絶対的幸福









「あなたじゃなくたって、本当はかまわない」

ああ。
こんな言葉を言ってしまうから、自分はいつもいつも。

・・・・こんなにも弱いままで。


月がバカみたいに明るかった。
思わず眉をしかめたのは、その光が眩しかったから。
そして吐きだした自分の声があまりに寒々しかったから。

「うん」

少し眠たそうな顔で太公望が頷く。
寝台に半身を起こした夜着の楊ゼンの体に、服を着たまままたがった体勢。
だらりと投げ出した両手は楊ゼンの肩の上に置かれたまま。

「あなたじゃなくたって、本当は」

いっそのことこのまま自己嫌悪とやるせなさのうっとおしい波みたいな気持ちに溺れてみようかと、もう一度繰り返してみた言葉に長く息を吐きだして、楊ゼンは天井を見上げた。
白い光と黒い影にきれいに切り取られた月明かりの長い髪を太公望がそっと掴む。
右手で髪の端を掴んだまま、楊ゼンの肩に頬をこすりつけた。
そのまま目を閉じて輪郭のはっきりしないふやけた声で言う。

「おぬしの髪は、好き。くすんだ、綺麗な青い色・・・・」
「ええ」

太公望の白い頭巾の長い先っぽがくすぐったいので、楊ゼンは丁寧な仕草でそれをはぎとった。
少し猫っ毛ぎみのやわらかい黒髪の、まるで子供みたいな匂いを顔を寄せて嗅ぐ。

「相性は誰よりも良いと思うがのう」
「体の相性は、でしょ」
「つまるところ、一番重要なのはそれだからな」
「そういう考え方もありますね」
「考え方じゃない。関係、だ。それだけが重要な関係もあるということ」

わしはそれはそれで結構好きなんだが、と、楊ゼンの肩に頭を載せたまま太公望が呟いた吐息が耳にかかった。
もっともっと声を聞きたいと思う。
全部に疲れて、もう止めようと決めて、それを口に出した今でも。
・・・その声を聞かせて。
心のない、例えば蔑みの言葉でもいいから、その声を。
だから意味のないことを問う。
姑息な時間稼ぎみたいなこと。

「他の人を試したことはあるんですか?」
「ない。男はな」
「じゃあわかりませんね。もっと相性のいい人は他にいるかもしれない」

「・・・あ。そうか」

目が覚めたという顔で、太公望が顔を上げて楊ゼンの目を真正面から見た。

「もう終りにしよう、とおぬしは言いたかったわけだ」

「・・・・・・・やっとわかりました?」
「あまりに眠くてぼーっとしてた」
「・・・・それは。お疲れさまです」

我ながらマヌケだなあ、と楊ゼンは思う。この人を相手にして、そんなこと今さらだけど。

「遠回しに言うおぬしがいけない」

真面目な顔でとがめる言葉を言ってから、太公望は肩をすくめた。

「違う。そういう話じゃなかった。要するに」

憎らしいほどに揺るがない瞳の色。傷ついたふりぐらい・・・・と思いかけて楊ゼンは苦笑する。
そんなことを求めだしたらきりがない。
どこまでも馬鹿な男になれそうな自分を、他人の目で見たら笑えるぐらい滑稽だった。

「要するにだ。おぬしはわしと寝るのがもう嫌なんだな?」
「嫌じゃないですよ。ただ――――」

たまにね。
たまにだけど。
・・・・死にたいぐらい、苦しい夜があって。

気持ち良くって、この人の感じる顔が、感じる声が聞けて、その体を思う通りにできて、それはもう信じられないぐらいの幸せなんだろうけど。

欲しいものは、本当は違う。

それを抱きあうたびに思い知ることは哀しくてつらくて。
絶対に手に入らないとわかっているものを思って、ガクガクになるぐらい絶望したり期待したり。

そういういかにも不幸で欲求不満な人間くさい自分は。


もう、駄目だと思った。


諦めるのも忘れるのも、心を偽って生きるのも得意だし。
ただあの穏やかで夢から醒めた後のように居心地のいい何もないからっぱな日常に戻るだけのこと。


曖昧に笑って楊ゼンは首をかしげた。

「いつかは終りが来るんです。どんなモノにも。飽きることも・・・・ありますしね」
「ふーん・・・」

底の見えない相変わらずの冷めた目で、太公望が無感動に呟いた。

「わしは、捨てられるわけか・・・・」

寂しくなんて、ないくせに。ただの少しも。
そう思ったけれどそれは言葉にしなかった。

「おぬしのことは結構好きだったのに。その髪とか。手とか」

そう言って楊ゼンの左手を両手で持ち上げて口に入れる。
小さなその口の中の柔らかい舌の感触。

「それと、あと」

太公望は楊ゼンの手を放し、腕を伸ばすとその夜着の襟元を掴み、一気にはだけた。
楊ゼンの白い咽に舌を這わせから、心もちそらされた細い顎に下から噛みつくようにして甘く歯を立てる。

「今日はさせてくれてもよかろう? 最後の最後ってことで」

ほとんど裸の楊ゼンに、頭巾はないものの、いつもの厚着を全て着込んだままの太公望。
むきだしの胸にこすれる房飾りのひやりとした金属の冷たさや、太ももの内側を撫でるざらついた手袋の感触。
はがゆいようなとらえどころのない感覚が楊ゼンの芯をくすぐった。

―――こういうのはキライではない。

本当は。

いつも攻めたてるのは自分のほうだったけれど、こういうのもいいものだな、とかすかにずきずきする頭の片隅で楊ゼンはちらりと思った。
自分が、彼に所有されているような幸福感が、少しだけ。
・・・・マボロシだけどね。

「・・・どう?」
「どう・・・って・・・」
「おぬしがちっとも声をたてんから。何やらつまらんぞ」
少し息の上がった声で楊ゼンが答える。
「普通に・・・イイ、ですよ」
「もっとさあ、あん、とか、うう、とか」
「・・・これだけじゃ、声なんて。・・・出ませんよ。あなたじゃ、あるまいし」
「そーゆーこと、言うし」

動きを止め、懐から取りだしたガラスの小瓶の中身を太公望がイッキにあおった。
楊ゼンの髪を掴んで上向かせ、口移しで彼の咽にそれを流し込む。
甘い液体に、一瞬だけのどが灼けるような感じがした。
少し咳き込んでから尋ねる。

「何ですか・・・。今の・・・」
「夢を見るクスリ」
「クスリ?」
「全部夢だから」

かすめるように、感傷とか痛み、そういう人間らしい表情が太公望の目にはじめて浮んだような気がした。
でもそれは一瞬で消える。

「どうせ見るなら、甘い夢のほうがいい」

「太公望師叔、僕は」

いきなりだった。
初めて見た、確かに見えたこの人の、ほんの少しの心の窓に楊ゼンはしがみつきたかった。
最後の最後でも。
すがりつくような真似だけはしないと、プライドではなく、二人の関係の暗黙の了解みたいに思ってたのだけど。
泣き声でも喘ぎ声でも叫び声でも、全てを賭けてすがりたかった。
そこに、希望はなく。
ただ確かめたいという思い。

「僕はね。『本当のコト』を、知りたかった」

例えば、これだけはウソじゃない、永遠に変わることはないのだと思えるようなこの世界の美しい美しい真実とか。
絶対的な正義とか。
そして・・・そしてアナタの本当のココロとか。
その目で、その手で、求めるモノとか。

楊ゼンのものを弄びながら太公望はちらりと視線をあげて軽く笑った。

「ああ。そんなもの」

じらすような指の動きに時々はぎゅっと力を込めて、少しだけ開いた楊ゼンの口元にちろりと動く赤い舌を自らの舌を差し入れて絡めとる。

「そんなもの、どこにもないし」

青い髪を乱暴にひっぱってあらわにした白くて形のいい耳たぶをなめながらささやく。

「あるのは虚ろな現実ばかり。そこにどんな夢を見るのもそれは勝手だけれど」

「虚ろ・・・?」

それじゃあ、僕と一緒だ。
虚ろで虚ろでウツロで、どれがウソか本当かわからず、じゃあしょうがないと与えられたモノからも逃げようとする。
そんな自分と。
太公望の手が後ろにまわり、今度は手袋を取ってその周りを何度か撫で回してから、指を差し入れる。
楊ゼンは止めていた息を思わずはいた。
中身を探られる動きに腰が浮きかける。
小さく早い呼吸が自分の耳にウルサイほど聞こえた。
ぎゅっとつぶった目に涙が滲んだ。
それが哀しくてなのか、執拗な太公望の指のせいなのかは最早わからない。
二人の関係をどうしようと思って何を言いだしたのか、どんな目で太公望がこちらを覗き込んだのか、何に自分は苦しんだのか。
何が欲しかったのか。
全部全部忘れた。
でもこの夜が最後だということだけは、熱い感覚の全てが流れ込み溢れてからっぱになったココロで泣き言のように繰り返していた。

「・・・・・・・・・・あ」

初めて声を上げたとき。
閃光が走った。
今まで存在した全てをはじきとばし、ゼロから無限へと瞬時に膨張する何か確かな存在の熱。
はじきとばされたのは自分ではないかと思った。
咽をかきむしって身もだえるほど、突然の熱の奔流が体に溢れた。

「っ・・・・はあっ・・・・! 熱い! ・・・なっ・・・なんて・・・熱い!!!」

闇を裂いて響き渡る、まるで安っぽいAV女優のような楊ゼンの声に太公望の動きが止まる。

「・・・まだ・・入れてないぞ・・・?」

咽がからからで何かに引き裂かれるようだった。
その熱さのままに楊ゼンは涙目でほとんど叫び声のような言葉を並べ立てる。

「ち・・・違うんですっ! 師叔! なんか・・・なんか体のしんが突然!!」

全身の肌が薄赤く上気している。尋常じゃないほど熱を持つその体。

「突然熱くなったんです!!! そう!! まるで・・・まるで・・・脱皮する前のセミのようなっ!! 蝶になる寸前のサナギのようなっ! そんな熱さが・・・こうじわじわとっ・・・・っっっ!!」

熱のこもった説明に太公望はよくわからずに頷くしかなかった。

「ほほう・・・脱皮・・・」
「ちっが―――――う!!!!」

バタバタと耐えきれず首をふって楊ゼンが自分の言葉につっこみを入れた。
脱皮してどうする。だいたい自分の原形は昆虫ではないし(多分)


「ああああああああああああああああ!!!」


一生分の叫び声を上げて、楊ゼンは自分の体でうずをまくあまりの熱さ、エネルギーに、ほんの一瞬だけ気を失った。
体中の毛穴から熱が放出されたような感覚。
正体不明の熱が急に去り、やっと息が出来るようになる。
顎を大きく反らせて、大きく見開いた目で天井を食い入るように見つめる。
荒い呼吸を何度も何度も繰り返し、滲んだ涙を手の甲でぬぐうと、戻ってきた静けさに体中の力が抜けた。
今のは一体なんだったんだろうと消耗した理性でとりとめもなく考えながら、太公望を見上げた。
彼は口元をおさえてひどく大きく目を見開いていた。
心配、してくれている? この人が?
そう思ってはみたけれど、やはり針の先ほどの期待感も持てず、楊ゼンが固まったままの太公望に声をかける。

「もお、大丈夫みたいです・・・。熱くて熱くて、死ぬかと思いましたけど」
「おぬし・・・ソレ」
「それ?」

どれを指しているんだろうと考えながら額にはりついた髪をかき上げようと腕を上げたとき、楊ゼンにも「それ」の正体がはっきりと見えた。

むだ毛。

違う。そんなかわいらしい、常識の範疇におさまるブツではない。
自分の腕の毛穴という毛穴から青い毛が吹き出して、どんどんと成長していく様を楊ゼンは口を開いて見つめた。

「うわあああああ!」

立ち上がって寝台から滑り落ち、混乱に足をもつれさせ、楊ゼンは壁に立て掛けた鏡の前に走った。
そして再度叫んだ。

「どっっへええええええ!!!!」

頭を抱えて、何を思ったのかクルクルとその場で回転してみる楊ゼン。
涼しげに整った顔も。均整のとれた背中も。すらりと伸びた、どんな女の脚線美にも負けない足も。
「美しい」と形容されてやまない、彼の全てが、モジャモジャモジャモジャモジャモジャ・・・エンドレスに、そうとしか表現できないスピードと質感で、青い毛にみるみると覆われていく。
そしてその毛がまたフサフサと伸びていく。
1分も要さなかっただろう。
彼が、青い雪男もどきの毛むくじゃらの動物人間(表現が難しい・・・)と化すまでに。
楊ゼン、であった青い雪男は、へたりと床に座り込んだ。
・・・・美しい、とはまだ言えるのだろう。
その艶やかな青い毛並は、太公望が好きだと言って何度も口づけた、陰った月の光にも似た美しい色だったから。
太公望が寝台から床に降り、ぺたぺたと素足で楊ゼンに向かって歩き出す。
楊ゼンは真っ白になったまま、しかし彼の足音には反応を示し、その体を両腕で抱きしめ隠そうとした。
しかし無駄である。
隠そうと交差したその腕だって毛だらけなのだから。

「・・・・楊ゼン・・・・」

太公望の掠れた声。
悲鳴のような、しかし弱々しい声を上げ、楊ゼンは身をよじった。

「・・・・っっっ・・・見ないでっ・・・・見ないで・・・下さい」

なんなんだ。こんな悪夢。
夢に決まってる。悪趣味でおっそろしい夢。
泣けてくるとか哀しいとかそんな生易しい気分ではない。
わけがわからず、信じられない自分の体を持て余し、楊ゼンはぎゅっとくちびるを噛んだ。
悪夢ならさっさと醒めろ。
早く! 一刻も早く!!!

「マボロシの・・・青いムック・・・・」

太公望が呆然と呟いた。震える腕を伸ばし、小さく縮こまる毛だらけ楊ゼンを背後から抱きしめる。
毛は柔らかくすべらかだった。その青い生き物(楊ゼンだ)の存在の確かさ。
太公望の息が急に早くなる。胸の動悸がつきあげるように咽にこみあげる。
・・・・ずっとずっと忘れていた、忘れたと思っていた、情熱とか愛情とか憧れとか。
そういう何か懐かしくて痛いくらいやさしい切実な感情が。
胸を圧迫するような苦しさで太公望の内であふれる。
青い毛に覆われた人型のケモノ。
なんて愛おしい姿。なんて美しい毛並み。

一目で、恋に落ちた。何を捨てても手に入れようと思った。

「・・・・・ああ・・・わしは・・・」

生まれて初めて、誰かを、欲しいと思っている。
太公望は楊ゼンの背に頬をおしつけて声をたてて泣いた。
楊ゼンは無言。
だいたいこんな展開自体、キテレツすぎて理解の範囲外なので、太公望の尋常でない言動にも初めてのその涙にも楊ゼンはさして疑問は抱かない。
というか、あまりのことにうまく頭が働かない。

「楊ゼン・・・。結婚しよう」
「・・・・はあ?」

この細いからだのいったいどこにこんなバカ力が? と疑問を抱くほどの力で太公望が楊ゼンを抱きしめる。
・・・・そんなことに少しだけ幸福を憶えている自分の順応力が楊ゼンはすごく哀しかった。
しかし、次の瞬間、楊ゼンは思いだしていた。
行為の前に飲まされた怪しげなクスリのことを。

「師叔・・・さっきの・・・くすり。あれ、本当は何だったんですか?」

うっとりと楊ゼンのフサフサの背中に頬をすりよせている太公望に、楊ゼンが硬い声で尋ねた。
あっさりと太公望が答える。

「ああ、あれ。養毛剤」
「・・・・・・!」
「雲中子特製のヤツだ」
「・・・・・・!!」
「・・・・そんな攻め顔をしとるのに胸毛の一本もないのは情けなかろう、と思ってな。わしもまさかここまで効くとは思っとらんかったがのう」

ちなみにその効果は永久的らしいぞ、とつけくわけて、太公望は幸福そうに笑った。
全身を震わせて楊ゼンが太公望の腕を振り払い、立ち上がった。
そしておもむろに振り返ると、楊ゼンをうっとりとした目で見上げている太公望を見下ろす。
毛の奥の顔立ちはおそらく楊ゼンそのままなのだろう。
でも毛だらけ。
すげえ顔。
しかし太公望の胸は高鳴った。


・・・・・・・・うわあ・・・・

・・・・・・・モロ好みだ・・・・・


「師叔・・・・」

怒りも憤りもなく。
楊ゼンの声はただ泣き声だった。
おいおいおいおいおい、あんたのせいなんだからどうにかしてくれよまったく、と楊ゼンの精神がもうちょっとでもタフだったらそう太公望につめよったのかもしれない。

「・・・師叔・・・僕は・・・」

僕はいったいどうすればいいんですか?
唇をわななかせて楊ゼンはそう繰り返すことしか出来ない。
雲中子のクスリがいかに強力かだなんて良く知ってる。
彼が「永久的」と言うならば、自分はもう永遠にこの姿のままなのだろう。
毛だらけで?!
雪男のままで?!

太公望が立ち上がって楊ゼンの手をとった。
その目にぼんやりと白い月を映して。
何もかも失ってしまったような呆然とした意識で、それでも楊ゼンはそんなやさしげな太公望の表情を奇跡のように思った。
ああ、この人は・・・こんな目をして微笑む人だっただろうか?
絶望の暗闇に光る、絶対的な幸福のきざし。
そんなものがもしもあるなら、自分の幸福はこの人のこの目の中にあるのだろう。

太公望が言った。

「変化すればよい」
「・・・・」

そういえばそうだ。

「日常生活にその姿では差し支えがある。だから毛のない姿に変化して過ごせば良い。だけど」

孤独な子供がすがりつくような目で太公望が楊ゼンを見上げる。

「わしといる時だけは・・・・その姿で・・・本当のおぬしのままでいて・・・?」

それが願い。
それが約束。

すっと背伸びをして、太公望が楊ゼンの頬に右手をそえ、その毛の生えたくちびるにキスをした。

「愛してる」

誰よりも何よりも。
全てをかけてでも掴もうとした、理想的な未来などよりも。
今は、ただ。

「・・・・気が狂いそうに」

愛してる。

楊ゼンは泣いていた。
自分が何を言いたいのかわからずにただ立ちつくして太公望の目を見てた。
何度もキスをされ、少しずつ意識が覚醒する。
この人に愛される日が来るだなんて。夢にも思わなかった。
太公望の心。ずっとずっと求めていたもの。
ああ、でも。

妖怪の原形。毛だらけの姿。そして毛のない姿。
いくつもの姿がこんがらがって、ますますわけがわからない。

――――『本当のコトなんて、どこにもないんだよ』

そう言った太公望の冷めた声音を思いだす。
そうだ。本当のコトなんてどこにもないんだし。

ちょっとだけ幸せで、でもどこか情けないトホホな気分で、楊ゼンは太公望と抱きあった。
この事態を半ば受け入れかけてる自分が楊ゼンは一番哀しかった。

・・・・師叔は、体毛フェチだったんだなあ・・・

抱きすくめた太公望の頭の向こうに見える、切り取ったようにくっきりとした月を涙の滲む目で見ながら、とりあえず崑崙に帰ったら雲中子をシメとこうと楊ゼンは堅く決意した。




















ええと・・・色々ごめんなさい。
初ホモです。勉強不足なんで描写は適当です。いろいろ嘘くさかったらすいません。
しょせん私のシリアスホモなんて読めたもんじゃないんだと実感して、あんまりといえばあんまりな
ベタベタなオチをつけちゃいました。いちおう・・・薬ネタだと言わせて・・・?
ああ、オチが長すぎ。
書いてて嫌になって後半はどうでもいい感じです。長いし。

・・・失礼しました。
苦情は・・・頂いたら謝ります。謝るぐらいしか出来ませんけど。
あーあ・・・。自分でも「なんだかな」とは思うよう・・・(涙)
どうやら私はココロから下らなくって変な女みたいです(自覚)




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教えて軍師サマ!