浜名湖北部には、長い年月をかけて浸食されてできた、晩年期から老年期の標高300m〜400mのゆるやかな山地が広がっています。
これらの山々は、秩父帯と呼ばれる石灰岩をゴロゴロ含む古い時代の岩石から構成されていて、
尾根には、浸食をまぬがれた石灰岩の露頭がカレンフェルトを形成(浜松市北区引佐町の竜ヶ石山や立須峰等)し、
地下には、浸透した雨水によって溶食されてつくられた鍾乳洞が多く点在しています。
また、日本の大部分を占める酸性土壌では溶けてしまう人骨・動物骨などの自然遺物も、
アルカリ土壌の石灰岩の地層では、遺存状態が良く、
浜松市北区三ヶ日町の只木遺跡では、石灰岩の裂け目(フィッシャー)から「三ヶ日原人(現:縄文人)」の人骨が、
浜松市浜北区の根堅遺跡の石灰岩の洞窟からは、「浜北原人(旧石器時代)」の化石人骨が発見されています。
根堅洞窟は、岩水寺の採石場跡(現:大駐車場)にある鍾乳洞です。
広い寺域を持つ岩水寺には他にも、長野県の諏訪湖まで続いていると言い伝えられている奥の院の鍾乳洞があります。
かつては、岩水寺鍾乳洞と呼ばれ、コンクリートで舗装された照明完備、延長114mの観光洞でしたが、
1974年の七夕豪雨で内部が崩落したため、以後、入口が閉鎖され、立ち入り禁止となっています。
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