ざ ろーど おぶ とおの

美凪 「わたしの名前と同じ駅があるそうです」
みちる 「美凪といっしょ♪」
往人 「前と同じ出だしだな・・・」
美凪 「バレちゃいました。ちょっとがっくり・・・」
往人 「それはいいとして、条件は?」
美凪 「・・・今度は遠いのでお米券1ヶ月分」
往人 「・・・わかった。善は急げだ」
みちる 「いつまでたってもくいしんぼさんの国崎往人〜♪」
ずびっ!
スッ。
みちる 「残念でした〜♪」
ずびびっ!
みちる 「にょめれっちょ!」
往人 「こいつだけは・・・」
みちる 「にゅ〜〜〜〜〜〜〜」
美凪 「・・・究極の名コンビ?」
往人&みちる 「ちがうっ!」
美凪 「・・・やっぱり究極の名コンビ」
      
一行はまず岩手県の盛岡へ向かった。

 国崎 往人

往人 「で、これに乗るのか」
美凪 「急行『陸中』です。ここから1時間20分くらいです」
往人 「やっとここまで来たか・・・」
みちる 「二人とも早くしないと席取られちゃうよ!」
美凪 「大丈夫。そんなに来ません」




みちる 「んに〜〜〜あかない〜〜〜」
美凪 「みちる、このボタンを押さないと・・・」
みちる 「あ、ほんとだ」
往人 「まだ寒いからな」





 みちる


みちる 「ほんとだ、だれもいない・・・」
往人 「しばらくはくつろげそうだな」
美凪 「ええ」




往人 「これは?」
美凪 「この線には駅にエスペラント語で愛称がついてるのだそうです」
みちる 「『ぶりーら りゔぇーろ』だって」
美凪 「日本語で『光る川』だそうです」
往人 「光る川か・・・」





みちる 「わぁ、さくらだーっ!」
美凪 「今がちょうど満開です」
往人 「遅い春ってとこだな」





美凪 「遠野に着きました」
みちる 「ほんとだ、とおのとおのーっ」
美凪 「・・・・・・ぽ」
往人 「・・・それもいいけどな、ここにはたくさん遠野が出てくるんだろ?」
美凪 「あ、そうでした。気をつけます」





美凪 「河童です。かわいい・・・」
みちる 「にゃはは、こんなのいるんだー」
往人 「伝説だけどな」
美凪 「そう、ここは伝説がたくさん残っている街です」
みちる 「ふーん・・・」




往人 「遠野の愛称は?」
美凪 「なぎーです」
往人 「・・・わかってていってるのか?」
美凪 「ええ、冗談です」
往人 「・・・・・・」
美凪 「遠野の愛称は『フォルクローロ』・・・」
往人 「なんとなく懐かしい響きだな」
美凪 「日本語で『民話』の意味だそうです」





 遠野 美凪

美凪 「遠野駅です」
みちる 「『みなぎ』よりすっごいおおきい・・・」
往人 「2階がホテルらしいな」
美凪 「ええ、フォルクローロ遠野です。みんなで泊まるにはぴったりです」





みちる 「にょはははは〜〜〜〜♪」
往人 「なんだこれは?まさか・・・」
美凪 「河童です。かわいい☆」
往人 「シュール過ぎやしないか?」
美凪 「そんなことないです」





往人 「遠野を知るためにはまずここか・・・」
美凪 「昔話村ですね」
みちる 「みちるもむかしばなしききたいーっ」





往人 「座敷童子か・・・・・・」
美凪 「ええ・・・・・・・」
みちる 「なんでふたりともみちるみてるの?」
往人 「やっぱり・・・・・・」
美凪 「たぶん・・・・・・」
みちる「・・・みちるはみちるだもん!ざしきわらしじゃないもん!」
往人 「それしか考えられないな・・・・・・」
美凪 「わたしも・・・・・・」
みちる 「ひ、ひぐっ・・・・・・」
往人 「ちょっとやりすぎたか・・・」
美凪 「お互い様です・・・」
みちる 「ひぐっ・・・」
美凪 「大丈夫。みちるはみちるだから」
みちる 「うん・・・・・・」





往人 「でもいかにも出てきそうなところだな」
美凪 「そうですね」
みちる 「ざしきわらしじゃないもん・・・」
往人 「気にするな」
げしっ。
往人 「ぐ、ぐえぇぇぇぇ・・・」
みちる 「ざしきわらしじゃないもん・・・」





所は変わって「伝承園」。

往人 「なんだこれは・・・」
美凪 「おしら様といいます。悲しい伝説が残っているそうです」
みちる 「お願いしていいかな・・・」
往人 「大丈夫だろ、な」
美凪 「ええ」
みちる 「ありがとーっ。ちょっとまってね」


みちる 「んしょ、と」
往人 「何をお願いしたんだ?」
みちる 「願いごとは人に聞かれるとダメなんだよ」
美凪 「ふふふっ」





みちる 「変わった電車だ〜♪」
往人 「ちょっと早いがこれにするか」
美凪 「そうですね・・・」



「伝承園」にて。

「ん、誰か落としたんかの〜」

『同じ時の中で笑っていられますように・・・』



【遠野駅データ】

JR釜石線。岩手県遠野市。
JR盛岡駅よりJR釜石線急行「陸中」で1時間20分。
JR新花巻駅よりJR釜石線急行「陸中」で40分。普通列車で1時間。

急行「陸中」は3往復。
普通列車は2〜3時間に1本なので絶対に時刻の確認が必要です。

この地方の民話や伝承が特に多く残っている街です。
いろんなところに神様や伝承が言い伝えられています。
時間をかけてじっくりかけてみたいところです。
できれば1泊以上はしたいですね。

撮影日 2001/05/02