ブレーキシステムの基本構造

今回はブレーキシステムの構造について書いています。


1、油圧の概念
ブレーキシステムは油圧を利用して、小さい力で大きな制動力を得るシステムです。
この概念を図で説明するとこうなります。



密閉された同じ容器に入っている液体は、一部分に圧力を加えると、その力は液体全体に均等に伝わります。(パスカルの原理)
(いま、「なつかしい」っていった人が10人はいるはずだ。)

左の図のように、入力側と出力側の断面積が同じA平方cm場合、入力側に1kgの力を加えると出力側に1kgの力が出力され、出力側、入力側、両方の移動幅も同じBcmになります。

しかし、右の図のように、出力側の断面積が入力側の断面積の2倍になると、出力側の移動幅は半分の0.5Bcmになるかわりに、出力側に2倍の力が出力されます。

例えばブレーキペダルの先にあるシリンダーのピストンを1cm動かしたときブレーキパッドが1mm移動するとすれば、ブレーキパッドにかかる力はブレーキペダルを踏んだ力の10倍になります。

ブレーキパッド自体の移動距離はディスクブレーキなら1mmにも満たないので、ブレーキペダルを数cm動かした力は、かなり大きな力になっているのが分かると思います。



2、倍力装置
ブレーキペダルを踏んだ力は、油圧で倍増されるほかに倍力装置によって増力されます。
倍力装置はボンネットをあけて、運転席の目の前にある円形のもので、エンジンの排気圧力を利用してブレーキペダルを踏んだ力を増力しています。
したがって、エンジンがかかってないときには作動しません。

そのため、故障などで牽引してもらうときなどは注意が必要です。
いつものようにブレーキを踏んでも、止まらずに牽引している車に追突する事があります。
もし、エンジンがかかるのなら、かけっぱなしで牽引してもらうのも手です。



3、ディスクブレーキ
ディスクブレーキはホイールと一緒に回転するディスクをブレーキパッドで挟み込んで制動するというシンプルな構造でできています。
ディスクブレーキはディスク自体が外に露出しているため放熱性や排水性に優れます。



上の図は多く使われている片側ピストンタイプの断面図です。

左側はブレーキペダルを踏んでいない状態で、ブレーキパッドとブレーキディスクは離れています。
(実際にはブレーキパッドとブレーキディスクは制動しない程度に触れています。)

右側はブレーキペダルを踏んだ状態です。

まず、ブレーキペダルを踏むとブレーキフルードが押し出されキャリパーへ送られます
すると、キャリパー内のピストンが押されブレーキパッドをディスクに押し付けます。
このときのパッドを押し付けた力の反発力を利用して、キャリパー自体を反対方向に引っ張り、ピストンの無い方のブレーキパッドをディスクに押し付けます。

こうして、ディスクを両方から挟み込む事が出来ます。

対抗ピストンタイプはディスクの両側にピストン機構があり、両方のピストンを押し出す事によって挟み込むようになっています。



4、ドラムブレーキ
ドラムブレーキはホイールと一緒に回転するブレーキドラムにシューを内側から押し付けて制動するシステムです。



上の図はドラムブレーキの構造を簡単に表した物です。

左側はブレーキペダルを踏んでいない状態で、ドラムとシューは離れています。

右側はブレーキペダルを踏んだ状態です。
まず、ブレーキペダルを踏むとブレーキフルードが押し出されシリンダーに送られます。
すると、シリンダーからピストンが押しだされシューをドラムに押し付け制動します。
制動後ブレーキペダルをはなすとスプリングによってシューは元の位置にもどされます。

また、最近では4輪ディスクブレーキの車でもドラムブレーキが使われていることがあります。
どこに使われているかというと、実は後輪のディスクの中心部分がドラムブレーキになっているのです。
これはサイドブレーキ専用で、普段はディスクブレーキで制動しています。



5、安全対策
4輪のブレーキホースや配管のうち、どこかが切れたりして油圧がかからなくなっても止まれるように、ブレーキの配管は2系統に分けられています。

分け方は前輪と後輪に分けるタイプと、右前輪と左後輪・左前輪と右後輪(クロス配管)に分けるタイプがあります。
このように分ける事によって、4輪のうち、どこか1つの配管が切れても2輪は制動するようになっています。


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