一言書評 〜石ノ森章太郎作品の感想〜


サイボーグ009超銀河伝説(98/02/01)

 石ノ森先生を偲んで、昔のビデオを引っぱり出しました。アニメ映画史上、不朽の名作だと思います。

 強大な敵に対するには、それぞれがバラバラで戦っていては勝ち目はない。それぞれの能力を補い合って敵と戦うその姿は、協力し合い、信じ合うことの大切さを教えてくれる。一人では生きては行けない。人とは違う運命を背負ってしまったサイボーグたちだからこそ、同じ運命を背負う仲間との結束力は堅い。

 ハインリッヒの最期は言葉では語り尽くせない名シーンですね。死に場所を探していた死神004の最後の見せ場。笑いながら要塞もろとも自爆する散り際は本当に…(涙)。信じ合い、愛し合い、そしてその死を悼み涙する…。009の誓いは全銀河に響きわたる。

  「帰れなくてもいい!」

 宇宙をも支配することが出来るという強大な「力」は、ゾアを飲み込み、ジョーにその存在の大きさを知らしめた。巨大すぎる力は制御されるべきものではないと…。

  「そして僕は戻ってきた…みんなのところへ…」

 00ナンバーサイボーグたちよ永遠に…。石ノ森先生、素晴らしい作品をありがとうございました。


哀悼 石ノ森章太郎先生(98/01/30)

 手塚先生に続き、現在のマンガ界の礎を築いてきた「萬画家」石ノ森章太郎先生が亡くなられた。ご冥福をお祈りいたします。

 石ノ森先生の作品は、私はサイボーグ009シリーズと、マンガ日本の歴史のみを購入していますが、特にテレビアニメで様々な作品に触れて育ってきて、現在の私という人間を形成するファクターに間違いなくなっている御方、あるいは作品群だったと思っています。

 連載中の作品、執筆予定もまだまだあったでしょうに、本当に残念です。009では、当時書き尽くせなかった幻の「天使編」。「いつか描きます」という言葉を残して、ついに他界されてしまいました。残念でなりませんね。マンガ界は大きな存在を失いましたが、後の世はきっと先生方に影響を受けた若手作家陣が盛り上げていってくれるでしょう。期待しています。

 最後になりましたが、石ノ森先生、素晴らしい作品を本当にありがとうございました。