一言書評 〜なつきクライシスの感想〜


なつきクライシス最終18巻(97/11/17)

 ついにこの話も完結。長かった8年間。思えば最初はバスタードからの派生+格闘技ものということで読み始めたこの作品、間違いなく鶴田さんの代表作になったと思います。

 最後は反省も含め、ご本人がいろいろ語ってくれましたが、なつきという一人の女性、空手というもの、彼女を支える仲間たち(敵対者も含めて)、その全てを通していろいろなことを教えてくれた。読者の、そして作者の気持ちを柳澤が代弁してくれている。

「強さだけじゃない『生き方の空手』そういう空手をオレはお前から教わったんだ」

 楽しさの中にも、苦悩と挫折を繰り返し、そして最後は自らの答えを見つけたなつき。なつきとともに読者も成長できたと思う、そういう作品に仕上がり、一読者としては嬉しい限りだ。様々なメッセージを作中から受け取ったが、最後にやはり柳澤の言葉を書き留めておこう。

「なんでもいいから・・・何か一つでいいから
 自身の持てるもの夢中になれるものを 見つけてほしいと思う」

 鶴田洋久さん、長い間ご苦労様でした。これからの活躍を期待しています<(_ _)>。