親猫印が語るお鶴ちゃん一家

猫と一緒に暮らすなら、ひとりでも捨て猫を保護してあげようと思ってできあがったのが
『ぶーにゃんずカンパニー』 でして
友人宅で産まれ、捨てられる運命だった子猫を筆頭に捨て猫たちがぶーにゃんずのメンバーでした。
それが…ぶーにゃんず結成以来21年、猫を飼い始めて40年目にして・・・
初めて出産に立ち会うことになってしまったではあーりませんか。

ぶーにゃんず始まって以来、ついに出産・実の親子(笑)の登場です。


お鶴ちゃん一家のプロローグ・お鶴ちゃん現れる

2011年・春
野良猫の憩いの場所だった駐車場にアパートが建って、居場所をなくした野良さんたちが裏の空き地をうろうろし始めた頃、
 (野良さんがうろうろし始めたのには別の事情があったのですが、それを知るのはまだ先のお話)
その野良の集団の中にお鶴ちゃんの母猫がいたのでした。

野良集団がうろうろし始めてから1年が過ぎた2012年GWの頃、
裏の空き地で夜になるとミィミィと子猫の声がし始め、5月の終わりだったか6月の初め頃には顔を見せ始めます。
白黒母子と父猫で空き地周辺のボス猫です。
その少し後に北側にある空き地の方からもミィミィという子猫の声がし始めました。
野良さんたちの出産ラッシュのようです。
そんな6月の終わり頃、裏の空き地に白黒親子とは別の親子が現れました、北側の空き地で生まれた親子のようです。
この、後から現れた野良さん親子がお鶴ちゃんのママちゃんとお鶴ちゃん兄妹でした。

親猫コメントベランダからは野良さんの生活が24時間丸見えで、
しかも少し距離があるので子猫が居ても野良さん親子はまったく警戒しません。
野良さんの生活をこんなにじっくり観察するのは生まれて始めての経験です。
 野良のオスというのは “サカリ” の邪魔になるので、子猫を食べてしまうのだという話を聞きますが、
なんとこのパパ猫さんは毎日毎日すぐ傍らでしっかりと母子を見守っているではありませんか。
その行動から察するに、どうやら出産準備に入った頃からずーっと傍で母猫を守っていたようでした。
そして時には母子に近づくオスたちを追い払います、まるでジャングル大帝のような風格です。< 古っ
 この行動は新発見でした、野良さんたちの社会性を見ていると、集会を開く習性もなんとなくわかるような気がします。

写真


7月も半ばを過ぎると子猫たちがみんなで一緒に空き地で走り回るようになります。
裏の鉢植えに水やりに出ると興味津々で近寄ってきます。
白黒子猫は好奇心旺盛ですが警戒心も持ち合わせている慎重派タイプです。
お鶴ちゃん兄妹も最初は少し警戒していましたが、水やりのときにエノコログサを一本手にとってフリフリしてやると
最初にお兄ちゃん (一番体が大きかったから勝手にお兄ちゃんということに) が遊びだして、
すぐにお鶴ちゃんたちも警戒しなくなりました。

前述のとおり、前年の3月頃から野良さんたちがウロウロし始めて、うちの裏を昼寝の場所にしていたのですが
明るい時間はお鶴ちゃんたちもその場所で過ごすようになりました。
うちの裏は文字通り 「猫の額ほどの広さ」 しかないのですが、日当りがよく南風が通り抜けてものすごく気持ちいいのです。
(家の中は風が通らない構造なので、人目がなければハンモックを吊るして裏で昼寝をしたいようなところです)

そんなこんなで、子猫たちがウロウロし始めた頃からユメちゃんが子猫たちに反応し始めます。
網戸ごしに子猫たちに向かってなにか「うにゅうにゅ」と訴えています。
子猫の泣き声でユメちゃんの母性本能が刺激されたのか、どうも子猫たちの母親になりたいようです。
小さいうちから一緒に過ごすならぶーにゃんずに入ってもらってもかまいませんが、
本当の母猫がついているのでどう考えても無理です。(笑)
ぶーにゃんずのメンバーになっていいのは、行き場のない不幸な子猫ちゃんだけです。

ぶーにゃんずで生活してくれるのでしたら、いつでもメンバーになってもらっていいのですが、
「オイ、腹が減ったぞ、メシ寄こせ」というカツアゲみたいな野良さんたちにはお引取り願います。
というわけで、お鶴ちゃん兄妹はぶーにゃんずのメンバーになることはなく、
その後数ヶ月をうちの裏及びその周辺で過ごすのでした。

 つづく・・・