2010 フランス公演日記
本文へジャンプ 4月7日 

2010年 フランス公演日記

2010年3月23日(火))〜4月1日(木)
3月24日(水) ヴィルファバール公演

朝は8時半に朝食時間を設定して、10時から設営開始。
昔の大きな納屋を改造してホールを作ったようで、300人収容できる素敵な会場。
会場に入るとすでに高座が組まれていたので、位置決めして日本から持参した毛せんを掛ける。
撮影班は撮影場所を決め、コード類など配線の取り回し。
舞台袖を作ってプロジェクターをセットし、音響や照明の調整。
ここはコンサートホールなので音響はよく、三味線や太鼓は生音でじゅうぶん。
聞けばここにわざわざアーティストが録音に来るほどの音の良さだとか。
はめものが入っている部分だけやって、高座のマイクと鳴り物の音のバランスを調整する。
スタッフはオーナーのジェロームさんしかいないので、順番に作業を進めていく。
今回忙しくて字幕の手直しなどできなかったので、カーンと伊藤さんで字幕の変更などしていく。
ところがここでトラブル発生。
ジェロームさんが配線を変えようと、いきなりプロジェクターの電源を抜いてしまった。
字幕に使うビデオプロジェクターは強力なランプが内蔵されていてかなり高温になる。
常にファンで冷やさないといけないし、終了する時もランプが冷めるまで
風を送ってから終了するように作られている。
それをいきなり高温のまま終了してしまった。
ランプが切れると使えない。先月のNY公演の時はランプの換えをちゃんと持って行ってたが、
今回は飛行機に積める荷物の重量が制限されていたので、荷物を減らすために交換ランプを入れていない。
おそるおそる再び電源を入れると、バチバチバチと嫌な音がしてランプが点かない。
プロジェクターのランプはかなり高額だし、ましてこの田舎では簡単に調達できない。
取り寄せるにも今夜の公演に間に合いそうもない。
まいった。
とりあえず少し冷ましてからもう一度電源を入れてみた。
そしたら、ちゃんと作動した!
ランプが切れたかと冷や冷やした。
事の重大さがわかったジェロームさんが心配そうに見ていたが、大丈夫とわかり抱き合って喜んだ。
あらかた作業が終わったところで一度通しでリハ。
普通の落語会だと音響や照明のチェックだけでリハなどしないけど、
字幕のタイミングなどもあるのでやっておいた方が安全。
カーンは1ヶ月前に国連でも字幕操作してくれたけど、間あいてるし。
すべて終わった頃には夕方になっていた。
お香のデモンストレーションをするロビーのしつらえもできて、しばし休憩。
食堂に軽食がちゃんと用意されている。
今回は落語だけではなくお客さんに日本の香りも楽しんでもらおうと、全員に簡単な匂い袋をあげ、
ロビーにお香コーナーを設けて、お客さんに合ったお香を調合してあげるサービスもする。
そして落語の前に田中さんが字幕で簡単なお香の解説もするが、
着物でと僕がリクエストしたのでわざわざこのために着物を2着新調したそう。
でも自分で着られないので、福矢やひろばが着付けのお手伝い。
開演30分前の6時半頃からお客さんがぞろぞろ集まりだした。
人口150人の村に300席のホール建てて、どれほどお客さんが集まるのかと思っていたら、
どこから来るのか170人ほどおお客さんが来てくれた。
中には45kmも離れたところから来てる人もいるという。
お香の解説の後鳴り物解説と「お玉牛」、中入り後「皿屋敷」といういつものパターン。
田舎のお客さんの反応はどうやろと心配したけど、やはり日本と同じ所で笑いが返ってくる。
ここも心配は無用や。
終演後また食堂でワイン飲みながら食事。
この、樽ごと置かれたワインを飲み放題というのはついつい飲んでしまう。
明日もあるのでほどほどに・・・



部屋の窓から中庭が見える。
右手の大きな建物が納屋を改造したホール。


ロビーにしつらえられたお香コーナー。
その人のイメージにあった香りを作ってあげる。


村の人口を超えたお客さんが来てくれた。



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