告白



「好きだ」

鏡を前に、一生懸命練習する。

「愛してる」

その姿は傍目から見れば奇怪なコトこの上ないが、本人は至って真面目だ。

「俺のそばにいろ」

目を閉じて、イメージトレーニング。

本人を前にしなければ、こんなに簡単に言える言葉なのに。

―――どうして言葉が出てこなくなるんだろう。

本日も丁度それで文句を言われたところだ。

たしかに、相手に言わせるばかりでは悪いのも確かだ。

でも、出てこない。

彼を前にすると息がつまったように何も言えなくなる。

「・・・・・・訓練、あるのみだな」

今までの人生、それで出来なかったことはない。

鏡を前に、こぶしを握り締め。

かつて最強と謳われたエージェント・ヒイロ・ユイは今日も愛の告白練習
なるものに励むのだった。



――さて、皆さま。

結果はご想像におまかせします(笑)

                                          end.



1999.10.6.
あの話8です。
この辺りのあの話は、宙サーバーが不安定になって書き込みが出来ない状態だった時に、ログ専でも楽しめるようにと卯宙で勝手に放送してました。
それで本当に慰め企画になってたかはナゾですが、とりあえず来宙者は確保できてたみたいです(笑)
今はもう止めた「卯宙突発!あの話」連載の最後の作品でした。

その後、続きっぽいものを書いた為シリーズのようになりました。
何も考えてなかったのでタイトルに物凄く統一感がありません…(-w-;
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