一言書評 〜蒼穹のファフナーの感想〜


 XEBEC期待の新作「蒼穹のファフナー」関連の感想をこちらにまとめておきます。
 2004年7月4日〜毎週日曜日深夜1:30〜2:00 TX系列にて放映。
  http://www.fafner.jp


蒼穹のファフナー 第8話「確執〜こうよう〜」(2004/09/05)

 この物語はもはや何も語らなくてもいいのかも知れない。痛さが残って行くだけである。その蒼穹だけがいつも変わらず蒼いだけだ。甲洋との諍い、確執も深まるばかりだ。好きな人が目の前で死んでいく現実を直視するには、あまりにも幼すぎるわけだ。

 ついに人型の何かが現れる。この局面で既に破滅が見えてきている。阻止できる術はあるのか。絶望の空へとファフナーが飛ぶ。あなたはそこにいますか。その問いに答えることのできる存在は、果たして登場するのか。

 フェンリル作動。自爆さえも厭わない作戦は、自分以外を、いや自分さえも消し去る覚悟の表れか。無謀な救助活動と、深慮の退避行動と。人は人を救うために、出来得る限りの努力を惜しまない。それこそが人であり続けることと信じるから。絶望の深淵に待つものは。


蒼穹のファフナー 第7話「家賊〜おやこ〜」(2004/08/29)

 ファフナーの登場人物たちの名前には、その運命が込められているそうである。心に壁を作る、あるいはみんなを守る壁となる真壁一騎、皆を守る城となるか皆城総士、遠くに何を見据えるか遠見真矢、春日井は鎹であり何かをつなぎ止める役回り。どんな風に戦って、そして死んでいくのか。

 アーカディアンプロジェクト。死に往く子らを育て往く計画。マーク・フィアー、マーク・ドライ、それぞれに死に様を思い浮かべながら、明日無き訓練を行う。実戦経験も豊富なマーク・エルフ一騎はやはり強い。咲良もきっと散る桜のことなんだろうな。でもまだ先らしい。まずはフィアー、次回が血戦?心苦しい明日はもうすぐ。


蒼穹のファフナー 第6話「翔空〜ぎせい〜」(2004/08/29)

 キャラホビステージで、既に6話までのネタ含みで話されちゃってるので思いっきりネタバレ。でもさ、やっぱ本編見てみないと伝わらない思いもあるわけですよ。そういう意味で既に一つの分岐点を迎えてしまったファフナーです。angelaの2人も、やっぱり歌は格好いいけど作品は痛すぎる、しかもこれ以上は何も語れないと、言いたいけど言えないジレンマに悩まされていた模様。既にアフレコ進んでる2人からも、そんな思いが伝わってきました。

 ワルキューレの岩戸。防壁があっても、翔子の心は一騎を思って動く。その強き思いが弱き体を奮い立たせ、死地へと赴かせる。パイロット適性で選ばれし翔子がマーク・ゼクスで翔ぶ。羽佐間は狭間。強き思いは何ものをも凌駕する。生と死の狭間で、翔子の一騎への思いは昇華する。空を翔け、空に散る翔子。蒼穹は恨めしいほどに蒼く、最後の思いを映すかのように蒼く蒼く澄み切っていた。

 マーク・ゼクスという戦力損失。それが残された者にとっての現実である。angelaがステージでお奨めしていた、Separationの弾き語りVerがこれか。サントラには収録されるそうなので、絶対買わねば! まだ、死への葬送曲を奏でるのは早い。これからあと何十人死んでいくのか。その先に何が見えるのか。


蒼穹のファフナー 第5話「約束〜ちかい〜」(2004/08/08)

 一騎の気持ちに入り込みたい。それはきっとジークフリードシステムだけのことではない。この設定は割とやばい。まあSEEDの流れから観てる人が見たら、どうしたってそうなるだろうからね。まあ死んでいくキャラを創作の中で愛でるのも、一つの作品の楽しみ方かなとも思うんで。作品に引き込まれることなく作品を楽しみましょう。

 マーク・ゼクス。ブリュンヒルデ・システム。アーカディアン・プロジェクト。いろんなキーワードが飛び交うけど、意味不明な言葉が増えるのは、不安を煽るだけ。薄幸で病弱な美少女は、ただ好きな男の子がそばにいてくれればそれでいい。そういう幸せの在り方もあるんですよね。

 「私が、あなたの帰ってくる場所を、守っています。」少女の意志は硬い。だからこそ人は強くなれる。死にに行くんじゃない。帰ってくるために戦うんだ。そう思わせてくれる強さが、闘いの行く末を勝利へと導くこともある。人、それを 勝利の女神 という。スフィンクス型の敵、敵、敵。この強さに対応できるのは、ただ一機マーク・エルフのみ。約束は、守られるのか。ちかいは、果たされるのか。狂おしい戦いは果てることなく続いていく。今はただ、見守るだけ。


蒼穹のファフナー 第4話「逃航〜ふなで〜」(2004/08/08)

 主題歌CD「Shangri-La」は地元では買えず、やっとこアキバで買えた!オリコンではなんか16位とか入ってるし、さすがangelaと言うべきか。かっこいいね^^。

 シナジェティックコード。。パイロット適正が高ければ死地に赴く。この物語はほんとに悲壮感漂う。そんななかでいったい何を訴えようと言うのか。さよなら蒼き日々よ。

 突然軍隊に入れられ、そこで従うことを余儀なくされるのはガンダムSEEDさながら。そして敵はアルジェントソーマ、あるいはラーゼフォンの如く、正体不明に近い謎の浮遊巨大生物(?)。何かに思いを馳せるとき、見えるは蒼穹の空。もはや日常は戻らない。島は軍艦として出航する。逃避行の出航、逃航だ。そしてこの歌。哀しげな運命が見え始めた。徐々に物語は、戦闘システムを中心にした悲しみの末路へと走り出していく。

 巨人の島。道のりは険しい。先の見えない船出。今回の死者ゼロ。とりあえずは生き抜いた。次回はわからない。


蒼穹のファフナー 第3話「迷宮〜しんじつ〜」(2004/07/19)

 やっぱシャングリラかっけーなー!早くCDほしいぜよ!!

 マークエルフ運用問題。切実ではあってもまたこうして適正に合うチルドレンを選出して実戦投入しなくてはならないとは。実質子に突き付けられた赤紙。宿縁といい、宿命という。悔やむ人、喜ぶ親、思いは様々。これだけたくさんの子供たちに死亡フラグ立てさせた限りは、やっぱ相当痛いアニメになってくこと必至でしょうな。

 楽しいことなんて一つもない。訓練は苦しいだけ。マークゼクスなるものも発動を始めそう。一騎の前に現れたのって、フレイ・アルスター?と思ったのは私だけでしょうか^^;。あるいはリヴァイアスのネーヤさん?まずは物語に引き込まれていく段階の、不思議な少女というところでは掴みはおっけー。

 迷宮の奥に隠されたしんじつ。ブリュンヒルデ・システム、ソロモンの預言。今はキーワードを繋ぐ何かを探るのみ。目の前の敵を倒さぬ限りは今日を生き抜くこともできない。フライトユニットを装備したマークエルフは、蒼穹へと飛翔する。3話は取りあえず誰も死なずに済んだ。次回は戦闘。わからないぞ。


蒼穹のファフナー 初回スペシャル特番 第一話「楽園〜はじまり〜」第二話「告知〜いのち〜」(2004/07/11)

 遂に始まった「蒼穹のファフナー」。angelaの歌うイメージソング「fly me to the sky」(フラスカ)が格好良くて、そして作品は感慨深い、興味深い作品となっています。主題歌ももちろんangela「Shangri-la」。これもめちゃくちゃ深い歌だ。TVサイズは、これから盛り上がりそうな部分で終わってる。早くフルバージョンの盛り上がりが聴きたい!発売は8/4ですね!

 この作品、1話2話通してみて思ったことですが、そしてこれは、フラスカのDVDで監督のはばらさんが言ってたことを思い起こして考えたことですが、ファフナーは感動ではなく感慨を持つ作品である、と。最初のイメージマキシDVDからしてぶっちゃけネタバレしてくれたはばらさん曰く「人がいっぱい死にます」、と。

 初回からほんとに死んだ。まだ名前もわかんないうちから、基地でオペレーターやってる女性のだんなで戦闘機のパイロット、ファフナー・マークエルフ本来のパイロットだった名前すら出なかった女の子と、一緒にいた女性士官、それに主人公の1人と目される“ジークフリード・システム”を操る総士の父である司令官。これは遠くない将来、主人公と目されるやっと名前の出てきたメインキャストたちも死んでゆくことを暗示しているようです。エンディングのイメージを見るに、どうやら一騎は早いうちに死ぬか再起不能になり、代わりに本来の主人公となる気丈な少女・真矢がファフナーのパイロットとなっていく…というような展開が見えてくるような気が…。この作品、はばらさんが「大河ドラマ」と言うように、どんどん痛々しい展開が惜しみなく出されてくるような、そんな目の離せない展開が待ち受けているよう。どう受け止めるかは見る人次第。でもやっぱり注目していきたいと思う限りです。

 舞台背景や主人公の登場する人型兵器(メカとは限らない)に関しては、最近の流れを汲んでます。楽園だと信じていた日常が、実は作られた世界の中で、本当の世界は既に滅びさってるという世界観は、メガゾーン23のバハムートから始まり、エヴァンゲリオンの第3新東京市、ラーゼフォンの東京ジュピターがある。主人公がその搭乗機とシンクロするというくだりは、エヴァのシンクロ率やラーゼフォンも近いかも。ただラーは展開的にわかりにくく敬遠気味になってしまったので、今回はもうちょいわかりやすくしてほしい。今のところは“ニーベルング・システム”“ジークフリード・システム”という二つのシンクロシステムを通して、友人同士が神経系をシンクロさせて動かす、まではわかった。エヴァは母親の魂とだったけど、今度は基地内にいる友人とだ。どうなることやら。

 とにかく始まってしまった物語。はばらさんには個人的にも期待したい。どんな作品に仕上げてくれるか、楽しみにしましょう!