一言書評 〜新機動戦記ガンダムWの感想〜


 アナザーガンダムストーリーの傑作、新機動戦記ガンダムW関連の感想をこちらにまとめておきます。
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鎧伝サムライトルーパー(2000/11/25)

 最近スカパーでチェックし始めたこの作品。言うまでもなく同じ池田成監督によるウイングの前駆的作品。これもDVDのペーパーで知ったのですが、やはりウイングの面白さは、ガンダムであると言うよりも、池田成作品であるからこそだということ。トルーパーで、さらにその前の「機甲界ガリアン 鉄の紋章」でも、この監督らしさ、というものが窺えるであろう。富野ガンダムにある心の弱さ、刻の涙というものを徹底的に排除した感のある“強いガンダム”。それが共通してみられる池田作品の良さなのではないかな、と思う。

 トルーパーはと言えば、ウイングのガンダムパイロットほど強くもなく(強いて言えば普段のカトルに近い?)、涙を流して友情に厚い純粋な少年たちの物語。まだ見始めたばかりなのでそれほど語れるわけでもないが、観られるだけは観てみたい^^。烈火の新しい白い鎧が、どことなくウイングガンダム(01)に近いフォルムに見えてしまうのは、私の気の迷いだな(笑)。とにかくみんなバスターライフルに近い超技を持ってるのがすごい!^^ 古き良き作品は、色眼鏡で見すぎて食わず嫌いにならずに、少しずつ観ていくこととしよう♪^^


新機動戦記ガンダムW DVD COLLECTION(2000/11/25)

 DVDでの発売が完了したW。しかしやはりエンドレスワルツ特別篇が無いのが残念^^;。なんとか出してくれませんかね〜?^^; エンドレスワルツは観てみたのですが、私の好きなシーンはほとんど特別篇で追加された部分であったらしく、収録されてなかったのが残念です。ゼクスとノインの再会シーン「1年と2日ぶりですね」もそうだし、黄金バスのドロシーが民衆に鼓舞するシーン、ナタクにボロボロにされて海に没し、傷ついた翼広げて再び羽ばたくウイングゼロの華麗な飛翔シーン、そして何より、BGMに「LAST IMPRESSION」がかかる、雪が舞い散りリリーナが宇宙を見上げ、ウイングゼロが地球へと向け飛び立っていくところ!!こればっかりは主題歌違いで絶対無いわけですが^^;。まあ、代わりに観れて良かったのが、OVA版の劇場版とは違うラストと、「WHITE REFLECTION」のエンディングムービーですね^^。ある意味OVA版は、小説や劇場版のプレビュー版といった感じがします。全て観てほしい終わり無きワルツですね^^。

 もう一つ初めて観たのが「ODD&EVEN」。特に「オペレーションメテオ2」の方は本編のすぐ後のシーンが挿入されており、単なる総集編ではない作りになっていたのが美味しかったですね^^。さすがというべきか^^。でも小説版やコミック版のような“マーズテラフォーミングプロジェクト”の話にはなっていかない。やはり本編も全部ちゃんと観ないとなぁ(笑)。

 終わりから行ってしまったが、本編も見逃せないシーン多し! なんと言ってもDVDは、観たいシーンが一発サーチできるのがいい!PS2だとそれほど自由度は無いのですが、それでも通常のメニューは開けるから、こいつは嬉しいっすよ^^。お気に入りは次の通り。

DISC-I-3第10話「ヒイロ閃光に散る」
DISC-II-1第16話「悲しき決戦」
DISC-II-3第24話「ゼロと呼ばれたG」
第25話「カトルVSヒイロ」
DISC-III-3第34話「その名はエピオン」
第37話「ゼロVSエピオン」
DISC-IV-1第39話「トロワ戦場へ帰る」
DISC-IV-3第48話「混迷への出撃」
第49話「最後の勝利者」

もちろんこれだけでなく、書き出すと好きじゃない話なんてのがほとんどないほど^^;。まあ語り出すと尽きないゆえ、いずれ1話ずつ振り返ってみたいと思います^^。ほんと、まだまだウイング熱は冷め止みません^^。

 DVDの特典で見るべき点があるのが、新聞大の解説書ですね。これはガンダムWを中心としたカタチで、様々なメディアがどういう影響を相互に受けてきたかがわかる充実の内容。是非是非じっくりと読んでもらいたい5枚のペーパーですね^^。


新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO(99/07/25)

 遂にガンダムWの原点たるこの作品を入手!読了した次第である^^。内容は、先の小説版エンドレスワルツの随所に挿入されていた、ガンダムパイロット5人+リリーナの過去の話を中心に、未だ語られていなかったオペレーションメテオ直前のそれぞれの想い、さらに書き下ろしの後日譚“プリベンター5(サンク)”というラインナップ。充実してますね〜^^。

 過去の話の方は、ほぼ小説版エンドレスワルツにて語られていたが、どちらにも他方になかったエピソードが若干入っており、二つを読んで初めて全てがわかるようになっている。それぞれの検証のページでは、謎のままにされていた内容が全て明らかにされているという完璧さ! 特にアディン・ロウの最後やその正体、小説にもなかったトロワとミディー・アンのエピソード、マリーメイアの生い立ちなど、必見な内容が盛りだくさんです♪^^ 紛れもなく、Wを語る上で欠かせない1冊でしょう。

 実質的なWの生みの親でもある隅沢さんの言うとおり、もう一度TVシリーズの作品が見てみたくなった。最初とは全く違った視点から、それぞれのキャラの想いなどがわかることだろう。Wを今からでも極めてみたい!という方は、是非是非このエピソードゼロまで読み進めることをお薦めします^^。必見の一冊です。


新機動戦記ガンダムW Endless Waltz(下)(99/07/08)

 「平和になじめない男」プリベンター・ウインドが八面六臂の活躍を見せるところから始まる後編は、やはり本編では語られない真実がたくさん含まれていた。ゼロシステムは悲しみのカトルが自分の能力すべてをトレースするように開発されたもので、戦闘時の能力的にはカトルとゼロシステムは同等だという。ただ目的が対極の正反対であり、EVE WAR以降のカトルはすでに凌駕してしまったため必要ないとのこと。逆にヒイロは、ウイングゼロに乗るとき、いつもゼロと無言の口論をしながら闘っていた(^^;。ゼロの暴走的かつ的確な攻撃指示と、「うるさい!黙れ、ゼロ!」というヒイロのやり取りは凄いものがある^^;。なんせ脳に直接送られてくる指示を平気で無視するのだから、とてつもない精神力だ。そのゼロを「克服」ではなく「征服」したというヒイロ。やはり並みではない^^;。

 エピソードとしては、カトルと五飛に注目! まずカトルは幼い頃から自分の生い立ち(実は勘違い^^;)に悩み続け、そして自暴自棄で家出状態なところで「マグアナック=家族」と出逢う。しかもそれが、エピオン以上の荒馬となった雷神・トールギスIIIに一撃で爆散させられた資源衛星「MO−III」でのことだったのは、運命の皮肉さかな? 自分の命の価値と、家族=マグアナックという仲間の大切さを知ったとき、小僧がカトル様になったとき、ここもなかなか感動的なエピソードですよ^^。

 誰よりも熱く頑なに正義を通す男・張五飛。彼がこれほどにも深い愛情の持ち主とは思わなんだ^^;。あの過激な性格から、愛妻家で小さな花畑を護るために闘ったなどと誰が信じられるだろうか?^^ 彼があれほど愛機を「ナタク!ナタク!!」と呼び慕うのか。それは正義を愛し、試作型トールギスで自爆するという、まさに身を挺して五飛を救って死んでいったかつての妻・竜妹蘭の姿と、正義への思いを投影していたから。それまで信じようとしなかった正義を信じ、一度はナタクなどという弱い名前を嫌い、自ら神龍(シェンロン)という名前を自分のガンダムに付けておきながら、ガンダムに宿るナタクと共に生き、共に正義を貫くことを誓った五飛。うーん、男だね〜(^ー^)。五飛はガンダムパイロットでもかなり好きな部類に入りますが、またこれでさらに見直しましたね^^。ラストで民衆の声に満足そうに頷き、戦いを捨てることを決め、妻・ナタクを安らかに眠らせることができる喜びの表情は、本当によかった^^。

 それと、アニメではさらりと流されてしまったけど、緊張の最高潮でものすごい緻密な心理描写が描かれてるとこが数カ所ある。X18999の「オペレーション・メテオ=コロニー落とし」を阻止すべく、ヒイロ、デュオ、トロワが遂行したコロニー制御回路の変更、カトルが廃棄資源衛星に飛び移る5秒間、ヒイロが高速で飛来するウイングゼロへ飛び移る12秒間、そしてシェルターへのゼロシステム不使用ツインバスター三連斉射。どれを取ってもほんの少しの油断が確実な死と全ての終焉を招くようなことを、ほとんど事も無げにやり遂げてしまったガンダムパイロット…うーん、さすがだ^^;。

 さて、劇場版特別篇には、OVAにも小説にも無いシーンが、やはりあったようだ^^。私が気付いたのは、ヒイロのウイングゼロが海中から起きあがり、ラストシューティングへ向けて傷ついた翼広げて飛び立つシーン、それと黄金のバスで登場したドロシー・カタロニアが、自由ではなく放縦に満足し、平和主義ではなく厭戦主義を良しとしていた民衆を奮い立たせるために演説するシーン。どちらも印象に残ってたシーンだけに、やはり劇場版はよかったなぁと今更ながら思っています^^。

 長かったウイングの世界、ようやく全体像を見ることができたような気がする。まだまだ語れば尽きることはないが、とりあえず一段落^^。もうひとつ、様々なところで紹介され、今回のあとがきでもしっかりと名前が出てた「EPISODE ZERO」を次こそは入手せねばっ! コミック、アニメ、小説、音楽、どれを取っても素晴らしいウイングの世界^^。是非是非その一端にでも触れてみて下さい^^。


新機動戦記ガンダムW Endless Waltz(上)(99/06/21)

 「特別篇」から入ったウイングの世界。この小説版エンドレスワルツの中には、その全てがあります。OVA版「エンドレスワルツ」を戦いの部分をクローズアップしつつ、短く纏め上げられた劇場版「エンドレスワルツ特別篇」の中には、再編集によりカットされてシーンが減った代わりに、OVA版では描かれなかったガンダムパイロットたちの真実「過去」を物語るシーンが短いながら挿入されていました。これは元々、この小説版で描かれた数多くの隠された物語、舞台裏を描くシーンの断片に過ぎませんでした。やはりこの小説を読んで、初めてウイングの世界の全貌がわかってくるんだなぁと、上巻を読み終えた今の時点で実感しました。ヒイロ、デュオ、リリーナ、ゼクス…それぞれに歩んできた過去が克明に描かれている。アディン・ロウやソロ、老神父やシスター・ヘレンのエピソードはウイングの世界観を知る上で本当に知っておいてほしい物語…。この人たちがいて、今のヒイロやデュオがいる。そういう実感。下巻もじっくりと読み進めたいと思います。


新機動戦記ガンダムW(98/11/04)

 アフターコロニー195年。作戦名「オペレーションメテオ」。5体のガンダムの伝説、ようやく見終えました。宇宙世紀とは全く異なる設定で、独自に展開されたもうひとつのコロニー社会での、戦いの歴史。様々な人間・組織の思惑が入り乱れ、愚かな戦争が繰り返される、という辺りはほぼ似たような設定かな?

 富野ガンダムの特徴は、やはりなんといってもガンダムパイロットたちの特異性、性格的にどこか普通と違って、何かを常に探し求めて、時には暴走する。ニュータイプという人類の新しい先駆けとかいう言われ方で、普通の少年でありながら、やがて大人達が巻き起こした戦争に巻き込まれ、ガンダムでの戦いを通して異を唱える…そういう感じがする。

 このウイングでは、まずニュータイプはいない。パイロット特性としては他の追随を許さないほど秀でているが、それは全て訓練されて得た力。元々戦うために生きていて、偶然ではなく必然として戦いの中に身を置き、生き続ける。そういうわけで、メンタル的に不安定な部分は(基本的には)無くて、常に冷静であり続け、任務を遂行する戦闘のプロだ。このアツくならず、常にクールなところなんかが、「女性うけするガンダム」と言われる由縁なのかな? まあ、こいつらは男から見ても十分かっこいい、格好良すぎるわけですが^^。

 ただ、違うとは言うけれども、根底に流れる「反体制の象徴」たるガンダム及びそのパイロット、という位置づけは全く一緒。方法論の違いこそあれ、やはり平和のために体制に対して、たとえ少数であろうと反旗を翻す姿勢を常に持ち続けるガンダムは、観る者へ 戦争と平和 というメッセージを投げかけ続けていると思う。

 モビルスーツとパイロットの方は、やはり格好いい^^。ヒイロのウイング、ゼクスのトールギス、五飛のナタクの戦闘シーンは特にアツい。さらには無人仕様のモビルドールや、ゼロシステム搭載型ウイングゼロ、エピオンなどは最早犯罪的^^;。バスタービームライフル連射、トールギスの超機動性、ツインバスター回転撃ちなど限界を超えたガンダムの凄さを見せつけられた。ゼロシステムの考え方は、サイコミュなどに近いのかとも思うけど、システムが危険に進化していったときの警告として受け取れるな〜。さらに機械仕掛けのモビルドールをものともしない最強のガンダム達は見てて爽快!機械に人間が負けるわけには行かない!ということを大いに謳っていた。

 ガンダムの付き物、ラスト数話の息を呑む展開の凄さはいつもながら圧巻。トレーズのトールギスUVSナタクの迫力ある戦闘シーンと呆気ないラスト、エピオンVSゼロの凄まじい戦闘とゼクスの最期(死んではいないが^^;)、そしてそして大気圏内からのツインバスターラストシューティング! こいつは似たような最期がエンドレスワルツでも見られたけど、やっぱウイングはバスターぶっ放すのが一番格好いいなぁ^^。

 さて、Wは見終わったことだし、未見のアナザーガンダムサーガも機会があったら観ていきたいと思います。


新機動戦記ガンダムW Endless Waltz−特別篇−(98/08/08)

 今まで敬遠してたアナザーガンダムストーリーですが、結構楽しめましたね〜。戦闘シーンのモビルスーツ戦などは、やはりガンダムならではのかっこよさで、こちらもGood! 特に後半のトールギスVの単機突入からガンダム集結、ツインバスターライフルをぶっ放すウイング0の最期などは、圧巻でしたね^^。何と言っても強い、強すぎるガンダムたち、でもやっぱり感情を持たない兵士の操るMSの数の前にはぼろぼろになっていく…。そして、この作品にもやはり根底には平和を願う、いや願うだけでなく平和を勝ち取るために行動することを訴えているものがある。人間兵器のような存在は自分たちで最後にしたいと願うガンダムパイロットたち…。やはり、アナザーとは言ってもガンダムに通づるところはあるんだなぁと思いました。

 この作品、いわゆる富野ガンダムとは違う異端児のような感じですが、作品見てて気が付いたのは、この作品は0083と同じく、植田益朗のガンダムなんだなぁということ。なんというか、訴えかけてることが似通ってるところがあると思います。

 キャラクターは、やはりゼクス・マーキスですね♪^^ 設定も容姿も考え方も、どことなくシャアに近いものがあるこの御方の活躍、台詞は実にいい! …逆に、他の主要メンバーを初め、リリーナやマリーメイア、その他の画面に映った一般大衆も含めて、性格的にも絵的にも感情が無さ過ぎる! 後ろにいたその他大勢に該当する人たちの表情、顔、みんな同じ人に見えたのは私だけか? もうちょい、主人公達以外の描き込みにも気を使ってほしいなぁ…。

 ぼろぼろになったガンダムは最後に葬られていく。戦闘の最中、大衆が立ち上がるための心の支えになる、何かに立ち向かう反骨精神のシンボルたるガンダムという意味で、これもひとつのガンダムなんだなぁと思った。やはり負け戦でも、それでぼろぼろになっていっても、その姿が心を打つ、後の世の人たちの道しるべになる、それがガンダムという作品に連綿と受け継がれてるテーマなのではないかなぁというのが、私のガンダム観ですね^^。 こちらも自宅にビデオが揃いつつあるので^^、いずれ本編から観ようと思います^^。