2007 ニューヨーク公演日記
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2007年 ニューヨーク公演日記

2007年8月1日(水)〜8日(水)


8月5日(日)公演最終日


朝7時前に目が覚めて窓から通りを見ると、なにやら様子がおかしい。
ホテルの前にタクシーがいない。
道路を走る車もない。
いくら日曜の早朝と言っても、全く車が走ってないのは変。
しばらく見ていると道路の真ん中を回転灯を灯したパトカーが静かに走っていった。
あ、ハーフ・マラソンや!
昨日自由の女神を見たサークル・ラインの船着き場からグランド・セントラルに移動する時、
バスを待っていると、ハーフマラソンののぼりが上がっていた。
どうやらうちのホテルの前もコースになっているよう。
スタートは7時なので、そそくさと着替えてホテルの前へ。
ホテル前は完全に封鎖されて、車は入られない。
沿道には応援の人もボチボチ集まってきてる。
カーネギーホール横では中継車が停まっていて、マイクを持ったレポーターもいる。
吹奏楽のグループが演奏をしてる。
30分ほど待っていると停まっていた白バイやパトカーが急に動きだし、先頭ランナーがやってきた。
時間掲示車の後、2〜3人のランナーがすごいスピードで通り過ぎていった。
それからいくつものグループが通り過ぎ、あとはおびただしい数のランナー達が通り過ぎる。
1万人がこのマラソンに参加してるそう。
途中でホテルに戻って朝食をとり、地下鉄でハーレムに行ってみる。
今日は日曜で教会でゴスペルが聞けるらしい。
125丁目まで地下鉄で行き、アポロ・シアターの前を通って、
116丁目の教会までハーレムを眺めながら歩いていく。
今日もすごくいい天気で空が青い。
教会へ行くのか、白い服を着た黒人達がぞろぞろ家から出てきた。
観光客でも入れるというメモリアル・バプテスト教会に入ると、係の者にしばらくここで待てと言われ、
廊下でしばらく待機していると教会内に案内された。
どうも真ん中の席は信者用で観光客は両サイドに振り分けられて座らされる。
白いワンピースを着た黒人の係員がきっちり席を埋めていく。
そして10:45ゴスペルは始まった。
5〜6曲だけど、アップテンポのノリのいい曲、しっとりした曲、歌詞カードを見ながら
一緒に歌う曲など観客も巻き込んでショーアップされていた。
途中で挨拶タイムがあり、黒人のばぁちゃんらが近所の人や観光客、誰かれかまわず握手をして言葉を交わす。
とてもフレンドリーな雰囲気。
1時間ちょっとやけどよかった〜。
献金用のお盆が回ってきたけど、どれだけお布施あげていいかわからんから、
周り見たら地元のばぁちゃんは$1握りしめている。
観光客らはと見ると、こちらも$1。では僕も。
これだけ楽しんで$1は安い。
また地下鉄でホテルに戻って12:40ロビー集合。
荷物がないから、昨日と同じように徒歩で劇場へ。
今日は日曜なので3時半の開演。
会場入りしてマイケルと字幕の修正をする。
開場時間前に終了して楽屋へ。そして開演。
今日もいいお客さんだけど、会場の冷房がやたらききすぎて寒いらしい。
ライトの熱がある高座の僕はちょうどいいが、花登や福矢ら鳴り物班は舞台袖でガタガタ震えてるそう。
客席も少し寒そう。
この国の冷暖房は「ちょうどいい加減」というのはない。
冬は外は−10度でも、室内はTシャツ短パンでも暑いぐらいだし、夏は震えるぐらい冷房をきかせる。
「お玉牛」「皿屋敷」ともツボでよく笑いが返ってくる。
特に「皿屋敷」は噺にすごく客が入り込んでるのがよくわかる。
約2時間で無事終演。
終演後、同行取材をしている朝日新聞の篠塚さんのリクエストで、紋付き袴のまま表に出て写真撮影。
撮影が終わると会場から出てきたお客さんらも一緒にと、記念撮影大会になった。
楽屋に戻ると演出家の宮本亜門さんが楽屋にやってきた。
サンタフェでオペラの演出をした後NYに寄って、僕の公演を見に来てくれたそう。
プログラムのプロフィールを見たのか、「僕と同い年ですね」と同年代ということでえらい盛り上がった。
鳴り物や機材を撤収してタクシーでホテルに荷物を置きに帰る。
そしてホテルそばの中華料理屋で楽日打ち上げ。
料理もうまいし紹興酒の瓶がどんどん空く。
8時半にお開きになり、リンカーンセンターでデイブ・ブルーベックの無料コンサートがあると聞いて
、僕とマイケル、篠塚さんらで行ってみる。
着くと9時を回っていて、アンコール曲だった。
でも最後の「テイク・ファイブ」も聞けたし満足。
その後またてくてく歩いてタイムズスクエア近くのアイリッシュパブでまた飲んでホテルに戻った。
明日は1日オフ。



カーネギーホール横を走るNYCハーフ・マラソンの市民ランナー。


すばらしいゴスペルが聴けるハーレムのメモリアル・バプテスト教会。


「お玉牛」の「半鐘のちゃん吉」の訳はこんな感じ。


楽屋を訪ねてくれた宮本亜門さんと。
二人は同い年です。



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