一言書評 〜修羅の門・刻の感想〜


修羅の刻(拾)(98/02/22)

 いろんなことに常にこだわりを持ち続け、闘い続けているとの印象が深い川原さんの、最高傑作と言っても過言ではない、「修羅の門」から連なる「刻」シリーズの最長編・義経編が完結した。いつも期待を裏切らない大団円である。

 陸奥の男たち、そして女たちは誰よりも強く生き、また死に場所も心得ている。闘いにあって不敗を誇る圓明流が歴史の流れの影に生き続けている。その強さはやはり感無量と言わざるを得ない、語り尽くせない感動を呼ぶ。

 本編はどうやら一ファンのレターによって、想う処があり中断しているようである。早く納得のいく答えを導き出し、また九十九を活躍させてもらいたいものである。そう願っている私を含めた数多くのファンのためにも。