2000 エジンバラ公演日記
本文へジャンプ 7月31日〜8月15日 



8月7日(月) エジンバラ公演初日


いよいよエジンバラ公演初日。
朝、簡単に鳴り物解説の段取りを確認して、
マイケルはチラシを取りにフリンジオフィスに。
我々は会場のオーガスティンスタジオに直接入った。
オーガスティンは我々の宿舎から車で5分ほどのところにある
ジョージ・4・ブリッジ沿いの教会で、1階のチャペルも110人入る劇場になっていて、
その地下が我々の公演会場オーガスティンスタジオ。
こちらも100人ほど入る。
幸い僕らの公演の前は空いていて、11時からセッティングができる。
開演は13:15。2時間ちょっとで舞台の設営、照明、プロジェクター、ケーブル、
、パソコン、ビデオカメラ、鳴り物などのセッティングをしなければならない。
スクリーン(と言っても、ただの白く塗ったベニヤ板だけど)もちゃんと届いていた。
ステージの正面、すぐ前に円柱が立っているので(なんちゅう劇場や)
下手側を完全に捨てて、高座を上手にしつらえ、劇場を半分に考えて使うことにする。
みんなであれやこれやと作業をしているうちに開演30分前になっていた。
僕たちは着物に着替えて会場前で、客引きのため三味線・太鼓で「しころ」を演奏。
結局チラシは届かず、会場入り口にも落語会のことを書かれた物は何一つない。
いくら表で宣伝してもチラシがないと何をしているのかわからない。
つらいなぁ。
開演間際に舞台袖に。
やがてステージの照明が消えて公演が始まった。
一番太鼓、二番太鼓、などを舞台袖でならしながら字幕で解説していくのだが、
福矢は気もそぞろで、マルコも出ばやし解説の途中で三味線の糸が切れて、
ギャグで演奏する「イエローサブマリン」がちゃんと弾けず、
涙目で「お兄さんどうしましょ」と振り返る。
すぐに「糸張り直し」と指示し、客席に向かって「糸が切れました」「ジャスト ウエイト」と叫ぶ。
これもご愛敬。
すぐに調子を合わせて弾き始めた。今度はちゃんと弾けた。
これで少しは落ち着いたよう。
僕もマクラの部分でネタをとばしてしまった。
普段なら少々ネタをとばしてもわからないが、字幕があるのでとばすと、
字幕も2〜3枚慌ててとばすことになるのですぐばれる。
全員が舞い上がっていたのだと思う。
客席は日本人が3人ほどで、外国人が10数人。
外国人が多い。
でも、ちゃんと笑ってくれる。
お客は少ないけどちゃんと通じている。
これならいけると思う。
夕方、やっとチラシが到着。
3人着物に着替えてチラシまきにでかける。
目標はコメディーシアター前の客。
「しころ」を演奏して、チラシをまく。
帰りがけは三味線を弾きながらチラシをまきながら帰った。
着物姿で三味線の演奏。注目度抜群。
チラシがよくはける。
夜9時を回ってもこちらはまだ明るい。
なんやかや仕事をしてるうちに夕食がいつも遅くなってしまう。
夜はマルコと福矢の手料理。
昼間から福矢とマルコは大張り切りで買い出しやら仕込みをしていた。
僕たちを驚かすんだと、キッチンのドアには「立入禁止」やら「火元責任者桂福矢」などと
書かれた紙が貼られ、中に入れない。
支度ができてキッチンに招き入れられた。
ドアの「立ち入り禁止」ははずされて「HENA PASTA」と書かれてある。
(福矢は仲間内では「へなちょこ」と呼ばれている)
テーブルクロスがかけられ(こんな物どこにあったんだろう?)、キャンドルまで灯っている。
夕食はパスタとサラダとソーセージ。
近所で買った安ワインで初日を祝った。










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