DCCTによる新しい糖尿病の治療 p.8、12より: 河盛隆造 抄訳:1995
≪要約≫
・・・2型糖尿病の症例に高血糖是正(血糖正常化)を目的として、食事療法以上(インスリンや薬物療法)の治療を行う際には細心の注意が必要であることは、以前より強調している問題である。
≪Discussion≫
Julio V.Santiago(ワシントン大学医学部小児科教授・内分泌代謝学部門):
・・・最も重要なことは、インスリン療法がなお不完全な治療法であることを教えられていたことです。
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「DCCTによる新しい糖尿病の治療」 診断と治療社 より

 1993年6月のラスベガスでのアメリカ糖尿病学会はさながら“DCCT学会”といった雰囲気でした。

(中略)・・・いうまでもなくDCCTの対象はIDDM(1型糖尿病)でしたが、本邦の糖尿病患者600万人の99%以上を占めるNIDDM(2型糖尿病)にDCCTの結果をいかに適用するか、議論のあるところと思われます。
 特に、日本人のNIDDM(2型糖尿病)は白人と異なり「インスリン分泌能が低く」、少しインスリン抵抗性を憎悪させる因子が加味されるとインスリン注射が必要となる例が多いと考えられています。

(中略)・・・NIDDM(2型糖尿病)患者にINT(強化インスリン療法)を行うならば、患者の年齢、素因ならびに合併症に注意しなければならない。「NIDDM(2型糖尿病)症例に血糖正常化を目的として食事療法以上の治療を行う際には細心の注意が必要である」ことは、以前より強調している問題である。

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(参考記事)
続・糖尿病50話:第5話 怖い劇症1型

小児には少なく、ほとんどが成人であることも分かっています。
しかし、その原因はまだ分かっていません。
1型糖尿病の患者さん自身が、自分が劇症1型であるかどうかを知る方法はあるのでしょうか。
GAD抗体という一般的な1型糖尿病のマーカー(目印)は、この劇症1型では役に立ちません。
・・・(大阪医科大学第一内科講師、今川彰久)

毎日新聞 2008年4月22日 大阪朝刊

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・ 劇症1型糖尿病(1B型)とは、

 原因不明(きっかけとなる発症原因は不明:特定のウィルスや毒物がβ細胞を異物として破壊攻撃する自己免疫疾患)
 治療方法未確定(対処療法のみ)であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない稀少数の疾病(内部障害)

・劇症1型糖尿病(1B型)は、

 短期間(数日から数ヶ月)で生命維持に必要なβ細胞そのものが絶対的廃絶値
    (廃絶の証明値:高感度血中Cペプチド≦0.1ng/ml、枯渇値は≦0.03ng/ml)
 未満の障害です。

・患者数(推定)
 (1型糖尿病)
 厚生労働省・健康局・第4回 特定疾患対策懇談会資料4 難治性疾患克服研究事業の候補疾患について 発表:約1万人強

 (劇症1型糖尿病)
 劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立班・研究代表者:花房俊昭大阪医科大学医学部 発表:1万6千人(推定)
 (劇症1型糖尿病患者は1型糖尿病の2割程度と発表しているはずなのに、厚労省より1.5倍になるのはナゼ?)

 ※GADを中心とする自己免疫機転以外の障害因子が陽性、すなわち抗GAD抗体や抗IA-2抗体、IAA抗体等を持った病態(陽性)は、1型糖尿病の特徴を併せ持った2型糖尿病でLADA(latent autoimmune diabetes of adults)、別名1.5型糖尿病とも呼ばれます。高血糖是正・合併症予防のために、治療手段の一つとしてインスリンを用いる場合もありますが、長期間の薬物投与の為に「薬害」で自己細胞が機能しなくなる慢性的なインスリン依存状態の障害にもなり得ます。ご注意下さい!
 ただし、全ての抗体が陽性反応から、前向きな治療の結果「陰性」で、短期間で自己分泌能が「廃絶の証明値未満」となった type1.5 ならば強化インスリン療法が必須となる急性1型糖尿病の type1 (1A型) です。

(多くの1.5型糖尿病は、インスリン治療が必要な「生活習慣に関わらない2型糖尿病」の一タイプとされます。一刻も早く正しい理解の上、適切な闘病を行って下さい。)

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 小児発症・若年発症の90%以上は、抗体を介するLADA(1.5型)と呼ばれる一般的な糖尿病の一タイプとされます。
 このタイプは、根幹が2型糖尿病であり、1型糖尿病の特徴を一部併せ持った2型糖尿病の一タイプ(1.5型)です。
 GABA由来やトランス脂肪酸由来、ビタミン不足やミネラル不足由来、食物繊維由来の「食」の問題点や、普段の「生活習慣」の課題点、主病・ストレス等々の相対的な課題点を前向きに、そして早期に是正しなければ、「電解質の異常」等々が起こり、医者は高血糖是正のためとして、暫定的に1型糖尿病(一般的な1型糖尿病)と故意に誤診し、治療手段の一つとして薬物(インスリン)を投与します。 1.5型糖尿病の中で、インスリン受容性2型糖尿病ならばスムースに受け入れられ、コントロールが安定しますが、インスリン欠乏性2型糖尿病や甲状腺抗体、様々な抵抗性を持った多くは中断と再開を繰り返し得、主病やメタボの悪化、さらにはその影響は合併症の憎悪に働き、ついには後戻りできない重症合併症に至ったり、薬物中毒(薬害)に至り得ます。最終的に、様々な多臓器不全となり、「死」に至り得ます。正しく理解しないで、医師の言われるがまま漫然とインスリンを用いると薬害になり得、大変悲惨で危険な「患者への自己責任」へと一方的に『問題を転嫁』する故意の医原性「殺人病」に巻き込まれます。ご注意下さい!

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 合併症予防や、高血糖をコントロールするためにはインスリン治療が必要であっても、ケトーシスを防ぐのには必要では無いという患者はIDDM(1型糖尿病)と呼ぶべきではない。 (ジョスリン糖尿病学 p.201)

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 昭和48年(1973)厚生省の山口政務次官は、「難病指定はその方向で検討し,インスリンの自己注射と家庭注射については,生命を守ることが優先であり,違法ではない」という見解を示した。・・・昭和40年代、難病指定とは「特定疾患対策事業」の事であり、昭和47年「ベーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、スモン」がその対象疾患としてスタートしています。これらが決まる前から、医師会や糖尿病学会などは国に対しては何もせず、一部の個々人の医師や一部の守る会が、厚生省に対して何年もかけて、必死に活動しています。

 該当する本来の患者当事者を欺き、小児特定疾患と言うカタチ(対策)で親を欺き、インスリンの自己注射の健保適応で疾患を曖昧にし、劇症1型糖尿病(本来の1型糖尿病「IDDM」)に対して『詐欺』や『不正』を行い、多くの患者を殺す「役に立たない臨床実験」を繰り返す医者ばかりが幅を利かせ、医原性1型糖尿病(一般的なインスリン依存状態糖尿病)を大量に製造しています。

 ・・・これらの「約束」から今年で36年(2009年現在)経ちました。この36年間だけでも、何人の「劇症1型糖尿病」患者を見殺しにしてきたのでしょうか?
 インスリンが発見されてから、厚生省が「自己注射保健適応」とするまでの「60年」の間に、どれだけの患者を死に至らしめたのでしょう・・・!?

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 難治性疾患克服研究事業の概要で、劇症1型糖尿病 は、7月30日時点(一次+二次分)で、平成21年度より創設の 難病・研究奨励分野(疾病の診断基準等作成のための奨励研究)の37疾患の一つに指定されました。

 私たちは、相対的な問題や課題を抱えず、自己分泌インスリン能が絶対的廃絶・枯渇し、インスリンが「命綱」の劇症1型及び急性1型糖尿病患者への医療費控除のある「特定疾患」を、患者の命のある内として、速やかに認定されることを求めています。

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米国におけるインスリン療法:大塚孝裕(糖尿病診療マスター Vol2 No.2 p.214より)
患者へのCSIIの有用性によるコントロールの好転は、
・・・患者の努力、さらに医師、看護師、栄養士、糖尿病療養指導士を交えた、医療スタッフの治療に対する深い理解、そしてその総和により始めて成り立つことを忘れてはならない。
・・・インスリンポンプ治療を考慮するということ自体、実は原点にある本邦の糖尿病診療体制をもう一度考えてみろと問いただされることではあるまいか。
※高血糖をコントロールするためにはインスリン治療が必要であっても、
ケトーシスを防ぐのには必要では無いという患者はIDDM(1型糖尿病)と呼ぶべきではない。
ジョスリン糖尿病学 p.201)
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