一言書評 〜マダラサーガの感想〜


摩陀羅天使編3沙の子供,MADARAギルガメシュ・サーガ(6)(98/03/23)

 自分としては珍しく一気に読み終わってしまった小説・天使編3、ほぼ同時期に購入し読み終えたギルガメシュ・サーガ完結編、どちらも「魍魎戦記摩陀羅」から連なる壮大な「マダラ・サーガ」の一編である。

 様々な運命を背負った戦士たちが数多の世に転生し、出逢い、そしてまた転生していく。ストーリーは混沌とし、既に全体像を把握することは不可能である。今回のギルガメシュ・サーガ及び天使編では、かなりの設定が明らかとなってきている。この物語も果てしない。完結ということはないであろう。物語の終焉が語られる天使編は果たしてどのような話としてまとまるのか予想も付かない。しかしやはり時間軸を超越した転生戦士たちは、また元の次元に戻って歴史を繰り返していくのでしょう。

 物語の主人公というのが誰なのかという、そんなことさえ意味を為さない作品構成ではあるが、やはり重い運命と軽い性格を併せ持ちながら転生を繰り返す、聖神邪=犬彦=ゲド・ユダヤの活躍と、その運命を見守っていきたいですね。