車検後の点検整備

車検は最低限、公道を走る事ができるかどうかの審査です。
ユーザー車検を受ける限り、車の整備は自分の責任において、しっかり行ってください。
このページを参考に整備を行う場合、文章を良く理解した上で作業を行ってください。
また、作業に伴うケガや損害は責任を負いかねます。気を付けて作業してください。



エンジンオイルの点検
まずは、エンジンオイルのチェックです。
チェックはエンジンルーム内のオイルレベルゲージを引き抜いて行います。

1)エンジンを切ってしばらく待つか、エンジンをかける前にゲージを引きぬきます。
エンジンを切った直後は正確なオイル量を見る事ができません。

2)一度オイルレベルゲージに付いたオイルをキレイに拭き取り、再びオイルレベルゲージを差し込みます。

3)静かに引き抜きオイルの量を見ます。


このゲージはニッサンのもの。

オイルレベルゲージの先には印が2つ付いていて、その間にオイルの切れ目があればOKです。
下の印より少ない場合はとりあえずオイルを足し、オイル漏れの点検をします。
もし、上の印より多いときは少しなら良いですが、おおはばに多いときはオイルを抜く必要があります。

エンジンオイルは少ないとカーブしたときにオイルが偏りオイルを吸い上げられなくなります。
また、多ければクランクがオイルに当たってしまいオイルをかき混ぜてしまいます。
結果、オイルは泡だち、その気泡は油膜を切らせます。
規定オイル量を守りましょう。

よくオイルの色で劣化を判断する人がいますが、相当汚くない限り判断するには、かなりの経験が必要なので、素人目で判断するのはやめたほうが良いと思います。
なぜなら、BPや純正オイルなどは透明度の高い物もありますが、Castrolなどは初めから黒っぽいものがほとんどなので、恐らく交換直後でもキレイかどうか分かる人は、ほとんどいないと思います。
次回のオイル交換時期をしっかり把握して定期交換をしましょう。

ちなみにディーゼルエンジンはオイル交換直後もゲージに付いたオイルは真っ黒ですが問題はありません。

ミッションオイル・ATF
ミッションオイルの役目はその名の通りミッションの潤滑です。
ミッションオイルは点検ができないので、定期的な交換が必要です。
性能が劣化すると、ギアの入りが悪くなったり、ギアが鳴いたりします。
また、ミッションオイルはあまり粘度の高いものを入れるとシフトチェンジが硬くなることがあるので気を付けましょう。

ATFはオートマチックギアの潤滑とエンジン動力の伝達をします。
ATFの点検もエンジンオイル同様、ゲージを引き抜いて行いますが、通常エンジンをかけたまま点検します。
三菱はP〜Lまで一巡した後Nレンジで。その他のメーカーはPレンジでゲージを見ます。(ただし車種によって細かい指定がある事があります。)
この時ゲージに全くオイルが付かなかったり、一番上の切り欠きや、HOTの上限を大幅に越えている場合は、漏れや目詰まりの可能性が考えられます。
また、ATFは新品時は鮮烈な赤色をしていて劣化していくほど黒ずんできます。
白いケバだたない布やペーパーにATF付けてみて点検します。


このATFは茶色がかっていて、ちょっと汚れ気味です。

性能が劣化すると変速時のショックが大きくなり、燃費が悪くなります。
さらに、長い間交換してなくて、突然交換したりすると、全く走らなくなることもあります。
ATFはだいたい2〜3万km毎に交換しましょう。
ちなみに、ホンダはミッションオイルもATFも専用のものを使っているので、純正以外は使わない方が無難です。
ただ、機械式のLSDを入れた場合はシフトフィーリングを犠牲にし、硬いミッションオイルを入れなくてはなりません。

冷却水(LLC,クーラント液)
冷却水の役目はエンジンの冷却です。
点検はリザーバータンクを見て判断します。


中の液体がMAXとMINの間にあれば正常です。

冷却水はMAXより下でもMINに近くなるまでは補水してはいけません。
液の量が減った場合、すぐオーバーヒートします。
また、量が足りていても性能が劣化しているとエンジン内にサビを作ってしまいます。
新品の冷却水は蛍光色のような鮮烈な緑か赤です。
にごってきていたり、錆が混ざっていいるようだったら交換しましょう。
交換サイクルは2〜3年が理想です。
また、ラジエーターキャップも1年に1回交換が目安だそうです。
(注意)ラジエーターキャップは熱いときに開けると、冷却水が吹き出し大ヤケドを負うことがあるので気を付けてください。


エアクリーナーの点検
エアクリーナーはエアクリーナーボックスを開けて点検します。


ちょっと汚れ気味ですが、まだ大丈夫です。

一部の車種には開けづらい物もありますが、多くが簡単に開けられる仕組みになっています。
エアクリーナーは黒い汚れが付着して行き、目詰まりを起こします。
キャブレター仕様の場合、汚れがひどくなると混合気が濃くなり燃費が悪化します。
インジェクション仕様の場合、混合気の変化は小さいですがエンジン出力が低下するために自然とアクセルを踏み込むようになってしまい燃費の悪化につながります。


ブレーキパッドの点検
ディスクブレーキの場合はホイールを外すとすぐに点検できます。



ブレーキパッドは金属の台座があり、ディスクに接触しています。
基本的にパッドはチョットでもあれば制動しますが、台座の金属板の半分くらいの厚さになったら交換しましょう。


ドラムブレーキの場合は分解する必要があります。
もし、分解にあまり自信が無ければ手を出さない方がいいかもしれません。
また、下記に書いたやり方では分解できない物もあるので注意してください。

まず輪留めをしてサイドブレーキを解除してからジャッキを使ってホイールを外します。
ドラムカバーに空いている2つネジ穴に潤滑油を吹きます。
そして、そのネジ穴に合うネジを入れて、ゆっくり両方均等に締め込んで行きます。



すると徐々にディスクカバーが浮き上がり取り外す事ができます。



中の点検は両側のシュー(パッド)の残りとブーツの状態です。
シューは減ってくるとサイドブレーキの引きしろが増えたりするので、調整しなければなりません。
調整のしかたは大体がシューとシューの間の調整用ダイヤルを回して行います。
ダイヤルを開く方向に回してドラムカバーを取り付け、ナットで締めた状態で空転させたとき若干金属の触れる音がするくらいがいいと思います。
(ただし、車によって適正値があるので注意してください)
車種によっては裏側のゴムカバーをはずすとダイヤルが見え、タイヤを外さずに調整できる物や、自動調整機能が付いている物もあります。

また、ブーツは破れているとゴミが入り故障の原因になるので交換が必要になります。

ついでに、ドラムカバーのほうも掃除しておきましょう。


点検と掃除が終わったらドラムカバーを取り付け、ホイールナットの平な方で締め付けていきます。
締め付けの順番はホイールと一緒で対角で締めていきます。



おそらく回転して、うまく締められないと思いますが、このようにすると締めやすいです。



均等に閉まったらサイドブレーキを引きナットを外します。


ブレーキフルードの点検
ブレーキフルードはリザーバータンクの液量を見て判断します。
リザーバータンクはちょうど運転席の前にあり、クリーム色のプラスチック容器に入っています。
マニュアル車の場合その近くに一回り小さい同じような容器がありますが、これはクラッチのリザーバータンクです。
こっちもついでに点検してしまいましょう。

点検のしかたは簡単。
どちらも中の液体がMAXとMINの間にあればOK。
もしMINより下の場合は液漏れの可能性が高いので、すぐに点検しましょう。
また、液面がMAXより下にあるからと行ってMAXまでブレーキフルードを足す必要はありません。
もし、MINに近い場合はブレーキパッドの減りを見ましょう。

ブレーキフルードは色で劣化を判断できます。
リザーバータンクのフタをあけて中の色を見たとき、

透明〜白ワイン色・・・・・・・・・・・ 新品
おOっこ色〜薄いビールの色・・・正常
紅茶色・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まだいける
コーヒー色・・・・・・・・・・・・・・・・・ 交換時期
墨汁・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ フェードする危険、大!


コーヒー色に近くなったブレーキフルード。そろそろ交換時期。



タイヤの点検
タイヤの点検は、溝とひび割れです。

溝はスリップサインを見て判断します。
タイヤの側面を良く見るとタイヤのカド近くに三角印(ミシュランの場合マスコットのビバンダム君の絵)があります。
そこの近くの溝の中には少し盛り上がってるところがあります。
これがスリップサインです。

このスリップサインと同じ高さまで減るとタイヤの溝の限界です。
スタッドレスの場合スリップサインは2つあり、高い方がスタッドレスとしての溝の限界。
低い方が一般タイヤとしての限界を表します。

一方、ひび割れはピレリやミシュランなどに多く、国産では新車時に付いているタイヤに良く見られます。
理由はタイヤの耐摩耗性が高いからで、溝が無くなるよりもはやく、タイヤの寿命が来てしまう事も多くあります。
溝だけで判断するのではなく、ひび割れにも注意しましょう。


ひび割れがひどくなったタイヤ。



ワイパーの点検
拭きむらやビビリ音がしたら交換時期です。
ギラギラする場合は、まず油膜取りを使ってみて効果が無かったら交換しましょう。
ワイパーの骨ごと変えるのが理想ですが、ゴムだけ交換しても効果はあります。

また、見た目も大事です。
ゴムがヒビ割れていたり、切れかかっていたら、すぐに交換しましょう。
最悪の場合、ゴムが外れてワイパーの骨の鉄の部分でガラスに傷を付けてしまう事があります。


ゴムが切れてしまったワイパー。



サビ
車は、いたるところにサビが発生します。
一番危ないのが、ぶつけたり、こすったりしたところ。
良く見るとサビが浮いてる事があります。
もし、サビが浮いていたら板金するか、紙やすりなどでサビを完全に削り取り、上から塗装をします。

サビは虫歯と一緒で減る事はありません。
ぶつけたり、こすったりしたと思ったら、サビる前にオオザッパにでも塗装してしまいましょう。


ユーザー車検 MENU