるかなという感じでした。
ひそかにちょっとダイエットが必要かと感じている僕達は、ジェット水流を腹や脚に当ててそれなりに楽しんでいました。(でも、1時間もいたら厭きてしまいましたが・・・)
スパから上がってひとくつろぎすると、いよいよお待ちかねの夕食です。ホテルの中には、フレンチ・中華・バーベキュー・鉄板焼き等いろいろなレストランがあって悩んだんですが、和食の店で沖縄風懐石料理(¥7500)を頼む事にしました。食べる事大好きな僕達二人は、これでこそ沖縄独特の味が堪能できるに違いないとワクワクものでした。
という訳で、その日のコースの内容をお品書き風にまとめてみましたので、あれこれ言うよりもじっくり見て貰いたいと思います・・・!
◆◆◆ 沖縄風懐石−本日のお品書き ◆◆◆ | ||
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泡盛(5年物) | ミミガーのピーナツ和え ジーマーミ豆腐 |
鮎の稚魚の塩漬け豆腐乗せ 豚肉の塩漬け 冬瓜の牛肉巻き 鮪の昆布巻き 豆腐ヨウの冬瓜和え |
沖縄と言えばやっぱりコレ。他にも10年、15年物・・・とあり味もマイルドになっていきますが、値段もアップします。 | ミミガーとは豚の耳の事。コリコリと妙な感触です。ジーマーミ豆腐はピーナツ味です。 | 鮎の稚魚はとてつもない塩辛さで、カラダに悪そうです。豆腐ヨウは簡単に言えば腐った豆腐です。観光客向けにマイルドにしているのか、それ程食べにくくはありません。 |
中 味 汁 | お造り (中トロ・いか・ミーバイ) ラフテー |
鯵の田芋焼き |
ダシの効いたモツ煮です。上品な味わいで、奥さんは大のお気に入りでした。 | あまり刺身と沖縄はピンと来ませんが、まあまあの味です。ミーバイとはハタの一種で、あっさりとしています。ラフテーは沖縄風豚の角煮です。 | 魚自体はちょっとパサパサしていますが、里芋を甘くしたような田芋がアクセントになっています。 |
写真はありません | ||
アン肝の酢の物 田芋団子の餡かけ ゴーヤーチャンプルー |
菜 飯 | デザートのメロン |
田芋団子の餡がさっぱりして、甘い芋とマッチします。ゴーヤーチャンプルーは本来はすごく苦いらしいですが、これは結構マイルドに仕上がっています。 | 沖縄風お茶漬けです。細切り野菜を乗せて薄味ダシをかけただけですが、意外とイケます。 | 半分凍った、ただのメロンでした。 |
いかがでしたしょうか?
沖縄の代表的名産物が一通り味わえるので、たいへんお得なコースでした。と書いている内にも、またヨダレが・・・。
こんな感じで沖縄の一日目は終了し、翌日に備えて早く寝る事にしました。
その前に、その日の夜にホテルの売店で買ったお土産を紹介しておきます。
さてこの日の朝食を食べていなかった僕達は、まだ食べていない沖縄名物を求めて国際通り近辺をさまよいました。そしてまず、沖縄三越の脇にある大衆食堂風の店に入りました。オーダーしたのは、沖縄そば(左)とソーキそば(右)です。
沖縄そばは、小麦粉と豚の脂を使った黄色い太めの麺で、カップラーメンのウドンに似た噛み応えの独特のそばです。そして、これにじっくり煮込んだソーキ(豚の骨付きあばら肉)を乗せたのがソーキそばです。
十分下調べをしないで飛び込んだ店だったせいか、あまり美味しく感じられませんでしたが、ソーキは柔らかく煮込まれてまずまずの味でした。
そばに不満の残った僕達は続いて、これは事前に調査済みのTacos−yaという店に突撃しました。
お目当ては、タコス・タコライス・オニオンリング・フライドポテトにドリンクが付いて¥650というランチセットです。タコスは先ほども登場したタコスソースをトルティーヤにはさんだもので、これをレタス・トマト・チーズと一緒にご飯に掛けたのがタコライスです。
タコスはどこのメキシコ料理の店にも必ず置いてありますが、ここのトルティーヤは半分生、半分パリッとして絶妙の揚げ具合です。ちょっとした軽食には最適ですので、これは皆さんにも是非お勧めです。
お腹の虫も収まった所でまだ時間はお昼と言う事であれば、天気も良い事だし、ドライブがてら観光に向かう事になりました。
沖縄本島南部を目指して車を走らせ、まず行ったのは、玉泉洞王国村でした。ここは琉球王朝の文化を伝える伝統工芸と熱帯果樹園のテーマパークですが、何と言っても見所は玉泉洞と呼ばれる鍾乳洞です。
日本第2位という全長5kmの洞窟の内、約890mが公開されていて、30万年掛けて創られたと言う神秘的な自然美には思わずため息を呑んでしまいます。
洞窟の中にはムッとするような湿気がこもり、足元も滑りやすく、無数の白い鍾乳石や無限の彼方から流れ出すような地下水に目を奪われていると危険です(?)
旦那さんはいたくここがお気に入りなのです。大自然の神秘に酔いしれたい人は、絶対にここは見逃せないですよ・・・!
その後、熱帯果樹園や伝統工芸村とかも見ましたが、まあこれはオマケみたいなものなので、玉泉洞を見るだけで、入場料¥1050は高くないと思います。
付け加えるなら、熱帯果樹園脇の休憩所にあったココヤシのソフトクリームとヤシの実ジュースはサッパリした中に味わいがあり、玉泉洞で汗ばんで乾いた喉には打ってつけでした。
そして、いよいよ最後の観光スポットとなった豊見城(とみぐすく)城跡公園近くの旧海軍司令部壕へと車を走らせました。
途中で道に迷い、地元のヤンキー風のオニイチャン達に道を聞き、獣道じゃあないんだからこんな細い道を車が走れるかという道を通ったら、すぐ目の前に目指す場所があったのはご愛嬌でした。
まあそれはさておき、ここ旧海軍司令部壕(入場料¥410)は太平洋戦争で最も熾烈を極めた沖縄戦で、最後まで抵抗を続けた大田司令官ほか多数の将兵が自決により壮烈な最期を遂げた所なのです。
規模は約450mとそれ程広くはありませんが、将兵が鍬やツルハシで掘った跡や爆死を遂げた時の爆発の跡などが生々しく残り、地下35mの薄暗い迷路のような壕内には、今も亡霊がさまよっているような錯覚を起こすくらいの不気味さでした。
実は、奥さんは以前家族でここに来た事があり、その時のあまりの怖さが忘れられず、今日は一緒に行かないで待っている事になっていたぐらいです。
一方旦那さんは、先ほどの鍾乳洞もそうですが、狭く暗い所が大好きで、修学旅行の高校生の団体もいなくなり、一人ぼっちになってしまった壕内を2周もして、すっかりご満悦でした。
と言う訳で、このページにはあえて写真は載せていません。何故なら、写真に乗り移った旧海軍兵士達の霊があなたの家に取りついてしまう事も有り得るかと思ったからです。それでも見てみたいという勇気のある方がもしもいらっしゃいましたら、このボタン
を押してみて下さい。ただし、何が起きても責任は持ちませんよ・・・!
旦那さん感激の観光も終え僕達は空港方面へ戻りましたが、まだ多少時間に余裕があったので、空港そばにあるパイナップルハウスというパイナップル専門のお土産物屋に立ち寄りました。
ここでは本来なら取れたてのパイナップルが買えるのですが、この時は注文の多さで品切れになっていました。この店には他にもパイナップル関係のお菓子やワインなんかもありますが、さほどめぼしい物もなかったので、試食のパイナップルを2、3個つまんで早々と退散しました。
そしてレンタカーを返却し、搭乗の1時間前には空港に戻り、搭乗の手続きを済ませました。ちなみに最近は自動発券機みたいなものもあり、お手軽になったものです。(知らなかったのは僕達だけかも知れませんが・・・)
若干時間が余ったので、空港内のレストランで軽食を取り、いざ搭乗しようとした時その重大な事態が発覚したのです・・・。
さっきまでは搭乗案内板も見ないでいたのですが、な、何とそこには
というハプニングもあり、家に着いたのは深夜の12時も近くなっていました。でも、一泊二日の沖縄旅行は十分満足のいく内容で、今度はもっとのんびりと行きたいと心に決めた僕達でした・・・!