真っ赤な照明の中、けたたましくサイレンが鳴り響く。「ワルシャワの幻想」の重く冷たいフレーズに、興奮と緊張が頂点に達したところで、金髪ド派手メイクのミチロウが現れる。いよいよ待ちに待ったスターリンの登場である。そしていきなり客席に投げ込まれる大量の臓物。全て投げ終えるとそれらを入れていたバケツまで投げられる。噂には聞いていたがホントに何でもありのようだ。

その後はMCらしいものもなく一気に畳みかける、まさに怒濤のパフォーマンス。意外にも若い人達が『trash』収録曲なども一緒に歌っている。海賊盤買ってんじゃねぇぞ!あんたらの歌を聴きに来たわけじゃない。「先天性労働者」の前には、福沢諭吉がスターリンに、キジが豚の頭にそれぞれすげ替えられたニセ一万円札までばらまかれる。犯罪すれすれと言うか犯罪?まぁいいや。とにかく気が付いたら本編終了といった感じ。

すかさず「スターリン!スターリン!」と大合唱が始まる。期待に応えて再登場したミチロウ、今度は豚の頭を抱えている。そして豚とキッス。2曲演奏されたところで、ミチロウの呼びかけにこの日の出演者とその他のゲストがステージに駆けつける。仲野茂、PANTA、KENZIの姿もある。凄い面子だ。「最後のスターリン、最後の曲」は「仰げば尊し」。律が元スターリンの顔に戻りミチロウの横でギターをかきむしれば、宙也もパンク少年のようにステージで暴れ回り、客席にも飛び込む。最後にはケイゴがドラムセットを破壊し、金属バッドを投げる。マイクスタンドまでが客席中ほどへ飛んでいく。もうムチャクチャ、でも嬉しいし楽しい。そして全てが終わってしまった。足下は色々なものが混じってぬかるんでいる。

一瞬の静寂の後、さっきまでとは対照的にミチロウ一人がアコギとブルースハープだけでステージに戻ってくる。帰る準備をしていた者もその場に立ち止まる。「これが今の俺の姿だ!」大騒ぎしていたパンクス連中をも黙らせてステージを見つめさせる「天国の扉」圧巻だ。晋太郎の死、戦後50周年、今まで機会があればスターリンを復活させていたが、本当にこの夜が最後になるのだろうなと感じた。正直言ってLoopusの出演がきっかけになった参加だったが、来て良かったと心から思えた。今日ばかりは宙也よりもミチロウの日。

ワルシャワの幻想
365
バキューム
STOP GIRL
天プラ
溺愛
ロマンチスト
STOP JAP
先天性労働者
解剖室


下水道のペテン師
仰げば尊し

天国の扉

社会復帰する