詩を書くということ


・・・・・・と書き出しておいて、はたと困る。
私自身、最近あまり詩を書いていないのです。

日常の忙しさに流されて、
何かに一途にこだわることをやめていないか。
世間の煩わしさに感覚を鈍らされて、
感動するということを忘れていないか。

あるいは、
「詩を書く」という時の自分の心構え、気構えに
何か問題はないだろうか?

気のきいた言葉を連ねることにばかり気を取られて
偽らぬ自分の思いを文字にすることに
自分からブレーキをかけてしまってないだろうか?
よしんば書き始めても
自分が本当に書きたかったことを薄めたり
思ってもいないことを文字にしたり
そんな落とし穴に足をとられていないだろうか?

「本当に言わずにはおれない思いや
心からみんなに伝えたいことは
わりと簡単に詩になるものだ」。
誰かから聞いたのか、どこかで読んだのか、
それすら覚えていませんが、
実に真理をついた言葉だと思っています。


私は、恋をテーマにした詩をあまり書きません。
正確に言うと、幸せな両思いの恋の詩は、書けないのです。
理由は簡単です。自分とは縁が無いからです。
でも、不幸に浸って浸って浸りまくったような詩は、
書いてて惨めだし、読んでて見苦しいものです。

目の前に希望が見当たらなくても
失意の中から立ち上がり、生きてゆく。
傷付いた心が癒えないうちから
新たな挑戦へと足を踏み出す。

私は、人間のパワーを、しなやかさを信じます。
だからこそ、私は生きてゆき、
たとえ詩と呼ばれるに価しないとしても
“詩らしきもの”を書き続けるのです。


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