一言書評 〜田中芳樹作品の感想〜


 田中芳樹先生の作品「銀河英雄伝説」「創竜伝」の感想をまとめました。


創竜伝11銀月王伝奇(99/06/03)

 長々とかかりましてようやく読み終わりました今回の創竜伝は、なかなか味のある外伝でした^^。

 さて、この「創竜伝」という作品を語るにあたり、やはり私がどうしても引き合いに出してしまうのは、同じ田中せんせの作品であり、田中芳樹作品を知るきっかけにもなった思い出深い作品、「銀河英雄伝説」(銀英伝)ですね。どちらも、政治、戦争、平和、正義や悪の概念・在り方などを、様々な角度から見つめ取り上げることで、いろいろと考えさせられるとこが多い作品です。ですが、片や「銀」では英雄と呼ばれる天才たちが、軍隊という厳粛な組織・立場の中で、徐々に力を付け、ひたすらに「常識」の範疇で世に知らしめようとしてるのに対し、これが「創」では型破り・破天荒、とにかく既成の概念なんか「ぜんぶぶっこわしちゃえっ!」ってなもんで^^、常識やら堅苦しいことなんか関係なく、ひたすら元気に明るく楽しく世の中を壊しまくる、その名も「人類の敵」が主人公!(^^) 人間関係に疲れたときなど、是非是非読んでみることをお薦めします。悩んでるのがばからしくなってきますよ♪^^

 主人公の正体が正体なだけに、「人が死ぬのは当たり前…」的な悲壮感もありませんね(いや、毎回哀れな犠牲者は出るのですが…^^;)。作品自体が言論の自由に挑戦するかのような勢いなもんで、書評もそれにつれて過激になっちまいそうなので、ここらでひとまず(笑)。

 キャラの四兄弟も、それぞれが強烈な個性を持ってるから、誰が欠けてもやっぱり面白くないですね。それでもやはり、続のセリフの一つ一つや、終の突貫力は見習いたいものです(^^)(<をいをい^^;)。人間代表、愛と正義の大和撫子の「なっちゃん」もいいですね〜。あの無神経さと不死身さは感動すら与えます!(爆) 毎回こいつらを相手にする不幸な方々は、それでも同情の余地がないくらい悪辣だったりするので、何も問題はありません^^。

 今回のお話、巨大な宇宙の怪生物が人の命を吸いながら宇宙へ還っていく…というのは、やはり私的には「オルファン」を想起しちゃいましたね^^;。ただ、地球を出ていく方の邪悪さも、追い出す側の辛辣さも、ブレンの世界観とは完全に正反対なもんで^^;、ある意味ブレンもこんなエンディングも有り得たのかなぁ?とか、勝手に想像しちゃいました^^;。っま、そこはやはり竜堂家の兄弟たちに掛かれば、「ぶっこわす」方に結論付いちゃう、その辺が爽快で楽しかったですね^^。

 次巻はいつかな?いつも発売禁止にならないか?と冷や冷やさせるこの作品^^;、続刊される限り読み続けたいと思います^^。


銀河英雄伝説(98/09/14)

 エルガイムに続けて、未見の部分だった第4期を総て見終わりました。こちらは壮大にして偉大、全110話の大作で、観るのにいったいどれだけの月日を費やしたことか(笑)。4期はどんどん死んでゆく提督たちが物悲しいですが、やはりロイエンタールやシェーンコップの最期は、観る者に感動を与えすらする見応えある死に方でしたね。

 次第にどちらの陣営も戦友達の死を冷静に受け止められるようになっていくとはいえ、やはり悲しみは降ってくる。怒りのままに、感情のままに激情するビッテンフェルトの生き方もやはりうらやましくもありますね〜^^。最期まで冷徹さを失わず、正論を通し続けたオーベルシュタインにも乾杯! 彼無くして、この物語は語り続けられなかったでしょう^^。

 後半ひたすら言われ続けた「ジークフリードキルヒアイスが生きていたら…」というのも、確かにおっしゃる通りなんですが、死にゆくもの、生き残るもの、それぞれの考え方というものをいろいろと考えることのできる作品でしたね。それだけたくさんの人が名将が死にました。ラインハルトが死んで、ミッターマイヤーが星空を見上げたとき「ああ、終わったんだなぁ」と痛感し、それでもまた最初から見返してみたい、そんな作品でした。未だ未見の方、是非ご覧あれ。人とはどうあるべきか、ということの選択肢が数限りなく見つかりましょうぞ^^。


道原かつみ先生原画展(98/03/08)

 「銀河英雄伝説(9)」の発売を記念して、渋谷三省堂コミックステーションの中で密かに行われていた原画展に行ってきました。(ほんとは偶然に見つけたのですが^^;。しかも一週間やってた最終日だったのだ…ラッキ〜♪)

 キャラコミ新刊のジョイント原画展で、他に杉本亜未先生(ANIMAL X)、高口里純先生(美しい男)の原画もありました。杉本先生は以前鳳巳乱先生とのジョイントイベント「聖竜降臨」でお会いしてるのですが、作品自体見てないのでほとんど印象になかったりしてます(苦笑)。あの頃はまだ全然知られてなかったように思いますが、その後徐々に人気漫画家さんの仲間入りしてますね(^^)。

 さて、銀英伝の原画の方は、第9巻収録の原画で、表紙カラーイラスト他数ページ分の原画が展示されていました。今回は内容が内容だけにヤン提督が一枚しかなかったのが少々残念でした(p17 野菜ジュースのとこ^^)。他は帝国ばっかなんですけど、美味しいとこいっぱいでしたね〜。p42の「あの」シーンもあったし、双璧もしっかりあったし…(^-^)。

 原画展とサイン会はやはり愛読者にとっては作者さんと接することができる数少ないチャンスなので、今後も見つけたら行きたいと思ってます。また、今回はご本人様はいらっしゃらなかったのですが、ノートの伝言板(笑)がありましたので、伝言板好きな私はしっかりROMったあとに書き込みして足跡を残してきましたー(^^)。このメッセージはしっかり道原先生に届けて下さるそうです(^^)。

 道原先生、これからも頑張って下さい〜♪ 応援してまーす(^^)/